薬師岳・雲ノ平・水晶岳・鷲羽岳「秋晴れの縦走4日間」
- GPS
- 80:00
- 距離
- 50.0km
- 登り
- 4,002m
- 下り
- 3,988m
コースタイム
- 山行
- 6:30
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 7:00
- 山行
- 5:50
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 5:50
- 山行
- 7:50
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 8:00
- 山行
- 6:22
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 6:25
天候 | 5日 晴れ 6日 快晴午後一時霰 7日 快晴 8日 快晴後晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
20:00〜06:00 通行禁止 |
コース状況/ 危険箇所等 |
折立〜三角点(太郎坂) 結構、急な坂道 三角点〜太郎平小屋〜薬師岳 危険箇所なし 太郎平小屋〜薬師沢小屋 木道の部分もあるけど、基本稼いだ標高帳消しの下り 渡渉点3箇所に仮設橋 薬師沢小屋〜木道末端 激坂の登り(マーキング少ない、注意必要) 木道末端〜雲ノ平山荘 木道(朝は霜が降りていて滑り易い) 雲ノ平〜祖父岳〜ワリモ北分岐〜水晶小屋 危険箇所なし 水晶小屋〜水晶岳 結構な岩場 ワリモ北分岐〜ワリモ岳〜鷲羽岳 アップダウン覚悟 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ハイドレーション
ライター
地図(地形図)
コンパス
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
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感想
◇プロローグ
山に登らない人でも知っている剱、槍、穂高、白馬には一昨年から昨年にかけて登ったので、今年は山に登る人だけが知っている山、山に登る人だけが憧れる山に登ろうと計画。ずばり北アルプス最奥にあり、訪れた人は楽園と語る日本最後の秘境とも呼ばれる山屋憧れの場所「雲ノ平」!そして「水晶岳」と「鷲羽岳」!この3つにはどうしても行ってみたかった。で、年初から夏の長期休暇にテント泊で行こうと計画していたが、夏場はずっと仕事が忙しく、長期休暇がとれたのは秋山の時期。やっと9月末から5日で計画していた山行予定が3日になったのでやむなく「笠ヶ岳」へ。その時、双六から見た鷲羽、笠の頂上から見えた雲ノ平に感動。やっぱり今年中に登らなきゃということで登山地図を見ていたら、雲ノ平だけなら折立からが近いことは知っていたが、雲ノ平ベースで水晶と鷲羽も1日あれば登れることに気付いた。更にせっかく折立から登るのなら、「薬師岳」も登らなきゃということで、
1日目 折立〜薬師岳 薬師岳山荘泊
2日目 薬師岳山荘〜雲ノ平山荘に移動 雲ノ平山荘泊
3日目 祖父岳〜水晶岳〜ワリモ岳〜鷲羽岳 雲ノ平山荘泊
4日目 雲ノ平山荘〜折立
今週末で殆どの小屋も閉められるということは、登山者も少ないだろう、山小屋が空いているなら無理してテントを担ぎ上げなくてもいいだろう、それに雲ノ平、薬師のテン場共小屋から離れすぎというのもあって、今回はあっさりと山小屋泊りで行くことに決定した。ヤマテンの天気予報でもほぼ秋晴れということで…。
◇1日目 10月5日 天気晴れ 自宅〜折立〜薬師岳
折立には有峰林道を通らないと行けないことや料金所のゲートが20時〜6時の間、閉鎖されることは分かっていたが、ナビで「折立」で検索すると「折立キャンプ場」がヒットしたので、03:50に自宅を出発し、ナビに教えられるままに05:55料金所のゲート前に到着。料金所のおじさんに「折立まで何分くらいかかりますか」と尋ねたら、「折立にいくなら、ここからだと時間が倍はかかるから、亀谷料金所から行った方がいい。」と言われて、地図まで貰ったがこの地図全然わかりにくくて、来た道を引き返し集落の中を15分程ウロウロしていたら、ようやく亀谷温泉の看板を発見。折立駐車場に着いて、出発出来たのは07:10と出だしから大失敗。
折立(標高1350m)→三角点(標高1870m) CT2時間のところ、1時間20分
三角点→五光岩ベンチ(標高2196m) CT1時間30分のところ、1時間
五光岩ベンチ→太郎平小屋(標高2373m) CT1時間のところ、40分
太郎平小屋→薬師岳山荘(標高2702m) CT2時間30分のところ、2時間
薬師岳山荘→薬師岳(標高2926m) CT1時間のところ、40分
20kgオーバーのテント泊装備から山小屋泊装備に変わるということは、大リーグボール養成ギブスを外された星飛雄馬みたいなもんで、今までCTどおりにしか歩けなかったのに、足の軽いこと、軽いこと。
12時10分に薬師岳山荘に到着。「予約していた○○です」と声をかけるとイケメンの小屋番さんが「お疲れ様でした」と温かいお茶を出してくれた。水に不自由しない山小屋でも今までこんなサービスを受けたことはなかったが、天水に頼っている山小屋で温かいお茶のサービス!そして「お疲れ様」って一声あるのって、ホントにうれしいもんです。しかもこの小屋番さん、しっかり宿泊客の名前を皆覚えていて、夕食前にふとんに潜りこんで寝込んでいた宿泊客に、ふとんの位置で名前を憶えているのか、「○○さん、夕食の時間です、起きて下さい」って声を掛けてるんですよ。まるで一流ホテルのコンシェルジュ並じゃないですか!更にすごいのが朝の見送りで、朝食時でバタバタしている06:00に出発したんだけど、山荘の奥さんと小屋番さんの二人でわざわざ見送ってくれ、「○○さん、木道滑りますから、十分注意して、いってらっしゃい!」って声を掛けてくれたんです。マスコミ関係者や著名人にだけ愛想のいい小屋が多い中で特筆もんの山小屋でした。本当にありがとうございました。
◇2日目 10月6日 天気快晴 薬師岳山荘〜太郎平〜薬師沢〜雲ノ平山荘
朝起きて階段の窓から外を見ると、宇宙色の空に槍の稜線がクッキリ!この日は標高2702mの薬師岳山荘から標高1920mの薬師沢まで標高差782mを下り、そこから一気に直登して標高2600mのギリシャ庭園に建つ雲ノ平山荘まで。きつかったけど、基本、太郎平〜薬師沢が下りだったので帰りに比べたら楽かな。
薬師岳山荘→太郎平小屋 CT1時間40分のところ、木道が霜でツルツル2時間10分
太郎平小屋→薬師沢小屋 CT2時間15分のところ、1時間50分
薬師沢小屋→雲ノ平山荘 CT3時間20分のところ、2時間50分
11:50に雲ノ平山荘に着いたら、小屋閉めに向け、ふとんの天日干しの真っ最中で2階ベランダの手摺にはふとんが山のように掛けられていて絵にならない。雲も沸きだしてきて、それでも大平原の中、剱と見紛うばかりに荒々しい姿の水晶岳が眼前に悠然と聳えて、「ここまで来てよかった」とすごい景色の中にいる歓びに浸る。出来て4〜5年の山荘は、あとでアルゼンチンの有名な歌手の曲だと教えてもらったが、木組板張の食堂にソロのギターを伴奏にスペイン語で唄う曲が流れていて、凄い雰囲気が合っていた。食堂で豆から挽いてもらった珈琲を楽しんでいた14:00頃、突然、空が暗くなって霰が降り出してきた。昨日からここに泊まって今日は高天原温泉に浸かってきたという男性が霰の中、到着。着替えを終えて食堂に入ってくるなり白ワインをフルボトルで注文!カッコイイ!山雑誌を読んでいた自分にも勧めてくれたのでお相伴に預かることに。唯で飲ませてもらうのも悪いのでウインナー&サワークラフトを差し入れ、それをつまみに盛り上がった。前夜は飲む相手がいなくて一人で飲んでたって。高天原温泉はその方一人独占状態だったそう。夕食時は音楽もジャズにかわり、定番の石狩鍋は鮭の切り身とじゃがいもがゴロゴロ入っていて美味しかった。この日、群馬から来たという美女二人組(当然20代!)が同じテーブルでしかも隣同士だった。こういうのも山小屋ならではの楽しみなんだろうな〜。夜は満天の星空。標高2600mで野中の一軒家、しかも秋で空気が澄んでいるから、星空が凄いことになってて、主要恒星7つのオリオン座の中に肉眼で26個の恒星を数えることが出来た。
◇3日目 10月7日 天気快晴 雲ノ平山荘〜水晶岳〜鷲羽岳〜雲ノ平山荘
今日が今山行のメインイベント。途中でスタミナが切れるといけないので朝食をしっかり摂って06:15山荘を出発。
雲ノ平山荘→祖父岳(標高2825m) CT1時間25分のところ、1時間10分
祖父岳→水晶岳(標高2986m) CT2時間10分のところ、1時間55分
水晶岳→ワリモ北分岐(標高2841m) CT1時間10分のところ、55分
ワリモ北分岐→ワリモ岳(標高2888m)→鷲羽岳(標高2924m)
CT1時間10分のところ、1時間05分
鷲羽岳→雲ノ平山荘 CT2時間50分のところ、2時間40分
水晶小屋の眼前には野口五郎岳が聳えている。結構ハードなコースを登って09:20水晶岳頂上に立つ。ここは先着者2名が狭い山頂で景色を楽しんでいたので写真をお願いする。次の鷲羽岳も楽勝かと思った矢先、ワリモ岳頂上から鷲羽に向かう道がない。ホントの頂上まで登って鷲羽に向かえば問題なかったのだろうが、頂上標識がなぜか中途半端なところに設置されていたのでそのまま先に進んだら、ロバの耳を彷彿する断崖絶壁にぶち当たった。そこまでの足跡はあるのだが、周囲にマーキングもないし、下って下れないこともないので、また悪い癖が出てそのまま断崖絶壁を5m程下ってみたが、マジ、ロバの耳級の難度。これはおかしいやろと下るのをやめて上り返し、かなり高めの岩の裏側を覗いてみたらトラバース用のロープが張られており、一安心。11:30に鷲羽岳頂上に立つも誰もいない。久しぶりに平らな岩にカメラを置いてタイマー撮影するもピントが合ってなかった。14:10雲ノ平山荘に帰還。今日は百名山3座完登祝いの一人打ち上げ。昨日飲ませてもらった白ワイン美味かったので、また飲みたかったんだけど昨日のがラスト1本だったそうで、仕方なくスペイン産赤ワインをフルボトルで注文したけど、これもミディアムボディで美味しかった。前夜は20人くらいでそこら中盛り上がっていて賑やかだったが、本日は4名、しかも夕食を注文したのは自分を含め3名だけだったので淋しいものがあったけど、なんとni-shiさんという方もヤマレコ仲間だと知り、楽しく語れた。ni-shiさんも鷲羽に登っており、わざわざ鷲羽池まで下りて撮った画像を見せて頂いたが、池面が鏡になって逆さ鷲羽がきれいに映り込んでいて見事な写真でした。
◇4日目 10月8日 天気快晴 雲ノ平山荘〜薬師沢小屋〜太郎平小屋〜折立
雲ノ平山荘→薬師沢小屋 CT2時間35分のところ、1時間54分
薬師沢小屋→太郎平小屋 CT2時間45分のところ、2時間18分
太郎平小屋→折立 CT3時間のところ、2時間13分
06:00に雲ノ平山荘を後にして、途中木道で3回滑って尻もちをつき、12:25に折立に無事下山した。
◇エピローグ
もう今年は山に登らなくてもいいくらい、どっぷりと山に浸かった。2日目の午後、一時的に霰に見舞われるも連日雲一つない紺碧の空の下、薬師岳、黒部五郎岳、笠ヶ岳、水晶岳、鷲羽岳の山塊に囲まれ、槍穂、白山、富士山までもくっきり見えて、多分、超ラッキーな山行だった。今振り返って、この山行をテント泊でやったら、どうだっただろう?当然、2日目朝と4日目朝の出発は1時間半くらいは遅れ、バックパックの重さでひいひい言って時間もCTどおり掛かっているだろう。テント泊の達成感は比べるべくもないが、凄い気配りの薬師岳山荘、噂どおりの独特の雰囲気を持つ雲ノ平山荘に泊まれて、このコースはこれでよかったと、しみじみ思う。
こんにちは!
雲の平ではありがとうございました。
私は結局雲の平から三俣でテントを拾った後、蓮華〜双六とハントしてその日い下山してしまいました。
詳しくは私のレコにて
あっ、メッセージで写真のダウンロード先を送りました。
ご確認下さい。
ではまた何処かのお山で
レコ拝見しました。こちらこそ、色々ありがとうございました。ホントは自分も先週ni-shiさんのような三俣テントベースで鷲羽、水晶、雲ノ平を周るつもりでいたんですけどね。いつもテント泊している者から見ると自分の今回のやり方、やや後ろめたいものもあったりして…。またどこかの山で会いましょう!
メッセージの画像、受け取りました。池が鏡のようで、ホントいい写真です。わざわざ送っていただきありがとうございました。
星飛雄馬さん、笠ギブスも効き飛ぶように
素敵な小屋もあるもんですね、赤ワイン注文もカッコイイですよ
オリンパスのピントがズレるのは不具合かもですね
ko-さん、コメントありがとうございます。星飛雄馬、知っててくれてうれしいです。雲ノ平山荘は「定本 黒部の山賊 アルプスの怪」を書いた伊藤正一さんが建てた山小屋で、その歴史を感じながら、食堂で飲んだ珈琲、ワインは最高に美味かったです。ko-さんの足なら折立から1日で楽勝に来れますよ。ただ小屋番さんはちょっと無愛想…。
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