常念山脈縦走 楽しい稜線歩き
- GPS
- 56:00
- 距離
- 34.1km
- 登り
- 3,102m
- 下り
- 3,038m
コースタイム
- 山行
- 7:55
- 休憩
- 2:30
- 合計
- 10:25
- 山行
- 7:10
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 7:50
- 山行
- 4:15
- 休憩
- 0:15
- 合計
- 4:30
天候 | 9/24 晴れのち曇り 9/25 晴れのち曇り 夜から断続的に雨 9/26 雨時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー 自家用車
長野自動車道安曇野ICから県道310号、国道147号を経て、穂高駅近くにある穂高駐車場 タクシー:穂高駐車場〜中房温泉/8,000円 復路 バス&電車:上高地バスターミナル〜新島々駅〜松本駅/2,450円(バス&電車のセット乗車券) 電車:松本駅〜穂高駅/320円(ICは使えません) 徒歩:穂高駅〜穂高駐車場 |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所はありません |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
昨年の槍穂縦走の時に、穂高岳山荘から眺めた常念山脈。
「今度はあっちを歩いてみたいなぁ」と思って、今年やっと行くことが出来ました。
月曜日に有休を取って、土日月の2泊3日です。
1日目
天気予報がコロコロ変わる中、中房行きのバス停がある穂高駅駐車場に到着。
準備をしていると、タクシーの相乗りを他の登山者の方に相談されたので、バスより早く登山口に着くタクシーで行くことにしました。(1人2000円)
ところが、タクシーの中にストックを忘れてしまうという大失敗をしてしまい…
久々の2泊3日登山なのに先行きが不安です。
中房温泉〜燕山荘
過去2度歩いたことのある道です。
今回はストックが無いながらも一番楽に登れました。
合戦小屋までの区間は、30分〜1時間ごとにベンチがあるので初心者でも登りやすいですね。
合戦小屋ではまさかのスイカが!
てっきり今年はもう終わっていると思っていたので、これは嬉しいオドロキです!
今まで2度登って一度も食べたことがなかった、合戦小屋名物のスイカ♪
一口食べると…あま〜い!
もの凄くジューシーで甘くて、最高に美味しかったです。
3度目の正直で食べられて良かった♪
もうこの時点でかなりご満悦だったのですが、合戦小屋を過ぎる頃には、まわりにチラホラと紅葉が目立つように。
景色が開けたところに出ると、一層鮮やかな紅葉が目に入りました。
燕山荘〜大天井
ここも一昨年の表銀座縦走で歩いたことのある道です。
ただ一昨年は雨と風で真っ白だったので、天気の良い日にここを歩くことを楽しみにしていました。
あいにく天気は快晴とは言えませんが、景色は見えるし、時折槍ヶ岳もガスの中から姿を現してくれたので良しとします。
道はとても歩きやすくなだらか。
最後の大天井の登りが急ですが、なんとか登って大天荘に到着。
一気にガスが出てきて、風も強く寒かったので、急いでテントを張りました。
お昼を食べてから大天井岳の山頂に行き、テントに戻ってまったりしようと思っていると、山バッジコレクターのkenboさんが「大天井ヒュッテのオリジナルバッジを買ってくる!」と…元気だなぁ。
私は寒いのでテントで昼寝をして待っていました。
1時間ほどして戻ってきたkenboさんは、お目当てのバッジを手に入れてご満悦でした。
2日目
大天荘〜常念岳
ここからは初めて歩く区間です。
歩き始めは緩やかな稜線歩き。
天気が良いのもあってテンションが上がります♪
旧二俣小屋跡を過ぎてしばらく行くと、標識はありませんが、ピークへ続く道と巻道の分岐が現れます。
私はまだ先が長いので巻道を行くことに。
ピークハンターのkenboさんはもちろん直登です。
後で聞いてみたら、ピークには三角点があるだけで山頂標識はなかったとのこと。(地図で確認すると横通岳だったようです)
常念小屋までいったん大きく下って、いよいよ常念岳への登りです。
かなりの登り返しで結構体力を使いましたが、無事常念岳山頂へ。
狭い山頂ですが、槍ヶ岳もきれいに見えて感動しました!
これから向かう蝶ヶ岳もはるか彼方に見えました(遠いなぁ…)
常念岳〜蝶ヶ岳
常念岳から先はアップダウンの続く道。
まず樹林帯まで大きく下り、2592ピークへまた登り返します。
私は今回、この2592ピークの登りが一番つらかったです。
樹林帯で景色も見えないし、風が通らないので蒸し暑く、体力と気力がゴリゴリ削られました。
正直「蝶槍登れるかな…」と不安になりましたが、蝶槍は見た目より楽に登ることができました。
樹林帯を抜けて涼しくなったのが良かったのかもしれません。
蝶槍を越えると、あとはなだらかな道が蝶ヶ岳ヒュッテまで続きます。
大天井〜常念小屋と蝶槍〜蝶ヶ岳ヒュッテの区間は、本当に気持ちの良い稜線歩きを楽しむことができました。
3日目
夜中から雨が降り続き、「雨の中のテント撤収はイヤだな…」と思っていると、朝になり一時的に雨が止みました。
急いでテントを撤収して、6時ちょっと前に下山開始です。
最初は雰囲気の良い林の中を緩やかに下り、長塀山を過ぎると段々と傾斜がきつくなってきます。
しかし、泥濘で時折ぐちゃぐちゃな箇所はありますが、概ね歩きやすい道でした。
しばらく下って徳沢に到着。
徳沢園でお約束のソフトクリームを食べて、上高地バスターミナルへ向かいました。
バスターミナルへは10時過ぎに着き、それから3時間近くかけて車を回収。
穂高温泉郷の常念坊で温泉に入り、安曇野のお蕎麦を食べて帰路に着きました。
今回は念願の常念縦走。
天気の不安や、ストックを忘れるハプニングなどありましたが、ほぼ予定通りに無事に行って来られたので良かったです。
やっぱり北アルプスはいい所だな〜♪と改めて感じました。
昨年から計画していて延期していた常念山脈縦走をやっと実施することができました。振り返ってみると、一昨年にkazuruさんと知り合ったばかりの頃、蝶ヶ岳ヒュッテのテント場と表銀座縦走を熱く語られ、登山1年目の初心者のくせに何とか両方を達成したいと意気込んだものでした。そういう意味では、思い出深い山域となります。
予定では、1日目は大天荘、2日目は大滝山荘に泊まる予定でした。しかし、大滝山荘の今年の営業が23日をもって終了となることをホームページで知り、蝶ヶ岳ヒュッテ泊に変更しました。
問題は、1年で1番重たい会議があるこの時期に仕事を休むことができるかどうか。とりあえず、26日の月曜日に有休を取得できるように22日の秋分の日は自宅に仕事を持ち帰り、ギリギリセーフで仕事を終わらせました。しかし、肝心の天気予報は、1日目と2日目は午後から雨、3日目は終日雨。迷いに迷いましたが、今回諦めると次はいつになるかわかりません。CTから「雨が降り出す前にテントを設営できそうだし、最終日は下山するだけだから…」と雨覚悟で突入したのでした。
9/24
3:40に穂高の駐車場に到着すると、予想外にガラガラでした。これなら余裕でバスに乗ることができるかな?30分ほど仮眠して食事を済ませ、そろそろバス停に並ぼうかと準備をしていると、表銀座を縦走するというお二方から「中房まで8,000円(定額)らしいので、タクシーで行きませんか?」と誘われました。1,700円のバスには余裕で乗ることができるので少し考えましたが、午後からにわか雨予報であったため、少しでも早くスタートしたい。タクシーを選択しました。バスと違って速度が出るタクシーでは、揺れによって一睡もできませんでした。
中房温泉に到着し、トイレを済ませて出発しようとすると、kazuruさんが「ストックがない!」と慌て始めました。あっ!タクシーのトランクから出していない。お互いにお互いが出すだろうと思い込んでいたのでした。どうしよう…テント泊装備で2泊3日を歩ききれるかな?と、しょんぼりするkazuruさん。また写真を撮ろうとすると、SDカードを自宅に忘れてきたことに気づき、今回は携帯電話での撮影となりました。これでは、雨が降ったら写真が撮れなくなってしまう…。ボロボロのスタートになりました。
天気予報がイマイチであることと、タクシー利用で早くスタートすることができたため、渋滞に巻き込まれずに済みました。リハビリ中、かつストック無しのkazuruさんのペースに合わせ、ゆっくりめで進みました。途中にある4つのベンチでは休憩せずに合戦小屋へ。
合戦小屋は、ヘリによる荷揚げ中でした。軒先にスイカのビーチボールが吊るされていなかったので、残念!と思った矢先、「スイカやってます」の張り紙が!ヘリの風圧で飛ばされないように、外したのかもしれません。諦めていたスイカを食べることができる。3年越しの願いが叶ったkazuruさんは、とてもご満悦そうでした。
燕山荘に近づくにつれ、木々の葉が色づいてきました。周囲が開けてくると、先々週に登った唐沢岳と餓鬼岳が見え、あの時は疲れたなぁ〜と、遠い昔のように感じました。
燕山荘に到着して、少し休憩。燕岳には既に登ったことがあるし、雨が降り出す前に大天荘に到着したいこともあり、燕岳はキャンセル。大天荘を目指します。槍・穂高方面は厚い雲に覆われていて何も見えない状態でしたが、大下りの頭あたりから時々槍ヶ岳が姿を現します。槍ヶ岳を眺めながらこの道を歩きたがっていたkazuruさんは大喜びでした。
切通岩を通過し、槍ヶ岳との分岐を左へ。若干心配していた本日最後の頑張りどころである大天荘までの登りは、特に問題なくクリアすることができました。
稜線上にある大天荘に到着すると、一気に真っ白になって冷たい強風が吹いていて、どんどん身体が冷えていきます。急いでテントを設営して中に入ると、なんと暖かいのでしょう。風が遮られるだけで体感温度が異なることを改めて感じました。
真っ白のまま大天井岳に登ってもつまらないし、身体が冷えてしまったので、昼食は小屋の中で済ませることに。温かいスープを注文してのんびりしながら天気の回復を待ちましたが、一向に回復しません。諦めて山頂へ。当然、真っ白で何も見えませんでしたが、「メインは明日だから…」と言い聞かせました。
テントに戻り、「少しお昼寝する。たまにはのんびりしようよ」とkazuruさん。私はまだ未踏区間であった槍ヶ岳への分岐から大天井ヒュッテまでの巻道を歩いてみたいことと、バッジを買いたくてたまりませんでした。そこで、「くるっと1周しても大した距離ではないから、ちょっと行ってきます」と、レインウェアを片手に出発しました。
分岐までの下りでは、一瞬ガスがなくなり、燕岳方面が見えました。まだ遠くの方からこちらに向かって歩いている方が見えました。あの方々は何時に到着するのだろう?私の方が先にゴールできそうだな。
分岐から槍ヶ岳方面に進みます。アップダウンを繰り返しながら何回か梯子や鎖場を通過しましたが、鎖を掴まねばならない箇所はなく、片手でも十分でした。大天井ヒュッテに到着すると、さすがにこの時間だからか飛び込み宿泊と間違われてしまい、バッジを片手にした私を見た小屋番さんはポカ〜ンとしていました。その後、雨が降り出す前にテント場に戻ることができました。
小屋に張り出された天気予報は下方修正されており、明日も雨マークが!蝶ヶ岳ヒュッテまではなんとかもってほしいな…。おやすみなさい。
9/25
風が強くて夜中に何度か目が覚めましたが、明け方には弱まっていました。外に出ると、星が見えて少し安心。しかし、寒い。テント撤収時は手が悴みました。準備を済ませ、少しだけご来光を眺めてから出発。この先は初めて歩く区間なので楽しみでした。
とてもなだらかな稜線歩きが続き、涼しいくらいの風が心地よく、ウォーミングアップにはピッタリでした。相変わらず槍・穂高方面は雲に覆われていましたが、旧二俣小屋を過ぎたあたりから見え隠れするようになり、楽しみながら進みました。涸沢が見え、かなりの数のテントが張られているのがわかりました。向こうにいる方からは、こちらが晴れていて羨んでいることでしょう。
もうすぐ常念小屋かな?と思える部分で、ピークへ続く道と巻道の分岐が現れました。この先、3回の急登が控えているので、kazuruさんには巻道を進んで合流点での待機をお願いし、私だけ登りました。
登り終えて少し歩きにくい平行移動となり、終点には三角点がありました。地図上では、ここが横通岳かな?真下には常念小屋が見え、結構な数のテントが残っているとともに、常念岳に行きかう方々の姿が確認できました。また、分岐点で座って休憩しているkazuruさんが見えたので、いそいそと下って合流。さらに大きく下って常念小屋に到着しました。
噂通りの斜めのテント場。ここでのテント泊はなるべくなら遠慮したいなぁと思いつつ、小屋に近づくと、大量のザックが入口付近に置かれていました。山頂は混んでいるのかな?
軽食を済ませて、本日1回目となる約400mの急登。手ぶらに近い装備の方が次々に下山してくる中には「ここのコースタイムってかなり甘くね?俺たちメッチャ早いじゃん!」と楽勝モードの若者も…。
この装備で登るのが完全に浮いているかのような状態を我慢しながら登り続け、三俣との分岐点に到着。ここから先は、一昨年に歩いたことがあるのでひと安心です。そしてもう少し登って山頂に到着。
山頂は既に空いていて、のんびりすることができました。初めての常念岳から昨年の槍穂縦走を思い出し、ご満悦なkazuruさん。これから先、体力勝負だけれど大丈夫かな?
岩場をもったいないほど下り、樹林帯に入ると本日2回目となる2592ピークへの急登。樹林帯のため風がなく、汗が滴り落ちました。2592ピークへ到着すると「ちょっと休ませて」とkazuruさん。目の前に聳える蝶槍を見て「蝶槍って、常念岳くらい登るんじゃない?」と不安そうでした。「見た目は凄そうでも、距離が短いからたいしたことはありませんよ。とりあえず、森林限界を超えましょう」と励ましました。
再び下って、本日3回目となる急登。これを終えれば後は楽、という気持ちの問題でしょうか。kazuruさんは2592ピークへの登りと比べ、かなり明るい表情でした。あとは、朝と同じくなだらかな道。前穂高岳以外は見え隠れする槍・穂高方面を眺めながら、稜線歩きを楽しみました。
蝶ヶ岳ヒュッテに到着し、まずはテントの設営…としたいところでしたが、天気が急変して真っ白になると嫌なので、先に蝶ヶ岳の山頂標識へ。明日は雨予報だし、まだこの時間なら上高地へ下山しても最終バスには間に合うため、下山しようか迷いましたが、リハビリ中のkazuruさんに無理をさせてはいけないし、もともと最終日は雨覚悟だったため、今日はここに泊まることに。風が強い中テントを設営して、のんびりしました。
ヒュッテで天気予報を確認すると、数十分おきにコロコロと天気予報が変わります。最後に確認した天気予報はかなり上方修正され、明日のお昼までは曇りマークとなりました。これならなんとか下山までレインウェアを着なくて済みそうだ。しかし、19:00頃から断続的な雨となり、それでも楽観的に考えて…おやすみなさい。
9/26
日付が変わる頃から雨は本降りとなり、結局起床時間の3:50でも弱まりませんでした。天気予報はハズレたか…。雨の降る中ではライトを使いたくないので、明るくなってからのテント撤収を目指し、4:30までひと眠り。目が覚めると、雨脚は変わらず…。諦めて朝食と荷物整理を済ませ、さてレインウェアを着よう…としたところ、雨が上がりました。
これはラッキー!せめてテントを撤収し終えるまでは降らないで…と祈りつつ、慌てて外に出て撤収しました。だんだんと明るくなってくると、高曇りの状態で、まだ雨は降らなさそう。今のうちに距離を稼ごうと、すぐに出発しました。
秋の気配を感じさせる道を緩やかに下り続けると、長塀山に到着。ここで雨が降り出しました。ただ、小雨程度であったため、樹林帯の中ではかろうじてレインウェアを着用せずに済み、次第に傾斜がきつくなる中をぐんぐんと下ります。泥濘状態の箇所や怪しい梯子を何度も超えて徳澤に着くと、雨は上がっていました。
徳澤園のみちくさ食堂に寄り、まだ10:00前のため野沢菜チャーハンは断念し、お約束のソフトクリームでお茶を濁しました。あとは、上高地まで長い平行移動。途中で猿の親子にほっこりしながら進み、ゴールとなりました。
本当は敬老の日3連休で行くはずだった、常念山脈縦走。仕事を1日休まざるを得なかったのは痛かったですが、このおかげでそこそこ静かな歩きを楽しむことができました。リハビリ中のkazuruさんが無事にゴールすることができて、本当に良かった。
今回は2泊3日で歩きましたが、大天荘から常念小屋まではそんなに疲れないので、1日目に常念小屋まで進んでしまえば、2日目には余裕で上高地まで下山が可能であることがわかりました。この場合、常念小屋のテント場はかなり斜めの場所しか空いていないだろうけれど、いつの日にか1泊2日で挑戦してみようかな。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する