残雪の田代山と葛沢山
- GPS
- 09:33
- 距離
- 27.7km
- 登り
- 1,500m
- 下り
- 1,498m
コースタイム
- 山行
- 8:29
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 9:33
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
黒部西川線(土呂部〜湯西川)は4月15日に冬期通行止め解除 |
写真
感想
栃木福島県境つなぎの一環として、田代山へ行ってきました。
猿倉登山口からと馬坂峠からの一般登山道はそれぞれ歩いているのですが、田代山から田代山林道の峠までを歩き残していたため、その未踏区間を埋めることにしました。
この時期を選んだ理由は、田代山湿原周辺の県境は木道から外れていて無雪期に歩くわけにもいかないので、以前から残雪期に歩こうと思っていたからです。問題は田代山林道のアプローチで、福島県側は7月までかなり手前で通行止だし、栃木県側も例年10月頃まで鉄壁のゲートで通行止となります。ただ、栃木県側であれば距離も標高差も少なく、路面状態も比較的よいとの情報から、電動自転車でアプローチをすることにしました。
4月15日に冬期通行止が解除されたばかりの黒部西川線(土呂部〜湯西川)を通り、田代山林道入り口に車を駐車。電動自転車を担いでゲートを越えます。舗装は一部で大半がダートですが、雪もなく、電動自転車でもさほどストレスなく通行することができました。ところが、尾根取り付き予定地より1km手前でバッテリーがなくなってしまい、仕方なくそこから歩くことになりました。
出発から50分で尾根取り付き地点に到着。ここでアプローチ用のスパ靴から登山靴に履き替え、スパ靴をデポ。復路は田代峠からここまで林道を歩く予定です。古い地図にはここから田代山まで破線が描かれており、以前から気になっていたルートでもありました。
尾根に取り付くと、期待通り明瞭な踏み跡が残っていました。間もなく図根点があり、その先から急に笹が深くなり、踏み跡も不明瞭となっていきます。断続的に標石や赤ペンキが続き迷うことはありませんが、強引に進むと体力を消耗するため、踏み跡を探しながら歩きやすいところを選んで登っていきます。傾斜がきつくなると、背丈以上の笹ヤブになり、逆目で思うように前へ進めませんが、雪が融けたばかりのためか、ダニがいないのだけが救いでした。ちなみに、この日ダニは1匹も見ませんでした。1684Pで西へ向きを変えると、ようやく稜線上に残雪が現れました。完全につながってはいないものの、これまでと比べれば格段に歩きやすくなりました。標高を上げていくと、徐々に雪が増えていい雰囲気になります。
1714Pを過ぎると、再びヤブが深くなりました。笹に加え、シャクナゲやコメツガもミックスするようになり、なかなか手ごわいところもありました。
県境の1750m級Pの手前、現在の地図にも破線が描かれているところまでくると、シャクナゲやコメツガ林の中にはっきりとした踏み跡が現れました。
1750m級Pから先は尾根の中央に雪はほとんどなく、腰〜胸丈の笹が露出しています。尾根の北側には雪がつながっているのですが、できるだけ忠実に県境を辿るため、往路はガマンしてヤブを歩きました。
1677標高点の先で、急斜面の登りに備えてアイゼンを装着しました。急登を終えて西から北西に向きを変えると、一時的に笹ヤブが現れますが長くは続かず、すぐ雪が連続しました。
田代山への最後の登りは地形図通りの急登でした。ここも、県境の右側に雪がつながっているのが見えましたが、できるだけ県境を辿るため敢えて笹とコメツガの藪を急登しました。アイゼンでつまずかないよう注意し、逆目の笹につかまりながらゆっくりと登ります。1750m級Pからここまで、破線路の形跡らしきものは確認できませんでした。最後の50mくらいでようやく雪が現れ、ヤブから解放されてホッとします。田代山湿原の縁までくると、日光連山や明神ヶ岳、高原山、那須連山等が一気に見渡せるようになりました。
田代山湿原入口に到着すると、真っ白な会津駒が目に飛び込んできました。正に、ここまでがんばったご褒美のような絶景です。つい、弘法沼方面に行きたくなるところですが、まずは県境をつなぐことが優先ですので、やや密なアスナロの隙間を縫って弘法大師堂方面へ向かいます。雪は深いところでも1m程度で、弘法大師堂避難小屋も問題なく出入りできる状態でした。とりあえず、これで帝釈山方面からの県境とつなぐことができましたので、あとはのんびりと湿原の撮影を楽しむことにします。結局1時間くらい湿原の周辺で滞在してしまいました。
下山は、1750m級Pまでは往路を戻ります。苦労して登った激藪を横目に、雪島を拾いながら快適に下っていきます。1750m級Pまで、大部分で尾根の北側の雪がつながっているところを歩くことができました。
1750m級Pから、林道の峠に向けて下っていきます。すぐに雪がなくなり、アイゼンをはずしました。徐々に笹が深くなり、進行方向が見えにくくなったと思った途端、北側にルートを外してしまいました。無理やりトラバースして復帰したと思ったら笹と灌木の混合藪が続きます。すぐ下に見える林道へ逃げたくなってしまいますが、距離的にはあと少しなのでがんばります。この辺りは、福島側の所々で踏み跡が確認できました。1750m級Pから峠まで、下り基調にも関わらず1時間近く要してしまいました。峠の周囲にはたくさんのフキノトウがみられました。
峠からの林道は、雪で斜面化したところや雪崩の跡などもありましたが、概ね歩きやすく、朝尾根に取付いたところまで約4kmを40分で戻りました。更にそこから1kmほど歩いて自転車を回収。バッテリーが切れてしまいましたが、下りなので問題なし。
せっかくなので、林道のすぐ近くにある葛沢山に寄っていくことにしました。南尾根をピストンしてみましたが、自然林主体で明るい雰囲気の山でした。山頂からの眺望はイマイチでした。
車に帰着後、時間があったので湯西川の林道を何か所か偵察して帰路につきました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
こんにちは、栃木県境一周完了は間もなくですか? それにしてももう少し残雪が多ければ楽だったでしょうが.きりんこさんの気力、耐力には恐れ入りますね.
2011年6月にサル沢から1810P北西の鞍部に出て、あとはきりんこさんと同じルートで田代山へ登り、帝釈山、馬坂沢林道と回りました.鞍部からの登りはチシマザサの藪が凄く、”破線の道”はみつけられず、1900m近くで残雪をみるまで、心が折れそうでした(笑)
残雪歩きも福島県側だと避けて尚栃木県側の藪歩きなど、拘りも常人を越えてるんではないですか(驚)
あの、白根山とか望める光景の画像で切れ落ちた崖の天辺にちょっと奇妙な形をした岩峰があったの、きづきましたか? ほぼ、同じ場所で撮影されてますね.
雪田爺さん、こんばんは。
いやいや、県境一周はまだまだですよ。そもそも一周できるかどうかわかりませんが、とりあえず福島県境(黒岩山〜黒川橋)がつながるまでにあと5,6回の山行が必要だと思います。できるだけいい時期に歩きたいので、気長にやるつもりでいます。そういう意味では、例年だとこの時期は気持ちよい残雪歩きが期待できるのですが、今年は雪が少ないので思った以上に藪漕ぎ山行が多くなっています。
雪田爺さんの記録、さきほど拝見しました。あの当時はずいぶんと栗山の沢を歩かれたのですね。自分はまだほとんど未訪のエリアですので、いずれ沢歩きの際にも参考にさせていただきますね。やはり雪田爺さんも破線の道は見つけられませんでしたか。あそこまでチシマザサが密集してしまっては、無理もないですよね。自分はいざとなったら残雪に逃げられる状況だったので、変な拘りを持ちながらもどうにか歩くことができましたが、復路はヤブから逃げっぱなしでしたよ(笑)
岩峰、1810Pからの下りで最初に気がつきました。記事の写真の中で、「あちらに行かないように注意」とコメントしたのがその部分です。ずっと気にしながら登っていまして、写真にならないかな〜と思いましたが、藪を抜けてやっと写真が撮れる位置になると、下から見たときの迫力が出せませんでした。そういえばあの岩峰、湿原台地の一段下になるのですが、ちょうどあの高さに平行して廃道のようなものがありました(55番の画像の下の部分です)。確証がないのですが、ちょっと気になりましたね。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する