山頂は「獲る」もの(薬師岳/黒部五郎岳)
- GPS
- 26:34
- 距離
- 44.6km
- 登り
- 3,620m
- 下り
- 3,263m
コースタイム
- 山行
- 6:04
- 休憩
- 0:51
- 合計
- 6:55
- 山行
- 10:10
- 休憩
- 1:07
- 合計
- 11:17
- 山行
- 7:08
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 8:10
天候 | 1日目 晴れ→ガス 2日目 晴れ 3日目 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
基本的によく整備されている |
写真
感想
山師匠と計画していた幾つかの山行が天候不良で中止になり、代わりに山師匠が、「ロングトレイルに挑戦したい」という自分の野望も考慮して、折立~薬師岳~黒部五郎岳~新穂高の縦走を計画してくれた。
自分にとっては初めて尽くしで、初テン泊、初北アルプス、初秋登山だった。
【1日目】
前日夜に新宿から「毎日あるぺん号」で出発。深夜の大都会に現れる巨大なザックやヘルメットを持った不審者(山屋)の集団。ハイヒールでカツカツ歩くお姉さんが不審がっていた。
「毎日出てるなんて山屋は元気だな~」
「竹橋寄るなんて不思議だな、あそこ毎日新聞しかなくない?」
なんて思っていたら、後に毎日新聞系のバスであることが判明。毎日出ているわけではないらしい。
バス泊で折立到着。歩き始めから快晴!
天気を良すぎて、前を歩くおじさんが写真を撮りながら「進まねぇ~!」と叫びながらスタスタ歩いていた。
太郎平小屋で昼食。太郎ラーメンを食す。どんぶりの底にCrazy Climberと書いてあって笑った。
ここで話した山屋のお姉さんが、登頂することを「山を獲る」と表現していたのが面白かった。
太郎平小屋のテン場(今回の山行で知った用語)でテントを張り、荷物をデポ(これも)して、薬師岳へ。
バス泊の寝不足の影響か、意識がやや朦朧とする中、薬師岳を「獲る」。ガスで景色が見えない時もあったが、カールと稜線が美しかった。
テントに戻り、夜ご飯を食べ、初日は終了。綺麗な星も見られて満足!
【2日目】
朝(?)3時に起き、4時に出発。みんな普通に3時ごろ起きていた。朝は寒い。山の秋は冬。
木道を通り、太郎平小屋まで引き返す。木道に霜が降りていてとても滑りやすくなっており、一回綺麗に転んだ。
朝焼けを見ながら朝食をとり、黒部五郎岳を目指して歩くも、黒部五郎岳はまだまだ全然先にあって、とても徒歩で着く感じがしない。
しかし、いくつかの丘(?)を超え、黒部五郎岳が徐々に現実味を帯びてくる。
おじさんが「しょうがないから登る」と言っていたのが印象的だった。そう、そこは山と山の間。進むも山、退くも山なのである。同じ山なら進んだほうが良い。
歩き続け、ついに黒部五郎岳を「獲る」。頂上には小さな仏像があった。
そこから昼食を取る黒部五郎小舎まで下るのだが、長い。とても長い。なだらかになってからが異様に長かった気がする。
しかし一歩一歩進んでいればいつかは着くというにが登山で、なんとか黒部五郎小舎に到着して
昼ごはんを食べる。
この辺りで、2日目の目標地点を双六小屋から三俣山荘に変更。2時間分くらいの走行距離を、3日目に回すことにするが、翌日も素晴らしい快晴だったので、結果この判断は大正解だった。
黒部五郎小舎からさらに山を超えて、三又山荘に行き、テントを張って就寝。初日よりよく眠れた気がする。
【3日目】
同じく3時起き、4時出発。振り返ると山の中にはちらほらライトが。最初、すごいところでテン泊している人がいると思ったが、山師匠曰く、登山中の山屋ならしい。
三又蓮華岳まで登り、振り返ると朝焼けの中に広がる山々!朝焼けで作られた青とオレンジのコントラスト。そしてそこに浮かぶ山々の影。パタゴニアのロゴみたい。この辺り、個人的には今回の山行のハイライトかも。
双六岳まで稜線を移動する途中で朝日を拝み、双六岳から見える槍ヶ岳!なだらかな下りを進みながら、正面の槍ヶ岳と、左右に広がる山々を眺める。素晴らしい景色と天気!またもや「進まねぇ」おじさん状態になる。
そうこうしているうちに双六山荘着。
山師匠から「ここからは基本下り」との情報があり、気持ちがだいぶ軽くなる。しかしそうはうまくいかず、双六山荘出発してすぐ謎の丘登り…
登り下りを繰り返し、最後にググッと下って、鏡平山荘着。かき氷をいただく。昼間は汗ばむ陽気だった。
ここからは本当にずっと降りで、沢の近くをひたすら降り、アスファルトの道に変わってからさらに1時間ほど歩いて、新穂高ロープウェイまで無事下山。
下から振り返って見た壮大な山々、それを超えて来たと思うと、感慨深い。
3日ぶりにゆっくりお風呂にも入り、気分爽快。登山後の風呂ほど気持ち良いものはない。
ーーーー
今回の山行を通して、また登山の魅力を発見した気がする。
1つは、普段の都会での生活では見られない景色や感じられない雰囲気があること。海外旅行好きの自分にとっては、国内にもまだまだ見たことがない景色があるんだということは新鮮な驚きだった。
もう1つは、山は動かないということ。動かないから、自分が少しずつでも前に進めば必ず到着するし、振り返った景色は確実に自分が踏破した道だと言える。特に、登る前は不可能なほど遠く、高くに見えた山に挑戦し、徐々に山頂が近づき、頂を踏み、下山して振り返る景色は何事にも変え難い。それもこれも、山は動かず、自分が歩き通した結果が純粋に結果となっているからだと思う。
あれこれ書いたが、最高の天気で山々を見て感じられて素晴らしい思い出になった!山師匠に感謝。ありがとう!
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