【夏山前哨戦・二日目】鳳凰三山周回戦(ドンドコ沢・地蔵岳・観音岳・薬師岳・中道)【甲49.4】
- GPS
- 09:55
- 距離
- 15.7km
- 登り
- 2,141m
- 下り
- 2,126m
コースタイム
天候 | 晴れ→曇→晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道の悪さでいえば、青木鉱泉に至るまでの砂利道が一番苦だった。 危険箇所は特に無いが、滝を近くまで見に行くときは気をつけたい。 |
写真
感想
夏山前哨戦二日目は鳳凰三山である。八ヶ岳も候補にあったが、総合的に判断してこちらにした。
2500m超の山を歩くのは昔、立山に登って以来。その時より心肺機能が強化されているとは言っても、その時は山荘からの登山、今回は麓から。高山病への不安は尽きない。褌を締めてかからねばなるまい。
前日は当初道の駅韮崎に泊まろうとしたのだが、交通量が多く、トラックがたくさん停まっていてエンジンの音轟々たる状況だったので、さらに北の道の駅南きよさとに変更。別に八ヶ岳方面にも対応できるようにしたわけではない。
甲武信ヶ岳登頂戦で露払いというには歩きすぎた感もあり、21時台には就寝。
翌朝、起きると一面雲が広がっている。大丈夫かしら。現地には5時には着きたかったが、山の上で便意に教われないように10分トイレに篭ったりして出発が遅れる。
そして、車を出したはよいが雲が晴れる様子も無く、時折雨粒が。何度か車を停めて本当に行くかどうか逡巡する。まあ、天気だけでなく、連日の山行への不安も影響しているのだが。とりあえず現地まで行って、それから決行するのか、信州方面へ転進するのか考えることにした。幸い山に近づくにつれ、晴れてきた。
しかし、現地に着いてみると、橋の近くの駐車スペースをはじめとして青木鉱泉の駐車場も車で埋まっている。夜叉神からがメインだと思っていたのだが、人出を甘く見ていた。何とか空きスペースを見つけたのだが、車を入れるのに難儀する。駐車スペース脇の木が木になってスムーズに行かない。隣の車との感覚は3cmほど。隣の車の人が「無理だ」と言っているが、それなら誘導の一つでもしてくれよと思いつつ、がんばってみる。それでも、やはり木が気になって入れられず、一旦車を後退させ反対側の空きスペースに突入。こちらも隣の車が枠の真ん中に停めずに左側に寄せて停めていたので難儀する。最終的には車の先を藪に突っ込ませることでなんとか駐車できた。ここで教訓としては、こういう場所では駐車は奥からということと、駐車枠の真ん中に駐車すべしということ。
事前情報では5時台から駐車料金を徴収しているとのことだったが、5時50分頃に出張料金所に気づいて手続き。これでようやく安心して出発できる。
0557時出発。0500時には出発したかったが、何でもかんでも思い通りになるものでもない。当初予定としてはドンドコ沢から三山を経て南下の後、東進して戻ってくるというものだったが、脚のことも考えて無理はせず、前日と同様「ゆったりまったり」式で行くこととした。
ドンドコ沢については、アップダウンが激しくて大変という声と、大したことないという声があったが、鳳凰小屋のある2300mまでの路程としては普通ではなかろうか。
延々と登りが続くが、沢や滝のおかげで飽きが来ない。
最初に出会ったのは南精進滝。鳳凰三山に行こうと思うまでは山の向こうの白鳳渓谷にばかり意識が行っていたが、こちらもなかなかだ。何よりも滝のすぐ近くまで行けるというのがよい。滝に下りていく道を下り、若干濡れている岩をよじ登ると滝は堂々と眼前にその全容を現すのである。その後、道を戻ると上からも滝を眺められる所があり、数名の登山者が憩っていた。
鳳凰の滝にも滝の近くまでいける道があったのだが、何本もの倒木により進行を断念。
白糸の滝は、これまた大きく、しかもちょうど雲がかかる高度で、霧に煙る滝といった風で神仙の世界のような幻想的な感じであった。
そして、五色の滝。途中で沢沿いの道を選択して、登っていくと青空と日光に映えた滝が姿を現す。最初は距離を置いて眺めたり写真を撮ったりしていたのだが、滝壺近くの岩までいけると思い、再接近。横殴りの雨かというほどに風と水しぶきが凄い。濡れ濡れになってひんやりしたところで、非防水のカメラで数回シャッターを押して撤退。気分は爽快、この一連の滝を見られただけでも来た甲斐があるというものだ。
その後、オベリスクが見える所までくれば鳳凰小屋は間もなくである。
鳳凰小屋で水を少々いただく。大菩薩の時は1900m辺りまで1時間ちょっとで登れたと思うが、こっちは2300m辺りまで4時間。しかもあと400m登らないといかないのか。小屋から青空を眺めつつ、地蔵岳を目指す。
ある地点で、木立が消え、砂礫の斜面となる。結構人が下ってきている。オベリスクまであと僅かだと思って何回か砂上ダッシュしたのだが、なかなか近づかない。どうもオベリスクが思っていたよりも3〜4倍ほどでかかったため、遠近感に齟齬が生じたようだ。オベリスクの大きさを把握して後は焦らずゆっくり登る。
それにしても、心配していた天気も大丈夫で一天四海遍く眼下にあるといった感じだ。もちろんオベリスクによじ登る。八合目くらいまで行ったのだが、それ以上上はどうやっていくのかよくわからなかったので一休み。あとで、降りる段になって頂点へ登ろうとしている人がいたので、よじ登り方はわかったのだが、そのひとは結構難儀をしていた。また今度来るとき頂点に立つこともあろう。
ドンドコ沢の滝群と地蔵岳のオベリスク、そしてオベリスクからの光景で見るものは見たという気分になり、私としては珍しく何十分も居座った。
居座りながら、後のことを考える。脚や全体の疲労及び、時間的に考えて御所山回りで青木に戻るのは論外とすぐに結論が出た。そういう大作戦は満を持してやるものだ。あの辺りで日が暮れたら進退窮まるとものの本にもある。まあ、ドンドコ沢登っている時から今回は滝と三山で満足と考えが固まりつつあったのだが。
賽ノ河原に降りて赤抜沢ノ頭に登ってきたところで気がついたのだが、暑い。
私の理論では
高度1万mまでは100m上昇するごとに気温は0.55度低下する。
従って、東京が32度なら、ここは17度のはずであった。しかし暑い。
熱い、ヤバイ、間違いない。陽光は凄いですね。
潅木の陰で休む。今日は水分を多めに持ってきて良かった。
次の観音岳は近くに見えるがやけに遠く感じる。登っても登ってもまだ先がある。しかし、ここを踏ん張ればという気持ちで休み休み進む。対向登山者が来たら腰を下ろして行ってもらう。
女性に「空身ですか」と驚かれる。実際は空身ではないが、「空身でも大変ですね」としか答えられなかった。
ようやく着いた観音岳にも大きな岩があったので、早速登るとハエの歓迎を受ける。しかし、こういう場所でハエや羽虫を気にしたら負けかなと思っている。
岩の上でうつ伏せになって寝ている人がいた。先ほどより雲が増えてきており薬師岳方面は見えない状況だ。しかし、これがかえって陽光を遮り山行を楽にしてくれた。
元気を取り戻したためか薬師岳にはすぐに着き、ガスの中で岩にもたれながら軽食休憩。薬師岳小屋で小用をたして砂払山までは行こうかと思ったが、もう潮時だろうと中道を降りることとした。小屋のビール500円というのに惹かれたが帰りも車を運転しないとならないのだった。
薬師岳から青木鉱泉までは3時間45分とある。暫くは深くえぐれた荒れた道を膝を気にしながら降りる。
御座石からはちょっとましになり、笹薮が出てくる頃には歩きやすい道となる。
所々のぞく空は先ほどのガスはなんだったのかと思えるほどに澄み渡っている。
笹薮が大勢を占めるようになれば登山口はもう1時間以内。それにしても上りも下りも長い。2700〜2800mだとこんなものか。さすがガイドブックでも健脚向きとあるだけのことはある。今回の山歩は今後の良い教訓となるだろう。
平地に降りると脚が進む進む。本当に先ほどまで疲れていた脚だろうかと思えるほどに。
1600時少し前に青木鉱泉着。ビールが飲めない代わりにコーラを飲んだらむせた。
山帰りでいきなり炭酸はよくなかったらしい。
今回の山行は見所も多く、また来たくなると思わせるに足る収穫の多いものだった。惜しむらくは入浴する時間が無かったことだが、所要時間も概ね把握し得たので、次回は計画を立てやすくなることだろう。
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