【夏休みその2】大峰 立合川
- GPS
- 21:07
- 距離
- 34.8km
- 登り
- 3,647m
- 下り
- 3,653m
コースタイム
- 山行
- 7:53
- 休憩
- 2:05
- 合計
- 9:58
天候 | 両日とも晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
写真
感想
台風を避けて関東から関西へ戻ってきたお盆後半。
兼ねてから行ってみたいと思っていた大峰のゴルジュ沢立合川を遡行することに。
一応2泊3日想定で食料を持って臨む。あと2人なので車が1台しかないので上葛川に自転車をデポして車を回収する作戦で入山。
8月16日 噂に違わぬゴルゴル沢
立合川橋の左岸の道を下流側に下り、東海自然歩道通りに進んで行くと橋が出てくるのでその左岸から入渓。
早速ゴルジュが始まり泳ぎが始まる。ちなみに今回はダムの貯水量や過去の記録の写真と比較しても水量は少ない方で、滝や淵の突破に関して水量に悩まされることは終始なかった。
早速大きな釜を持ったナベ滝が迎えてくれる。取り付くシマもなさそうなので左岸の岩棚を巻いて通過。ここから第1ゴルジュの始まり。
岩間から流れ出るふじんぼの滝を左岸から巻き越え、さらによりきり滝を右岸から大きめに巻くと、滝上から川幅いっぱいのナメが続きテンションが上がる。
大きな釜なんかを持つナメを思い思いに歩いていくと、再び両岸が切り立ち、淵の泳ぎを強いられ、第2ゴルジュのスタートとなる。
入口のはままつ滝はそのまま泳いで取り付いて流心を直登する。
そこから見事なゴルジュが始まり進んで行くと7mの滝が出てくる。これは右岸の水がちょろちょろ流れているところを直登し、続く釜持ちの銚子滝は泳いで左岸に取り付きフリクションを活かしながら少し登ってバンドを伝って落ち口付近から越える。
銚子滝から迫力を増すゴルジュを進んで行くと、突然開けた空間となり35m滝が懸かる。この沢のハイライトの1つ洞窟の滝だ。
滝の落差や、見事な釜もさることながら、洞窟の名に相応しいえぐり取られた岩壁が織りなす造形も素晴らしい。釜を泳いだりしてしばし鑑賞。
近くまで行ってみたがなんとなく、流心右岸は登れるのではという感じ。
ひとしきり堪能したら銚子滝上まで戻って巻きにかかる。
左岸に入るルンゼをひたすら詰めていく。この沢の巻きは総じてなんとなく踏み跡は分かるものの、足元は総じて脆く、それなりに大きい浮石や使いたくなるような木が枯れていたりと、気を抜けない部分が多い。初級者がパーティにいる場合は、微妙なところでザイルを出したり、適宜落石などに対する注意喚起が必要となってくる。
ルンゼを詰め上がると木馬道にぶち当たるので少し歩いて「大滝」の看板の奥から登り微尾根を頼りに下りていく。テープもちょいちょいあり、踏み跡もある。懸垂なしで踏み跡伝いに沢身復帰することができた。
続くぬた滝を右岸から越えていくと第2ゴルジュは終了。
間延びすることなく第3ゴルジュが始まるが入口の滝からして到底登ることができず、右岸から大きく巻くことを強いられる。
右岸の岩棚に取り付き、一段上がったところを詰め上がっていくのだが、当初左へ左で上がっていってしまい、岩壁を備える微尾根にぶち当たってしまう。
ザイルを出してさらに登ろうとするも外傾気味かつ立っていて脆い岩壁でなかなか登っていけない。記録にもないし一旦やめて再度ルートを探す。
10mほど下ろしてルンゼを一跨ぎすると急ではあるが岩と灌木交じりの微尾根があり、なんとなしにある踏み跡とブッシュを頼りに高度を稼いでいき木馬道へ。
振り返ってさっき登ろうとしていたあたりを見るとずっと岩壁が続いており、あきらめてよかったという感じ。
関西起点沢登ルートでは懸垂で沢身に戻るとあるが、すぐに下降しようとせず少し進んで無理なく下りられそうなところを探せば懸垂なしで沢に戻ることができる。
巻きで汗だくドロドロになったので沢にどっぷり浸かって一休み。すると不思議なことにドクターフィッシュのように下半身に小魚がまとわりついてくる。あとで調べたらアブラハヤのようだ。巻きで服に着いた泥?なんかを食べようとしているのか。
さて少し進むと第4ゴルジュがスタート。最初に出てくる滝が登れないので左岸から巻いていく。これまでの巻きに比べると素直な巻きで難しさもない。
その上の滝も一緒に巻いて沢に戻ると、100mの廊下がスタート。両岸遥かに聳える岩壁に間に続く長く暗い淵を泳いで進んで行く。ここのゴルジュは岩壁の造形も相まって立合川の中でも見事。そして抜け切ると明るく釜をたたえたナメが眼前に広がるのも含めて、洞窟の滝に次ぐハイライトだ。ため息がでるような美しいナメが続く癒し空間でしばしの休憩。
ここからはゴーロ歩きとなる。しかしながらヌメりが強い沢とは聞いていたが、第4ゴルジュあたりからちらほら出てくる赤い岩が取り分けて滑る。河原歩きといえどなかなか気が抜けないと思いながら、特徴的な大杉や朽ちた吊り橋といったランドマークく確認しながら進んで行くと、大きな滝にぶち当たる。
うしおの滝だ。右岸のガレガレルンゼを落石に気を遣いながら詰めていき、岩壁にぶつかったところで右に折り返し、尾根に乗るべく踏み跡を歩いていく。
尾根に乗ることが2.5mくらいの段差になっていて少しの登りにくいが残置もあるので手こずるようであればそれを頼りに越える。そこから先は懸垂なしで沢身へ。
幕営できそうな適地を見送りながらゴーロ歩きを続けているとひと際大きな釜を持った滝にぶち当たる。これが第5ゴルジュの始まり。
早速左岸に取り付いて巻きにかかる。一定高度を稼いだらうっすらある踏み跡を辿って進めるだけ進んで懸垂で沢に復帰。
続く5mの滝は右岸の岩間を登って突破。これで第5ゴルジュは終了。
あとは幕営適地を探してゴーロ歩き。もう少しで沢が屈曲して第6ゴルジュが始まるのかなというところで右岸に適地を発見。
なんだかんだで盛沢山の9時間行動で疲れた。
そんなこんなでタープを設営し、薪を集めて焚火を点火。そのあとはゴロゴロしながらご飯を作る。メニューはペミカンハヤシ、疲れた体には最高のごちそう。
マシュマロだったりウィンナーを焼いて夜は更けていく
8月17日 笠捨へ喘ぎ登る
昨日のうちに第5ゴルジュを越えることができたの2泊3日で考えていたが、1泊2日で抜けられそうだ。しかし、そうなると長丁場。3時半に起床し棒ラーメンでおなかを満たし6時前にテンバを出発する。
ほどなく第6ゴルジュが始まるのだが、明るくなってきてからアブの攻勢がうっとうしい。日本海側に比べたら全然大したことはないのだが、常に5〜6匹のアブにたかられ、足を止めて油断しているとチクッとやられる。今日1日こんな感じなのだろうかとテンション下がり気味で第6ゴルジュへ。
ゴルジュ区間はゴーロよりかは遥かにアブは少なくなりちょっと安心。
両岸が狭まり奥に滝が続くようだが今日も今日とて巻き。左岸のルンゼを詰めて巻いていく。昨日までにくらべると比較的小巻きで下降も懸垂もなく、簡単な巻き。
第6ゴルジュと第7ゴルジュの間はまたゴーロでアブが増えるので足早に進んで行く。
第7ゴルジュは始まりの滝を左岸から巻いて、続くスラブ滝も左岸から巻く。第6同様、大きく巻くことはなく比較的容易に巻くことができる。
第8ゴルジュはナメっぽい感じで始まり2mくらいの滝が連続する。
左岸側から登っていくが微妙に登りにくい感じだった。
さらに先に進むと12m滝が出てくる。その上にも滝が続いているようなので、右岸の岩棚に取り付いて巻きにかかる。浮石・落石に気をつけながら右手に見える岩壁に目指し、沿って登っていくと尾根をのっこすことができる。
のっこした先は切れ落ちているので懸垂下降で沢に復帰。50mだと余るが30mだと足りなさそうな高さだった。
第8ゴルジュ的な部分は終わっても小規模ながら函地形は続き、苔むしたいい感じの雰囲気の中、進んで行くことができる。
泳いだり斜滝を越えたりしていくと、これまでの第〇ゴルジュのように両岸が高く切り立ち、その奥に18mくらいの滝が二条になって注いでいる。閉塞的な空間だが非常に魅力的な感じ。
当然登ることは叶わないが、ゴルジュをいけるところまで行ってみる。チョックストーンが挟まった奥に進み注いでくる滝と釜を確認して引き返す。
戻った左岸のルンゼを詰め上がっていくが、途中岩棚が立って登るのに気を遣う箇所もあった。初級者がいたらザイルを出してもいいかもしれない。
巻き終えて沢に戻ると巨岩がつまった平坦な沢になりそのうち水が伏流する。
このあたりが八丁河原のようだが想像していた河原とは違った。
暑い中、アブをつぶしながら廃小屋を見送りながら詰めていく。
進んで行くと巨岩の枯れ沢のまま斜度が出てくる。ルートファインディングをするのがちょっと面倒。奥二俣の先で水が復活するとのことだったが、水量の少なさも相まってかなかなかでてこない。結局ちょろちょろくらいのところからコップを使ってなんとか汲むことができた。
そんなこんなで巨岩を詰めていくとどう頑張っても登れない枯滝が出てきてしまったので、右岸側の尾根に追いやられる。踏み跡にしてはふかふかするところ登り上がっていき、暑さと疲れでぜぇぜぇ喘ぎながら、やっとこさ稜線上に辿り着くことができた。
沢中からブヨを一杯連れてきてしまったので、休憩もそこそこに笠捨山にアタックする。
笠捨山東峰の反射板のところは開けていて眺めが良い。西峰が正式なピークのようで奥駆道の道標や説明版が立っている。ピークのボッコのところには本当に笠が捨てられていた。休憩して写真を撮って下山開始。
意外とピンクテープもあるが、尾根を間違えないように地図でもしっかり確認しながら降りていく。蛇崩山分岐の先は尾根上に続くいくつかの小ピークを上り下りしなければならないかと萎えていたが、意外や意外、巻くように道がついて一安心。
尾根を外してからは杉林の中をダーッと降りていくが、後半はちょっとガレてきて足に来る。
集落に下りきる直前でちょっと道をロストしながら橋に辿り着いて上葛川に下山。
それにしても夏に日差しが燦燦と注いで暑いったらありゃしない。
samoaがデポしていた自転車で車を回収しに行く。12kmほどの道のりだがほとんど下り坂なので快適に走っていける。最初のうちは風が気持ちよかったが、高度を下ろすと如実に気温が上がり、斜度も緩く漕ぐ必要があるので汗ばみながら。
立合川橋につながるトンネルに入るととっても涼しいが、意外とライトとライトの間が暗く、ライトをつけ忘れていたので思ったよりも視界が聞かずちょっと核心だった。
そんなこんなで愛車へたどり着いて、すぐさま上葛川に上り返してtentyoと荷物を回収。お疲れ様でした。
下山後は十津川温泉の泉湯で汗を流し、晩御飯をどうしようか一瞬迷ったが十津川踊り十津川の大踊りが開催されているとのことで、会場にいってユネスコ無形文化遺産の十津川大踊りを見ながら屋台飯でおなかを満たし帰路についた。
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