北岳 (白根御池経由)
- GPS
- 22:50
- 距離
- 10.7km
- 登り
- 1,806m
- 下り
- 1,790m
コースタイム
広河原14:20-16:10白根御池小屋幕営
29日
白根御池小屋6:15-7:40肩ノ小屋8:10-8:35▲北岳8:45-10:40白根御池小屋11:10(幕営具撤収)11:35-13:05広河原
天候 | 28日 曇 29日 雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
(復路同じ) |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポスト:広河原バス停付近から各山小屋まで至る所にあり。インフォメーションセンター2F玄関外側が便利かも 水場:広河原のインフォメーションセンター内に給水設備あり 広河原-御池間に沢が3箇所。正規の水場まで距離はないので、緊急時以外の飲用はお勧めしません。 白根御池小屋も水道形式の無料給水あり 肩ノ小屋は100円/リッターで給水あり ただし、 『減菌処理してありますが、不安な方は煮沸するかミネラルウォーターをご購入下さい』 というビミョーな一文が。…さあどうするっ!? コース中、危険箇所は皆無。唯一気をつけるなら、御池-小太郎尾根分岐間上部のお花畑の中を急登する道は、 落石に(落下そのものよりも、無茶な歩き方で発生させない事に)注意を払いたい。 |
写真
感想
前回の山行から日が経っていないせいか、初日は極めて快調。
コースタイム3時間のところ、2時間余りで御池小屋に到着。
しかし、
文庫本を忘れて来た上に、愛用の安物MP3プレーヤーまでもが臨終を向かえ、テン場の夜が長かった。
仕方ないので、得意の独り酒に走るが、小瓶のウイスキーを下界で入手し損ねたので小屋の自動販売機でひたすら缶ビール。
瞬く間にロング缶が5本空き、心地良い眠りにつくこと暫く、フライシートがポッポッと嫌〜な音。
「雨?まあ気のせいだろう…。また寝て起きれば止む。」
と、無理やり自分を納得させてまどろむが、朝になってもやっぱり雨。
物音ひとつしない雨のテン場には、
各テント内で、突入か?停滞か?はたまた撤退か?と思いを巡らせている各自の思惑が、渦巻いており、
この雰囲気何かに似ているな…と思ったら、
学生時代に何度か出場させて貰った部活動の全国大会のスタート前にそっくりだった。
一握りの不安と大いなる闘志がせめぎ合うあの独特な感覚を、各テント内でみんなが感じているのだな…と思うと、
「みんなアスリートだな」と嬉しくなり、クックッと思わず気色悪い笑いがこぼれてしまう。
みなさんアスリートかもしれないが、
トップクライマーたる私が、皆様に遅れをとる訳にはいかないので、
テント内で立てたプランは、こうだ。
朝6時から小屋のスタッフさんに「生ビールくださ〜い!」と言う、並みのクライマーには真似できない、攻めの姿勢を見せ、
出立するべく身支度を整える皆様の姿を眺めながらビールを飲み干したら、
遭難しない様、最大限の注意を払いながらテントに戻り、ゴロゴロノビノビ。
酔いが醒める頃に起きだしたら、テントを片付け、アルパインスタイルで一路果敢に下山口へアタック!
という、華麗なる撤退プランである。
しかし、
「せっかくここまで来たんだから、行けるところまで行ってみよう。」
と考えを改め、予定より1時間以上遅れて出発したが、これが大きな誤りだった。
といっても、遭難未遂を起こした訳ではないし、ちゃんと山頂も踏んで帰って来た。
御池宿泊者は、出立した方より撤退した方のほうがだいぶ多かった様だが、数の問題ではなく、誤りだった。
それは、
独り黙々と登っている時に気づいたのだが、
よくありがちな
「せっかくここまで来たんだから…」
という、自身もわずか30分前にとった行動パターンそのものについてだ。
「せっかくここ(白根御池小屋=登山口や宿泊地)まで来たんだから、
あっち(北岳山頂=頂上)まで行ってみよう。」
という発想はよくありがちだが、『○○岳』という名称で勘違いしがちだが、
爐海貝瓩鉢爐△辰銑瓩倭瓦別の場所なのだ。
どこの山か、によっても変わって来るが、標高差1000m水平距離2000mくらい離れている事はざらであり、
そんだけ離れた場所であれば爐海貝瓩和臂翩廚任癲↓爐△辰銑瓩牢躙韻もしれない。
「せっかくここ(京都)まで来たんだから、
あっち(金閣寺)まで行ってみよう。」
…これはよくある事だ。
しかし爐△辰銑(金閣寺)に、武装蜂起した集団が立て篭もっていたら、自衛隊が不発弾処理中で(京都では考えづらいが)、立ち入り禁止区域に指定されていたら、
それでも敢えて爐△辰銑瓩帽圓海Δ箸い人は稀だろう。
京都と金閣寺の関係なら、ここ≠あっち、と考えられるのに、
山域と山頂では何となく、ここ=あっちと捉えて行動してしまう事が多い様に感じる。
次の山行からは爐海貝(今いる場所)と爐△辰銑(山頂)が別である事を前提に
状況判断・行動をするべきだと感じるとともに、
猖務扠瓩箸いΩ罵名詞に囚われて、爐海貝瓩鉢爐△辰銑瓩龍菠未鯡棲里砲靴覆ぁ⊆らの稚拙な判断を恥じた。
…と言いつつ、進み続けたのだが。
それにしても、この時期のビッグネームな山なので、登山者が多かった。人が多ければ、良い人も嫌な奴もいる。
山はいつでも山だけど、人は山でも街でも同じだな。
人さまの顔を見て嫌な奴と感じる自分の狭量さも、街とおんなじ。
肩ノ小屋、北岳山荘からはジャンジャン人が下りてきたけど、
御池から山頂目指した方は少なかったので、
雨と風の中「行くか退くか」を迷いながら、目指す山頂は楽しかった。
色々な事があり、感想欄に纏められないくらい思うところのある山行だったが、
何とな〜くの雰囲気として、やはり北岳は偉大だな、と感じた。だてに何年も北岳やってない。
素晴らしい山というのは正に山ほどあるが、北岳には『偉大』という言葉が良く似合うと感じました。
下山時に、遭難未遂って程では無いがファミリー登山者がはぐれてしまうという事件が発生し、
後追いで御池から下山した、年配の女性と女の子からの伝言をお預かりし、
大樺沢から先に下山したご両親へ、無事をお伝えしたのだが、
それをお伝えした際にお父様が見せた表情が印象的だった。
本当に何かを心配している時ってこうなんだろうな、という何とも表現し難い表情で、
はぐれちゃった事はともかく、
山に来たお陰で、本当に何かを心配したり、後悔したり、安心したりする機会に触れられた事は
きっとご家族にとって貴重な財産になるだろう。
それから、
お名前を伺いそびれましたが、ずっと前後して歩き、
山頂から御池までは、なんとなくご一緒させて頂いた志摩からお越しの方には深謝したい。
お陰様で今回の山行が、一段も二段も良い思い出になりました。
早速お帰りカキコですよ〜
ご無事で良かったです。
画像楽しみにしていますね。
まずはゆっくり疲れを癒してくださいね
こんにちは。コメントありがとうございます。
お陰様で無事帰って来ました。
しかし、大変残念な事に登頂日は軽く大雨で、視界が全く利かず、
写真は登頂写真だけになってしまいました。
駄目元で一応風景写真も撮ってみたのですが、画面一杯にひたすら真っ白。
肉眼でもそれに近い状態だったので、写真じゃそんなものでしょうが、ちょっと残念でした。
雨の中、精神修行も追加されて充実した山行でしたね。
最後のエピソードに暖かくなりました。
ずっとそのご家族には語られ続ける山旅になったでしょうね。
一泊二日…なんだかまねしてみたくなりました。
こんにちは。コメントありがとうございます。
伝言をお預かりしたのは良いのですが、
その時点では、まだご父母の所在が判らなかったので、
万一、下に居なかったらヤバイな。と、かなり焦りながらの下山になってしまったのですが、
下のご父母は、山小屋の衛星電話でちゃんと現状把握していたので
見事な先走りになってしまいました。
それでも、あれだけホッとして頂けるというのは、
やはり、本当に心配されていたんだな、と思います。
>一泊二日…なんだかまねしてみたく
お手軽…と言っては北岳に失礼ですが、
新宿から33時間で行って帰って来れるので、なかなか良かったですよ。
コチラ(神奈川西部)も雨でtakecさんを心配しておりましたが、やはりお天気悪かったのですね。ホントご無事で良かった
>「せっかくここまで来たんだから、行けるところまで行ってみよう。」
>という発想はよくありがちだが、『○○岳』という名称で勘違いしがちだが、“ここ”と“あっち”は全く別の場所なのだ。
明日のお山歩きのお山を迷っているhirorineは、ずーんと胸にこたえました
何はともあれ、ご無事の帰還なので云える事なのかもしれませんが、やはりヤマはドラマティックですね。
北岳とではレベルが違いますが、やはり明日は当初の予定を決行したくなってしまいました
改めてコメありがとうございます。
>当初の予定を決行したくなってしまいました
上記の内容と矛盾しますが、
行きたくなったら取り敢えず行っちゃうのが正解な気もしますよね。
で、常にいつ撤退しようか考え続けて、撤退の機会が無いまま山頂まで着いちゃったら、無事登頂。
撤退の機会が早々に訪れたら、これ幸いと撤退して見事下山。
軽々しくお勧めしてはいけませんが、hirorineさんのアンテナがGOサインを出したならどうぞ良い山行を。
NOサインが出たなら、次の山行を妄想しながら、家でニヤニヤするのもまた一興かと。
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