森林生態系ESD フィールドツアー「傷だらけの森を歩き見る」
- GPS
- 04:17
- 距離
- 7.1km
- 登り
- 377m
- 下り
- 382m
コースタイム
-(昼食)-
12:15大台ケ原ビジターセンター〜〜13:29大台ケ原山(日出ヶ岳)〜〜14:28尾鷲辻〜〜14:40牛石ヶ原〜〜15:04大蛇堯繊16:01シオカラ谷吊橋〜〜16:32大台ケ原ビジターセンター
-(怒涛のバス走行...)-
19:30奈良着
天候 | 曇、一時雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2010年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【森林生態系ESDとは?】 「森林生態系の保全を題材とした研究者・学校・行政・住民の連携によるESD(教育)の開発」という題目で大学で実施している(らしい) 【ESD】:Education for Sustainable Development 【概要】 大台ヶ原にある本州南限のトウヒ針葉樹林生態系は崩壊の危機に瀕しており、環境省が懸命に自然再生に取り組んでいる。森が壊れるとはどんなことなのか、多数の専門家による解説を聞きながら現地を実地に観察する。 【現地案内】 濱名功太郎(環境省吉野事務所)・横田岳人(龍谷大学)・鳥居春己(奈良教育大学)・松井淳(奈良教育大学) 【コース状況等】 ・特に危険箇所はないが、軽装で登られる方が多い。山頂まですぐですが、標高1500m以上の山ですよ.. ・登山道以外には入らない様に。植生が荒れます,,, |
写真
感想
大学レポートをそのまま転記(勿論、自分のレポートです。。。)
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私は小さい頃から登山を趣味で、大学に入ってからも部活を創設し、各地の山に登っています。今回のフィールドツアーでの山域も、10数年前から何回か訪れたことがありました。しかし、秋の紅葉の季節には訪れたことがなく、また専門家の方々とお話を聞きながら歩くことが出来るということもあり、学生という身よりも一自然をこよなく愛する(?)登山好きとして参加しました。
普段、奈良の南部へ登山に行く時間にしては遅いような気がしながらも出発でした。やはりこの予感は的中しており、駐車場ではかなり混雑していました。中型バスで行ったことが不幸中の幸いだったかと思います。道の両側に駐車している車になかなか通れず、たまらず飛び出し道の誘導係をしましたが、これも大台の「今」だと感じました。駐車場は多くの車が止められる環境ではなく、路肩に駐車せざるを得ない状態。混雑すると渋滞が発生し、環境汚染にも繋がりかねません。このあたりも普段から山に登る私としては、考え直す機会となりました。
現地案内の方の紹介と、ざっと豪快な班分けの後、ビジターセンター横で昼食。多少ガス気味でしたが、紅葉がきれいで気持ちのよい昼食をとることが出来ました。
最初は、環境省吉野事務所の濱名功太郎さんと共に山を歩くことになりました。さて登山開始かと思いきや、登山口で解説を開始されました。何気なく登る方なら恐らく見落とすのではないかと思う看板。注意書きや禁止事項が書かれた看板なのですが、これも吉野事務所で作られた看板で、よくよく見ると「遠慮下さい」と「禁止です」との2通りの言い回しがされていました。話によると、「禁止」は法律等で禁止されている事項で、「遠慮」というのはいわゆる登山マナーで、法律等では罰することのできない事項らしいです。普段から山に登る身としては、遠慮事項も禁止事項も至って普通のマナーなのですが、最近の登山ブームで、そもそも基本的な登山マナーを知らない人も多いそうです。歩いている途中にも、歩道外に出られている登山客に濱名さんが厳しく声を掛けておられるところは印象的でした。気軽に車で上がってこられて軽い気持ちで山に入っていく人がいる。これも大台ケ原の現状だと感じました。
歩いて行くと、木々の幹にネットが巻かれていました。他の山域でも見られるネットですが、異なった網目(目の細かさ)、材質(銅やアルミ等)色(金属色や茶色等)のしたネットが見られました。観光客も多い大台。ネット自体の宣伝効果も大きく、試験的に運用されているものが多いとか。最新の茶色のネットは、それほど景観も損なわず良いと思いました。自然に対しては勿論、山を楽しむ私達のことも考えて環境保護に取り組む事業には、本当に感謝感激しました。
また、山を楽しむ人達に対する配慮というのはこれだけではありませんでした。鹿の侵入を防ぐ柵は奈良の山域には数多く見られ、時には柵の扉を開けたり、ある時には柵の役割を果たすネットを潜ったりしなければなりません。しかし、この山域では近距離の柵もありましたが、遠く先にある柵も見受けられました。これは、原則登山道から20m離れた所に設置するという配慮があるからだと、濱名さんはおっしゃっていました。八経ヶ岳のように柵の扉を開けないといけないような場所は、昔に柵を設置したところで、今設置しているものは原則守っているとのことです。実際、離れた柵はまわりの景観にうまい具合に溶け込んで目立ちませんでした。ここまで配慮されているとは知りませんでした。
その他にも大台の自然に関して、苔や笹、キノコ、ブナ、ミズナラなど、様々な植物に関してお教え下さりました。笹の種類や、苔の多種性についてなど、普段1人や友人などと歩いている時では気が付かない、また知らなかった知識を得ることが出来ました。特に、今や大台の有名な風景ともなってしまった正木ヶ原の朽ちたトウヒ林については、鹿の食害の影響の印象が強かったのですが、台風や尾鷲の火力発電等も影響にあるのではないかということでした。様々な要因による現在の大台ケ原の「今」。ガスの中だったが、この目で感じることが出来ました。
今回歩いたルートとしては、東大台をくるりと周回するルートで、シオカラ谷や大蛇瑤覆鼻▲スの中でも十二分に大台ケ原を満喫することが出来たルートでした。また、途中で鹿を目撃し、普段山に入らない人が野生動物を見る、いい機会になったのではないかと思います。
このフィールドツアーで、他角度から大台ケ原の「今」を見ることが出来ました。人間と動植物が共存するのは、難しいことかとは思います。しかし、この課題に関しては、自然をこよなく愛する(?)私としては、実現することを期待する、実現してもらいたい課題だと思います。また、このようなツアーが今後も行われて、様々な方に実際に「今」というものを見て聞いて感じてもらい、この課題について知っていただきたいと思います。
今回、企画、案内していただいた皆様、貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございました。
紅葉の大台は行った事が有りません、渋滞が怖くて
晴れたら素晴らしいですよ、また一度
遅れ遅れながら返信を。。。
写真を見ていただけると分かる通り(?)、なかなか良かったですよ
ただ、本当に人の多さにはうんざりと言ったところです...
大台ケ原は数年前、上高地、乗鞍岳の様に一般車通行禁止にすると公表が有りましたが立ち消えになったのかな?
重機が山を切り開くのは開発と賞賛され、鹿が木々を食べるのは食害と批判され、
人間のエゴとはむごたらしい!
一般車通行禁止の件については、全く聞いてないですね。。
駐車場辺りは、規制の緩い地区に指定しているみたいで、おそらく立ち消えになったのでは?と。
上高地みたいに、下に大多数の車を止める場所もなさそうですし...
木の幹にネットを張るのも、鹿にとっては食べ物が減るわけですし、木にとっても、成長するとネットは伸びないので、ほっておくと食い込んでしまい、いい迷惑。。。
本当に、難しい問題です,,,,
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