【阿弥陀-赤-横-硫黄】阿弥陀中央稜から。実力を試される山行
- GPS
- 14:02
- 距離
- 24.2km
- 登り
- 2,092m
- 下り
- 2,100m
コースタイム
- 山行
- 11:17
- 休憩
- 2:39
- 合計
- 13:56
天候 | 曇りのち晴れ 西風強いものの一部区間のみ -15〜-5度程度 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
■阿弥陀中央稜 船山十字路から道なりに延々と進む。道中開けた個所からトレースが分岐(いづれも氷瀑)となるので南側(直進ではなく右折)へ。そのままトレース便りに進むと氷瀑の方面へ行ってしまうので適当な個所で山に取り付く。序盤から結構な急登のため早急にアイゼン、ピッケルを装着しました。 意外にもピンクテープが少量ですがありました。また「四区」と木に書いてある個所も案内にもなりますが一般道ではないのでRF能力はある程度必要に感じました。 二日前に結構な降雪がありましたのでそこそこ雪があります。 幸いなことに1名のトレースがあったので甘えさせてもらいました。 2400m付近で撤退していた模様。以降は一部区間ラッセルでした。 阿弥陀山頂付近は雪庇が発達しているので谷沿いには近寄らない事 ■阿弥陀岳-中岳-文三郎合流地点まで 山頂直下では踏み外すと腰まで埋まりました。トレースがなく、眺望もない時にはルートから外れやすい(西側)ので注意。急な傾斜が続く区間で一部クライムダウンが必要な個所もあります。中岳のコルから中岳へは細尾根になっていませんでした。 ■赤岳まで(文三郎道) 風の通り道です。無風という日でもここは風が強いです。防風対策はしっかりと。 故に降雪があってもそれほど雪も付かず、トレース、ステップがくっきりと残っており、赤岳への登りの中では格段に登りやすいです。 山頂直下では踏み外すと東面へまっさかさまに落ちる場所もあるので注意。 ■地蔵尾根合流地点まで 急な区間ですがここもトレースがしっかりとしており歩きやすかったです。 ■横岳周辺 コンディションによって難易度がかなり変わります。今回は降雪後で人が入った跡がほぼなく慎重に進みました。 □日ノ岳ルンゼのトラバース ここに至る道も埋まっており一部岩峰を巻いて進みました。 先行していた方が、道がない、といって引き換えしてました。 週末くらいになったら誰かがトレースつけてくれると思います… トラバース区間では新雪でアイゼンの効きもイマイチだったのでサイドステップで進みました。 この区間は踏まれるほど楽になっていくと思いますが、コンディションで難易度が変わるので注意。 □鉾岳のトラバース 鎖が出ていますが、道はかなり細いので慎重に。西側は風が強いことが多いです。 □奥ノ院先の細尾根、ハシゴ 鎖が設置されていますが、強風時には通らないほうがよいとおもいます。 ハシゴも去年に比べたら大分楽になった印象です。 □カニの横這いのナイフリッジ カニの横這いが歩ければ楽勝。ですが当日かなりの斜度で埋まっており、横から歩くのは不可能だったため、上の岩峰を渡りました(ナイフリッジ) 取り付きが細く登りづらい。両側は断崖と私的には一番の難所でした。ただ区間自体は短く、すぐ太くなります。 ■横岳-硫黄岳まで 風の通り道なので大抵強風です。露岩しておりアイゼン履いているとめんどくさいです。以降急な区間もないのでチェーンスパイクとかにしてしまってもいいかもしれません。 ■硫黄岳-赤岳鉱泉まで 赤岩の頭から急斜面を降りていきます。雪量が多く足を取られます。 雪崩の名所です。不用意にトレースを作らないこと。 ■赤岳鉱泉-八ヶ岳山荘まで アイゼンを脱ぎチェーンスパイクに換装。 先日の降雪で凍っている区間は見受けられず快適に歩けました。 (今後の状況ではどうなるかわかりません) ■船山十字路まで 別荘地帯を抜けていきます。一部森を突っ切ったり。4km近くありおすすめしません。 |
その他周辺情報 | もみの湯 17時以降300円 庶民の味方 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
ザック
アイゼン
ピッケル
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
地図(地形図)
コンパス
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
ロールペーパー
携帯
時計
サングラス
カメラ
ポール
ヘルメット
|
---|---|
備考 | 自撮り棒をもっていってみたが撮る余裕はなかった |
感想
今回は阿弥陀岳の未踏のルートから、赤岳〜硫黄岳の縦走を実行に移しました。
帰りはどうやって船山十字路に帰ろう…などと少しだけ考えながら。
二日前に降雪があり、どうやら山は冬に戻っている模様。
阿弥陀の南稜か、中央稜か悩んでいたが、山中の状態がやや不明瞭のため、中央稜を選択。ただ初めての場所であるため今回はtakaneponさんのデータを参照させていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。
踏み跡の数を見ると、前日結構人が入っているな〜という印象でしたが、それらは全て氷瀑へのルートでした。
ただ幸いなことに1名だけ中央稜らしき踏み跡があったため辿らさせてもらいました。2400m付近でトレースの主は撤退した模様。まだ見ぬ誰かに感謝。以降は自力で。
地図とGPSを利用しながら進みます。所々RFしながら、降雪量が結構多くラッセルする区間などもあり、山頂にたどり着くまでに結構時間が掛かってしまいました。
残念ながら山頂はガス。眺望はありません。元々テンション低めだったので
「このまま帰ろうかな…」とも考えていましたが、日中は晴れるとの予想だったのでもう少し進んでから考えようとこのまま中岳のコルへ下ります。
ここも雪が多く腰まで埋まったりしながら進みます。
途中で何組かの人たちと遭遇しました。以降は踏み跡が出来ており問題なく進むことが出来ました。
中岳に進んだあたりでガスがなくなり始めて一気にやる気スイッチが入りました。
強風の文三郎尾根、赤岳山頂、地蔵の頭までこの辺は本当よく踏まれています。
コンディション次第でしょうけど楽をさせてもらいました。
その後、横岳手前の無風地帯でお昼ごはん。箸が失踪していたのでカップラを手で食べます。うーん野性的!
休憩時に赤岳から付かず離れずの人に追い抜かれましたが、ほどなく戻ってきました「道がみあたらなくって…」
自分「そうなんですか?(手でカップラ食ってるの見られなくてよかった…)」
進退窮まる感じではありますが状態を確認してからにしようと休憩後進みます。
帰ってから以前に登った写真を確認したのですが、先日の降雪で日ノ岳のルンゼ地帯への道が、雪により急斜面になっており通れなくなっていました。
なので道がないため今回は左側の岩峰を少しよじ登り、嫌らしいトラバースを進み何とかたどり着きました。ルンゼの所もトレースないため切り開きます。
新雪で雪が柔らかくかなり不安になりますが、サイドステップで何とか通過。
その後もいくつか不安定な個所を進み無事奥ノ院へ到着。
この先の箇所を通過してこそ安堵できるなと気を緩めずそのまま進みます。
細尾根には鎖が設置しており、その先の階段も思った以上ではなくスイスイ通過できました。
ただその先が…カニの横這いという個所で落ちても1〜2m程度なので難所とは程遠い場所で、「いや、余裕だしwww」みたいなノリで以前の積雪期にも問題なく通過していたのですが、横這いなんて無理だろ!みたいな斜度になっており通過にはかなりの危険を伴う状態になっていました。
そのため横這いが通れない場合には岩の上を通過するのですが、その個所が大変細く切り立っており、登るのもちょっと大変で、かなりドキドキの通過でした。
以降は強風に晒されながらも無事硫黄岳を通過し、赤岳鉱泉、赤岳山荘、八ヶ岳山荘と戻ってきました。アプローチが氷化しているとの話をよく聞いていたので、一応チェーンスパイクに履き替えましたが特に不便はなく、氷は雪で覆われていて普通の雪道でした。ただ気温も上がる季節ですので今後どうなるかはわからないですね。
その後は八ヶ岳山荘から船山十字路まで、疲れた身体にムチを打つナイスなイベントを経て無事帰還しました。
alsoさん こんにちは
予想外れでした(笑)
南稜ではなく中央稜だったんですね!!
どちらにしてもバリバリのバリルートじゃないですか、、、
おまけに初めてなのに素晴らしい!!!
さすがのポテンシャルといいましょうかスキルといいましょうか
敬服致します。。。
登り始めの時間が早いだけに凍結とかは大丈夫でしたでしょうか?
2日前に降雪したんですね。
そんな中でのこの歩行距離、、、、、、普通じゃないっす(笑)
地蔵の頭から横岳に向かう最初の二十三夜峰辺りまでの積雪は大丈夫でした?
それ以降もかなり厳しい状況だったご様子。
ご無事で何よりです。
横岳に雪があるうちに登りたいって思っていますが、こんな状況だともう少し
様子を見〜よおっとw
ルート状況等 とても参考になります。ありがとうございます。
お疲れ様でした。
akanetouchanさんこんにちは。
中央稜は後半まで緩く登って後半一気にガツッと突き上げる感じでした。
道はやはり分かりづらいのでかなり時間が掛かってしまった感じです。
まだまだですね、反省多き山行でした。修行あるのみです…
雪のせいで凍結などはなかったのですが、今日も下界は10度以上でしたし、明日も天気が良いそうです。山も外観はみるみる雪が減ってきているので環境はすぐ変わりそうです。
二十三夜峰付近は吹き溜まりのようになっておりべったり雪が付いてました。
西面と東面がぶつかるコルの部分ではつむじ風が発生していて何度か襲われて
顔、上げられませんでした。
北稜登られる方なら問題ないと思いますよ
ぜひお越し下さい!
木の陰から見つめてましたよ←どこの?
それにしてもすごいですね。←なにが?
きっと前世インド人なんですわ。
冗談です。何がすごいって距離と岩稜歩きと速さと天気と。。。ぜ〜んぶ!!
私ももう少しスキルアップして頑張りたいな〜。
まずはチェーンスパイク購入から(笑)
長野の山も今日の暖かさでまた雪が融けてしまったような。
市街地にはいらないけど、山には雪降ってほしいですね。
そうか、木陰で見えたアレはhapiraさんだったのですね|ω・`)チラッ
進み過ぎて間違えたときに指摘してほしかったです(笑
最後までヘトヘトになることはなかったのですが、のんびり歩きすぎました。
この時期に長い時間歩くのはあんまりよくないですよね。
山中にいる時間が短いほど安全は増すわけですから適度な速度は必要だと思うんです。
最近短い距離ばかりだったので完全になまってましたね…
hapiraさんはスキルないとは思いませんけど
定期的に山行する人が一番強いですよ!
チェーンスパイクは汎用性高くてオススメです!脱着も一瞬ですし、厚い雪は×ですが
氷化した場所はテキメンです!
今日は暖かかったですね。茅野市見た山は明らかに雪が減ってきてます。
降ってもすぐ溶けて凍ってカリカリになってしまいそうですね。
インド人…
はじめまして。
昨日、美濃戸からですが赤岳・横岳・硫黄岳とまわってきました。29日の降雪後の状況がわからずだったのですが、こちらのレポを拝見させていただいたおかげで、事前に心構えができました。
横岳先のナイフリッジは、去年はトレースがなく岩峰を登りましたが、すでに右側にトレースができていました。ただ通過が午後だったこともあり、かなりグズグズな状態でした。
レポ全体も詳しく拝見させて頂きましたが、参考になることが多く大変勉強になりました。ありがとうございました。
はじめまして!コメントありがとうございます。
こんなレコですが、参考になったと言っていただけると励みになります!
自分は八ヶ岳の麓に住んてるのですが、ここ最近は本当気温が高いです。あっという間に溶けてしまいそうな予感です。
あの横這いの所がグズグズとか恐ろしいですね(;´Д`)
お疲れ様でした!
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