弥山川・双門ルートから弥山・八経ヶ岳周回


- GPS
- 11:59
- 距離
- 21.6km
- 登り
- 2,524m
- 下り
- 2,522m
コースタイム
天候 | 曇りのち昼過ぎから雨 ※気象庁さん、また外しましたね! 10月22日の暦(奈良県) 日の出 6:08、日南中時 11:41、日の入り 17:14 月の出 22:56、月南中時 5:04、月の入り 12:10 正午月齢 21.1(半月強) - |
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過去天気図(気象庁) | 2016年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
登山口(熊渡)に前日深夜に到着し前泊仮眠。 - |
コース状況/ 危険箇所等 |
●熊渡から弥山川入渓ポイント(白川八丁) 林道を30分ぐらい歩いたら分岐がある。右はカナビキ尾根への登山路で、左は弥山川に入渓するルート。途中で1か所、崩壊している部分があるので、注意して通過する。そのあとすぐに弥山川の河原に着く。このさき全般を通して一番大切なのは、赤リボンを見失わないこと。見失ったらそのまま進まずに立ち止まって赤リボンを探すこと。これは本来のルーファイではないが、利用するに越したことはない。 ●白川八丁から仙人前テラス 弥山川の河原に降りても伏流していて水はしばらく無い。しばらく河原を歩いてガマ滝に着く。かならず水量をチェックすること。今回の水量(写真参照)なら登山靴でも遡行可能だが、多くなると沢靴に履き替えた方がいい。登山靴を水没させてしまうと、豆ができやすくなる以外に、登山靴では滑り易くなって転倒の可能性が高くなる。渡渉を何回か繰り返した後、ちょっとした岩登りがあって一の滝の吊り橋に着く。吊り橋を渡ると、これでもかっ!という程、長いハシゴが連続する。木枝や根っこを掴んで登る部分もあり、余裕のあるスピードで登らないとバランスを失ってしまうので注意。仙人前テラスから見る双門滝はすばらしい。さすが名瀑100選の滝。 ●仙人前テラスから狼平 テラスからまだまだハシゴは連続するが、ザンギ平方向に向かって大きく高巻きする。この下りは結構激しいので、ゆっくり時間をかけて慎重に下ること。クサリはあるが、ロープを張って懸垂下降したいぐらいの下りだ。下降点にはちょっと休憩できる河原がある。しばらく河原を歩いたり脇道に入ったりするが、とにかく赤リボンを見失わないこと。でないと高難度の登りやトラバースになってしまう。最後に鉄杭の刺さった岩場をグイッと登るとブラブラ鉄バシゴが現れる。テント泊などの装備では結構、腕力が要るので、荷物と別に登った方がいいかも知れない。鉄バシゴのあとにはすぐに空中クイが現れる。ここで落ちたらケガでは済まされないが、ここでの事故は少ないらしい。集中するからだ。このあと15分ほど河原を進めば狼平の吊り橋に到着する。ここまでがバリエーションで、ハーネスやヘルメットを解除する。なお、このルートは逆走(下降すること)禁止なので注意してほしい。 ●狼平から弥山・八経ヶ岳 少し階段状の登りを進むと登山路の右脇に水がでているので、必要があれば汲んでおくといい。この登山路わきのコケはすばらしい。その他、ここは一般ルートなので、他の方のレコを参照してほしい。 ●八経ヶ岳から高崎横手 八経ヶ岳は9割の登山者がピストンし、今回のルートのように向こう側へ降りる人は少ない。なぜなら9割の登山者が行者還トンネル西口からピストンするからだ。いつも、もっといろんなルートを楽しめばいいのにと思う。登山路はしっかりしている。明星ヶ岳の肩で大峯奥駆道と分かれ、広い尾根を進む。ここはレンゲ道と呼ばれ高崎横手まで広い尾根は続く。高崎横手は狼平から約20分で登ってこれるので、ここで時計をチェックしよう。時間が遅くなってしまった場合は、予定をあきらめて狼平の避難小屋でビバーグしよう。 ●高崎横手から熊渡 広い尾根が続くのでルートを失わないように注意が必要だ。特に枯葉で覆われてしまうと登山路がわからなくなってしまう。カナビキ尾根への分岐には写真のような判りやすい案内板があるので、まず間違うことはないだろうが、この案内板がないと、尾根が広いだけにルーファイは難しい。カナビキ尾根の下降は途中から赤リボンは左へ降りろ・・・となっていたが、この雨で沢に向かうもんかと、尾根を維持して下って行ったら登山道に合流した。急下降は少しあるが、いつもこの下り方だ。また、本来の登山路は、途中から右側の小尾根を降りていたが実際どう下るのが正しいのかは知らない。 - |
その他周辺情報 | ・天の川温泉は大規模修理にて長期休業中。 ・洞川温泉センターはとってもきれいになった。 11時〜20時(毎週水曜日定休)。大人600円。 駐車場は温泉センター利用で1時間無料。 - |
写真
装備
個人装備 |
一般の日帰り装備
ヘッドランプ
沢靴
ヘルメット
ロープ(今回は8mm×30m)
ハーネス
ATCなどの登攀具
ツェルト
火器一式
防寒着
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感想
沢あり岩あり泥壁ありの総合格闘技的バリエーションルート、弥山川・双門ルートから八経ヶ岳を周回して来ました。通常、登山靴でも登れるルートで、技術的には難しいルートではないのですが、脚力だけではない総合的な体力が求められます。このルートは自分にとっての体力測定ルートでもあるのですが、今回12時間もかかってしまいました。なんともふがいないです。
このルートはそんなに難しいルートではないとはいえ、普通の登山装備で登るのは如何なものかと思います。少なくともヘルメットは必要ですし、パーティに最低1本以上のロープが必要です(ソロなら本人)。ヘルメットは落石のためというよりは、転倒したときに自分の頭を保護するためです。沢はすべりやすいので転倒の可能性が高いので絶対必要です。ロープはルート迷いや増水などで高巻きや沢から脱出するときに使用しますので、ATCなどの下降器を使った懸垂下降技術も必要です。こうした安全を担保しない軽装備で、たとえ登れたとしても、それは登ったことになりません。単に運が良かっただけで、それは遭難予備軍です。ただ、個人的にソロは問題視しません。お互いに力量を知らない即席パーティよりもずっといいです。即席パーティは簡単なハイキングどまりにしてもらいたいものです。2015年7月に弥山川であった即席パーティによる遭難騒ぎは、ヤマレコ(ヤマノート)にも登録されていて削除されましたが、山登ラーとして軽蔑に値します。
下山後に知った話ですが、この日ボクが狼平に着いたお昼ごろ、今月の9日から行方不明になっていた遭難者が自力で栃尾辻まで登り返して、無事救出されたということです。この方は弥山川バリルートではなく、一般ルートで帰路を急いでいて滑落されたそうですが、なんと13日間も沢水だけで凌いでいたそうです。もう驚異的なことです。無事でよかったと安堵するとともに、捜索や救助について考え直さなければならないことが多く含まれていそうです。
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kuma-san,こんにちは。なかなか楽しめそうなルートですね。お気に入りに登録させて頂き、いつか遠征してみますね。どうもです。チカ
チカさん、是非訪れてください。
クライマーや沢登ラーには少々物足りないかもしれませんが、総合体力的にはきっと満足していただけるでしょう。
技術的にはそんなに難しい場所ではないにもかかわらず、バリエーションの雰囲気が味わえる場所のため、軽装備で訪れる登山者があり、しばしば遭難に至っています。県や村でも辟易としているのですが、登山口にはっきり、『未経験者同志や、ノーヘル、ノーザイル登山者の入山禁止』と掲げればいいのにと思っています。 クマ
クマさん、こんばんは。
前回も思ったのですが、やはりこのルートいろんな要素が詰まっていて面白そうですね 。かなりそそられています
その分それなりの装備も必要みたいですが。
沢靴、ロープ、懸垂下降ギア、ビバーク装備となるとそれなりの重量で、このハードで長い行程を日帰りで、となるとかなりの体力が要求されそう。
泊まりにするとさらに重量が増すし。
うーん、結局体力ですね。
鍛えなおさねば
バリエーションのわりにはハシゴ、クサリなどそれなりに整備されているようですが、赤テープは見失わない程度にはあるんでしょうか?
まさにあの事件の当日だったんですね!
主脈線上はかなり騒がしかったのでは。
この日は一日中、ヘリが飛んでましたね。
遭難したときの鉄則は、その場を離れずじっとして救助を待つということですが、この方は13日間耐えた後、自力で登山道(栃尾辻)まで登り返して救助されたのです。一般登山者にもかかわらず、セルフレスキューができたのですよ。
これと対称的だったのが、北岳バットレスでの事故。
> 8/29午前6時20分に携帯から「道に迷って下山できない」と
> 救助要請計4回。大阪のA山岳会に所属する40歳代なかばの男女。
> ヘリが出動するも強風のため救助できない(29〜30日)
> そのため地上から救助隊が山頂に向かうが悪天候で難航(30日)
> 31日午前11時50分、バットレス第三尾根の標高2900m地点で
> 救助するも時すでに遅し。2人とも低体温症にて凍死。
2〜3日間、救助を待ってその場を離れなかった。いわゆる”救助待ち致死”。滑落などではなかったようです。お二人ともバリバリのクライマーだったのに、自分らで解決できなかったのですね。確かに気温は全然違いますが、経験や技量も全然違ったのに・・・残念でした。ツェルトを持たなかったなど装備にも問題がありました。同じ山岳連盟に所属する方だったので、ショックを受け、いろいろと考えさせられました。
どっちにせよ、体力はとにかく一番大事ですね。体力は経験や技術で、ある程度カバーできますが、いざという時に頼りになるのは体力です。このルート、次から次へと与えられる課題を克服していくのが面白いし、なによりも体力トレーニングになります。昔から赤テープはしっかりしていましたが、いまはもっと多いですね。お泊りするなら、テント無しでも狼平避難小屋(きれい)もあるし、弥山小屋(冬は冬季小屋)もあります。いつか挑戦してください。カノスケどんなら、楽しめると思います。
クマ
秋もいいですね、とぼんは冷たそうですが。
カナビキ尾根は、広いのでルーファイは難しい
ですね。
晩秋は、濡れた落ち葉ですべり易いです。
それにしても無事で良かったです。
空中はしごの手前にオオミネコザクラの群生が
見られますよ。
ストラッセさん、こんにちは。
天川村に入る国道309号線の長大トンネルにはいつも感謝してます。このトンネルができるまでは、あのうんざりするような山道でしたからね。とてもありがたいです。
この沢でドボンしてもせいぜい膝下ですから、泳ぎのある沢登りに比べれば、屁でもないです(笑)。ただ、これからの季節、枯葉が積もって登山道を隠し、微妙な場所が増えてきますね。これも、ノートレースの雪山に登るよりはマシですがね
この双門ルート、梅雨前にも何度か登ってますが、あんな岩場にオオミネコザクラの群生があるとは知りませんでした。次回、行くときは5月中旬にして、チェックしてきます。
クマ
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