トレニクワールド 110km in 彩の国
- GPS
- --:--
- 距離
- 89.4km
- 登り
- 5,293m
- 下り
- 5,311m
コースタイム
- 山行
- 18:00
- 休憩
- 4:40
- 合計
- 22:40
天候 | 晴れのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
奥武蔵の山山を舞台に開催された110kmトレランレース。標高1000mに満たない低山エリアにも関わらず、越えるべきピークが無数にあるためかなりの難コースとなった。 |
写真
感想
小江戸大江戸トレニックワールド主催の第一回トレニックワールド IN 100mile & 110kmに参加してきた。
地元開催ということもあり、自分にとってアクセスの良さも参加を決めた理由の一つ。また、なにより子供が生まれてからすっかり怠けてしまった自分に活をいれるために参加した。
スタート会場のニューサンピア埼玉おごせは温泉のある宿泊施設。通常営業しており、一般の宿泊客に混ざってランナーがロビーで身支度を整えるという異様な光景が広がっていた。
レースは予定通り正午にスタート。天気は良かったが、残暑厳しく暑さに苦しめられながらスタートした。
奥武蔵の山山は地図に載っていないようなトレイルが無数に存在し、コースアウトの危険性がたかかったが、主催者が設置したコース表示を見落とさないように注意しながら進んだ。
標高860mの堂平山ASに向かう登りは前半戦、もっともきつかった。登り途上、リタイアした100マイルのランナーとすれ違う。トレランレースではリタイアしても回収車がなく、自力で戻らなくてはならないのが辛いところだ。
堂平山ASにて、自分が現在4位であることを告げられてビックリした。まさか、そんな上位にいたとは。ここから、順位を意識してレースに望むこととなった。
スタートから9時間後、暑さに苦しめられながら前半の55kmを終えてニューサンピアに戻ってきた。
体育館の床の上に腰を下ろすと、疲れが一気にあふれ、55km走ったところで終わりにしようかと真剣に悩んだ。
そんな誘惑を後押しするかのように、目の前では前半でレースを切り上げて帰り支度をしている二人組の会話が聞こえ、気持ちを揺さぶられた。
が、なんとか気持ちを踏みとどまらせ、後半の55kmへ向けて22時再び出発した。ほぼ同時に二人のランナーも出発。「コース、分かりづらいッスよ」「二回もミスコースしちゃいました😰」などと、二言三言交わしたあと、二人は自分を置いて走り去って行った。追いかける元気もなく、トボトボと歩く自分。
その後、すぐに雨が降ってきた。越生の町中を抜け後半、最初の山である大高取山で1人追い抜く。
雨のせいで気持ち的に滅入りそうになるが、熱くなった体が適度にクールダウンされ、前半よりも調子よかった。雨が止みそうになると、「止まないで!」っと思ったほど。
しかし、トレイルは濡れて非常に滑り易くなり、スピードが上がらなくなってしまった。さらに、スタート前に塗ったワセリンが洗い流されて、股や脇の下が擦れてヒリヒリと痛くなってきた。
深夜0時過ぎの関八州見晴台までの600mの登りは、股下の痛みと滝の様に水が流れるトレイルに前進を阻まれ、きついセクションとなった。すでに、前後に他のランナーの姿はなく、暗闇の中を修行僧の様に黙々と進んだ。
深夜1時過ぎに高山不動AS到着。前のランナーは20分前に出たばかりとのこと。頑張れば追い付けそうなタイム差だったが、そんな元気は無かった。
次の竹寺ASに午前3時過ぎに到着。前のランナーは2分前に出たばかりと告げられ、「追い越せるぞ!」と、発破をかけられるも、「いや、完走できれば充分😒」と、冷静に応じた。
ASでのんびりとお粥を食べていたら、なんと3人のランナーが同時に到着してきてビックリした。これ程、後ろのランナーたちに差を詰められていたとは。お粥を流し込み、急いで出発した。
ASを出た直後、ランナー1人に追い付いた。見れば、後半スタートして直ぐに自分を置いてきぼりにした二人のうちの1人だ。追い越した後、しばらく彼のライトの光が自分を追いかけてきた。先ほどのASで追い付いてきた3人も直ぐに来るんじゃないかと思い、ペースアップ!走れる箇所はとにかく走って差を広げたかった。
大高山から天覚山までの直線コースは400m級の低い稜線。しかし、ノコギリの刃の様なアップダウンの繰り返しで、ボディーブローを浴びせられるかのように残り少ない体力を奪っていく。
さらに、なんとハイドレーションの水も底をついてしまった。竹寺ASで慌てて出発したために、給水するのを忘れていたのた。
喉の乾きに苦しめられながら、永遠に続くかのように思われたアップダウンの無限地獄。夜が明け、すっかり周りが明るくなったところで、ようやく最期の天覚山を越えた。ここから吾那ASまで一気にくだる。
西武線と国道を渡り、AS到着。現在、6位であると告げられた。後方のランナーが気になり、補給をすませると直ぐに出発。
トレーニングコースの北向地蔵を通過し、一本杉峠手前で、うずくまるランナーを発見。見れば、後半スタート直後に自分を置いて走り去ったもう1人だった。疲労困憊で休んでいたのだろう。遠慮なく抜いていった。
これで5位にアップ!すでに90k走ってゴールまであと少し、ラストスパートだと、思った矢先に大トラブル発生。
鼻曲山に差し掛かる岩場で、鋭利な岩に右ひざの肉をえぐらて出血したのだ。傷口を見た瞬間、顔が蒼くなった。4cmほどの深い傷口から血が大量に流れている・・・。
「ゴールできないかも」
不安に襲われたが、リタイアするにしても自力で山から下りなければならない。トレランレースの辛いところだ。幸い出血は多かったが、痛みはそれほどではなかったので騙し騙し進んだ。
その後、最期の桂木ASや途中で出会ったマーシャルの方に応急処置をしてもらい、何とか前進を続けることができた。
そして、幾多の困難を乗り越え、スタートから22時間40分でようやくゴールした。順位は総合で5位。世代別ではなんと3位入賞という嬉しいおまけつきだった。
〜総括〜
今回の110kレースは出場者215人中、完走者50人、完走率はなんと23%という低水準だった。100mile に関しては完走者0人という凄まじさだった。それだけ、今回のコースか厳しかったということだ。主観だが、このコースで100mile 走ったら、2年前に完走したUTMBより難易度は上だったと思う。
夜間は一晩中、雨が降ったり膝を怪我したりと困難に見舞われた。そんな中でも、胃は固形物を受け付けた。さらに、最後まで走りきる足が残っていた。40才間近の自分にとって肉体はまだまだ進化していることを実感できたのが大きな収穫だった。これからも精進していきたい。
走行距離:102.5
走行時間:21時間56分
累積標高:6,773m
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