甲斐駒ヶ岳 黄連谷 右俣 2024.12.25
- GPS
- 24:46
- 距離
- 23.7km
- 登り
- 3,274m
- 下り
- 3,263m
コースタイム
- 山行
- 5:21
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 5:31
- 山行
- 11:43
- 休憩
- 2:37
- 合計
- 14:20
- 山行
- 4:06
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 4:38
特に「右俣は長いので歩行技術と体力が無いと挑戦する資格がない」。そんな谷です。
天候 | 24日:強風 25日:快晴&無風(アタック日) 26日:強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【黄連谷右俣テント泊2泊3日】 ●山梨県 甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根の五合目にテント泊。 ●風速予報22m以上! →テント内に漬物石級のデカい石を四隅に置き留守中風で飛ばされないようにセッティング済み。これが功を奏した。 我々のアタック中にすぐ隣のテントの人が食中毒で救助要請し、ヘリが上がってきていた。我々のテントはヘリの爆風にも耐えてた!さすがD会長!何が起きるかわからないね。 【アプローチ】 ●六丈沢の目印石地蔵〜→「坊主の滝」をやりたいので滝の手前にドンピシャルーファイ。坊主滝をやらず直接左俣に行く人達とはちょっとルートが違うので、下降の際には留意したほうがいい。 ●約2時間で坊主の滝手前に到着。 【坊主の滝(右俣の核心らしいが実はそうでもない)】 ●坊主滝はめっちゃ凍って発達している!今回は60mロープ使用。 (→通常2ピッチで上がるので50mロープでも可。) ●BDの16僖好リューは全て入る位の厚さ。 ●ランニングを2か所でいつもの支点ポイントに上がれる。 ●今年の発達具合ではぺツル「ダート」クラスのアイゼンを「1本爪」がお勧め。 ●そしてぺツル「ノミック」などのバーティカル向けアックスがベスト。 (tbf先輩は、カンプのXドリーム) 【右俣(核心=「奥の滝」!氷が薄くてシビレル!)】 ●200m続く「奥千丈の滝」という名称の氷瀑帯だ。思ったより岩がゴロゴロある。氷の発達具合が素晴らしい! ここでもバーティカル向けのアックスが良い。Quarkでもダメじゃないが。 ●坊主の滝が核心らしいが、うちの会長はクライマーな為、バーティカル志向。難しいラインをぐいぐい登っていく。eri2ちゃんはノミックで、雪華はQuarkでフリー追従。やはりツメをモノポイントに変えておくべきだったと後悔しながら頑張る。 ●インゼル通過。インゼルがあることは頭に入れておいた方が良い。ルーファイがスムーズになる。 ●2450mの滝で2回目のロープ。 モナカ氷で一番ヒヤヒヤしたとこ。氷の板がクラッシュして支点が取れない。なんとかスクリューを打ち込んでもらうが、絶対に落ちれない!! ●2600m付近「奥の滝25m滝」で3回目のロープを出す。 私達としてはココが核心。薄い氷でスクリューが半分しか入らない(-_-;) ※tbfアニキやK君もここではロープを出したそう。 ●「奥千丈の滝」から「奥の滝」完了まで約4時間を要している。 我々は休 |
その他周辺情報 | ●「白尾の湯 べるが」:日帰り入浴 800円 https://www.verga.info/onsen ●「道の駅白洲」 https://michinoeki-hakushu.com/ |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
装備
個人装備 |
【アイスアックス】
●会長・雪華=クォーク
●eri2ちゃん=ノミック
【アイゼン】
ぺツル ダートの爪 ●会長・eri2ちゃん=モノポイント●雪華=デュエル
※爪は絶対モノにしておいたほうがいい!!
マイクロトラクション
ロッキングカラビナ2個
|
---|---|
共同装備 |
BDアイススクリュー16cm6本
60mロープ1
ビバーク装備一式
7ミリ10m補助ロープ(使用せず)
アルヌン60cm×5・120cm×4
スクリュー予備2本(13cm1本・19cm1本)
|
備考 | 14時間行動になるので、「ヘッドランプの予備電池や携帯の充電器や食料は十分携帯すること。」とした。 |
感想
https://iceclmb.blogspot.com/p/blog-page_24.html?m=1
↑私の自習自学サイト:Kinnyさんのアイスクライミングのページ。
『心・技・体・知・経、の総合力が山の実力ということになります。』
を、モットーにしている方です。
ここでかもう一つのサイトで「黄連谷右俣は年齢的や体力を鑑みると今の私には行けない」という趣旨のことを書いていた。
このかたが断念する位の谷って、いったいどんなところなんだろうっ?て、興味を持ったのが始まり。
でも私には師匠がいないので「連れて行ってくれる人」はいない。
いつか自分が実力を付けて「一緒に行きましょう!」と、言えるようになれるよう、「心・技・体・知・経」を身に付けようと努力を重ねた。
特に黄連谷は右俣・左俣ともに谷に入ったり谷から脱出するための「ルーファイ」も核心だ。雪の見極め・立ちはだかる大きな岩。迷ってしまいビバークするパーティもある。
そして「氷瀑帯」はフリーでどんどん進んで行かないと時間キレとなる。沢内でのビバークをするパーティもあるが、宿泊前提の重い荷物を背負いながらの登攀を、我々は選択したくない。失敗は許されない緊張感のもと、前爪を硬い氷に差し込みながら進まなければならない。
そんな中、一昨年はクリスマス寒波で大雪の為、五丈沢を下降し二又までで敗退。
(その時坊主滝をリードできたので「右ならイケる」と確信していた。)
去年は仕事が急遽休めなくなり、先輩達との同行はおじゃん。
今回三度目の挑戦となった。
一日目は強風でテントが揺さぶられる突風。しかし、天気予報を信じてD先生が決行と決断。センスある女子クライマーeri2ちゃんもいてくれるし最強メンバーで挑む!
結果、みんなが自分の力量をうまく出して相乗効果で成功できた黄連谷となった。
氷瀑をオールリードしてくれたD会長、技術の難しい中間役を引き受けてくれたeri2ちゃん、雪華は稜線へルーファイさせて頂いた。
もちろん計画書を作成途中に、昨年超ッ早で敢行したtbfアニキやKM君も詳しくアドバイスをしてくれた。そのお陰で無駄なギア携帯やロープ出しをすることも無く、スムーズに進むことができた。
ルーファイの最中にもお二人が通った軌跡も参考にさせて頂いたので、現場では3人で登っているけれどお二人の気配を感じながら実際は5人チームで成功させたような達成感や喜びがあった。
今回はこのようにチーム登山の喜びを改めて気づかせて頂いた山行でもある。
私はもともとソロで歩いていたが、独りでは行ける世界が限られる。
みんなと仲間になって協力し合い、支え合えるからこそ世界が広がるんだな、と感じることができた黄連谷右俣となった。
あとは私は沢やなので、単純に、冬の谷の美しさに浸れる時間を過ごせたことに幸せを感じた。水の純度は高く透明で強固に発達した氷瀑がいくつも現れる。
水が流れ落ちるその上をアイゼンを効かせて歩く、とてもわくわくしたトキメキも感じることができた。
甲斐駒ヶ岳のピークは踏まなかったけれど、下山途中の富士山や地蔵岳のオベリスク、北岳を筆頭に連なる白峰三山の素晴らしい雄姿を目の当たりにすることができて、大自然を感じる下山道であった。
やはり黒戸尾根は素晴らしい。
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