袈裟丸山(郡界尾根登山口より:奥袈裟〜遥かなる最高点へ)
- GPS
- 09:38
- 距離
- 17.3km
- 登り
- 1,545m
- 下り
- 1,543m
コースタイム
- 山行
- 8:01
- 休憩
- 1:38
- 合計
- 9:39
天候 | 朝方快晴・午前中晴れ、午後時々曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2016年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
復路は南郷温泉経て沼田ICへ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
郡界尾根登山口より後袈裟丸までは一般のハイキングコース。中袈裟丸までは一部刈り払いもあり、ほぼ迷わず歩けます。ここから奥袈裟丸(山頂標識ナシ) までは一部笹原のヤブ、倒木等ルートの分かりにくい区間あり。多数の赤テープを丹念に辿っていけばOK。奥袈裟から最高点ピークまでは僅かな距離ながら、シャクナゲの手強い区間。尾根を外さぬように歩きます。 |
その他周辺情報 | 沼田ICへ向かう途中、南郷温泉しゃくなげの湯あり。(大人3時間560円、JAF割引可;休憩スペース・食堂あり。21時まで営業)みどり市側、水沼駅温泉あり(20時まで営業)。 |
写真
装備
備考 | 今回の水分消費量:ペットボトル(スポーツドリンク500ml)×2本<うち1本氷結:ナイス&クール!>, ガッツギアりんご味×1<登りに注入>, 水300ml<下山時に消費> → 気温低め, 微風, 午後曇りで消費量も少なめでした。 |
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感想
先週末の大菩薩職場ユルハイクでやや歩き足りなかったこともあり、今週は積年の懸案、袈裟丸山の最高点ピークにチャレンジ。5シーズン前の秋、職場の山歩きツアーで前袈裟までは登ったのですが、後袈裟から先は未踏。ヤマレコの300名山リストでも「未踏破」扱いで、ずっと気になっていましたが、笹原+シャクナゲのヤブと闘うには、花の季節に繰り出すのが一番!ということで、先達各氏のレコも参考に、梅雨入り間際の日の長いこの時期に、好天予報を頼みにしつつ単身出撃です。
先週納車されたばかりのハイブリッドの新車で、我が家を午前4時前に出発。北関東道から日光へ通ずる国道122号線までは至極順調ながら、最初の「試練」はアプローチの林道です。みどり市側の折場登山口からの林道が、大滝の先の落石で昨シーズンから通行止め。やむなく大回りですが、水沼から県道62号で峠を越え、根利集落より林道へ分け入ります。
牛たちがのどかに草を食む牧場から先は未舗装、しかも落石やサイズ大きめの石ころがゴロゴロ、新車のセダン泣かせのルートです。1・2度底を摺り、そろそろ限界かな、という辺りで林道が分岐。堪らず路肩のスペースに車を停め、本日はここからスタート。郡界尾根登山口まで少し余計に歩きますが、ちょうど良いウォームアップを終えたあたりで、立派な標識の立つ登山口着。5〜6台は停められそうな駐車場には先行者一組、何だか少しホッとしつつ、ここでポストに入山届を提出。
ここから暫くは木段の急登ですが、歩きやすい間隔・高さで、目に鮮やかな新緑にも励まされながら、八重樺原の三角点にあっさり到着。勾配の緩い笹原の快適なトレイルを進んでいくと、右前方に目指す袈裟丸の山々がドーンと登場。遥かな道のりに溜め息をつきながらも、雲一つない上天気、心地良い朝の風に力を得て、順調に距離を稼ぎます。歴史を感じさせる石祠で道中の無事を祈願、ここからは勾配がやや急になり、登りついた岩場の小ピークからは赤城〜浅間方面の好展望。更に歩を進めると、ピークは過ぎたものの赤・白のツツジ、その先にはいよいよ本日の主役、シャクナゲが登場。新緑の尾根道周辺に今が盛りと咲き競う白やピンクの花々に感動するうち、山岳展望の方もグレードアップ、上信越方面や尾瀬の残雪の山々も姿を現します。
思わず花や遠近の山々の写真を撮りまくり、長い登りの疲れを感じる間もなく、本日最初のターゲット・後袈裟丸山到着。ここまでは一般のハイキングコースで、至極順調に辿り着きましたが、いよいよここからが核心部、と軽食を流し込み、気合いを入れ直していると、前袈裟方面からの道の方向からガサガサと物音。野生の鹿かイノシシか、それとも…と思わず身構えると、シニアのご夫妻ハイカーが登ってこられました。案内図には「危険につき通行禁止」とある八反張のガレ場は問題ナシとのことでしたが、聞けば後袈裟丸で引き返される由。「この先はヤブですからね〜」などと笑って返しましたが、こちらも笑っている場合ではありません…。
「至・庚申山」の印象深い道標に従い、細い尾根道に足を踏み入れますが、暫くは拍子抜けするぐらいに明瞭、快適なルートが続きます。所々に最近の刈り払いの跡もあり、地元山岳会?の方のご厚意に感謝しつつ、思ったよりアッサリと中袈裟丸山に到着。立派な山頂標識で自撮りの後、いよいよ本当の核心部へと差し掛かります。赤テープは適度な間隔でふんだんにありますが、やはり日当たりの良い笹原や倒木の斜面などでは所々不明瞭な区間も出現。目の前の踏み跡や古い目印に引き込まれ、何度かルートを外れかけますが、尾根を大きく外さなければ基本的にルートロスの心配はなさそうです。
それでも、時々ルーファイに時間を取られ、長い登りの疲労も重なって、予定よりかなり遅れて奥袈裟丸の頂稜に登りつきます。三角点や標柱は確認できたものの、一体どこが本当の山頂か確証が持てないまま、最高点ピークへの下りに差し掛かります。日光の山々はじめ周囲の展望や尾根道を彩るシャクナゲの花々はナイスなのですが、シャクナゲ混じりのヤブはさすがに手強く、この区間が本日一番の試練でした…。ここで、郡界尾根登山口に駐車されていた男性ソロの方とスライド。言葉は交わしませんでしたが、首尾よく最高点をクリアされ、颯爽と下山に入られた先達が何だか眩しく見えました。
しかし「開けない夜はない」、登山口から5時間、ついに0時半過ぎに袈裟丸連峰最高点に到達します。山名標識はシンプルに「袈裟丸山」、古い奉納のお札もあって、後だの中だの、奥だのといった「分家」の山々など寄せ付けず、我こそは袈裟丸の盟主なり、といった風格です。山頂展望も期待していなかった割にまずまずで、日光の山々やこれまで遙々歩いてきた袈裟丸の尾根が広く見渡せます。すっかり満足して昼食弁当も平らげ、予定よりも長居した後に山頂を後にします。
昼食と無事登頂の充足感で元気回復したお陰もあり、復路の道のりは往路より遥かにスムーズ。下りで見通しが利くことや、往路の学習効果も働き、ほとんど立ち止まってルーファイすることもなく、あっさりと中袈裟に帰着。天候下り坂の中、帰り道も満開のシャクナゲたちに力をもらいながら、無人の後袈裟山頂に帰りついたところで、自分へのご褒美にフルーツ缶でしばし休憩。八重樺原までの尾根道も、キレイに飾られた絵巻物を丁寧に巻き戻すように楽しみながら下り、終日ステキな景色を見せてくれた袈裟丸の山々に一礼の後、日もだいぶ傾く中、登山口に無事帰着。
駐車場所までの林道では、野生のサルが目の前を横切り、本日2度目のビックリポンで身構えましたが、この日の山行では人間3人、野生のシカ1頭とサル2匹と遭遇したのみ。久々に一日静寂の中の山行が楽しめました。帰路、南郷温泉「しゃくなげの湯」でシャクナゲ尽くしのツアーを締め括り、沼田市内で当地名物、カツ定食にてエネルギーを回復。ほとんど渋滞もなく、朝4時から約18時間の充実した日帰り山行を終えました。
先輩諸氏の「悪戦苦闘」のヤマレコ記事で予習を重ねたこともあり、かなり身構えて本ツアーに臨んだのですが、中袈裟の先の一部区間を除いてはさほどの立ち往生もなく、全体としてスムーズに最高点を踏破できました。とりわけ、控えめながら迫力ある上信越〜日光・尾瀬方面の山岳展望に加え、この時期のツツジやシャクナゲの大伽藍は一見の価値ありで、みどり市側や沼田側の林道アクセスの困難ささえ克服されれば、もっと人気の出る山域となるように思われました。他方、アクセスが悪く、ヤブにガードされているからこそ、こうした手付かずの自然環境が守られているとも言えそうで、痛し痒しですが…。機会があれば、花のピークシーズンの後袈裟往復だけでも出かけてみては?と名山巡りには拘りのない山友諸氏に是非推薦してみようと思います。
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