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Yamareco

記録ID: 102532
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ハイキング
中央アルプス

木曽駒ケ岳

1999年08月13日(金) [日帰り]
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nobou その他1人
GPS
32:00
距離
4.0km
登り
436m
下り
439m
アクセス

感想

 8月12日(木)
 15:00発。飯田市を目指す。同29,飯田峠。16:10,飯田市に入り中央高速へ。南アルプスの山々は雲に隠れて見えず。30分弱で駒ケ根IC。木曽駒ケ岳ロ-プウエイ駅方面に2km走った所でマイカ-通行止めとなり、そこからは専用バス便となる。その日のねぐらをその駐車場と決め、その一番奥に車を停めてすぐ沢に入る。
 川の名は大田切川。巨岩がゴロゴロして水量が多く、いい淵やトロ場,瀬があり、下流には堰堤があった。小形は堰堤の下流で釣っていた。
 最初のトロ場で1尾のイワナがすっと上流に移動するのが見えた。大きさは22〜3cm。この日の釣りを毛針だけと決め、そこから下流に向かってすべての淵とトロ場,落ち込み,流れの早い流心を除く瀬脇,瀬尻に丹念に毛針を打ち込み、丁寧に探っていった。
 時刻は6時前。魚がいることには確信があったがなかなか出ない。下流から釣り上がってくるOgaが釣り上げた魚を取り込むのが見えた。すれ違う時、202m級を2尾,柳の小枝に挿してぶらさげていた。“今日は絶対に毛針に出る”という確信がゆらぎ始め、餌釣りにかえようかと弱気が頭をもたげてくる。それをぐっとこらえて毛針を振り続ける。あと20分ほどで空が焼ける時間がくる。それから針が見えなくなるまでのわずか十数分の時間が狙い目だった。
 速い流れの向う側の瀬脇で1尾がチラリと頭をもたげた。その後、もう一度遠慮がちにハネたが合わず、そこはそれで終わりだったが、反応があったことに意を強くする。
 数分後,今度は手前の瀬脇で踊り上がった。そのイワナはまっすぐ垂直に30cmあまり飛び上がって全身を晒した後、尾を震わせながら水中に没した。見事なジャンプだったが毛鉤には触らず、そこもそれっきりだった。西の空が赤く染まり始めるとイワナがさかんに飛び始めたが、様子見がほとんどで毛針をくわえない。
 夕焼けが最高潮に達した頃、堰堤から20m下がったややゆるやかな流れとその向こうの落ち込みの境目で飛び上がったイワナがヒットしてやっと1尾を手に入れた。22cmの小イワナだった。そこから先は大きな岩場を巻かなくてはならなかったが、すでに夕焼けは終わり、急速に空が暗くなり始めて、その先まで行く時間はもうなかった。読み通りチャンスは空が焼ける間の十数分だった。餌ならもう1〜2尾釣れたかもしれないが、今日は毛針で釣りたかった。
 1尾だけだったが、狙った時刻に狙い通りの釣りができたことに満足して竿を収める。Ogaは25cmを1尾と22cmを2尾,併せて3尾を釣ってきた。エサはクモや蛾の類である。
 すっかり暗くなるのを待ってテントを張り、テントのそばで湯を沸かして夕食をつくる。有り難いことに駐車場に水場があってふんだんに水が出ていた。
 食事を終えてから釣った魚を焼くために河原に行こうと言うことになったが、河原に下りるのは危険だし億劫なので土手の一画で焚火をしておき火をつくり、木の枝で串をつくって焼いた。小形は町場までビ-ルを買いに行った。
 2時間かけてこんがりと焼き枯らして、明日食べようといいながら、せっかくなら熱いうちにと2尾を食べて残りを車に持ち帰る。明日も早く起きて釣りに出ることになるだろうからと早々に寝る。


 木曽駒ケ岳に登る
 8月13日(金)
 4時に起きて驚いた。助手席に置いたはずの焼いたイワナがない。昨夜、車のドアはしっかりロックして寝たはずである。あわてて調べるとナント窓が開いていた。せっかく苦労して焼き枯らした2尾のイワナを猫に呉れてやったらしい。タヌキやキツネなら許せるがネコでは許せないではないか! こんなことなら全部食べるんだった。せめて大きい方だけでも・・と、未練たらたら嘆いてみたが遅かった。
 気を取り直してテントを撤収し釣りに行く。エサはブドウ虫。あまり釣れる気がしなかった。結果は一度のアタリもなく6時までに帰る。Ogaも釣果なし。
 朝食をつくり、食べ終わって木曽駒ケ岳に登る準備。アタックザックに貴重品と水と若干の行動食という軽装で7時過ぎの2番のバスに乗る。バスとロ-プウエイの往復の料金がセットで3800円。まあ適正価格であろうか。バスは30分で標高1661m,しらび平のロープウエイ駅に着いたが、そこからは整理券が発行されていて、我々の番号は1000番台。次のゴンドラを待っている人達の番号は600番台で1回の乗車数は60人だと言うから1時間ほど待たなくてはならい。
 9時近くになってようやくゴンドラに乗る番が来て十数分後の9:08には標高2611mの千畳敷駅に着く。そこは千畳敷カ-ルの底にあたり、目の前にいっぱいに広がるカールの上の縁にあたる所までの登山道にびっしりと人が並んでいた。
 すぐに出発。ほとんどが観光客で、後ろからの追い越しはもちろん、下りてくる人さえよけようともせず、横並びで、あるいは子どもの手を引いてぶらりぶらりと道をふさいで歩くので歩きにくいことこの上ない。しかも団体が多い。
 2時間で戻りたかったので観光客の群れをかきわけで急ぐ。急ぐあまり団体を追い越そうとして登山道の外を歩いていて大腿部を下向きの鉄筋にカウンタ-気味にぶつけた。痛くてしばらく動けなかった。
 予備知識がないので案内標識を見て登るしかなかったが、カールの上の縁は伊那前岳と宝剣岳との鞍部でその上の小ピ-クが中岳。9:39に着く。その先に宝剣山荘,天狗荘の2つの山小屋があり、その間を抜けて稜線を少し歩くと頂上山荘で、そこから100m程ゆるやかに下ってまた登り返すと標高2956mの木曽駒ケ岳頂上である。
 10:12,登頂。何の感激もない。展望は空木岳以外分からない。20分あまり頂上にいて10:38発下山開始。Ogaは途中から宝剣岳に向かったが、自分は脚が痛かったのでそのまま下る。石だらけの道を飛ぶように降り、出発してから2時間余りの11:24駅に着く。
 Ogaを待つ間、駅で登山指導していた救助隊員に縦走路のことを聞く。縦走路は北御所谷から伊那前岳を経て宝剣岳との鞍部を通り、木曽駒ケ岳に至るコースでテン場もある。2日目は4時発ちで一旦千畳敷に下りてから空木岳に向かい、越百山避難小屋に至るというもので、これならロープウエイを避けて縦走できそうだ。それより魅力的なのは楢川村の桂小場から大樽小屋,西駒山荘を経てあの修学旅行登山で大量遭難者を出した聖職の碑のコースである。
 10分遅れてOgaが下りてきた。鎖場がたくさんあって面白かったと満足げである。下りはロ-プウエイもバスも待つことなく乗れ、12:20頃駐車場に着く。
 町場でソバ定食を食べ、13:26発駒ケ根を後にする。ガスがなくなったのでディスカウントで2個買いOgaを送るために高山に向かう。
 8月7日から有峰湖を振り出しに、太郎山,薬師沢,赤木沢,大平宿,摺古木山,木曽駒ケ岳とめぐった山と釣りの旅を終え、1週間ぶりに国分寺に帰る。
 この山旅を再起の出発点としたい。                 終
     

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