月が微笑うので伊吹山
- GPS
- 12:44
- 距離
- 14.0km
- 登り
- 1,300m
- 下り
- 1,296m
コースタイム
- 山行
- 2:32
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 3:51
- 山行
- 3:20
- 休憩
- 5:24
- 合計
- 8:44
天候 | 登山日和の月夜、寒過ぎる夜、日向は熱い朝。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
近江長岡駅からは最終18時35分、360円(15分)。 今回、出来る限り遅く家を出るため、長浜駅から出発。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
土の部分が、崩れやすく、滑りやすかったが、 概ね、問題は無かった。 単独と言うより、独占状態だったので、 鹿は、奈良公園に匹敵するほどの傍若無人でした。 あと、 私の勘違いでなければ、熊に遭遇したような。。。。。 |
その他周辺情報 | 山上駐車場のトイレはお店と一緒にロックされてました。 山頂のトイレは、100円と聞いていましたが、 300円以上の賛同金寄付になっていました。 |
写真
感想
盛り沢山のナイトハイクでした。
前回、疲労で顔面から転倒したので、
今回は、保険を掛けて、最終バスで登る。
もちろん、誰もいない。
バスの運転手さんも、<今からですか?>と驚くほど。
街中を出ると貸切状態で、
到着するまでタクシー並みに話をした。
<雪が少ない><観光客も減った><登山者も減った>
と、余り芳しくない話の中、<今年は熊が出ない>話になる。
熊が出ると、街中にサイレンが鳴るそうです。
アッと言う間の小一時間。
<気をつけて>と見送られて、登山を始める。
熊がいない夜中の山は、鹿が我が物顔で歩いていた。
登山道を横切るのは当たり前、
曲がり角を曲がったら、眼と目が合い、
ヨッコラショットと立ち上がる猛者もいる。
鼻から息を吸うと、家畜の臭いが強烈で、
呼吸法を忘れてしまうほど。
遠くにいる鹿ほど、逃げ足が速いのは、
大台ケ原をバイクで走った時のよう。
不思議な状況に慣れてきて、
立ち止まっては、鹿を見たり、
星を見たり、街灯りを眺めたり、
幾度となくライトを消して楽しんだ。
ライトに浮かぶ薄も、下山時の楽しみに仕舞っておく。
3合目で休憩し、6合目で避難小屋の扉を開く。
靴が一足揃えてある。
先客である。
一瞬迷ったが、未使用の<EMシェルター>を使ってみたくて、
そっと扉を閉めた。
これが、たぶん、第一の失策。
8合目で休憩した時も、体はまだ汗ばんでいて、
水を飲んでいた。
風もなく、羽織る必要もない登山日和。
どうして、此処で、<EMシェルター>を開かなかったのか。
これが、第二の失策。
日記に記した熊らしきものに遇ったのは、
9合目を過ぎて、西登山道の稜線が見えた頃である。
熊、またはそれらしきものと対峙した時間は、
結構なものだった。
しかし、バスの運転手さんの話もあるので、
寝静まった扉を叩いてまで、報告する勇気は無かった。
<化物の正体見たり枯尾花>が世の常である。
軽く頂上を一周すると、
鹿の一団も鳴きながら走り回る。
結構面白いので、二周近く歩いたのに、
三角点は踏まずじまいである。
これも、失策の一つ。
失策ついでに、覚心堂のことは失念していた。
風も無く暖かいので、汗ばんだシャツも乾き、
ポットのお湯で充分我慢できる御来光待ち。
<EMシェルター>を広げて、家での練習を確認。
の、つもりが、これが大層手強い。
引っ張り出して、広げて、被って、
ザックと人間でテンションを取ると、
空間が出来るツェルトなのだが、
被るとすぐに、外気が空間を押し潰す。
何度やっても、空間が出来ず、
薄い布を被った状態になる。
そうなんだ、家では、外気も内気も無かった。
実際に確認できただけでも、上首尾だ。
そうこうしている内に、少しずつ冷え込んできたので、
バイク用のオーバーパンツとインナージャケットを着込む。
着込みながら、気づいた。
今回から、夏用の小さなザックを、
秋用のザックに変えたばかりだ。
家とは、テンションの張り具合が違うのだ。
んんん、どうしよう。
300円も払ったのだから、トイレに居座ろうか。
そう思わせるほど、
煌々と明かりのついた山上トイレは、温かい。
細々とした失策が続いた後、やっと閃いた。
御来光のために担いできた三脚がある。
一発で空間が出来上がり、
広告通りのバーナーも焚ける。
温めては寝、温めては寝、
犬のように丸くではあるが、
小一時間を3回、横になる。
欠点は、体がキツイこと。
荷物を抱き枕のように抱く必要があること。
ツェルトに触れる部分が非常に冷たくなること。
三脚が二つあったら、良いのだろうか?
・・・山用のテントと重さが変わらなくなるから、
本末転倒ですね。
都合4回、トイレを借りたので、百均トイレより安上がりでした。
白みかけてきたので、荷物を纏めながら、
カニ雑炊を作り食べる。
パラパラと夜間登山の人も登ってくる。
街灯りもはっきり見えて、
今日の雲海は絶望的だが、御来光は期待以上だった。
だがしかし、私はまだ気付いていなかった。
ビバークの練習が、練習ではなく、
本来のビバークに近かったことを。
想定外は、熊らしきものとの遭遇だと思い込んでいた私は、
予定通り、東登山道から西登山道への一周に入る。
真横から突き刺す漫画絵の様な光の線の中、
ゴツゴツした道を下りる事、数分。
日差しが山に隠れて、伊吹山の頂が見える頃、
空気が変わる。
海で素潜りをするとき、感じる海水温の変化に似ている。
あの、胸を鷲掴みされたような冷気が襲ってくる。
羽織った服を脱がなくて良かった。
そう思ってすぐ、木の階段の異様な白さに頷く。
霜だって降りるよな。
あれだけ、空が突き抜けていたんだから。
明け方の寒さに納得しながら、
角を曲がると、一面真っ白。
一瞬、植物の色なのかなと勘違いさせるほど、白い。
普通の霜と違い、雪のような手応えがある。
摘まんでも、指先にしばらく残っている。
手袋をして、霜を掻き集めたら、
雪玉が一つ出来そうな感触である。
生まれて初めて見る霜の形態だった。
東登山道は、下り専用とあったが、
冬真っ先に氷つくのだろう。
この分では、来月には注意が必要かも。。。。
そうそう、熊の形跡を探しに、
西登山道へも登ったのです。
本当は、退屈そうな入り口を見た瞬間、
中央を登りたくなったのですが、
鹿以外の排泄物でも見つからないかと、
我慢、我慢と言い聞かせながら登りました。
熊の件が無かったら、絶対登らない道です。
もう一度、東登山道を戻ったと思います。
もちろん、熊の痕跡は見つからず、
バスの時刻表と時計を見比べる作業に没頭します。
枯れ尾花(薄)は、思った以上に綺麗でしたが、
何処の萱場でもそうですが、
人を入れこまないように苦労しました。
後記
リベンジはできましたが、
無理な姿勢を取ったため、
まだ、全身筋肉痛です。
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