アカンダナ山
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.4km
- 登り
- 786m
- 下り
- 767m
コースタイム
- 山行
- 8:17
- 休憩
- 1:28
- 合計
- 9:45
焼岳登山口までは、GWの頃には除雪して通行可能となる。
4月上旬ではまだ中の湯温泉旅館までしか除雪されていないと思われ、☎にて日帰り登山である旨話し、旅館の敷地内の空き地に駐車許可をお願いする。
行ってみると焼岳登山口手前まで除雪が進んでいた。
中の湯温泉より上、温泉から北西側の10号カーブの広い路肩に停める。
融雪が順調に進んでいるせいか、下山した時、平日だが除雪作業はしていなかった。
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
備考 | 山行記録公開=2017年3月下旬 |
---|
感想
親不知海岸から乗鞍岳まで、長大な北アルプス全区間が切れ目なくつながったのは何年か前だが、焼岳から安房峠までは尾根伝いではなく中ノ湯温泉経由となっていた。
(安房山と白谷山は2010年5月、安房山以南の十石尾根は2011年7月に歩く。)
今回の山行目的は、焼岳以南の名前の付いている山で唯一未踏として残っているアカンダナ山に登り、稜線上の未踏峰をなくすことであった。
安房山に登ったのはGW末で、その山から眺めるアカンダナは雪が消え、尾根伝いに歩ける状況ではなかった。今回はその時より早い4月上旬に行くことにした。
早過ぎると雪が柔らかくて歩きにくく、遅過ぎると藪が出て歩きにくい。
第一線は退いたが仕事をしており、歩きやすい雪山シーズンで、仕事が休日であること、天候が良いことなど、山行の好条件はなかなか揃わない。
焼岳登山口はまだ十分には除雪されてないが、登山道に入るとスノーシューのトレースがある。その跡は細池に続いており、旅館の宿泊者が来たのかも知れない。
予定どおり、国道を挟んで”小船”の真北辺りで、細池平坦地へ大きく張り出した尾根へ取り付く。取り付き点は標高1630mほど、ここから標高差250mくらいはかなりの急斜面だった。大きな岩の多い火山特有の地質で、時々踏み抜いて股間まで沈む。
標高1785m付近で、アイゼンの下にワカンを付ける。
尾根は分かりやすく、地形図2060mPは南を巻き、県境稜線へ上がる。
アカンダナ山群のうち、最初に登頂となった東峰は北側から東側が大きく開け、焼岳〜穂高〜霞沢岳の絶景展望台だった。枯れた大木にテープの巻かれた最高地点そのものは展望不良だが、頂上直下が素晴らしい。
大きく開けた下部では安房山〜十石山〜金山岩も見えた。食事をしながら斜面を上がったり下りたりして写真を撮り、30分ほどいた。
東峰から北へ少し行った所では、広くはないが西側が開け、アカンダナ本峰や輝山、南の四ッ岳が見えていた。四ッ岳の左奥には剣ヶ峰が小さく見え、乗鞍山塊の最高峰が見えて嬉しさも一入(ひとしお)。
2110mコンターが引かれる北東峰は展望無しの平凡なピーク。
北東峰と本峰とのコルには小さなピークがあり、この付近は巨岩が点在していて歩きにくい。巨岩帯を超えると直上するより西側の方が展望が良さそうなので、大きく右に回りながら上がる。
途中に小さな岩場があり、そこでは西側の輝山から北側の白谷山まで、北西側が広く開けていた。空気が澄み切っていれば、白山も遠望できたと思う。
細池奥から深い針葉樹林が続いていたが、ここは典型的な風衝地で雪は少なく、大きく生長できない立ち枯れ木が目立つ。
最後の急斜面を上がり切ってアカンダナ本峰着。
山の成因、山容、雰囲気が北信・黒姫山の御巣鷹山を彷彿させる。むしろ酷似すると言っても過言ではない感じだ。
地形図どおり山頂は平らで、どこか展望の良い所はないかとカメラを持って歩き回る。焼岳〜穂高〜霞沢が見えたが、何れも東峰や北東峰越しとなる。
本峰にはスキーで来たトレースがある。明らかに平湯温泉からのものである。
ネットで事前調査した際も、大概は平湯側から上がっていた。
下りで暫くはこのトレースを追っていたが、相変わらずの急斜面で、常時 小枝や灌木に摑まっていないと危険そう。
何とか無事に1955m付近の外輪山とのコルに下り、膝サポーター装着して小休止。
20分ほどで県境尾根に乗り、安房峠を目指して下る。これがまた大変・・・・・
尾根上の2019mPは北東側の霞沢岳がよく見える。
色あせた赤テープがあり、安房峠から上がった者だろう。目印は他に二ヶ所あった。
このピークから南への尾根伝いは、直下が絶壁で見えず、見えていたのは地形図で1960m台の平坦地だったことが、帰宅後に調べて分かった。
かなり上まで引き返して東側へ下る。その東側も前向きでは下れず、後向きか横向きで灌木にしっかり掴まっていないと危険。滑れば数十m〜100mは滑落しそう。
非常に緊張してのどが渇くが、頭の中は今のリスキー極まる状況から抜け出すことしかなく、「絶対に滑らないように」と声を出して自分自身に言い聞かせる。
安房峠が近づくにつれて雪は少なくなったが、何とか雪をつないで藪漕ぎせず、峠の100m近く北側の落石防止ネットの切れ間(つなぎ目)から国道へ出る。
2019mから丁度1時間だったが、アドレナリンの過剰分泌で暫くは激しい動悸が治まらない。もう二度とは体験したくない危険な思いの下りだった。
ザックの中に大切にしまってあるお守りが功を奏したのであり、間違いなく神の加護があったのだと信じたい。
長い間、憧れの山でもあったアカンダナ山・・・・・
山名からして神がかり的な山・・・・・
それは私にとっては、大いなる【試練と憧れ】の山であった。
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