甲斐駒ヶ岳黒戸尾根山行
- GPS
- 30:30
- 距離
- 21.5km
- 登り
- 2,589m
- 下り
- 2,581m
コースタイム
- 山行
- 6:26
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 6:46
天候 | 28日は曇り。29日は晴れ。 |
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過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ハシゴ、鎖場は慎重に進めば問題なし。 |
その他周辺情報 | 宿泊予定の「七丈小屋の水場」はまだ不通とのことで、「道の駅はくしゅう」の水場から2Lの水を汲んでいった。 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
装備
備考 | この日の七丈小屋は混雑につき、一人ビール1缶との制限がかけられていた。2缶は持って登るべきでした。>_< |
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感想
5/28(土)〜5/29(日)の週末のこと。自分に課した山登りのうちの一つをクリアしてきた。今回の山登りは日本三大急登と云われている 「黒戸尾根」で甲斐駒ヶ岳までゆくと云うもの。毎年そのコースで甲斐駒ヶ岳の頂を踏みたくて機会を見ていたんだけれど、どうにも緩くて楽ちんな山行にばかり目が行き、なかなか実現するのには至らなかったのだ。
重い腰を上げたきっかけは、この山行がボクの「誕生日山行」となったから。 ヨメさんが誕生日のプレゼントとして重い荷物以外は全部持ってくれると云うのだ。七丈小屋での「寝具付き素泊り料金4600円」と「ビールとその他もろもろ」だ。
ほいほいとその提案に乗ってしまい、まんまと黒戸尾根で甲斐駒ヶ岳まで歩いてきたのです。実に楽しかった山歩きでしたが、実は今までで一番きつかった山歩きでした。
山行どきの愛読書「アルプス トレッキングサポートBOOK」によると、ボクらが考えていたコースタイムは1日目は約7時間で2日目は8時間となっていて、ふ〜んて感じだったが、ゴクリと固唾を呑んだのはその最大高低差だった。1日目は約1600mを一気に上がり、2日目は約2200mを一気に下るのだ。(ʘдʘ)
そんな山行は今までに経験が無い。果たしてこれ、ボクに歩き通せるのか?てのが正直な気持ちだった。んでも今年一番の目標にしている山行があるものだから、ちょっとこのぐらい歩いておかないと無理なように思えてならない。
てことでさらにブログの仲間たちの黒戸尾根の記事を読んで参考にし、当日までに登山道の様子を頭に叩き込んだのだった。
スタート地点の竹宇駒ヶ岳駐車場(尾白川渓谷駐車場)から早々に半袖Tシャツとなり、これから非道いことになりそうな気配を察し事前準備を整える。じわ〜と肌にまとわりつく湿気がとにかくスゴかった。もちろんボクは気持ち悪いぐらいの滝汗で、手ぬぐいを何回絞ったのか覚えていないほどだった。
目に入る汗をせわしなく拭いながら、新緑の鮮やかな樹林帯をゆるゆる2時間半ほど登ってゆくと、笹ノ平分岐の道標に到着。甲斐駒ヶ岳まで7時間と標されていた。
(O_O) 見なかったことにして、さらにその先へ、黒戸尾根へ進む。刃渡りまでの樹林帯は長いんだけれども、登って平ら登って平らと緩急がついているので、ダブルストックを駆使して意外とすんなり歩けてしまった。
刃渡りからは綺麗で可愛いお花がたくさんあったようで、ヨメさんがとにかくキャーキャーうるさい。あの遠くにあるアレ、あんたのその望遠でちょっと撮っといてくれなどと、いちいち注文を付けてくるようになった。まいっちんぐだったが、それも五合目小屋跡を過ぎるとピタリと止んだ。そうなのだ。そこからが一日目の核心部で、ハシゴに鎖場が登場し一時も気が抜けない。お花〜チレイネ〜だなんて云っていられないのだ。
長い橋を渡り、目の前の山をまたまた苦労して苦労してやっとの思いで登り返すと、とうとう初日の目的地、七丈小屋にたどり着いた。結果コースタイムを切る到着時間で上々の出来。噂の管理人さんに挨拶したら受付をしてもらい、第二小屋へ案内され、自分たちの寝床を指示してもらってからビールを買いに第一小屋へ戻る。すると、ビールは一人1本だけとの制限付きだった(汗)。
でもま、今回はボクの誕生日山行だから、当然2本とも呑ませてもらえるだろうと第二小屋のテラスで疲れ果てているヨメさんにことの次第を話すと、クタクタになっているのにもかかわらず、力ずくで1本横取りされたのだった。あぁ、誕生日山行はいずこへ・・・。>_<
この日ザックの中にしのばせてきたのはペットボトルの三岳とジムビームとシャリキンだ。本当にこれらを持ってきておいて良かったと思っている。小屋泊まりの登山客は無料で好きなだけ南アルプス天然水を管理人さんに振る舞ってもらえるので、水割りにお湯割りにしてこの日の労をねぎらったのだった。疲労に効くちょっとお高いアミノバイタルを飲んで19時前にはみんなで就寝。夜中に一回おしっこで目覚め、空を見上げてみたら星が満天だった。カメラを持ってトイレに行かなかったことを深く後悔したものでした。~_~;
さて翌朝はボクらは4時起きの4時45分出で甲斐駒ヶ岳の山頂へ向けて小屋を出発。20人フルで使用していた七丈第二小屋のビリっけつだった。他の皆さんはボクらよりも1時間は早く出立してた。先ずは八合目御来迎場へ向かうも、経由するテント場までの険しい道に驚いた。平坦なテン場の見晴らしとロケーションは最高だと思うけれども、ボクは夜中、酔っぱらった足で小屋のトイレまでゆく自信が持てない。テン泊している人たちのタフネスぶりがうかがえる。
八合目御来迎場を過ぎて目の前に鎮座する甲斐駒ヶ岳がだんだん大きくなってくると、いよいよ二日目の核心部が登場する。九合目の2本の剣が刺さった大岩までがとにかくスゴイ。ストックを仕舞って全身をくまなく使って先へ進む。登るのに難儀しそうなところにはちゃんと鎖や足がかりのステップが岩の何処かに刻んであったから、じっくり慎重に登っていった。すると気が付けば甲斐駒ヶ岳の山頂だった。念願の黒戸尾根からの初登頂となったのでした。
山頂に着いたのは7時ちょうどのこと。小屋を出発したのがビリっけつだったのが幸いしてか、すでに先発隊は山頂から引き返して帰るところのようで、ボクらが山頂に着いた頃は誰もいなかった。ヨメさんと二人で静寂した青空のもと、甲斐駒ヶ岳での時間を満喫した。こんなに贅沢な時間は無いなと思った瞬間だった。しばらくは山頂で何処までも澄み渡る景色を眺めながら惚けていると、今年目標としている山に目が止まった。その山容、やはり格好がいい!
登頂アタックの際に七丈第二小屋にデポさせてもらった重たい荷物を回収したら、美味しい南アルプス天然水をもらって喉を潤し、なが〜い下山路を気合いを入れて歩いてゆきました。甲斐駒ヶ岳の山頂からは約2200mもの高低差を一気に下るのだから、膝の悪いボクらにとって、これにはとても恐怖したものでした。
ところが五合目小屋跡を過ぎたあたりからは緩急のついた下り調子なので、これがなかなか歩きやすい。しかも笹ノ平分岐を過ぎたあたりからは山道が柔らかく適度なクッション性を持っているものだから、膝の悪いボクらにはとても助かったのだった。これがもし岩や砂利道だったのならば、こうは上手く下山できてはいなかったと思っている。
七丈小屋のテラスで隣り合った山女子軍団の方の話も面白かったし、天気にも恵まれてとてもナイスな誕生日山行となりました。けれどボクらにはこのコースはしんどくて何回も歩きに行けるものではない。ボクらはたまにチャレンジする程度が相応しい。そんな、やや身の丈以上の山行でした。あぁ、しんどかったよホントにさ。>_<
※甲斐駒ヶ岳黒戸尾根山行の、その他の写真です。
https://goo.gl/photos/zrjobDqqorJCLB4Y7
※甲斐駒ヶ岳黒戸尾根山歩。ブログ版の山行記録です。
http://bebedeco.bkg.jp/?day=20160531
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