笙ノ岩山・蕎麦粒山・有馬山
- GPS
- 08:12
- 距離
- 18.5km
- 登り
- 1,648m
- 下り
- 1,813m
コースタイム
- 山行
- 6:57
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 8:12
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
下山口:飯能市下名栗のさわらびの湯から国際興業バスで飯能駅 |
その他周辺情報 | “さわらび湯”(\800) |
写真
感想
奥多摩駅ではすぐに東日原行のバスが接続し10分足らずの乗車で川乗橋に着いた。他に4人下りたが皆、川苔山(かわのりやま)へ行くようだ。鳥屋戸(とやど)尾根を登る物好きは私だけのようだ。「日向沢林道通行止め」と掲げられたゲートを越えて尾根の先端を回りこんだ所の左手に登山道の取り付きがあった。日原川の深い谷に切れ込む奥多摩の尾根はどれも急峻で標高差がある。鳥屋戸尾根は蕎麦粒山まで標高差1,000m余り、途中の笙ノ岩山までほぼ一本調子の急登だ。
体が重い、そう云えば今週はずっと6時間の残業の日が続き、昨日の“ムーンライトながら”は寒くてあまり寝られず疲労が溜まっている。登山道の傍らに「東京市」と彫られた標石を見つけた。東京市は明治22年東京府中心部の15区を東京府東京市と称するようになり、昭和18年東京都制が布かれ23の特別区となるまで存在した自治体だ。その東京市の標石が奥多摩の山中にあるのはなぜなのだろう?
1時間20分で笙ノ岩山(1,254m)に到着すると小広い山頂に展望は無く、3等三角点「北ノ沢」がひっそりと置かれていた。漸く急登から解放され稜線歩きとなり、右側に樹林の切れ目があり木の間隠れに見えていた川苔山 (1,363m)が全容を現した。今日は沢山の人が登ることだろう。地形図からすると展望地のすぐ先のピークが塩地ノ頭(約1,290m)らしい。山頂を示すものは何もなく一番標高の高い所をそれとした。続いて松岩ノ頭は1,268mの標高点でここにも山頂標識などはなかった。
蕎麦粒山の南を巻いて通る“踊平巻道”と交差すると山頂は近い。最後はまた急登で蕎麦粒山(1,473m)に到るとそこは長沢背稜で東京都最高峰の雲取山(2,017m)の北西から派し延々繋がる稜線に乗り上がった。3等三角点「仙還」が置かれ展望が良く川苔山や棒ノ折山、高水三山などが一望できた。20分の大休止の後、長沢背稜を東へと進んだ。この稜線は東京都と埼玉県の境界で広い防火帯が切られている。標高が1,200mを越えた辺りから残雪がちらほらと現れたが、日当たりの悪い部分では結構固まりになっている。アイゼンを付けるほどではないので慎重に急斜面を下り、登り返しの西のピークへは急登で、この斜面で初めて登山者と出合った。
桂谷ノ峰(1,380m)は2つ目のピーク、特に展望も無く通過し日向沢ノ峰手前で長沢背稜から分れ埼玉県域有馬山の稜線へと歩を進めた。日向沢ノ峰(1,356m)は昨年も来たので今回はパスした。雪の付いた急斜面を下り送電鉄塔に到ると切り開かれて日向沢ノ峰や棒ノ折山への稜線、そしてこれから進む仁田山、有馬山の稜線、北の方には大持山、子持山など秩父の山並みを見ることができた。
標高1,200mまで下ると東側に伸びる林道に飛び出してしまった。切通しで壁になっているので再び尾根に取り付くところがない。ガレ場を強硬に取り付いたが、土砂でズルズル滑り掴んだ岩が崩れ這い上がるのに難渋した。尾根上に残された道は草が被さり藪漕ぎ状態で仁田山(1,211m)に到達した。狭い山頂は樹林帯で展望は無い。登頂した時、丁度有馬峠から登って来た男性と遭遇、飯能市名郷から登り始めたそうだ。
仁田山の北稜線は男性の言っていた通り笹藪の中に雪が残り益々歩き難い。秩父市と飯能市の境にある有馬峠を林道が越えている。先端の切通しの上からは有馬山の姿が美しい。有馬山は総体山名でタタラノ頭(1,213m)を主峰とするがタタラノ頭南にあるピークの方が高いような気がした。タタラノ頭(1,213m)山頂には3等三角点「有馬」があり標石は角が欠け無残な状態だったが少しだけ展望が利いた。
さらに縦走を続け橋小屋ノ頭(1,163m)に到ると立派な山頂標識があり「有馬山(橋小屋ノ頭(1,163m))」とあり地元ではここを主峰としているのだろうか。展望はなく道が二手に分かれる。北に行けば秩父への縦走路でヤシンタイノ頭から大持山、武甲山に繋がる。今日は東に進み蕨山から河又に下る。東尾根は逆川乗越で林道が交差し東屋が設置されている。標識の傍らで女性3人のグループがお食事中だった。振り返ると下ってきた橋小屋ノ頭が見えた。
なだらかな稜線歩きで蕨山(1,044m)に達した。最高点は登山道から外れた樹林帯の中で何もなく先を行くグループは脇の登山道を通過して行った。名郷への下山路が分岐し300m程進むと東峰(1,033m)がありここに蕨山の山頂標識が設置されていた。“展望台”とされており大持山、武川山、伊豆ヶ岳など秩父山々の展望が良い。
西南西方向に進むと次の山頂は藤棚山(920m)だが3等三角点「岩茸」があるだけで山頂標識も展望も無かった。大ヨケノ頭(771m)でも展望は得られないが、その少し手前に展望個所があり逆川の谷を隔てて蕎麦粒山から日向沢ノ峰、長尾ノ丸、棒ノ折山など長沢背稜東端の山々を望むことができた。落合集落から登って来る道が合流する中登坂を過ぎると小ヨケノ頭(717m)だが山頂を示すものは何もなく、展望も無かった。金毘羅山(こんぴらさん660m)は縦走路から外れ踏み跡を行くとひっそりした山頂に達した。山頂には3等三角点「名栗」があり山名プレートが転がっていた。
鳥居集落への分岐点の処は金毘羅神社跡で建物の基盤が残っておりその中に小さ
な祠があり信仰が続いていることを物語っていた。
長い縦走もいよいよ終点で河又集落へと下山した。立ち寄り湯は絶好の位置に“さわらび湯”(入浴料\800)があり汗を流し人心地がついた。飯能駅行の国際興業バスは比較的高頻度で運行されていた。
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