【揖斐】西津汲〜鍋倉山〜奥谷山を周回
- GPS
- 11:25
- 距離
- 15.7km
- 登り
- 1,447m
- 下り
- 1,441m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
鍋倉山避難小屋からしばらくの東海自然歩道区間以外は登山道ではありません。 鍋倉山への登り、840m〜910mあたりが地形図からは想像できないガケ状の急傾斜になっており、手がかりも少なく危険個所かと思います。その直後しばらくの濃密なヤブは道の痕跡どころか獣道すらありません。 それ以外の個所では、尾根幅も広くヤブもほとんどなく快適に歩けます。ただし道はないので道迷いに対する準備は必要です。 |
その他周辺情報 | 道の駅 星のふる里ふじはし http://www.ibikogen.com/michinoeki.html 道の駅敷地内に「いび川温泉・藤橋の湯」 http://ibigawafujihashisp.wixsite.com/987654321 道の駅 夢さんさん谷汲 http://www.ibikogen.com/ibigawa.html |
写真
感想
ブログ・ひとり山歩き倶楽部のひとりさんが昨年末に紹介された外津汲集落からの揖斐・西津汲に興味を持ち、ひとりさんファンの山だよ姉さんを誘って出かけることになりました。
地図の準備のため地形図を眺めていると、西津汲から西へ尾根をたどれば鍋倉山、さらに南へ奥谷山へとロングで周回できるなあと思い始め、そうなると無性にやってみたくなりました。でも今回は山だよ姉さんが同行だし、きっと却下されるだろうなあ。それでもあきらめきれず、ど叱られる覚悟で恐る恐るメールでお伺いをたてると、なんと意外や山だよ姉さん、やる気満々でOKの返事をくれました(^^)v
【外津汲駐車地〜西津汲】
ロングコースということで外津汲集落はずれの駐車地には5時半前には集合、準備をして6時前にスタートします。
集落をまわりこむように登っていくと道は終点。そのあたりにおられた住民の方にどこへ行くのかと尋ねられ、西津汲だと答えると、それなら登山口は全然違っているよと教えてくれます。いや、こういうルートで登るんですと伝えると、ちゃんとわかっているならいいがといわれる。はじめは勝手にうちの山へ入るなと言われやしないかとドキドキしましたが見逃してもらえて一安心。
道の終点では、下から上がってきている鉄塔巡視路のプラ階段が獣除け柵の向こうに続いているのが見えています。扉の開け閉めをしてその巡視路を登っていきます。下にあるこの巡視路の入口が分かれば、集落内を通らずに済むので住民との接触は避けられるかもしれませんね。
植林地のプラ階段をひとしきり登っていくと空が開け鉄塔に到着しました。送電線の続く向かいの山は大立・塔ノ倉となるのかな?ここからは道はつけられておらず、そんなにひどくないヤブを払ったり獣道をたどったりしながら進みます。右手に新緑越しの小津権現山〜花房山も望めるようになります。
植林の急登や、ややヤブっぽい尾根を進み傾斜がゆるむと尾根幅も広がり、スッキリとしたカレンフェルトの中を行くようになります。右手に見えてくる大盛りごはんのような形の飯盛山が淡い新緑をまとってきれいです。これが西津汲山頂まで続き、足元にはつぼみを付けた○○シャクの株があちこちに見られ、ヒトリシズカやミノコバイモなどの花探しに時間を取られながらの登りとなりました。ここがこの西津汲の登りコースのハイライト区間でした。
2時間半ほどかけて西津汲に到着。これからの花の時期、ここだけを目的とするなら飯盛山ピストンを加えるのもいいですが、今日はこの先も長いのでパスということでしばしの小休止とします。
【西津汲〜鍋倉山避難小屋】
さて、それでは鍋倉山へ向けて縦走開始です。初めは大きな石ごろごろの歩きにくい大下り。それを抜けると広々とした二重山稜状の尾根となり、全くヤブのない大きな株立ちのシロモジが立ち並ぶ素敵な光景が広がります。シートを広げ昼寝でもしながらのんびり過ごしたくなるようなところです。次回来るならそれがいいな。
窪みに池を見たり、芽吹き始めたシロモジの若葉を楽しんだりしながら進むと、やがて尾根はヤセはじめます。シャクナゲの花が見られたり、白砂の鈴鹿中南部を思わせる景色があったりと変化が楽しい。そしてこのあたりは明らかにしっかりとした道がありました。地形図には西津汲から鍋倉山まで破線の道が記されていますが、道が確認できたのはこの一部の痩せた尾根の部分だけでした。
廃?林道との分岐から尾根通しの道型へ進みます。傾斜が増し、イワウチワの花も見られます。そして大きな岩盤に突き当たったところで道はなくなりました。この岩盤を登るのを避けて左へ巻きますが、どこを探しても緩いところがありません。GPSで確認しても尾根は外していないんですが、地形図からは全く読み取れないガケ状の壁が立ちふさがっているのです。
腑に落ちませんが、越えていくしかなさそうなので手がかりを探して取付きます。しかし次第に手がかりが少なくなり、土中の樹の根っこを指で掘り出しては掴み、を繰り返しながら登っていきます。もう下が見えないほどの斜面。この区間の写真がないのは、手を離せば死んでしまうくらいの状況だったからなのです。だんだん腕がしびれてきて握力もなくなってきます。でもここまで来たら登り切ってしまうのが一番の安全策。山だよ姉さんとお互いに無事を祈りあいながら、最後はそれぞれの手段ではい上がります。そして一旦小さな棚に出て一息つき、残りの壁をよじ登りきり難所はクリアーです。心臓のドキドキがなかなか収まりません。見上げると満開のタムシバが癒してくれました。*ちなみにこの後、夏に山だよ姉さんは難コースと言われる北アルプスの不帰の瞼を単独で歩かれていますが、この鍋倉のガケ登りに比べたら不帰の瞼なんてまるで遊園地の様だったと語っていました。
しかし一難去ってまた一難。ガケ登りで力の尽き果てた腕の力が戻らないうちに、今度は放射状に枝を伸ばしたシロモジとごっつい笹のミックスしたバリケードのような激ヤブが待っていました。このヤブだけは本当にどこを探しても踏み跡などなく、枝を押し倒しスペースを作り体をねじ込んでいく本格的なヤブこぎとなりました。とても長い時間に感じました。
でも夜明けのこない夜はない?稜線上に大きなブナが目立ち始めると、ヤブが一気に薄くなりようやく苦行から解放されました。ペースを上げバッサバッサと笹の海を泳いでいくと、鍋倉山避難小屋が見えてきました。ここから鍋倉山までは東海自然歩道をちょこっと歩くだけだから行ったも同然、今日はもうパスでいいやということでヨレヨレの埃まみれでたどり着いた鍋倉山避難小屋前のテーブルでランチ大休止としました。
【鍋倉山避難小屋〜奥谷山〜外津汲駐車地】
予定より遅れていますが、計画通り奥谷山を目指して再スタートです。ここからしばらくは整備された広い東海自然歩道をかっ飛ばします。下の方では若葉を展開していたシロモジが、ここらあたりでは今黄色い花を咲かせ始めたところ。
そしてここからヤブこぎになると想定していた、谷へと降りていく東海自然歩道と進むべき尾根との分岐から先にも全くヤブがありません。そして南北に道が降りている峠から少し登って鉄塔に出ました。あたりの灌木が芽吹き、春爛漫といった様相。美濃では痩せ尾根に多いというイメージのベニマンサクの若葉も多く見られます。
全くヤブらしいヤブもないまま、あっけなく奥谷山に到着してしまいました。おかげで予定時間を大きく挽回。逆に30分の先行となってしまったので、下山前の大休止とします。
少し戻って内谷右岸尾根を下ります。入口こそヤブっぽいものの、あとは幅広いヤブなしの尾根。上部の芽吹き出し状態からしっかり若葉の展開する下部へとシロモジのさまざまな新緑を愛でながら、今日のロングコースの余韻に浸りながらの下りです。
四等・内谷を過ぎてしばらくで鉄塔巡視路になり、おなじみの黄色い指標を見ながらドンドン下り、最後は崩落気味のトラバースを気を付けて歩き外津汲駐車地へと帰り着きました。
鍋倉山手前のガケ状急斜面と激ヤブ以外は快適な周回コースでした。再訪するなら西津汲から西へシロモジの広い尾根を楽しみ、鍋倉山との分岐より内谷へと下るコンパクトな周回で花と新緑を楽しむのがいいかなと思います。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する