岩木山 嶽温泉から山頂へ〜帰りはリフト


- GPS
- 07:17
- 距離
- 7.3km
- 登り
- 1,205m
- 下り
- 406m
コースタイム
- 山行
- 5:03
- 休憩
- 2:15
- 合計
- 7:18
天候 | 晴れのち雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2024年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
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コース状況/ 危険箇所等 |
嶽登山道はよく整備されている。途中分岐跡あり。 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
ズボン
靴下
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
行動食
非常食
飲料
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
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感想
以前から東北の山には憧れがあって、月山に行ってみたいと思っていた。そこで春先に出羽三山を巡る計画を立てようとしたが、羽黒山の五重塔が修復中であるという。それならば筆者がまだ行ったことがない青森県に行こう、ということで、八甲田山に行く計画を立てた。しかし、今度は熊の出没により八甲田山の登山道は閉鎖となり、いつ解除になるかわからない。そこで、本州最北の百名山、岩木山に登る計画を立てた。岩木山自体は1日コースだから、前後の日程は観光に充てる計画である。我らがリーダーは、観光するなら青森県立美術館の「あおもり犬」をみたいという。それも登山の後に見たいという。注文が多いなあ。まあでも、前日に岩木山の麓に行っておく必要から考えると、3日目に「あおもり犬」の方が効率的だ。ということで、大まかな計画が決まった。
岩木山にはいくつもの登山コースがあるが、一番一般的で体力的負担の少ない嶽温泉から登るコースを選んだ。なので前日泊は嶽温泉にしようと思ったが平日なのに結構混んでいる。どうやら高校生のテニス?の大会があるらしかった。それでも登山口に近い西澤旅館さんに予約できた。時間的・体力的な都合から帰りは八合目からバスを利用することにした。
さて、当日、弘前駅でリーダーと待ち合わせて、というか、筆者が待ち合わせ場所を勝手に変更しようとして若干のトラブルがあった後、弘前城公園へ行く循環バスに乗った。バスはなんと前乗り前降りである。なので、乗り降りに時間が掛かる。しかも道路はそこそこ混んでいる。ここはタクシーを使うべきだったと後悔した。それでもお目当ての旧市立図書館や弘前城などを一通り見て、藤田記念庭園にある有名なカフェでアップルパイも食べて、いざ嶽温泉に向かうことにした。
嶽温泉行きのバスは弘前公園入口の市役所前というバス停も通るのでそこでバスを待つことにした。5〜10分遅れで、バスが来たと思ったら、「満員です」と運転手さんがバスの中から拡声器で行って素通りされた。マジか? 想定外の事態だったが、計画を立てる段階で弘前市街からタクシーを使うことも考えていたので、タクシーを拾って嶽温泉へ向かった。しかし、平日に満車で乗車拒否というのは予想していなかった。タクシーでも行ける距離だったからいいようなものの、そうじゃなかったら計画が全部台無しになるところだった。どうやら既述の体育大会が影響していたのではないかと想像するが、筆者たちのように公共交通機関で移動する方には参考にしてもらいたい事例であった。
それでもタクシー利用で(7,000円弱でした)嶽温泉に着き、西澤旅館さんに入り、一風呂浴びてモヤモヤ感がだいぶ緩和された。ここのお湯は白濁・加温なし、いわゆる源泉掛け流し、というやつだろう。筆者は温泉にさしてこだわりがあるわけではないのだが、すごくいいお湯であった。効能書きを見ると、pHが2.27とある。これは、穀物酢やレモン汁に近い。昔ながらの温泉、という感じでとても良かった。江戸時代から知られていた温泉で、脱衣場に貼ってあった当時の番付表で前頭三枚目に載っていた。食事も大変美味しかった。翌日の朝食の時間も我々の希望に合わせてくれて、余分な荷物を預かってもらった上に下山後の日帰り入浴もさせてもらった。大満足であった。
さて、登山である。予定より10分ほど遅れて嶽温泉登山口を出発。リーダーは前回の山行で失くした熊鈴の代替品、つまり新品の熊鈴を鳴らしながらスタートした。なかなかいい音である。宿のおかみさんの話では、岩木山の南側ではあまり熊出没のニュースは聞かないということだったが、くれぐれも出会いませんように。
登り始めはカラマツ林である。しばらく行くとこれがブナ林に変わる。筆者は樹木には全く詳しくないのだが、前日に弘前城公園に行った際に、セット券で入場した植物園に白神山地の植生を模したコーナーがあって、ブナの樹皮がどんな感じか予習していたのでわかったのである。東京近郊の低山だと植林のスギ林が多いので、だいぶ印象が違っていた。道は整備されているが、岩木山は火山だから段々傾斜がキツくなる。樹林帯を抜けていない段階でも徐々に傾斜がキツくなってきて、かつ足を置く一段の段差が大きくなってきた気がする。東北人は足が長いのだろうか?人間も哺乳類だからベルクマンの法則に則っているかもしれない。いずれにしてもこの段差は後から効くかもね、とか言いつつ、登っていくと、植生はブナ林から灌木に変わり、予定より早く八合目駐車場に着いた。ここまで2人に抜かされただけだったが、それは我々が早いのではなく、単に下から登ってくる人が少ないからだろう。だって抜かした人はいないもん。
八合目駐車場には待合の大きな建屋があって、綺麗なトイレも用意されている。ここから九合目まではリフトに乗ることもできる。リーダーが観察していた間に限って言えば、ほとんどの人がリフトを使っていたようである。でも我々は当初の予定通り登山道をいく。登山道はリフト乗り場の脇の発電施設の横から入る。ここからは低木の細い道をいく。すれ違えないぐらいの道だが、我々が登って行った時にはさほどの問題は生じなかった。木々はダケカンバが目立つようになり、それも雪の影響だろうか、曲がって生えているものが多い。40分ほど登ると九合目についた。
九合目はちょうど鳥海火口の部分でリフト降り場からはちょっと下ってくる位置関係になる。ここで植生は途切れ、岩場になる。鳳鳴ヒュッテという避難小屋をすぎると一気に斜度が上がり、手も使って登るような道になる。一旦平坦になってから再度急坂が始まり、あまり明確ではないがところどころ一方通行のようになっている。おそらく渋滞防止を図っているのだろう。そんなことを思っているうちに1時間ほどで山頂に到着した。予定よりちょっと早めに着いたので、ゆっくり休憩することにした。東側に回ると津軽平野の向こうに八甲田山が見える。そして思いの外、日本海が近い。北東側に津軽半島が伸びていて、ずいぶん湾曲して見えるね、などとリーダーと話していたのだが、後で地図を確認すると、津軽半島の西側に小泊岬というのが突き出ているではないか! 津軽半島の西側はまっすぐな海岸線と思っていたが違っていた。その東には多分夏泊半島と思しきものも見えていた。周囲の人が話しているのを聞いていたら下北半島も見えていたらしい。この日は風もなく、山頂でずいぶんゆっくりして、前日に買ったアップルパイなどを食べて過ごした。尚、翌日もアップルパイを食べたので、1年分のアップルパイを食べてしまったかもしれない。
さて、そろそろ下山しよう。山頂神社に立ち寄ってから急な岩場を下りいくと、途中でリーダーが、急に「リフトに乗るよね?」と言い出した。え、計画と違うじゃん、と思ったが、密かにラッキーと思った。その代わり、鳥海山まで行ってみることにした。もちろん秋田県と山形県にまたがるあの鳥海山ではない。岩木山の三つの頂の一つである。九合目からリフト乗り場の方に行ってさらに左手に行くのだが、らくルートには出ていなかったような気がするので大丈夫だろうか?しかし降りてくる人もいるし、山頂らしきところに人影も見えるので大丈夫だろう。果たして道はきちんと整備されており、木々も通りやすいように伐採されていた。九合目から15分ほどで鳥海山山頂到着。山と高原地図には古い方位盤があると書いてあるが、丸いテーブル状のものが残っているだけであった。三角点はない。それでも満足して、九合目手前からリフト乗り場に向かい、楽ちんリフトに乗車した。
リフトは上から片道だけ乗る場合は、八合目についてから切符を買って、係の人に渡す仕組みであった。バスの時間までは30分以上あったので、待合でまたまたゆっくりすることにしたが、早速リーダーは生姜味噌こんにゃくを買っていた。飲みたいけどビールはまだ我慢だ。八合目から嶽温泉までバスに乗り、既述の通り、前日泊まった西澤旅館さんで一風呂浴びさせてもらって、荷物を回収した。まだまだ弘前行きのバスが来るまで時間があったので、まず、バス停の前の田澤商店さんで「嶽みき」を買って食べた。「嶽みき」って分かるだろうか?筆者も全然知らなかったのだが、焼きとうもろこしのことである。結構有名らしく、ここに来るまでの道には屋台のような店がたくさん出ていた。そしてこれが超甘くて美味しい。絶対オススメなので秋に嶽温泉にお越しの際には是非トライされることをお勧めする。そして当然ここでビールである。焼きとうもろこしとビール。くー、たまらん。
それでもまだ時間があったので、歩いて5分ほど下ったところにある「岩木さんぽ館」という展示施設にも行ってみた。我々の他には誰もきていなかったが、写真などが掲示されており、十分面白かった。尚この施設では屋外に足湯もある。
バス停に戻る頃にちょっと雨が降り出した。最後の最後に傘を出すことになったか。それでも程なくして弘前駅行きのバスに乗った。今度は乗車拒否されなかった。
弘前駅から青森駅まで奥羽本線に乗り、雲が掛かった夕暮れの岩木山を車窓から眺めた。この後、青森で一泊したのだが、この日の青森駅近辺はすごく混んでいて、夕食をとるところを探すのに苦労した。早くから予約しておけばよかった。あるいは回転の早い味噌カレー牛乳ラーメンを目指した方が良かったかもしれない。
山行記録はこれでおしまいである。翌日は県立美術館で「あおもり犬」を見て、リーダーと別れた後、筆者は三内丸山遺跡とねぶたの家「ラ・ワッセ」に寄ったのだが、観光記録になってしまうのでここでは触れない。(完)
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