常念岳 雨でなんもみえねー
- GPS
- 12:21
- 距離
- 19.5km
- 登り
- 2,300m
- 下り
- 2,311m
コースタイム
- 山行
- 8:37
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 9:43
天候 | 曇り〜雨〜土砂降り〜夜中から暴風雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
前常念の岩場急登は初心者にはキツイよ |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
行動食
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
携帯
サングラス
タオル
ストック
|
---|---|
備考 | 山頂の看板がなかった。 |
感想
2200m付近でお会いした自分と同年代かと思しき方とお話しした所、その方は常念〜蝶ヶ岳の周回路を日帰りで回る予定だと仰る。確かに健脚の人なら12時には常念を通過すれば行けなくはないかなと思わなくもないが、それほど登りが早そうな風には見えない。けど装備は確かに日帰りっぽい感じだ。
僕はちょっと不思議に思って、「え?この時間で間に合いますか?」と訊くと、計算では行けるはずだと申される。
僕はこの時、今日の宿泊地をまだ決めておらず、常念小屋か頑張って蝶ケ岳まで行くか決めあぐねていた。
だもんで、この方に抜かれないように歩けばまだ日帰りも可能なペースのかと思ったら、この急登ゴリゴリの山行も幾分気分が和らいだ。
今朝は三股駐車場を6:30と遅いスタートだったのだ。
11:30頃に山頂通過、雨で今回も景色なし。
休憩は雨が降り出した前常念岳の避難小屋で取ったからまずは先を急ぐ。
後ろにいるはずだったさっきの日帰り氏の姿は影も形も見えない。
山頂を通過してからますます雨は強まり、おまけに風も強いから寒さでかなりの体力と気力を消耗した。レインウェアの質も悪かったらしく、水が染み込んでしまったのだ。それが強風に煽られて氷のように冷たい。
加えて常念岳からの岩場下りは初心者にはかなりテクニカル。そこを下り切るのに思った以上に時間がかかる。
そしてその先の急登登り返し。
更にその先も下っては登り返す。
これ以上ガッカリするのも嫌だからもはや上も見上げずただ歩を進める。
自分はこんなダメだったかなぁ…
と思う程歩みは鈍く気力も萎え、今までやってきた練習が何の役にも立っていなかった事を痛感する。と同時にオレはそこら辺にいるメタボ高齢者と何等変わりない、無理な登山計画で人に迷惑をかける似非クライマーだと自覚する。
さすがに疲れ、樹林帯の倒木に腰掛けて水と行動食を口にする。そう言えば朝からまともな食事を摂ってない。ハンガーノックではないと思うけど、実際には燃料が切れかかってたのかも知れぬ。
疲れ過ぎると空腹も感じないものか。これは気を付けなきゃならない。
止まってると寒いのでノロノロ歩き出し、幾度もニセピークに騙されて蝶槍。
蝶槍からヒュッテは遠くないはず。と自分を奮い立たせる(が、あと1.6キロ)。
何しろ初めて来る場所がずっと雨とガスで先が見えないから、後どれくらいを残してるのかがわからない。精神的に結構キツイ。それでも尚日帰りの下山も頭の隅に考えていたのは、このただキツイだけ景色もなく楽しさも全く皆無の山行を早く終えたかったからだ。余力はまだ残っていたのかも知れない。
とは言えヒュッテ到着は15時半過ぎ。もはや下山はない。
ガンガンに暖房を焚いているヒュッテで暖を取れて幾分回復し、風雨の中でテント設営し、またヒュッテに戻って食事が出来ないか訊くと14時で終わったと言うので、手持ちのアルファ米に水を入れ、行動食の残りを口に入れ、ストーブの前の椅子に腰掛けてモソモソ食うが疲労のためか全然空腹感がない。
雨が幾分和らいだスキにテントに戻り、18時過ぎにそのまま寝袋に入って翌朝5時まで目を閉じていた。暴風雨は日付が変わる頃まで続き、今にもテントが崩壊しそうだったけれど気にならなかった。ともかく疲れすぎていたのだ。
土砂降りは明け方まで続いた。
10時間以上目を閉じていたけど、眠れたのかどうかは定かでない。
・・・・・・・
翌朝5時、周りのテントからの声が聞こえ、雨があがった気配を感じたので外に出ると、そこは昨日までと全く違う別世界が広がっていた。
分厚い雲海の上に名山の頂がいくつも出ている。なんつー景色なのだ。
穂高を初めて見た。槍も初めて。感動した。
写真や動画で観る槍ヶ岳はただの小さなとんがりみたいだけれど、実際のそれはそんなもんじゃない。その圧倒的な存在感は「いつでもかかって来いよ」とでも言ってるラスボスのようだし、完璧なシンメトリーの美しさは汚しちゃいけない女神様のようでもある。叶うならいつかお近づきになりたい。でも遠くから愛でるだけでも十分に満たされる。そんな山だ。
ああ、昨日無理して下山しなくて良かった。
昨日お会いした方もどうかご無事でありますように。
反省点はいくつもある。
次回の登山に活かそう。
(登山初心者の長文にお付き合い頂き有難うございました)
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