鷲羽岳・水晶岳(長男の北アルプスデビュー)


- GPS
- 53:38
- 距離
- 46.2km
- 登り
- 3,424m
- 下り
- 3,411m
コースタイム
- 山行
- 5:57
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 7:32
- 山行
- 9:04
- 休憩
- 2:25
- 合計
- 11:29
天候 | 1日目:くもり 2日目:晴れのち曇り 3日目:曇りのち晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
新穂高登山指導センターで登山届と下山届を出しました |
写真
装備
備考 | サンダルを家に忘れた |
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感想
中2の長男にとっては初めての北アルプス。しかも、初めてのテント泊。
かみさんも2回目の北アルプス。テント泊も2回目。
テントは2張。3人用を私が担ぎ、2人用はかみさんと長男で分けて担ぎました。
長男はスピードはあるものの、持久力と荷物の重さに耐えられるか疑問?事前の練習登山はなく、5月の袈裟丸山以来の山登り。今までの子供用の靴では西鎌尾根で不安なので、新しい大人用のハイカットシューズを直前購入。
かみさんもいつもは軽いザックしか背負っていませんし、15kmを超えるような長い距離を歩いた経験もありません。テント泊も昨年夏の栂池⇔白馬大池の1回切りきり。
多くが未知数の中での、長男北アルプスデビューでした。
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「1日目」
最初の不安は、新穂高温泉の登山客用無料駐車場に停められるかでしたが。幸いなことに午前2時すぎの到着でしたが、無事上段に停めることができました。駐車場には簡易トイレも設置されていますが、10分ほど登ったところにあるきれいな登山指導センターのトイレを利用することをお勧めします。
登山指導センターで登山届を出したあと、まずは双六小屋までを目指します。
長い林道を歩いている間は、長男もあまりペースを上げず、かみさんと一緒に進みます。むしろ、そのペースについて行けないのが私で、やはり2人とは背負う荷物の重さの違いからでしょうか。あとになって、わさび平小屋で気づいたのですが、2人が背負うはずだった1L入りのスポーツドリンクを駐車場に忘れていて、想定予定よりも荷物が軽かったからかもしれません。
お助け風と呼ばれる冷気の噴気孔あたりは、地面近くに霧が出ていて、しかも噴気孔は何百メートルにもわたり続いているようでした。
1時間ほど緩やかな林道を歩き続けると、笠新道の入口では何人かの登山客が急登に備えて休んでいました。そこから10分ちょっとで、ようやくわさび平小屋に到着です。500mlのスポーツドリンクを補給して、鏡平を目指します。
本格的な登山道へは、わさび平から10分ほどで。それまでと同じように、2人を先に行かせて、私は後に続きます。傾斜がきつくなったことで目が覚めたのか、長男はどんどん先に進みます。そのうちに、ついていけなくなったかみさんが落ちてきて、私に先に行くように促します。心配していた荷物の重さですが、意外と堪えていない様子で、長男は小屋泊の人をどんどん追い抜いていきます。あまり、子供を先行させて危険な個所を迎えても困るので、こちらもペースを上げますが、とてもついて行けません。
30分ごとに長男は休み、2〜3分後に私が到着。そのまた、4〜5分後にかみさんが到着といったあんばいで登っていきます。私はいつもよりペースが速く、かつ休憩が長いといった状況。トータルではかみさんが律速になっているので、いつもよりはゆっくりペース。私としては、長い休憩=足に乳酸がたまる、速いペース=筋肉疲労といった感じであまり好ましくない状況でしたが、自分のペースでいかないのが団体行動の欠点です。
秩父沢で長い休憩をとったほか、イタドリヶ原で軽食休憩。鏡池で遅れていたかみさんと合流して、5時間10分で鏡平小屋に到着。コースタイムの5時間30分を切れたのは2人の予想以上のがんばりのおかげです。
ここで昼食タイム。長男が頼んだかき揚げうどん(900円)が好評。ダシがきいていて、鰹節もたっぷり。ヘリコプターで荷揚げするにも鰹節は軽いから、たっぷり盛ってくれるのかしらん?
鏡平小屋からも、同じように3人バラバラで上っていきます。弓折中段では斜面を登っていく先行者を見渡せますが、長男ははるか先に。4〜5分の差はついていそう。逆に途中から弓折中段を見下ろすと、やはりかみさんは6〜7分あと。弓折乗越はそこからわずか。乗越で休んでいた長男に「先に行って、テントを張ろう」と声掛けをして、ほとんど休まずに出発。自分的にはこの方が楽ですね。
我々が双六小屋のテン場についたのは14:35。7時間30分とコースタイム8時間20分を切りました。もっともかみさんはそのあと、20分以上遅れてきたので登山隊としてはコースタイムをわずかに下回るていどです。でも、初めてのテン泊で、荷揚げの初日としては、いいところでしょう。2人ともお疲れ様でした。
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「2日目」
夜は満天の星空鑑賞ができ、意外と寒くない2550mの高地泊でした。
さすがに前日早寝だったので、私は3:30過ぎに起床。2人を4時過ぎには起こして日の出前に出発。
この日は鷲羽岳を経て、水晶岳までのピストン。ただし、稜線コースと巻き道コース、鷲羽経由コースと黒部川源流コース、というように往復で違うコースを使うことになっています。連泊なので、アタックザックでの山歩きです。
快晴に恵まれ、大天井〜燕岳あたりからのご来光を拝むことができました。
もちろん天気が良いので往路は稜線コース。昨年は折立→黒部五郎→双六→槍ヶ岳→上高地と歩いたので、この朝のコースは昨年の逆コースです。昨年はガスに包まれて眺めがきかなかった双六岳は、うって変わっての絶好調展望。
「これが北アルプスの稜線だー。」
後ろに、槍〜穂高連峰、左に笠ヶ岳、右前に鷲羽岳、そして前方には黒部五郎〜薬師岳と絶景が広がっています。しかも、双六岳山頂付近はなだらかな稜線。長男にはぜひ山好きになってもらいたいと、このコースを選択した甲斐がありました。
三俣蓮華岳山頂からは、昨年歩いた黒部源流の山々を眺めて再感動。ただし、この日の好天もここまで、気が付くとこれから目指す鷲羽がガスに包まれているではありませんか?天気予報では、午前中が晴れで午後がくもりだったのに、どうも天気が変わるのが速くなったようです。
急いで三俣蓮華岳を下り、三俣山荘へ。山荘で給水したあと、薄いガスの中を鷲羽岳を目指します。昨年は好天に恵まれ、登りのさなかに振りかえると、山荘はどんどん小さくなり、後ろの三俣蓮華の横に黒部五郎が顔をのぞかせたりと、そして右手に槍ヶ岳から穂高連峰を望めたり.....。残念ながら、今年はすべてガスの中のまま、鷲羽の山頂を迎えることになりました。昨年見損ねた鷲羽池も楽しみにしていたのに...。
つぎは、鷲羽岳山頂からワリモ岳を経て、水晶小屋を目指します。ワリモ北分岐ではパラパラと雨が降り出しましたが、とりあえず水晶小屋まで行くことに。幸い雨はすぐに収まり、この日は終日雨だけはまぬかれることができました。水晶小屋まではすりやすい道ですので、長男を先に行かせます。数分遅れで私が続き、かみさんはまたその10分あとくらい。水晶小屋も薄いガスの中で、目の前の裏銀座コース(烏帽子、野口五郎)も見えません。
水晶小屋から水晶岳はなだらかな稜線歩きと、山頂直前の険峻な道なので、3人まとまって歩きます。この右手には黒部湖や立山、後立山連峰の鹿島槍、五竜、白馬などが昨年は展望ができ、ここが一番見せたかった場所でした。
水晶岳の手前のやや高度感のある場所では、経験の浅い長男はかなり緊張したようで慎重に通過していました。岩山の狭い山頂からはほんの一瞬だけ、上ってきた道が見えただけで360°の大展望はかないませんでした。
20分ほど山頂で休憩したのちは水晶小屋で小休止。ワリモ北分岐までは軽快に下り、ここから黒部川源流碑まで大きく下ります。岩苔乗越には「水場5分」という標識が置かれていますが、実際にこの水場が黒部川源流の最深部のようです。このくだりはかみさんを先頭に降りていきましたが、かなりのスローペース。ほぼコースタイムの下りに、耐えかねた長男がかみさんをうしろから突くアクシデントも発生。たしかに、奴の後ろを歩くとイライラがたまるよね(笑)。
源流最下点からは三俣山荘まで登り返し。イライラがたまった2人はかみさんを残して一気に登り、登り返しの多くの人に道を譲っていただきました。
三俣山荘で遅い昼食を摂ったあと、そろそろ出発を促したところ
「コースタイムより2時間早く到着したから、もう少し休ませて。まだ、食べ終わってないし。」
とかみさん。我々だけ長く休んでいて、ずるいと思っている様子。だいたい、すっごくゆっくり食べてるし、我々は休んでいるのではなく、遅れてきた厄介者を待っていただけ。少なくとも30分近くは休んでいるし、コースタイム通りなら6時30分に小屋に戻ることになるので、少しもアドバンスはないのに。
結局、三俣蓮華までは長男と私が先行し、かみさん待ち。ここは意外と5分遅れ程度で、巻き道を降下開始。こんどは長男が「足が痛い」。直前に買った靴がやや細身で指が当たるみたい。途中2回ほど休憩し、双六直前ではかなりの登り返しをくらわされて疲労困憊。それでも、16:20過ぎには小屋に戻ることができました。
昨年は小屋泊の荷物を背負った状況で三俣蓮華を経て双六に至りましたが、やはり昨年の方が堪えた気がします。
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「3日目」
朝3時からかなりの降雨。前日には最終日の槍ヶ岳をあきらめて、下山する計画になっていましたので、とりあえず雨が止むまで停滞。
6時過ぎには雨が上がり、水を含んだ状態でしたが、テントも無事たたんで撤収完了。7:25下山開始。
はじめはしばらく登りで、多くの下山者で渋滞気味。やや広めの上り坂で何人かを交わし、やっと自分たちのペースで降りることができました。はじめは雨具装着でしたがやがて雲が切れ、日が差すようになって、半そでシャツに。やっぱり晴れるのかな?と後ろ髪を引かれる思い。
鏡平で30分の大休憩を取ったあとは、登りの登山者とのすれ違いが急に多くなりました。さすがに、夏休みの土曜日だけあって、多くの方が登られている様子。ただし、日差しが強く、かなりばてている人も。登りはやはり、日差しがないほうが良さそうでした。ただ下るだけでも大汗もので、目指すは秩父沢。強い日差しを予想していなかったので、サングラスはおろか、防止や汗拭きタオルもザックの中。ひたすら秩父沢を目指し、どんどん下りますが....。
鏡平から1時間ちょっとで、秩父沢に。登りのコースタイムは2:40だけどね。
ここの沢は水量が多いだけでなく、雪解け水なのかとっても冷たい水でした。もちろん、たくさん飲みましたが、タオルを浸し、汗をぬぐい、心身ともにこの水でよみがえりました。かみさんも、この沢の水は冷たくておいしいと、感激の様子。
秩父沢からはすぐに登山口を望むことができ、縦走の終わりが近いことがわかります。慎重に登山道を下り、わさび平小屋で後続を待ちます。5分ほどで長男が到着し、15分ほどでかみさんが到着。どうも右ひざの調子が思わしくない様子。まあ、3日間がんばったもんね。
わさび平小屋からは2人が先行し、登山指導センターでかみさんと待ち合わせの約束。駐車場に車を取りに行き、センターに車で迎えに戻ったところでちょうどかみさんが下山。無事にやまたびを終えることができました。
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平地で痛めた私の右ひざは3日間の山旅中、まったく痛みが出ませんでした。ただし、下山後3日ほどふくらはぎと太ももの筋肉痛で悩みました。今シーズンはあまりしっかり歩いていないからでしょうか?
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