爺ヶ岳南尾根 (暴風雪で冷池に辿りつけずに敗退)
- GPS
- 10:22
- 距離
- 8.0km
- 登り
- 1,365m
- 下り
- 1,348m
コースタイム
※爺ヶ岳南峰登頂直後から撤退、南峰下山まで暴風雪で写真も撮れず時刻把握出来ませんでした
天候 | 早朝の扇沢は晴れ 上空は晴れながら雲の流れが早く日差しは時々。 爺ヶ岳南峰登頂直後から稜線上は暴風雪でホワイトアウト状態。 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
※扇沢無料駐車スペースで車中泊(扇沢駅のトイレはウォシュレット!) |
コース状況/ 危険箇所等 |
たぶんGWだからでしょうか、登山口に登山指導所テントが設営されていました。ここで計画書を提出。 ●登山口〜南尾根分岐標識 残雪は多いが、つぼ足で登れます。ストック・ピッケルがあれば万全。 ●南尾根分岐標識〜ジャンクションピーク 樹林帯の尾根登りです。我々はここからアイゼンで。 踏み跡も多いし赤テープが所々にあるので迷うことはありません。このルートで一番体力を使う部分です(登山口から標高差は約1000m) ●ジャンクションピーク〜爺ヶ岳南峰(南尾根) 傾斜はそれまでよりも緩く、また森林限界を超えるため、晴れればとても気持ちの良いルートだと思います。 正面に見える端正な三角形の南峰まで真っ直ぐ登るわかりやすいコースです。 終始風が西方向(登りだと左)から吹き付けてくるので、尾根の東側には雪庇が張り出しています。視界の悪い時には注意が必要。 ※今回、下り時に西(下り時は右)から終始暴風が吹きつけ、耐風姿勢で凌ぐことが多かったです。 ●爺ヶ岳南峰〜中峰鞍部 暴風&ホワイトアウトしたため、良く解りませんでした。 暴風に耐えながら視界が若干回復した際に赤布のついた竿を探し、その方向に慎重に進む(右側に崖がありそうだったので)を繰り返して何とか鞍部の案内板までは行けましたがそこから中峰が全く把握できませんでした。 下山後は疲れた身体を癒すために 大町温泉「薬師の湯」をいつもの如く利用(600円)。入浴後に付属の休憩所で晩飯をと思っていたら、休憩所は夕方で終了していました。 |
写真
感想
天候と雪崩に二転三転したGW前半の山行計画。
当初計画は3年連続の涸沢テント2泊山行。ところが涸沢雪崩情報で登山規制情報を受けて泣く泣く計画変更(規制解除されても雪が落ち着かない状況は危険と判断)。
次善策として急遽立てたプランは八方〜唐松〜五竜〜遠見尾根のテント2泊。木曜日出発直前まではこのプランで行こうとメンバー3人でそれぞれ食料準備(涸沢プランは山小屋食事利用想定だったので)。
ところが木曜日の日本山岳会の春山天気予報メールだと29・30日ともかなりの強風予報。おまけに最終日(5月1日)は下り坂予報ということで、結局集合した時点でプランを変更し、1泊2日プランでテント幕営は危険と判断して山小屋素泊プランとしました。
一番のポイントとなる行き先は、当初涸沢山行から下山後に単独で行こうと私がプランしていた柏原新道入口から積雪期しか登れない爺ヶ岳南尾根を経由して冷池山荘に素泊して鹿島槍に登るプランをそのまま前倒しで実施することに。
結局山岳会の予報通り、真冬並みの暴風雪が爺ヶ岳主稜線に登頂直後から吹き荒れたうえにホワイトアウト状態となってしまい、ちょっと前まですぐそこに見えていた爺ヶ岳中峰への稜線すら見分けられない状態となって、冷池山荘を目指すことを諦めて長躯下山を選択することとなってしまいました。
(でもこの判断で正しかったと思っています 無事が何よりですから)
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木曜日に仕事を終えてから家で準備をし(急遽食料を準備したり、真冬並みの寒さ予報に装備も追加したりでバタバタ)、八王子まで車を飛ばしてメンバー集合。
出発時に行き先を鹿島槍プランで合意して扇沢へ一直線に。
扇沢駅の無料駐車スペースで車中泊し、早朝目覚めると、予想以上の晴天が眩しい! 朝食・トイレを済ませてすぐ近くの登山口脇の駐車スペースへ移動。
この時点では晴天でおまけに寒さもそれほど。日焼けするかもでUV対策をしっかりして出発しました。登山口脇にはGWだからでしょうか、登山指導所のテントが設置されており、ここで係員としばし談笑しながら計画書に記入して(もちろんこの時点では鹿島槍ピストンの1泊プラン)、 7時15分に登山口スタート。
本日は3名でのグループ山行。休憩を入れながらノンビリペースの登山です。
GW直前まで降雪があったようで、すぐに雪面歩きが始まりましたが、キックステップで問題なく登れるので、つぼ足のまま前進。
暫くは踏み跡に従って柏原新道を進みます(所々雪面直登のショートカット)。この頃は樹林帯の上空は青空が拡がり、少々暑いぐらいでアウターを仕舞って、薄着で登りました。
出発から1時間足らずで南尾根コースに入る分岐標識(大きな看板で分かりやすい)になります。ここでアイゼンを装着し、雪面をしっかり捉えながら、時折樹間からは扇沢ターミナルや岩小屋沢岳方面の白銀の稜線が青空に映えるのを眺めながらノンビリ進みます。
登山口からジャンクションピークまでは標高差1000mほど。今回のコースで一番しんどい部分ですが、小1時間程度ごとに休憩しながら登り、11時過ぎに樹林を抜けて雪面が眩しいジャンクションピークへ到着。
ここから先、爺ヶ岳南峰までは森林限界を超えて真っ直ぐに伸びる見晴らしの良い斜度の緩い南尾根を標高差300mちょっと登るだけ。晴天が朝と同様に続いていればきっと最高の眺めを堪能しながらもっと良いペースで登れたのでしょうが、あいにくこの頃から天候が怪しくなり始め、左(西)からの横殴りの風が雪煙を巻き上げながら身体を叩くようになり、メンバーの一人が足を攣りはじめたこともあって、南峰頂上まで2時間近くを要しました。
13時にようやく南峰頂上に到着。主稜線に出たとたん、横殴りの風は一層厳しく、登頂直後には見渡せた中峰・北峰から冷池山荘の稜線がいつの間にか全く見えない状態に変わってしまいました。
頂上部の一番角にあった赤布の竿から一旦中峰との鞍部まで下るのですが、中峰はおろか鞍部すら判別できないホワイトアウト状態。右に行き過ぎて崖から落ちぬよう注意しながら、なんとか次の竿を探す歩伏前進のような状態に。何とか鞍部の標識までは辿りついたものの、そこから中峰に向けての道は全く判別できないし、稜線歩きは雪庇や突風の危険性も多いため、協議の結果、全員一致で撤退を選択。
暗くなるまでには下山できるだろうということで、悔しいけれど、再度南峰へ登り返して南尾根を引き返しました。
西からの暴風はますます激しく、南峰からの下山直後あたりは強烈な横風に身体を持っていかれそうなほど。しばしば耐風姿勢でじっと耐えることも多く、下山ペースも上がりません。
ジャンクションピーク近くまで下るとようやく風も緩くなり、その樹林脇は幕営適地なのでしょうか、遅い時間に登ってきてここで幕営するというグループがいくつもありました。
ゆっくりペースながら何とか17時半過ぎにようやく下山できました。
(行動時間10時間強 しかも殆ど雪上行動 さすがに疲れました)
下山後は大町温泉薬師の湯に直行して体をほぐして温め、豊科近くのラーメン屋で空腹を満たし、梓川SAで仮眠後、まだまだ空いている早朝の中央道を走って、朝6時前に八王子解散、朝7時前に西船橋に帰着となりました。
元々は山行を2つ予定して5月3日に帰る予定だったところがまさかの30日早朝帰着。これは再度5月3日あたりからの山行計画を実施したいなと。
コメント
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kazさん、こんばんは。
ほんと今回のGWは天候に恵まれませんね。
当初はkazさんと久しぶりの再会で、涸沢で乾杯出来る
と思ってましたけど
しかし雪崩で売店も全壊だったろうし、自分も風邪で
体調がキツかったから横尾で泣く泣く敗退です
またいつか会える日を楽しみにしてますね
結局雪崩情報で3年連続の涸沢テント泊をあきらめて、鹿島槍を目指したんですが、真冬のような厳しさに敗退してしまいました。
来年こそは、涸沢で 乾杯!といきたいですね。
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