記録ID: 781889
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雪山ハイキング
京都・北摂
京都北山 三国岳から三国峠
2015年12月20日(日) [日帰り]
体力度
4
1泊以上が適当
- GPS
- 10:00
- 距離
- 20.7km
- 登り
- 1,074m
- 下り
- 1,066m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
★上記地図の軌跡はGPSでの実測ですが、雪がたくさん積もっていたこともあって、何度もルートを失い、何度もヤブを漕いでいます。もし使用される場合は、参考程度にしてください。もしよければ、添付した15000分の1地形図のほうを利用してください。 ●朽木桑原〜三国岳(さんごくだけ) 桑原橋は高島トレイル終点で、りっぱなトイレ舎があるが、鍵が閉まっていて使用できなかった。ここからは一般に経ヶ岳への登山路になっていてそのように表示されているが、三国岳(さんごくだけ)へも2つのルートで登ることが出来る。ひとつはその経ヶ岳登山口(今回)と書かれてあるところから登って主稜線で右折する。もう一つはすこし針畑川ぞいに遡ってから枝尾根に乗る方法だ。残念ながら両方とも国土地理院の地図には記載されておらず、NPO法人・高島トレイルクラブの詳細マップ(1:25000)を取得したほうがいい。 登山路はいきなり急登で、最初はほとんど積雪はないが徐々に増えてきて、稜線近くの最も深い部分でヒザ下ぐらいの深さとなる。縦走路では、10本爪以上のアイゼン、ピッケル、ロングスパッツは使用したほうが良い。またこれからワカンやスノーシューも必要だろう。登山路は雪に覆われてほとんど判らなくなるが、少し凹んでいる場合が多いので、少しは判る程度。つまりルーファイ能力が試される。 三国岳(さんごくだけ)は主稜線から少し離れているので、ピストンする必要があるが、往復でも10分以内で行ける。 ●三国岳〜三国峠(みくにとうげ) 地図上で見た主稜線は一見、判りやすそうだが、さにあらず。積雪で登山路が判らないからでもあるが、枝尾根が複雑に入り組んでいてとてもややこしく、油断すると主尾根を外してしまう。しかし、迷いやすいジャンクションには方向案内板が立っていてとても助かる。雪上歩行とルーファイで距離が稼げず、思ったより時間を食ってしまった。地蔵峠の林道には適当に降りて、林道から適当に登って再度、主稜線に取り付いた。 三国峠(みくにとうげ)は峠ではなくて山頂になるのだが、この地方の山頂の呼び方のひとつらしい。したがって、三国岳(みくにだけ)とも呼ばれていて、さきほど越えてきた三国岳(さんごくだけ)と同じ漢字名なのが面白い。三国峠(みくにとうげ)すなわち三国岳(みくにだけ)は、現在、京都府、滋賀県、福井県の3つの県境になっていて、その名前の由来であることが想像されるが、だったら、さきの三国岳(さんごくだけ)の由来は何なんだろうと、判らないままに思考が発展する。 三国峠の山頂にはぐるっと反時計回りでアップダウンしながら登る。ここで初めて一人の登山者の踏み跡があった。比較的小さいものだったので女性であろうか?この山深い雪山のソロとは逞しいものだ。 ●三国峠〜三国峠登山口 ボクの当初の予定では、主稜線を根来坂(ねごりざか)まで行ってから旧鯖街道の上部を南下して下山しようと考えていたが、時間的にこれを諦め、山頂から主稜線をナベクボ峠(クチクボ峠)まで行って右折し、若走路谷を下ろうと考えた。山頂からの踏み跡は、同じくナベクボ峠方面の案内にしたがって降りていったが、途中から京大演習林の北面境界尾根ぞいに西に向っており、最初ボクもそれに釣られて行ってしまったので、登り返して修正した。しかし、この稜線は美山町に抜けるまで延々と遠いが大丈夫だろうかと心配した。 三国峠に反時計回りで登ってきた路と、これから北へ進む主稜線の間は少し窪んでいて、雪の下が沼池のようになっており、すこし填まった。加えて、主稜線を外して、1本東側の尾根に乗ってしまい、間違いだとは判っていたが、少し強引に若走路谷に合流した。したがってナベクボ峠は通過せず、ショートカットしたかたちになった。若走路谷については、増水でもしない限り、危ない部分はない。 ●三国峠登山口〜朽木生杉〜朽木桑原 のどかな農村地帯を歩く。お天気が良ければ、長い舗装歩きでも気にならない。朽木生杉(くつきおいすぎ)という地名にも何故か惹かれるものがある。途中には道の駅ならぬ源流の駅「山帰来(さんきらい)」という施設があって、地元の農産物や特産品を販売している。県道781に突き当たって右折するが、ここも鯖街道としてかつて栄えた道である。 ‐ |
ファイル |
よろしければご参考に
(更新時刻:2015/12/21 17:35)
(更新時刻:2015/12/21 17:36)
(更新時刻:2015/12/21 17:36)
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写真
感想
近畿地方の中央分水嶺である高島トレイルは、マキノの愛発越(あちらごえ)から朽木の三国岳(さんごくだけ)まで約80kmに及ぶトレイルルートだ。山深い雰囲気や貴重な自然は、ハイカーに人気があり、良く歩かれている。この高島トレイルの評判を聞いていた美山町(観光協会)は、高島トレイルに続く”美山トレイル”なるルートを新しく整備(設定)し、最近発表した。しかし、そのど派手なオレンジ色の大きなテープマークが、ひんぱんに巻きつけられていて景観や雰囲気が損なわれたばかりでなく、整備の名のもとにアシュウ杉や貴重な自然が切り倒されたことが発覚した。そのためこれに反発したハイカーや自然愛好家のあいだで、このテープマークの引き剥がし運動に発展し、その煽りを食って、控えめな高島トレイルのテープマークも、今回見当たらなくなってしまった。いまや、この美山トレイルに見向きするハイカーはいない。行政からの補助金ほしさに事業を興すと、こういう結果となる。
今回、その高島トレイルの終端を歩いてきた。国土地理院の地図には、”三国岳”が近所に2つあり、同じ”三国岳”という名前の異なる山を、”さんごくだけ”と呼んだり、”みくにだけ”と呼んだりしていたので、以前から興味があったが、そのあたりの理由はあいかわらず判らなかった。どなたか、この歴史をご存知の方がおられたら、お教え願いたい。
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コメント
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熊さんでびっくらこくんですね。
いやいや、すみません(^_^;)
しっかし、この日はいい天気でしたね。
こちらの頂上でお会いしたおじさんが「こんな日に山行かんやつは、山好きって言っててもウソやね。」って言ってました(^m^;)
やまちゃん、まいど。
ほんま、びっくらこきましたよ
一瞬、腰が抜けそうになりました(笑)
山中にあんな置物は、反則ですわ!
お天気が良くて、青空がきれいで、
おまけに、恐ろしいほどの山深さを感じることが出来て
本当に良かったです。
お互い、正解でしたね
クマ
山深い所に行かれていたんですね。
国土地理院の地図には、三国岳が近所に2つありますね。
私見ですが、三国岳959m(近江国、丹波国、山城国の境)は
"みくにだけ"がふさわしい様な気がします。
近江国は、"おおみこく"とは云いませんよね、"おおみのくに"
ですよね。
三国峠(国土地理院の地図では三国岳)は、三角点名は案内人の
人が云ったことを併記する場合もあるので、不確かな場合が多
です。(近江国、若狭国、山城国の境としたのかも知れません)
地形的には、主要の若狭道(通称鯖街道)から外れていますが、
若狭国から畿内に至る道は、五本ほどあったようなので、その
うちの一つかも知れませんね。 (適当ですね )
峠は、道の頂点(登って下る)を示すのですが、山の稜線から見
ると鞍部が一般的ですが、そうではないところがあります。
この辺りは、山頂なのに峠と呼ぶところがいくつかあります。
京大研究林内にあるブナノキ峠、傘峠、天狗峠(天狗岳)がそう
ですね。(何度か歩いています)
稜線の鞍部を峠ではなく垰(たわ)と呼ぶときもあるようです。
三国峠と言えば、上越国境を越える峠が有名ですね。
群馬県と新潟県に住んでいたことかあるので、こちらの方に
馴染みがあります。
真冬に訪れた、法師温泉を思い出しました。
ストラッセさん、こんにちは。
今回は最高のお天気の日曜日にもかかわらず、ハイカーのひとりとも出くわさず、山深さをひしひしと感じた雪山歩きでした。最近の京都北山で感じることができなかったものを、感じることが出来た感じで大変良かったです。
さて、三国岳776m(現地では三国峠)は、現在、滋賀県、福井県、京都府の3つの府県境となっていますが、かつては、三国岳959mが近江国、若狭国、山城国の境だったんじゃないかという見解でしょうか? ただ、本当に山深い場所なので、呼び方を含めて、地元の案内人でもいい加減な感じになってしまったということですね。わかるような気がします。
峠という山頂名に関しては仰るとおり”道の頂点”ですね。このあたりは稜線が入り組んでいるので、鞍部ではなくて山頂を通らないと方向が判らなくなってしまうからではないかと想像しました。ボク自身も、歩いていて、ほんとうにいつのまにかに主稜線を外してしまうので、自分のルーファイ能力がまだまだだと痛感した次第です。
クマ
北山クラブのNさんから、以下の意見・感想をいただきました。
貴重なご意見、ありがとうございました。
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三国岳は、丹波、近江、山城の三国ではないでしょうか?
で、三国峠は、丹波、近江、若狭でしょうか。
あと、桑原から茶屋跡〜経ヶ岳〜ミゴ谷〜三軒屋〜久多への街道としてタバ越え(丹波越、桑原越)があったようですね。
高島トレイルからは外れますが。
とても面白いレポートで、エネルギーも感じられました。
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カキコでご返事するべきでしたね。
入会しましたので、今後は・・・。
北山クラブ getahage
今年もよろしくお願いします。
私はこれ何、あれ何が大好きで調べるのが趣味みたいな所
があります。
高校時代からの友人が街道、特に古道を歩こうと思ってる
と言うので近畿の街道・古道を調べる序に鯖街道を調べて
いて、三国岳が二カ所ある事に変だな思っていました。
実際に何度か歩いて見て、南西部の三国岳は、丹波の国・
近江の国・山城の国の境、北側の三国岳(峠)は、若狭の
国・近江の国・山城の国の境と実感しました。
だだ、山城の国と書くより、山背の国と書くほうが合って
るように思います。
色んな方からの話が伺えるのは愉しいことですね。
有難うございます。
これからもよろしくお願いします。
ストラッセさん、
こちらこそ、本年もよろしくお願いします。
歴史を遡り、
かつての人々が、
どのように自然と係わりをもって
生活していたのかを考えることは
今の時代を生きる人々にも
とっても大切なことであり
大変興味深いです。
getahageさんは、北山クラブを再興された方であり、
strasseさんなど史跡・民俗学に精通された方にもご意見を伺いながら、
うえに書いたようなことがらを、深めていければ、
今年も幸いです。
クマ
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