大変だったけれど最高でした!とはとても言えない初の裏銀座-雲ノ平の縦走
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- GPS
- 79:17
- 距離
- 55.2km
- 登り
- 4,806m
- 下り
- 4,805m
コースタイム
- 山行
- 8:31
- 休憩
- 0:59
- 合計
- 9:30
- 山行
- 6:41
- 休憩
- 1:53
- 合計
- 8:34
- 山行
- 7:45
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 8:09
2日目はスタートが遅すぎました。
3日目は完璧でした。スケジュールも余力的にも。
4日目は試練の日でした。
天候 | 10日 曇り 11日 小雨霧雨 12日 晴れ 13日 爆風、所により一時雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
濁沢の橋が前日の台風で流されているのを知らなくて、 自分が行った時には細長い濡れた丸太が1本掛かっているだけ。 私は途中で落ちてしまいました。 その後、もっと太い丸太になり且つ2本に。 これもまだ仮設であとでちゃんと以前の様な橋を設けるそうです。 雲ノ平の木道、破損して跳ね上がる所が数カ所あります。また、尾瀬と比べると段差も大きいので余所見していると危ないです。 朝は霜が降りて木道は凍りついて滑ります。 13日の野口五郎岳周辺の風には恐怖を感じました。 ザックと自身の体重で100kgはあるのに、何度も飛ばされかけました。 天気が悪い時には要注意だと思います。 |
その他周辺情報 | 大町コミニュティセンター 上原の湯(わっぱらのゆ) 400円 |
登りに行く前も見えていて、登ったら見えなくなる…
ここに来るまでの日常生活。
大雨の運転、危うく車が水没しそうになった事。
そして濁沢への転落。
色々ついていなく、嫌な予感がして縦走そのものは諦めムードでした。
私はまだ早いですが、もう休む事に。
テン場は整地されていて庭園の様に綺麗。
小屋から遠くてトイレが大変なのが難点でしたがこの日は私独りだけでした。
小雨が降ってきて雷が遠くで鳴っていました。
野口五郎岳へ行ったもう一人の方とは二日後に水晶小屋で再会します。
テントで独り飲み。
この時はもうココでゆっくりのんびりして縦走そのものは止める気でいました。
縦走やめるつもりだったのでその事を小屋番の方に告げましたら
「それは勿体無い、土曜日は久しぶりに晴れますよ」
との事。
簡単に心変わりをして予定通り雲ノ平へ向かう事に。
でも出るの遅かった〜。
道脇の石の仕切りに愛を感じます。晴れていたら素晴らしいだろうに。
ガスで結構迷って違う所を歩いて時間を使いました。
ケルンを辿れば正しい道へ行けますが、そのケルンが立派なものとは限りません。
台風で崩れたのかサトウの鏡餅程度のケルンを見逃さないようにして下さい。
天気だったら問題ないと思います。
山荘内は別世界。ちょうどご飯の時間でなにやら鍋が出ていました。
なんか妙な格差感を(笑)
昨夜、烏帽子小屋でコンロ用のライターを無くしてしまい、借りる事に。
つまり…
明日の朝、またここまで返しに来なければいけません。
ちょうど日の入り時刻に。
ガスが取れてとんでもない感が出てきました。
THETAによる日の入りタイムラプス動画
https://youtu.be/EB3h335HF8c
撮影終わってシュラフに入ったら異物感。
無くしたと思ったライターが(汗)
翌朝、不思議と寒くないんです。
しかもフライシートがさらりと乾いていて殆ど濡れていません。
撤収が非常に楽でした。
初日の落水を思い出して少しビビります。
先にこっちへ向かってから鷲羽岳、という風にしたほうがラクかもです。
この道を上がるのはなかなか大変かも。
三俣山荘への登り返しはそうでもなかったです。
おじさんも真似をして撮ってもらいましたが、モモがこんな風に上がっていませんでした。
若いって素晴らしい。
この方とは水晶小屋でご一緒、楽しいお話聞かせてもらいました。
雲ノ平テント場で一緒だった方とよくすれ違いました。
先に水晶→鷲羽岳って方々が多かったです。
こっちから「会いましたよね?」声をかけたり、逆に向こうから声をかけて貰ったりして嬉しかったです。
小さい小屋でしたが温かい雰囲気が良かったですね。
ここで先程の若者、初日一緒にブナ立尾根登った方と一緒になりました。
画像リサイズしたら細部潰ちゃったのですが、オリジナルでは縦走路がハッキリ見えていて、歩いたらさぞかし気持ちいいんだろうなぁ…というのが分かりました。
アルファ米とカップヌードルリフィルばかり食べていた自分には2日ぶりのまともな飯です。
ありがたいです。大盛りで3杯食べました。
これが翌日の荒天に響きます。
感想
今回の山行をするにあたり、様々な出来事、仕事やプライベートな事を含めて障害が多々ありました。
書くと凄く長くなったのでここでは止めます。
とにかく、山中毒になった人は、天気が悪い日は行かない無理をしない、なんて当たり前の思考、自制する事も出来なくなるのかと思いました。
結果としては厳しいながらも素晴らしい景色、素晴らしい体験、貴重な出合いがありましたけれど、だからと言って「失敗もあったが勉強になった」「良い山行になった!」
なんて言葉で締めくくるにはあんまりかなと。
勿論、あくまでも自分の実力範疇での事です。
様々な出来事が、幸運な方へシフトして、たまたま無事に登って降りてこられた、という事を自分は肝に銘じなければならない…
なんて今は思うけど、これまた怪しいですね。
また暫くしたら忘れて無理をしそうです。
・高速で色々あって9時間の運転、そのまま不眠で登山口
・濁沢への転落。
・雲ノ平で木道を踏み外し豪快に転ぶ。
・当初は竹村新道で下山予定が、暴風で下を向いていたら見過ごす。
・野口五郎岳周辺で爆風、何度も体が浮きそうになる。
最終日が一番怖かったです。
去年の強風の中での涸沢岳 - 大キレット越えよりも恐ろしかった。
ザックと自重を合わせると100kgを越える私の体が何度も浮くのですから。
嫁と娘の顔がちらつきました。
こんな好き勝手な事して何かあったら彼女らに申し訳ない。
そもそも最初の濁沢の丸太橋を見て、危ないなぁ!とは思っても、普通じゃないぞ!?とは全く思いもしなかった。
見るからに滑りそうなのに。
ブナ立尾根を登っている最中も、思っていたのは濡れた登山靴の気持ち悪さ、ザックのダウンシュラフは無事か?あほ!そんな事より一歩間違っていれば命が無かった、俺のバカ俺のバカ!って事を延々頭の中でループさせていました。
おかげで初めてのブナ立尾根そんなに辛くなかったのが幸いでしたが…
…って、ほら!こういう事です。
何かが起きる→結果として良かった、的な事が多すぎました。
私が落ちた事は小屋番さんのネットワークであっという間に広まり、結果として太い丸太が2本、仮設とはいえ設けられた事もそうですが。
最終日の真砂岳から竹村新道への分岐を見逃したのだって、結果としては烏帽子小屋まで来てしまえばブナ立尾根は風の影響うけずに安全に降りる事が出来たけれど、それ以前に大問題なのは、あんなに分かりやすい分岐標識を見逃して、気付いた時には野口五郎岳の山頂標識が見える所まで登っていたという事です。
これは大問題でしょう。
後もう一つ、これもたまたまなのですが、最終日にテント泊は諦めて水晶小屋に泊まったのだって後から考えると物凄く幸運でした。
水晶小屋で力汁を食べた事。
水晶小屋の夕食でカレーを大盛り3杯食べた事。
水晶小屋のおにぎりお弁当を頼んでおいて食べながら降りた事。
あんな強風爆風と、連日の縦走疲れ、全身筋肉痛、足のマメだらけでも無事に降りられたのは水晶小屋のお陰です。
ブナ立尾根を孤独に降りている最中、最後のおにぎりを食べている時、端にあったアルミホイル包みを開けたらチキンナゲット2個入っていたのを見た時は本気で涙が浮かびました。
一気にこれまでの事を思い出してしまったからでしょうね。
熱くなって入れあげている中年ほどみっともないものはありません。
中年ほど周りが見えなくなるから尚更です。
そもそも山じゃなければ私はこんなに歩ける人間じゃありません。
如何に山が今の自分にとっての麻薬的なものなのか、という事が分かります。
今回寄らせていただいた山荘や小舎の小屋番さんは自分より若い方が多かった。
本当に有難うございます。
烏帽子小屋のお兄さん、無事に下山しました。
様々なアドバイスと迅速な対応、心から感謝です。
ブナ立尾根から一緒に登り、下山も一緒(ルートは違うが)千葉の方、ありがとうございました。
お互い無事に降りられて何よりです。
群馬の還暦越えとは思えないアクティビティ大好き健脚おじさん二人組、助言の数々ありがとうございます。
お二人のように自分もなりたいです、目標にさせていただきます。
北アルプステント泊縦走は自分にはまだ早かった。
だからと言って来年もレベル的にはそんなに変わらないと思います。
どうせ行っちゃうでしょうから、せめて謙虚さ、怖さ、心配性な気持ちだけは無くさない様にします。
kajugumiさん お早うございます!
私は登りが苦手で辛いのになんで山に登るんだろうって毎回思うんです
でも下山しちゃうと山に行きたくなるの繰り返し(*^_^*)
今回は色々あって大変でしたがケガもなく無事に下山出来たので良かったです
ご家族のこともあるけど最後まで歩き無事に下山することが登山ですよね
お互いソロで歩く事が多いです
私も暴風雨や吹雪の中歩いたことは数知れず
絶対山のゴミにだけはならない!と自分の気持ちにいいきかせてます
アルミホイルのチキンナゲット・・・
kajugumiさんの大変だった行程が想像できるのでウルッとしちゃいました
お疲れ様でした!
apoidakeさん、自分もそうです。
特にバカ尾根からの丹沢縦走なんて、いまだになんでまたやりたくなるのか分かりません。
おそらく来月行っちゃうでしょう。変態なんですかね。
今回のは長期有給休暇をずっと前から取っており9連休だったんです。
もちろん、全部晴れだなんて思っていませんでしたが、流石に全部悪いって事はないだろうと心の何処かで思っていたのでしょうね。
休暇の最初の3日が雨で何も出来なくなると、もうイライラが止まらなくて、映画とかも見に行きましたが、その時はいいんですけれども、終わったらまたイライラ…
それで行ってしまった感じですね。
長期休暇取っていなければすぐに諦めたと思います。
ナゲットは…本当にお恥ずかしのですが泣いちゃいましたね(汗)
どれだけ色々な方に助けられてきたかと思うと。
自分、馬鹿だなぁって(-_-;)
kajigumiさん
はじめまして。10日に竹村新道から高瀬ダムまで降りた者です。濁沢の橋は流されたと聞いていたのですが、高瀬ダムでタクシーの運転手さんに、「今日は2組ほど登っていきましたよ。」と伝えられ、丸太が1本残っていることを知りました。そして落ちた方がいるということもそこで聞きました…。
山小屋の方々は、親戚同士ということもあるし(烏帽子と野口五郎とか)、お互いにあるいは警察を介してマメに情報収集しているのですぐに情報は伝わるのだと思います。
最終日、強風だったのですね。私は台風の時に野口五郎にいましたが、その日は小屋にとどまり、翌日は風は強くなかったので幸いでした。
何より無事の下山、お疲れ様でした。ご自身の体験のアップもありがとうございました。
そしてはじめまして!
プロフィール拝見致しました。
すごい…私には出来ん!
レコも見ました。
二転三転する様が何とも緊張感漂います。
でも、そんな中、野口五郎小屋でゴロー話で盛り上がったんですね!
う〜ん、私も混ざりたかった(笑)カックラキン世代なので。
アイディア一杯ありますよ〜
何処かでご一緒出来たらよろしくお願いします!
あの記録的豪雨の中…壬生のSAでの待機、(以前のコメントで)御自宅は茨城…
でも海に近い所だったはずなので大丈夫だよな?…と、心配しておりました。
が、その後Uターン?北アルプスに向かったとは…しかもあの奥深い山域に!
さぞかし、御家族の皆様は心配されたでしょう…(苦笑)
私は、石橋をたた…き壊して、自分で作り直して渡るタイプに付き、
その行動力はとても羨ましく、只々脱帽です。
たくさんの(自分なりの)反省をお土産に、無事の御自宅…お疲れ様でした!
…今回もまた、思い出に残る素晴らしい山旅となりましたね
面目ないです。あのまま一度は茨城に引き返したのですが、つくば土浦方面から東京へ行けるのでそっちへ…
でも、ご承知の通り、そちら方面もとんでもない大雨で東京抜けるまではずっとハラハラな運転でした。
その時点でもう意地になっていて冷静な判断は出来なくなっていたと思います。
雲ノ平のテン場はそんなにきっちり区画されている感じではなく開いてるスペースに張る感じでした。もっとゆっくりのんびりしたかったですね〜、滅多に行ける場所じゃないので。
こんにちは、果汁さんは僕が行きたいところばかり行ってくれるのでとても参考になります。 TUBE動画も見てますよ!
色々あって大変でしたね。山の魔力にとりつかれて、その感覚がわかります
どんなに山のプロフェッショナルな方であろうと山では絶対というのはないですからいつも危険が隣り合わせですね。 山登りやってる人は危険にあったことは何度も経験するはずですが、そこでまた勉強するのであるし無事帰ってこれたという充実感はなんにも代えがたいものですね。
僕も昨年のお盆にテントを背負って新穂高からですけど雲ノ平目指しました。
悪天候と体力の限界で目的地にはつかなかったのですけど、この時に今後無理をするのはやめようと思ってまた一から体力づくりに励んでいますよ。
よく山は逃げないというけどまさにその通りですね。
これからも気を付けて山登りしてください。
meucoracaoさん、大変でした。
山での無理というか、それ以前の日常生活から何かしら上手く行かずに今回の山行で流れを変えたい!っていうので変に意地になっていたかもしれませんね。
結果としてはなかなか大変な目に遭っちゃった訳で反省です。
ただ、仰るとおり充実感なんですよね…
烏帽子小屋でのオリオン座、雲ノ平の日の入りと天の川、三日目の好天、あとは全部しんどかった思い出ですが、これだけで救われるというか、いろんな大変さがチャラになるくらいお山は気まぐれに私に絶景を見せてくれます。
kajugumiさん、はじめまして。
swに裏銀座に行くので参考に読ませていただきました。と言っても雲の平にはいかないのですが、度重なる不幸?とそれをひっくり返すかのような絶景と(そのあとまた大雨でしたっけ?)にじっくりレコを読んでしまいました。参考にするどころか、感動しましたよ。
ゆっくり休んでまた楽しい山行をしてください。
ではでは。
swに裏銀座行かれるのですね。かなりの混雑かと思われますが、よい山旅になられる事をお祈りします。
過去レコも遡りながらざざざっと見させて頂きました。
すごい勢いで息子さんが小さくなっていきましたよ。
逆に言えば物凄くニョキニョキ成長されているって事ですよね。
うちの娘もみるみるデカく(横にも)なっていて若さが眩しいです。
度重なる不幸→絶景→暴風爆風 まさに(笑)
よく9しんどくても1良い事あれば人は耐えられる!なんていいますけれど山なんてまさにその典型な気がします。
更にその9のしんどさの内、7はしんどいけど気持ちイイという変態的な感覚、残りの2が本当にヤバかった事でしょうかね、自分は…
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