乳頭山~三ツ石山~大深岳~曲崎山~大白森周回 (孫六温泉起点)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 45.7km
- 登り
- 3,038m
- 下り
- 3,033m
コースタイム
- 山行
- 9:23
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 10:59
天候 | 1日目~快晴 2日目~うす曇り 夕方から雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
孫六温泉〜乳頭山〜滝ノ上温泉〜三ツ石山〜大深岳・・・しっかり整備された登山道 大深岳の八瀬森分岐〜曲崎山〜大白森・・・しばらく刈り払いがされていないようだが、道はしっかりしており、迷う心配はない。針葉樹の森の中は良いが、日当たりの良い所は腰丈以上の笹をかき分けて進む。特に曲崎山からの下り(南斜面)は足元が見え辛い上に急坂で、要注意。続く大沢森への登りも笹がうるさかった。 大白森〜田代平・・・しっかり整備された登山道。大白森山頂部は木道が続く。 以上は歩いた日の状況です。刈り払いが行われるという情報も、他の方のレコで見つけました。 |
写真
感想
残暑お見舞い申し上げます。リオ五輪での日本選手の大活躍、素晴らしいですね!
南北に走る秋田・岩手県境が、秋田側へ大きく凹む部分がある。沢登りで有名な葛根田川流域を囲む山々に沿って付けられた県境だ。県境の山々と言っても明瞭な尾根筋は少なく、まるでジャングルにでも迷い込んだような、茫洋とした海のような森が続く。一部しか歩いたことの無かったこの周回ルートを、息子が帰省してオヤジの居場所が無くなる(笑)お盆の時期、歩いてみることにした。
先日の地元紙に、高校の山岳部員が、大白森山荘と八瀬森山荘に外壁修復のためのペンキを運び上げたという記事が載っていた。そんな山小屋を有難く使わせていただこうと、最初は大白森山荘泊まりを考えていたが、水場が心もとないようだ。2日目に天気が崩れるようなので、乳頭山を初日に踏むことにし、長い樹林帯歩きは2日目に回した。孫六温泉起点の反時計回り、可能なら八瀬森山荘泊まりだが、直前になって、久しぶりにテント泊もやりたいという気持ちも強まった。
結果は、持参した水がつきかけたので無理せず、大深山荘前にテント泊。大深山荘の水場は、水量豊富な上に素晴らしいロケーションだった。山小屋に宿泊は男性4人だったかと思う。うち青森からというソロの方と、色々お話させていただいた。とても感じの良い方。テント張りに手間取ったことと合わせ、大深山荘は思い出深い所になりそうだ。
一日目。乳頭山に登るのは何年ぶりだろう。20代の頃、ある医療機関の方々を引率して登ったことがある。ゆっくり登っていたら、男性陣から「遅い」という声があがり、少しペースを上げたら、今度は女性陣から「速すぎる」という声が聞こえてきた。結局二組に分けて、男性陣には先に行ってもらった。全員登頂後、雪渓の雪解け水を飲んだ。私は何ともなかったが、翌日は女性陣の多くがお腹を下して、休みを取ったという・・・
まだまだ、自分の未熟さに起因する、ここには書けないような多くの失敗があって、それらを思い出しながら登っていると、朝の光が降り注ぐ田代平に立った。
カラリと晴れあがって、秋田駒の緑の斜面がくっくりとよく見える。乳頭山頂からは、眩しく光る雲海の上に、岩手山や早池峰が鋭い山頂を見せている。まだ誰もおらず、山頂からの眺めを満喫した。
乳頭山から岩手側へのルートは初めて歩く。少し下った小乳頭付近は気持ちがいい。日射を受けながら登るのは大変そうなマムシ坂という名の急坂を下ると、静寂な沼があった(白沼)。滝ノ上温泉に近くなって、本日初めて登山者と出会う。
滝ノ上温泉の登山者向け休憩施設には蛇口があったが、飲用には適さないとのことで補給せず。三ツ石山への登りは、樹林帯に日が遮られて助かったものの、暑さと久しぶりの泊まり荷物の重さが、身体にこたえてくる。登山道脇に沢が流れていたので、下りて水をくむ。飲むのは適さないようだが、顔を洗えたのは良かった。濡れたままのタオルを頭全体にかぶる。
三ツ石山荘手前の水場は枯れていた。山荘からは登山者が増えてくる。すれ違った女性に、「山頂は風があって涼しいですよ」と声をかけられる。その爽やかさに救われて初めての三ツ石山に立つと、すばらしい展望が広がった。なるほど、人気があるのも納得の眺めだ。裸足になって、しばらく展望を楽しんだ。
小畚山まではアップダウンがなく、稜線漫歩。このあたりで、泊まりは大深山荘でテント泊と決める。小畚山からは急坂を下り、その後のつづら折りの登りは、本日最後の登りと思って頑張った。
二日目。雲はあるが、すぐに雨にはならないだろう。八瀬森分岐から八瀬森・曲崎山方面へ踏み込む。笹に付いた朝露で、すぐにビショビショになった。スパッツは着けていたが、間もなく靴の中まで濡れてくる。藪は覚悟していたし、道型がはっきりしているので、焦らずに前進する。
突然、目の前に湿原が現れた。花は終わっているが、これがtooleさんの言う「秘密の花園」か。深い山中に出現する、まさに別天地だ。この山域には他にも、登山道の無い葛根田大白森はじめ、本当の「秘密の花園」がたくさん存在しているようだ。
八瀬森山荘で一休み。ここから曲崎山〜大沢森〜小和瀬分岐は、数年前に歩いたことがある道。その時よりも、曲崎山南面は特に笹が伸びていて、ここを登るのは大変だろう。
大沢森を下ってきた所で、今回の目的の一つ、ゴミを回収。他の方のレコに写真が載っていたもので、おそらく小和瀬林道から入ったタケノコ採りの人が捨てたと思われる。道楽で歩いている自分でも、ほんの少し意義あることができたかな。鶴の湯分岐〜蟹場分岐間でも新しいゴミが目についた。そちらは今年中に改めて回収したいと思う。
大白森山荘前の沢は枯れており、休まず大白森に向かう。大白森への登りは、とても長く感じた。すでに暑さと重荷でヘロヘロ。
ようやく大白森に上がると風が流れ、広い湿原に真っすぐ木道が伸びている。山頂標識前の木道で裸足になり、横になって目を閉じた。もう多少暗くなっても下山は可能だし、誰もこない。こんな別天地に身を横たえるひと時があるから、耐える時間が長くとも山歩きは止められない。一時間以上休憩した。
その後、小白森〜鶴の湯分岐〜蟹場分岐と歩き、なんとか田代平小屋手前の孫六温泉分岐にたどり着いた。田代平の下で水を得ようとしていたと思われる男性3人を見かけるまで、2日目は人に会わなかった。ポツリポツリと降り出した雨の中、孫六温泉へ下山。臨時駐車場を利用させてもらったお礼を言って入浴。充実の山行の締めは、孫六温泉から駐車場までの、雨にうたれながらの林道歩きだった。
コメント
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kamadamさん こんにちは
このコ−スは前々から行きたいと思っていました。
なかなか遠いのでいけませんが・・・
大深山荘、三ツ石山荘きれいですね。
泊まってみたい
ten-no-kiさん、残暑お見舞い申し上げます。
朝日連峰の稜線歩き、素晴らしいですね
以東岳からクマの毛皮を眺めることができて、何よりでした
私も以東岳は社会人一年目に登ったきりなので、また行ってみたいです。
こちらの大深山荘、私は初めてだったのですが、お勧めです
岩手の方々の心意気を感じました。
三ツ石山荘も、水が出ていたらいいだろうな・・
お姉さまズとぜひ・・・
kamadamさん
テント泊いいですね〜
テントを背負ってのロング山行お疲れ様でした。
kamadamさんの若かりし頃の失敗?談。kamadamさんにもそんな過去があったのかと、20代のkamadamさんの姿を想像しながら楽しく読ませていただきました。
失敗談なら、私も負けてませんよ 今度失敗談自慢大会しましょうね
nyororoさん、おはようございます。台風の影響はどうでしょうか。
裏越後三山縦走の時に初めて使ったテントで、あの時に張ってから一度も使ってなかったもので・・
ただポールを差すだけなのに、しばらくもたもたしてしまいました
撤収の時、今度はそのポールが抜けないので、そのまま畳んでザックの外側にくくりつけて歩きましたよ
若かりし頃の失敗談なら、絶対負けません
nyororoさんに私が唯一、勝てるものかも
kamadamさん、お久しぶりです。
八瀬森分岐から曲崎山、大白森へと続くルートは私も興味がありまして、
いつか行けたらな〜っと思っていました。
ただ藪々が気になっていまして、ちょっとハードルが高く尻込みしています
kamadamさんの写真を見て、半分行った気になっています(笑)
最近はとても暑くて、しばらく山へはご無沙汰な状態・・・
もうしばらくすると良い時期ですね
seigenさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
寒冷前線による大雨の一日でしたが、少し涼しくなりましたね。
秋は山歩きにいい季節。色々歩いてみたいです。
地形のはっきりしない、ジャングルのような深〜い樹林帯を歩くこのコース、他では味わえない独特のものがあるかもしれません。
でも登山道はよく踏み込まれていて、仮に整備が入らなくとも、登山道自体に藪が生えて道が消えてくるのは、まだまだ先のような気がします。
日当たりのいい所では脇から笹がかぶさって、道が見え辛くなってはいるのですが。
周回する場合には、やはり反時計回りが良さそうですね。
時計回りだと、曲崎山の南斜面の登りが大変そうです。笹薮に頭から突っ込んで登らなければなりません。それと、関東森から大深岳の八瀬森分岐にかけて、概ね登りになってしまいます。
私は孫六温泉を起点にしましたが、通常は滝ノ上温泉起点なのでしょう。
阿部陽子さん著「岩手の山 150」には、この周回ルートを一日で歩き切った話が載っています。すごいですね
seigenさんもぜひ歩いてみてください
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