残雪の西穂独標
- GPS
- 06:27
- 距離
- 6.3km
- 登り
- 661m
- 下り
- 660m
コースタイム
天候 | ☀ → 薄ぐもり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
第1始発 8:30 第1・第2通しで往復2,900円(定価。JAF会員証で300円引き) 登山者は荷物券も必須 往復600円(6Kg以上) 満員時は臨時便運行してくれるはず。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【ポスト、用紙】各所にあるようだが、西穂高口駅内、出口扉横にあるポストが最終かと思われます。 【西穂高口駅〜西穂山荘】樹林帯、全面積雪。アイゼン、軽アイゼン、チェーンスパイク、ノーアイゼンと様々。 自分たちはノーアイゼン+ストックで行けました。 【西穂山荘〜独標】視界の開けた稜線。アイゼン+ピッケル。何カ所か夏道も露出し始めている。露出した夏道を嫌い登山道はずれると踏み抜き多発。 要注意箇所は独標、手前の岩場。 |
その他周辺情報 | 新穂高ロープウェイの第1と第2の乗換エリアにある「神宝乃湯」に立ち寄ろと思ったら15:30にて閉店で立ち寄れず・・・ |
写真
感想
毎年恒例?となった4月の残雪期山行、おととし上州武尊、昨年の谷川天神尾根とリフト・ロープウェイ利用のお手軽登山で絶景コースを堪能…さて今年はどこ行こう…。
我ら貧乏サラリーマンも今年はやっとこさヘルメットやピッケル・12本爪を買い揃え、行ける山域が漸く増えてきた。雪の北アが候補なるとは…感無量。
が同時に、山をはじめてから車の酷使度合いがマシマシに。この冬〜春だけでも山行のみならず、帰省、スキー…2度目の車検を前にすでに6万キロオーバーは先行き不安。北アまでの往復ではまた500キロか…
ということで、同行者の賛同を得て、初めての前日宿泊の電車バス山行を計画。
電車バスの便がよく前泊山行で残雪期を楽しめる山、ということで白馬唐松岳と迷ったが、より山行時間に余裕がありそうな西穂独標に。
実は槍穂山塊は初チャレンジだったり…3年連続で索道利用のお手軽?山行となった。
4月に入りロープウェイの営業時間が延び、ピークまでの踏み跡も明瞭な時期、あわよくばピラミッドピークあたりまで…なんて楽天的な思惑を抱きつつ始発のロープウェイに乗り込む。
あいにく薄曇りで青空は望めないが、槍〜奥穂〜西穂の稜線も拝むことができ、もう満足?標高2,000mオーバーまで瞬間移動。
スタート。最初の樹林帯は風もなく少し歩けば暑いくらい、全面積雪のルートは最初からアイゼン装着の方も多数だったが、まずは様子見、ノーアイゼンで。
最初はなだらかな庭園風のルート、時折下りを織り交ぜつつ徐々に斜度が増してくる。
山荘手前のところでキツめの登りとなるが、滑る不安はあまり感じずノーアイゼンのままほぼ定刻に山荘着…一気に視界が開け、焼岳ドーン!霞沢ドドーン!にテンションが上がる。
小休止&装備を整え、大きなザックを小屋脇にデポ、身軽になっていよいよ独標を目指す。
山荘までは比較的軽快な足運びだったが一転、長めの停滞が凶とでた?ザックが軽くなったにもかかわらず体が重く足が上がらないが息ばかり上がる…初登場の12本爪のせい?
丸山まではあっさり到着。が、そこから独標直下の岩場まで小一時間の地味な登り、キツかった〜。でも森林限界越えの稜線歩きはどっち向いても景色最高!
直下の岩場、雪と岩のミックスだが、岩8雪2?の状態。アイゼンの引っ掛かり、ピッケルの取り回しに気を付け慎重に登る。人が多いと焦っちゃうかも。
独標着。緊張感ある岩場を登った先にある達成感・満足度高い展望台地であり、上高地を見下ろす高度感と奥穂〜前穂、吊尾根の美しさは秀逸。何より眼前に迫るピラミッドピーク〜西穂、さらに西穂から奥穂に至る稜線の絶望的な険しさに圧倒される…テレビで見るのとは迫力が違う!のは、自分の足でこの地を踏んだ体感からか。
そこから先を目指すには垂直の雪の崖?ピラミッドピーク?ムリ無理!…先を目指す技量も勇気もないが、時間を言い訳?にここで折り返すことにする。
独標からの下りも最初の一歩は恐怖、登り以上に慎重に。山荘までの下りは雪に足を取られながら、時折踏み抜きながら…下りでも微妙に神経と体力を消耗しやっとこさ山荘に…やはり初の12本爪の影響があるようだ。
ピークでは自重していた祝杯を山荘前で。
遅めの昼飯は贅沢に山荘ラーメンをいただく…濃いめの味噌味が体にシミる。
賑わっていた山荘前も気づけば2〜3組、始発で上がってきたのにまたいつも通り取り残され…
先を急ぐ。ロープウェイまではアイゼン外し一気に滑るように下る。2度ほどコケたがそれもまた楽し。最後の登り返しがやたらツラかったが、予定時刻より前にロープウェイ乗り場着、で山行終了。
今回の山行、帰りのロープウェイからがある意味核心。普段は車に乗り込んでしまえばそこからは成り行き、しかし今回はここからバスバス電車、乗り継ぎ乗り継ぎ乗り換え乗り換えて、自宅到着は23時30分を過ぎた。
公共交通機関を利用した前泊山行は初の試み、利用交通機関の比較選択、事前の時刻表調べや乗り換えの確認と予約等々、山行計画から逆算し入念に準備打ち合わせ。
また、車なら何でもラゲッジに放り込んでおけるが今回はそうもいかず、事前にシュミレートして持ち物も厳選。
仕事そっちのけ⁉で、今回の旅行?いや山行で最も労力を費やしたのは、段取りと事前準備だったのは間違いない。
往路は人生初、高速バスの停留所から乗車してみたり…車内での寛ぎ方は今後の課題だな。
前泊地では地元の名物料理に舌鼓、極上の温泉にゆったり浸かり明日に備えるが、やはり値段相応?簡易宿泊施設ゆえ就寝後も周囲の気配や音、暑さが気になって幾度となく目を覚まし眠りが浅い…慣れた車中泊のほうが快適だったかも?
帰りは自分へのご褒美?道路渋滞を考慮し贅沢に電車を選択…でも貧乏性がすぐ顔を出し、チケットショップはしごして少しでも安いキップを購入…夜飯&打ち上げの宴は電車の中で!と意気込み、駅近のスーパーと営業時間を事前に確認、酒食材を安く仕入れて持ち込みゆったり晩餐を愉しみ、道路渋滞関係ナシで快適快適!…でもいつもは混んでる高速がこの日はそれほど混雑してなかったり…。
特急電車降りてから最寄駅まで、酔い&疲れであまり記憶がなかったり。
今回の経験で、コストや時間的制約の観点からは、やはり車のほうが有利である事は確認。
でも車では登山口に直行、山の麓=地元は素通りで接点は道の駅や風呂など最小限…これでは登山者が増えても地元は潤わない?ときにはゆったり行程で地元と触れ合い、泊り食べみやげを買い、その地域の経済に貢献することも山を楽しむ人の大事な役割なのでは?と思ったり。
今回はちょっとリッチに電車バス利用のおかげで、いつも車に戻った途端に襲われる「早く渋滞を避けて家に帰りたい!」症候群から解放されただけでなく、新たな発見もあり…
食べて飲んで寝て帰れるのはいいもんだ!ヤミツキになりそう。
特に直下は注意せよ、登れたからといって降りられるとは思うなと言われ覚悟してきた独標。
慎重にゆっくりと降りて無事クリアしてきました!雪残っていますが鎖も完全に露出し、すれ違いに注意し、アイゼン取り回しに気をつけて足元確実に降りればOKでした。
山を始めた頃から目標の一つであった西穂独標。何回か計画に表れては断念していた山ですが、ようやく実現!
今回はバス・電車利用、宿に前泊とリッチコース。
前夜に高速バスで平湯入りのんびりと湯につかる。
翌朝、始発のバスに乗りロープウェイへ。空は晴れて、気温高く風無し!
続々と集まる登山者と、車窓から見える槍〜穂、笠ヶ岳の絶景に気分も高まる。
ロープウェイ降りて支度を整えて出発。樹林帯はベースレイヤーにフリースでちょうどいい気温。今回出だしはノーアイゼン+ストック。適度に緩んだ雪のおかげか意外と滑らない、山荘直下の急登も特に問題なくクリア。
山荘に到着すると南側、東側への視界が開けて
焼岳や霞沢岳を眺めることができた。空は薄曇りにかわり、霞も増してしまったが絶景ぜっけい。
山荘前の広場で身支度。
ハードシェルを着て、アイゼン、ピッケル、ヘルメットを装着。
相方は準備よくサブザックを持参。いそいそと荷物をコンパクトにまとめている。
うーむ、その手があったか。自分も最近、サブザックを入手していた。今回絶好の試行機会だったのに・・。気がつかなかった自分がちと悔しい。
気を取り直して出発。いきなり急登となりますので気合いを入れて進みます。
ひと登りすると前面に独標と西穂に続く尾根が。ゴールはまだまだ上だなー。
左手、西側から再び笠ヶ岳。右手に上高地と霞沢岳、振り返ると焼岳、乗鞍と贅沢な光景が。
出発時から再会となる笠ヶ岳の稜線具合もかわり、標高あげたことを実感。
景色と立ち位置のバランスがよくてしばし撮影タイム。
歩を進めて、あっさりと丸山。
ここまでは危険箇所なし。厳冬期でもここまでなら、景色眺めにくるだけでもいいかも。
このあたりから時折、夏道が出てくる。アイゼンだと歩きにくいからと、雪の残っているルートを行くと踏み抜くことも。
丸山から小一時間で独標手前の岩場。
ルートは、岩を巻き切り立っており狭い。足元は氷雪も残りすれ違いに難儀する。慎重にのろのろ進むのだが、片手にセルカ棒持って自撮りしながらクリアする人、我々を別のルートからササッと追い越して行く人。レベルの違いを実感。
岩をクリアするといよいよ独標、気合いを入れてよじ登る。
岩がほとんどで鎖も出ており問題なくクリア!
しばし登頂タイムを満喫。余裕があればピラミッドピークまでとも思ったが、先へ続く絶壁と時間を鑑みて今回はここまで。自分たちのレベルでは、十分満足。いつかはクリアしたい大きな宿題を目に焼き付けて戻ります。
独標の下りはやはり注意が必要。混んでるし狭いのですれ違い者とコンタクトをとりながら慎重に降ります。墜ちたら絶壁が待ってます。
独標と続く岩場をクリアしたらリラックスして広い尾根下ります。早い早い。尻セードもおりまぜながらすべるようにおりる。
山荘前でほっと一服。相棒といつもの祝杯を挙げる。
そういえば腹減ったなあということで名物西穂ラーメンを食す。うん。うまい。
ここからはアイゼン、ピッケルをしまって身軽になって樹林帯をくだる。相方はさすがスキー熟達者。器用に滑り降りていく。自分は少々遅れてつぼ足でステップを探しながらおります。
そんな歩みでもスピーディーに降りることができ、予定の一本前のロープウェイに余裕で乗ることができた。
今回は公共交通機関使用、温泉地に前泊あり、小屋食ありと贅沢仕様。たまにはこんな山行もいいもんだ。
ステップを一つ刻めた達成感のある大満足の山行だった。
あ、そうだ。今回ついに破れた100均のプラティパスもどきの代わりを補充しておかなきゃ。
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