常念岳・蝶ヶ岳日帰り縦走 (三股から周回)
- GPS
- 10:18
- 距離
- 18.3km
- 登り
- 2,168m
- 下り
- 2,158m
コースタイム
- 山行
- 9:27
- 休憩
- 0:51
- 合計
- 10:18
天候 | 快晴、一時ガス 樹林帯はほぼ無風、稜線は微風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・三股-前常念岳-常念岳:残雪はなく、この区間だけ歩くのであればアイゼンやピッケルは不要。1825m付近から上には倒木により登山道が塞がれているところあり。2300m付近で樹林帯より抜け前常念岳まで岩場が続く。所によりザレていて歩きにくいところもあり。 ・常念岳-蝶ヶ岳:常念岳からは400mほど下るが、ルートは良く整備されているので特に問題はない。2592のピークの手前は樹林帯に入りまだ残雪が豊富に残っている。傾斜は緩いので早朝の通過でなければ滑落の危険よりも踏み抜きの心配をしたほうがよい。 ・蝶ヶ岳-三股:山頂直下から2100m付近まで断続的に残雪あり。特に標高の高いところはほぼずっと残雪の上を歩くことになる。早朝の通過で雪が硬い場合などはアイゼン・ピッケルがあったほうが良いかも知れない。自分は正午過ぎの通過で既に雪は緩んでいたのでストックでバランスを取りつつ慎重に下った。まめうちだいらから下は快適な登山道。 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
2014年の11月末に三股から常念岳を狙ったが、予想以上の積雪のため敗退した。今回はこの時の再挑戦と、そこから先の槍穂の展望台とも言える縦走路を1日で歩く厳しめのプランを作り歩いてきた。
三股駐車場には4:30頃に到着。既に周囲は明るく出発準備の整った人も多い。自分も準備の後に出発。念の為軽アイゼンを持参するが、短パンの出で立ちなので使うつもりはない。三股からの常念岳は登り一辺倒で結構きついので登山者が少ないのかもしれない。歩き始めても前後左右に登山者の姿が全くない。平日に登山している雰囲気だった。順調に高度を上げて1820m付近で休憩。ふと上の方を見ると大木が倒れていて登山道を塞いでいる。斜面を際どく歩いて倒木を越えるが、この後数カ所で同じような状況になっていた。盛夏の稼ぎ時までには整備が入るのだろうか。樹林帯歩きは退屈なのでついペースを上げたくなるが、今日は先が長いので抑え気味に先を急ぐ。樹林帯を抜けると快晴の青空。風もなく長袖のTシャツ1枚でも寒さは全く感じない。ザレていてちょっと歩きづらい箇所もあるが無事にこなして岩室を通過し前常念岳まで到着。以前はこの辺りで敗退したが今日は敗退の要因となるものが皆無だ。稜線に上がるとさすがに少し風が冷たいところもあるのでウィンドブレーカーを羽織って歩く。縦走路との交差した後は少し登って常念岳の山頂に到着。今回で3回目。山頂からは槍穂高方面が例の如くよく見える。山頂には数名が休憩中だった。ここで自分も大休止した後に先に進む。ここからは最初はとにかく下るのみ。普通の登山道だし残雪もないのでただ歩くのみ。特に難しくもない。標高を徐々に下げると樹林帯に再び入る。ここは稜線と異なり日が差さないためか残雪が多く残っていた。とはいえ既に日も高く気温も上がっていたので氷などは皆無でグサグサの雪となっていた。斜面に付いた雪もキックステップで普通に上がれるし特に大きな問題はなかったのだが、所々雪が薄くなっているところがあって、踏み抜きに注意しながら歩かねばならない。踏み抜き注意は思った以上に気を遣うので疲れるが戻るわけにも行かないので慎重に先に進む。2592のピークに到着後、再度下ってまた蝶槍に向けて登りになる。そして再び残雪の上を歩く。アイゼンピッケルは相変わらず不要だが、例の如く踏み抜き厳禁なのでここも慎重にならざるを得ない。それでも何度かズボっと落ちて足が攣ったりもする。いい加減嫌になってくるが、標高が上がれば稜線に出て雪も消えるのでそれまでの辛抱と思い先に進む。とにかく進むしかない。蝶槍に上がると目の前の穂高はさらに迫力を増していた。この日は快晴だったものの少しもやがかかっていて、穂高方面も例外ではなかった。それでもこの眺めはやはり素晴らしい。2回目であることも忘れてしまうほどだった。蝶槍から先は快適な稜線歩きのため残雪もない。が、このあたりからガスが出てきて蝶ヶ岳に到着した頃にはすっかりガスに覆われてしまった。山頂付近で休憩しつつ回復を待ったが変わらないので下山を始めることに。山頂から少し下るといきなり雪渓と言ってもいいくらいの残雪があらわれた。雪は緩んでいるので緩斜面ならそこそこのスピードで降りていけるが、それも束の間で、傾斜が急なところがすぐに現れた。先行者のステップがあるのでそれを利用させてもらうが、アイゼンがないと安定しないしピッケルがないと万が一滑ったときに止められない。ダブルストックで体のバランスを取りつつ下るしかない。軽アイゼンを使うのは氷の斜面が出てきてからだろう。長い斜面が終わった後は雪道と夏道が繰り返しあらわれるようになる。所々トラバースの斜面もあって気が抜けない。何より休憩する場所がなくて難儀した。標高をどんどん下げて2200m付近まで降りて休憩を思いついたが、虫が顔めがけて飛んできてそれどころではない。水分と簡単にカロリーを補給したのみで下り続ける。2100m付近まで降りてくるとさすがに雪は消えたがそれでも虫は消えず、休憩もままならない。これなら雪がずっとあったほうがマシである。まめうちだいらまで降りてきてようやく虫から少し解放されたためたっぷり栄養を補給して歩行再開。腹にしっかり食べ物が収まるとやはり力が出るから不思議だ。ここから下はとても良く整備された登山道。快適に飛ばして三股に到着。途中水場もあったが、標高のかなり低いところなので日帰りにしても縦走にしても担いで持っていくのは楽ではなさそう。駐車場までのダートを歩いてこの日の行動は終了。10時間以上の行動時間で、その間左足の腿は攣るし、右足は膝の痛みが出るしとなかなか楽ではない山行だった。何より蝶ヶ岳直下の残雪は予想以上に多かった。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する