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Yamareco

記録ID: 7350507
全員に公開
ハイキング
甲斐駒・北岳

言ってみたかった、北岳に来ただけ。

2024年10月12日(土) ~ 2024年10月13日(日)
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
12:17
距離
11.1km
登り
1,771m
下り
1,798m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
2:03
休憩
0:14
合計
2:17
距離 2.7km 登り 727m 下り 27m
2日目
山行
8:42
休憩
1:18
合計
10:00
距離 8.4km 登り 1,044m 下り 1,771m
4:36
33
5:09
5:19
134
7:33
7:37
30
8:24
8:29
34
9:03
19
9:22
9:29
6
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9:58
23
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10:26
10
10:36
10:43
108
12:31
12:39
44
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13:29
15
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13:45
30
14:15
14
14:29
14:30
5
14:36
ゴール地点
天候 晴々
過去天気図(気象庁) 2024年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
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2024年10月13日 12:54撮影 by  SIGMA fp, SIGMA
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2024年10月13日 14:35撮影 by  SIGMA fp, SIGMA
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撮影機器:

感想

秋晴れの3連休。相変わらずなかなか決めきらない様子を見かねた、ジョンコナー隊長から執拗なプレッシャーがかかっていたのだけど、なんと膝に違和感、突如としてソロ山歩きに変わってしまい、お任せしてしまっていたテント場の手配や交通手段など慌てて確認しなおしたりと、いや、でも、行くしかない。
お天気も良い予報、テント場と、特急券も取れている。行かない訳にはいかない。
そして今年最後になりそうな3,000m級の山。テント泊ももう限界かもしれない。行くべきしかない。

と言うことで、ぜひとも行ってみたかった、言ってみたかった、北岳に来ただけ。
ようやく言っていい権利を得た今回の山歩き。

初めての南アルプス。南アルプスはとにかく行きにくい。というイメージがあって、都内から電車・バスを乗り継いで広河原に辿り着けるのは11時と、山深い。
甲府乗り換えで何となく北アルプスより近いイメージがあったものの、上高地へ着く時間と変わらない。

今回のテント場は白根御池小屋。当日出発で辿り着けるテント場の標高は2,233m。流石に肩の小屋まではちょっとしんどい。
それでも心配事だったテント泊の気温と寒さ。防寒具に加えて、ヴィヴィのシュラフカバーを。

1日目
甲府駅に早めに着き、バスを待つ。あれよあれよいう間に列は伸びてきた。
2時間という長丁場、でもバスは立ち客を出さないように配慮されていて、バス3台、車掌さん付きという珍しいスタイル。時折り、ガイドの様に車窓から見える山々の紹介をしていた。
夜叉神峠でストップ。ここで降りる人もいて少しバスが空き、でもまだここからもう少し。

バスは山深い道を行き2時間、ようやく広河原に到着。遠い。そそくさと準備を済ませた登山者が次々と山へ放たれていく。
準備が整い出発。綺麗な広河原インフォメーションセンターの2階から出発するというゲレンデのような出発口。
直ぐによく観る野呂川に架かる吊り橋が。良いお天気。山々がよく見える。
ここから今日の宿泊地、白根御池小屋まで2時間。ゆっくりと行きます。久しぶりの晴れの山歩きに心が躍る。
14時前に到着、受付を済ませてそそくさとテント設営、お腹が減った、ビールも飲みたいっ
ひとしきり落ち着いた後は、夜ご飯までゆっくり、今日は小屋の夜ご飯を頂きます。

だいたい、小屋のご飯の時間は日の入りや日の出の時間となんか重なっていて、二兎追えない。どちらかを決めないといけないのがいつも困る。
日の入りの始まりを眺めたら、夜ご飯。ここぞとばかりに大盛りにするも、食事時間が短い設定で、急いで食べる。お腹いっぱい。
朝弁当もお願いしていて配給は19:30。朝も早かったし長距離移動だったし、お酒も飲んですっかり眠い。まだあと1時間半くらいある。念の為、目覚ましを掛けてテントでゴロゴロしているとすっかり。。。
何とか目覚めてお弁当を受け取り、もう寝る。
防寒対策は功を成してぐっすり暖かく寝られた。

2日目
ぱちっと目が覚めた。2:40。もう寝られない。沢山寝た。夜露でテントはしっとり、外は寒い。昨日のガスは何処へやら、すっきりと見える星々にうっとりする。少し霜も下りたみたいで木道は滑りやすい。
下山後の撤収に備えて、何となく細かい物を片付けたり、朝ごはんを食べたりして準備を整える。山の方へ目をやると、小三郎尾根方面にヘッデンの光が動いているのがもう見える。早いなぁ

4:30出発。二俣から八本歯のコル、吊り尾根を経て北岳に登頂し小三郎尾根から戻ってくる周回ルート。
こちらのルートは人が居ない。人気がないのかな、、とちょっと心細くなる。
大樺沢二俣。ようやく広く開けたところに出る。空が明るんで来たとはいえ、まだ真っ暗。こんな僻地に1人で居て良いものか。。など、冷静になると、今やっていることが怖くなるので考えない。

暗い。道に迷う。踏み跡がゆるくて、暗くて分かりづらいけど、この道じゃない感じがひしひしと。。
後ろからヘッデンが1つ。良かった。
追いついて来られた方と、こっちじゃなさそうという会話をして、その方は先行して行かれた。

後でわかったのはどうもバットレスへ向かう道だったみたい。

沢は太く、荒々しい岩の間を水は音を立てて流れている。
北岳の山頂方面を眺めると明るんできた。バットレスが赤く染まるモルゲンロートがじわじわとこちらにやってくる。
手は少し悴んでいて、早くあの陽射しあたって温まりたい。と思うほど登っていても寒い。

辛くてひたすら登り続ける大樺沢をようやく登り詰め八本歯のコルに到達。2時間半。長かった。
ようやくここで初めて下山の人と出会う。この先はどうですか?白根御池までいくのですが。
いやぁ、、とても長いです。沢が広がっていくので少し分かりづらいかも知れません、と今経て来た感想を伝える。

そして、コルから吊尾根までは下山の人とすれ違うことが多くなる。ときどき会話を交わしたり、来た道の様子や山頂の様子など情報交換をする楽しいひととき。

ハシゴの様な、階段の様な、急な木製のソレは霜が付いて滑りやすい。ここで滑ってしまうと絶対に大変なことになる確信を持ちながら慎重に進んでいく。
吊尾根が近づいてくる。北岳山荘がちょこんと、稜線に連なる中白根山、間ノ岳がキレイに見える。そして背後には富士山が雲海から顔を出している。あぁすごい所に来た、来てしまった感がじわじわと込み上げてくる。

岩々しい道が続き、トラバース分岐で北岳山頂まで50分。うっ。
吊尾根に乗ると山頂までは20分。いよいよここまで来たか、と、もう行くしかない。

これまでの苦労や辛さが何だったのかと言うくらい山頂は突然現れた。大きな山頂標と三等三角点。
割と広々とした北岳山頂から眺める富士山は、雲の上にポッカリと浮いている。
幾度となく色々な山から富士山を眺めて来たけど、日本で2番目に高い場所から眺める日本一高い富士山。
富士山を眺めるのにこれ以上の場所はない。と何かで読んだ記憶が甦る。

お天気も良い。風もない。動かない雲。動画で撮っても写真のような景色を映し出している。富士山だけではなく、鳳凰三山や南アルプスの山々を明け透けに見せてくれる。

さ、下山。北岳の山頂を突っ切る様に、来た道とは反対側から肩の小屋へ向けて下山をする。小太郎尾根の稜線がキレイに見える。

肩の小屋でようやく腰を下ろす。少しお土産と、もう堪らんと缶ビールに手を出してしまう。3000mで飲むビールは初めてかも知れない。あまり時間もないので持って来たパンとおにぎりをツマミに。そういえば朝ごはんを食べてから既に5時間以上が経っていた。

これから白根御池小屋でテントを回収し広河原まで下りないといけない。休憩もほどほどに切り上げ下山下山。

草すべりというのは歩いているときにはピンと来なくて、歩いている時はすっかりそんな名前のことなど忘れていたけれど、眼下に白根御池が近づいてくる。自分のテントも見える。我が家だ。
到着するなり小屋に吸い込まれ、缶ビールの自販機のボタンを押していた。
缶ビールを煽りながらテントの片付けとパッキング。そして無心で下山。
何も考えず頭の中でお気に入りの曲を唄いながら、転けないことだけに細心の注意を払って。。

14時半。予定通り広河原に到着。バスの時間は最終16:40。ゆっくり過ごせる。ただそれだけが幸せ。バスまでは2時間近くあるので、きれいな広河原山荘で生ビールでおつかれ生です。結局おつまみと生を2杯いただき、最後の南アルプスの時間がのんびりと過ぎていく・・・

後で知ったのだけど、北アルプスの山々では冠雪があったとか、、初めての南アルプスは天候にも恵まれて、その景色はまだ頭の中を駆け巡り、残った筋肉痛は北岳の思い出と共に、まだカラダそのものにも残ってる。頑張って歩けた充実感と、今年最後となりそうな高山の達成感。北岳に来ただけではなく、いろいろなモノを思い出に残してくれました。



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