西吾妻山（ひとときの晴れ間が照らしたリトルモンスターたち）

2017年02月04日(土) [日帰り]

• GPS: 04:49
• 距離: 6.7km
• 登り: 647m
• 下り: 820m

コースタイム

日帰り

• 山行: 4:18
• 休憩: 0:38
• 合計: 4:56

距離 6.7km 登り 647m 下り 820m

9:36 スタート地点
11:37 11:47 西大巓
12:18 12:24 西吾妻小屋
12:32 12:45 西吾妻山
12:53 西吾妻小屋
13:24 13:33 西大巓
14:32 グランデコ・パノラマゴンドラ山頂駅

西大巓→西吾妻山頂の区間はけっこうペースを上げていると思います。

天候

ほとんど曇り。
ときどき視界不良なレベルのガス。
↓
午後から晴れ間が出始める

※風は弱め、粉雪がちらつく時もあり

アクセス

利用交通機関：

自家用車 ケーブルカー（ロープウェイ／リフト）

●グランデコスノーリゾート駐車場（土日祝\1000）

スノータイヤを付けたレンタカーを利用。
朝の時間帯、周辺道路は圧雪〜一部凍結。午後は除雪、融雪ぎみ。

●ゴンドラ往復（一回券×3枚）、リフト上り往路のみ（一回券×1枚）

登山者が下りで利用できるのはゴンドラだけです。

コース状況／危険箇所等

有難いことにトレースはついていました。
ただし、風などで消えかけている区間もありましたし、トレースをワカンで踏んでも少しは沈みます。ツボ足だと足首上からそれ以上の沈み込み。
トレースを外れると、ツボ足では腰から胸近くまで埋まります。
また、樹木・樹氷の根本近くは落とし穴みたいになっている可能性があるので、注意しましょう。

西大巓〜西吾妻山までは、言わずと知れた道迷いゾーン。
この日は視界不良な傾向がつづいて、進退に迷う場面もありました。トレースを見出すことができなければ、安全のために西大巓までで引き返していたと思います。

コースそのものの話ではありませんが、リフト・ゴンドラの始発〜終発までが一応のタイムリミットです。時間を調べて登山計画していくことになります。

★その他の情報や、樹氷（リトルモンスター）の発達具合は、写真とその解説文をご確認ください。

その他周辺情報

食事：グランデコに売店・レストランなど複数あり。閉店時間に注意。

日帰り温泉：ホテルリステル猪苗代（別館）
※\1000しますが、リゾート感あふれる入浴が楽しめます。タオル、バスタオル貸出付

観光：夕刻、猪苗代湖の西岸にある「長浜のハクチョウ飛来地」へ。真冬ならではのスポットでした。

写真

2/4 8:50

グランデコの駐車場に到着しました。
今日はあまり寒くはならない予報。曇っていますが、粉雪がチラついたり、わずかに晴れ間がのぞいたり、可もなく不可もなくの天候。

2/4 8:56

3人中2人がグランデコは初めて。1人は超久しぶり。
ここで一回券を4枚買い、登山届を提出しました。

2/4 9:12

ゴンドラは客で賑わっています。

2/4 9:30

ゴンドラから第4リフトに乗り換え。リフトはすべてフード付き。
天気は・・・明らかに真っ白傾向ですね、これは。

2/4 9:40

さて、リフト最上部がスタート地点となります。
スキーやスノーシューのトレースがひかれています。とりあえず積雪状況を把握するためツボ足で登り始めることにしました。

2/4 9:49

豊かな冬の森へと入っていきます。
トレースを辿りますが、踏み締められてはいません。足首上ぐらいには沈んでしまいます。

2/4 9:53

ズボボッ。あらー。
トレースを外れてみましたところ、メンバー内でいちばん小柄で軽い私でさえ、なかなかの沈みっぷり。

2/4 10:04

早々に装備を更新。スノーシューなんて持ってないパーティなので、ワカン三人組に。
これでトレース外を踏むとだいぶマシに。

2/4 10:24

ワカンが機能していることを実感しつつ、豪雪の山へと分け入ってゆく、グリーンの仲間。（もう一人はレッド、私はブルーです）

2/4 10:28

雪を蓄えた樹木。

2/4 10:37

いいですねー。
雪に触れると、サラサラのモフモフです。

2/4 10:32

トレース外を踏むと、もふっとワカンを覆い隠すような柔らかさ。登っていくほどに、沈み込みも深まっているようです。

2/4 10:49

スタミナ系のレッドさん、初の豪雪地帯登山。歩きなれないらしく、スピードがいまいち出ないとのこと。がんばー。

2/4 10:41

一方、グリーンさんは元気溌剌。なんか垂れ下がった枝葉のあいだに向かっていきます。

2/4 10:42

なんか、妖精とかいって潜むらしいです。
放置しといて、先を急ぎましょう。

2/4 10:48

レッドさん苦戦中かも。

2/4 10:49

雪にあたたかみを感じながらのハイクは楽しいですが、視界はあいかわらず。この先、難儀する可能性も。スタートが遅かったから、残り時間のことも含めて作戦会議。

2/4 11:04

レッドさんは西大巓を目的地にして引き返し、グリーンとブルーで西吾妻山をめざすことに。下で再会しましょう。
・・・いざ稜線へ。

2/4 11:39

ゆるふわモードを解除して、がしがし登り始めてみることにしました。
がんばる私たちへのご褒美のように、念願の樹氷がすがたを現しはじめました！！

2/4 11:39

白い！ 白い樹氷！ 白いガス！

2/4 11:39

間近で見る、吾妻山の“リトルモンスター”
かつて見た蔵王のスノーモンスターよりも確かに小さいです。人間の身長ぐらい。

2/4 11:45

えっと、GPSによると西大巓に着きました？
あ、三角点の先端を発見。かろうじて山頂のしるしが視認できました。

2/4 11:52

それにしても、どんどん視界不良になっていきます。西吾妻山への正しいルートを探し求めてみるも、どうも確信が持てません。

2/4 11:52

白さ増量。
風は弱いし、ホワイトアウトまではいってないので、まだまだマシな環境ではあります。が、進退判断に迷います。

2/4 11:57

西大巓山頂あたりをウロウロしてみたり、案内表示柱をスコップで掘り出してみたり。方向を絞った上で、先は見えないけれど試しに少し下ってみます。

2/4 12:03

トレースを発見し、自分たちとしてもルートに検討がついてきました。
12時半までをリミットにして行けるところまで行ってみる。スピードスノーハイク開始です。

2/4 12:04

こういう大きな頭の樹氷は、蔵王にもたくさんいたな〜。
全体のサイズは、吾妻のほうがぜんぜんカワイイけれど。

2/4 12:15

トレースが残されていることに感謝するしかなかったです。ラッセルぎみだったら、時間的に希望が見いだせなかったでしょう。でも行ける！きっと行ける！この時の私はなんか燃えていました。

2/4 12:26

けっこうなペースで先陣をきり、引っぱって行くがごとくなブルー色の私。日本百名山をめざしているグリーンにせめて山頂を踏んでほしい気持ちも、少しありました。で、うわっ、もう西吾妻小屋に着いた！？

2/4 12:26

視界はやはり悪いままだけど、本当はリトルモンスターが無数に広がっているエリアなのでしょう。
残りすこし。山頂に急速アタックをかけます。

2/4 12:26

その時、空が明るくなってきて・・・

2/4 12:27

なんと！諦めかけていた青い空が！
そして今、樹氷たちの輪郭がくっきりと。

2/4 12:27

感動！
これがリトルモンスター。目的のひとつが叶いました。

2/4 12:27

グリーンに向かって声をかけます。「見た！？」「写真おさえられた？」
・・・はしゃいでしまいました。

2/4 13:12

すぐにまた、空は閉ざされます。
でも悪天がデフォルトの樹氷地帯で、これだけ見られただけでも相当に恵まれていると思います。

2/4 12:32

そして、時刻はリミットの12:30
もうひとつの目的も達成。

日本百名山「西吾妻山」2035m。
吾妻連峰の最高地点です！

2/4 12:43

山頂標識、見つからないですね。と言って去っていくBCerさんたち。埋もれているようです。

ピークハント成功の喜びを、エナジードリンクで祝おうとした時・・・

2/4 12:37

また空が明るくなってきました。
樹氷の間を駆け巡ってる、グリーンさん。
『ヤマノススメ』の雪村あおいさんも感動。

「がんばったぞい！」

2/4 12:38

美しき、樹氷たち。
蔵王や八甲田山だけじゃない。吾妻山もすばらしい。

2/4 12:45

そして、再び青空が！
一面のリトルモンスターたちが！

2/4 12:45

あっという間に貴重なひと時が終わっていきます。
でも、確かにこの目で見ることが叶いました。大成功と言ってよし。

2/4 12:49

白い世界に戻り、ザックを持ち上げます。
下でレッドさんが待っているはず。がんばって帰ります。

2/4 12:50

危険個所は特に無いので、ガシガシ下りていきます。

2/4 13:11

雲は厚くなったり。薄くなったり。しかし午後になって、天候が上向いてきてることは確かでしょう。

2/4 12:53

視界悪いバージョン。

2/4 13:21

視界回復バージョン。

2/4 13:21

西大巓まで登り返したら休憩しよう。と思いましたがその寸前でハンガーノックの予感。潔くこの地点で補給などを申し出ました。

2/4 13:23

行動食やアミノ酸をとっている間に、お絵描きストでもあるグリーンさんが「エクストリームラクガキ」。雪山の中、素手で描いてるよ。わずか5分以内にカワイイ山擬人化娘「吾妻山ちゃん」が完成してました。すごい技だな〜（もぐもぐ）

2/4 13:42

んで、西大巓に復帰。
樹林帯へとサクサク進みます。

2/4 13:48

雪を纏って垂れ下がった枝葉は、鳥の羽のようだと思います。

2/4 13:49

白い羽毛のトンネルのよう。
そうだ、下山したら湖にハクチョウを見に行きたいな。

2/4 13:57

霧氷を輝かすほどに、天気は安定してきました。

2/4 13:58

はぁ、いいな・・・

2/4 14:15

そしてそして、スタート地点だったリフト最上部まで無事に戻ってきました。
レッドさんとスマホで連絡。すでにゴンドラ山頂駅に下山したとのこと。

2/4 14:22

復路はリフトには乗れません。
スキー場をなるべく邪魔にならないように下る、ワカン戦士2名。ラストスパートです。

2/4 14:41

到着。下山。

レッド、ブルー、グリーンが再会しました。まわりはスキー、スノーボードで賑わってます。グランデコ、活気があります。

2/4 15:14

ゴンドラに乗って、山麓駅のレストランで報告会。レッドさんは無事に西大巓に登頂できたとのこと。
喜多方ラーメンを味わってから、裏磐梯高原を後にしました。

2/4 16:59

夕刻。
猪苗代湖にやって来ました。

2/4 16:59

白鳥飛来地「長浜」。

餌付けの効果もあり、多数のハクチョウ、カモなどが冬を過ごしています。

2/4 17:01

至近まで寄っても、人慣れしていて動きません。
シベリアの方から渡ってきたのだろうな。

2/4 17:04

最高の時間帯にここに到着できました。
ピンクがかった夕日。白い湖畔。下山後のちょっぴり黄昏タイム。

2/4 17:05

水辺でチルアウトしました。

樹氷から白鳥まで。充実した一日に感謝します。

撮影機器：

iPhone 5s Apple

DSC-WX500 SONY

装備

備考

ワカンが機能しているのを実感できました。
出会う方々は、多くがスノーシュー装備でした。

感想

sprout

まっしろな世界に諦めかけていた、あたり一面のリトルモンスター。
突然の貴重な青空に照らされて、ついに目にすることが成りました。

変化の激しいこの山域では、明暗を分けるのはタイミングなのか。
いや、なるようにしかならないのかもしれません。

なるようにして、その時その人はその景色と出会うのでしょう。
今回の吾妻山は、このことを強く実感させてくれる山行でした。
実際のところ、行程のほとんどはガスガスでした。だからこそ、ひと時の貴重さを思い知らされます。

日帰りで、しかも食事をする暇もないような急ぎ足なのに、不思議と記憶に刻まれるスノーハイクになった気がします。
とても濃厚な、2月ならではの山の一日でした。
同行してくれた仲間と、福島の名峰に、感謝の気持ちをこめて。

コメント

dopaminetia

スノーモンスター
お疲れ様です！いや〜すごい雪ですね〜
蔵王ではだめだった樹氷も見れて緑の妖精さんも大満足？（笑）

そしてこの記事を見た私の感想は滑りたい。

sprout

Re: スノーモンスター
ありがとうございます！
無事、「緑の妖精さん」は百名山を久しぶりに更新することが出来たようです。
帰路の車中で「なんすか？あの妖精て？」と聞いたのですが、なんか単発的に湧いて出たフレーズらしいです。
パウダー天国は、人の脳の妙なスイッチを入れるのでしょうか。それぐらい新鮮さのある冬山でした。