ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 1100715
全員に公開
雪山ハイキング
白山

野伏ヶ岳(残雪期限定・奥飛騨秘峰ツアーPart. 1:石徹白よりダイレクト尾根ピストン)

2017年04月06日(木) [日帰り]
 - 拍手
体力度
3
日帰りが可能
GPS
11:15
距離
15.3km
登り
1,284m
下り
1,285m
歩くペース
ゆっくり
1.61.7
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
9:46
休憩
0:41
合計
10:27
距離 15.3km 登り 1,286m 下り 1,317m
6:40
152
9:12
89
10:41
10:49
111
ダイレクト尾根合流点
12:40
13:00
50
13:50
13:52
32
ダイレクト尾根先(分岐点行き過ぎ引き返し)
14:24
14:28
47
牧場ルート合流点
15:15
15
15:30
15:33
88
尾根ルート・林道出合
17:01
17:05
2
17:07
上在所駐車場
天候 朝方〜昼過ぎ曇り(一時小雨)、のち雨
過去天気図(気象庁) 2017年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
東海北陸道・白鳥ICより国道・県道で石徹白・白山中居神社へ。神社入口に無料駐車場あり(キャパ約20台)。トイレは冬季閉鎖中、白山中居神社本殿の参道に新装の水洗トイレあり。
コース状況/
危険箇所等
神社先から林道に入ってすぐ残雪ゾーン。積雪は平年より多めながら、このところの気温上昇・雨模様で融雪が進み、林道歩きは気温の低い早朝を除き、ほとんどツボ足踏み抜き地獄。(足跡・シュプールから見て、スノーシューないしワカン、山スキーが主流のよう)
牧場先の平地からダイレクト尾根に乗る手前より急斜面、アイゼン要。尾根中盤と山頂直下の疎林の急斜面(強風ゾーンでもある)の登降は慎重に。
その他周辺情報 石徹白から白鳥へ戻る途中の桧峠に日帰り温泉・白鳥高原「満天の湯」あり(大人800円、JAF割引有)。夜8時まで営業(食堂は7時ラストオーダー)、露天風呂あり。
今回の残雪名山ツアーは名古屋スタート、軽レンタ借り郊外の「喜多の湯」で戦闘服?にチェンジ。。
2017年04月05日 21:47撮影 by  SBM303SH, SHARP
1
4/5 21:47
今回の残雪名山ツアーは名古屋スタート、軽レンタ借り郊外の「喜多の湯」で戦闘服?にチェンジ。。
夜が明けました。神社下に、比較的広い駐車場あり。
2017年04月06日 06:06撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 6:06
夜が明けました。神社下に、比較的広い駐車場あり。
トイレは残念ながら故障中で使えません。案内図にも「野伏ヶ岳」の表示はナシ…
2017年04月06日 06:18撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 6:18
トイレは残念ながら故障中で使えません。案内図にも「野伏ヶ岳」の表示はナシ…
登山の無事を祈りつつ、白山中居神社の鳥居からスタート。
2017年04月06日 06:21撮影 by  SBM303SH, SHARP
2
4/6 6:21
登山の無事を祈りつつ、白山中居神社の鳥居からスタート。
神社の由来です。
2017年04月06日 06:24撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 6:24
神社の由来です。
ここが神社本殿。社の上に倉の載った特徴的な造りです。
2017年04月06日 06:29撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 6:29
ここが神社本殿。社の上に倉の載った特徴的な造りです。
本殿の手前に、立派な参拝者用水洗トイレあり。ホッ。。
2017年04月06日 06:36撮影 by  SBM303SH, SHARP
1
4/6 6:36
本殿の手前に、立派な参拝者用水洗トイレあり。ホッ。。
この分岐を和田山方面へ下り、川を渡ります。
2017年04月06日 06:39撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 6:39
この分岐を和田山方面へ下り、川を渡ります。
川の上流の白銀の山々が、白山本山方面でしょうか?
2017年04月06日 06:42撮影 by  SBM303SH, SHARP
2
4/6 6:42
川の上流の白銀の山々が、白山本山方面でしょうか?
林道が早くもツボ足状態。ここで漸くGPS受信、現在地確認。。
2017年04月06日 06:51撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 6:51
林道が早くもツボ足状態。ここで漸くGPS受信、現在地確認。。
一応、先人のトレースあり、再びホッ…。
2017年04月06日 06:52撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 6:52
一応、先人のトレースあり、再びホッ…。
ここで再び沢を渡ります。時々膝までズボッといきます…
2017年04月06日 06:53撮影 by  SBM303SH, SHARP
1
4/6 6:53
ここで再び沢を渡ります。時々膝までズボッといきます…
ターゲットのダイレクト尾根がチラッと見えます。
2017年04月06日 06:58撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 6:58
ターゲットのダイレクト尾根がチラッと見えます。
ここで林道は大きく左カーブ。
2017年04月06日 07:07撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 7:07
ここで林道は大きく左カーブ。
正面の雪斜面はウィングヒルズ方面のスキー場でしょうか。
2017年04月06日 07:33撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 7:33
正面の雪斜面はウィングヒルズ方面のスキー場でしょうか。
この辺り、登りはワカンが主流、下りはスキーのシュプールあり。気持ち良さそう…。
2017年04月06日 07:44撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 7:44
この辺り、登りはワカンが主流、下りはスキーのシュプールあり。気持ち良さそう…。
この区間は林道が等高線沿いに大きく迂回。帰りは尾根ルートを真っ直ぐ下った方が良さそうです。。
2017年04月06日 08:34撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 8:34
この区間は林道が等高線沿いに大きく迂回。帰りは尾根ルートを真っ直ぐ下った方が良さそうです。。
林道の迂回の長さに気が腐り、トレースを追って斜面を直登します。。
2017年04月06日 08:52撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 8:52
林道の迂回の長さに気が腐り、トレースを追って斜面を直登します。。
急登をクリア、尾根道に出ました。和田山牧場の開拓碑でしょうか。
2017年04月06日 08:59撮影 by  SBM303SH, SHARP
2
4/6 8:59
急登をクリア、尾根道に出ました。和田山牧場の開拓碑でしょうか。
ガスが出てきましたが、尾根ルートには赤テープあり。
2017年04月06日 09:01撮影 by  SBM303SH, SHARP
1
4/6 9:01
ガスが出てきましたが、尾根ルートには赤テープあり。
広い牧場の縁を歩きます。ここにもシュプールあり。
2017年04月06日 09:02撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 9:02
広い牧場の縁を歩きます。ここにもシュプールあり。
雪洞の残骸?
2017年04月06日 09:08撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 9:08
雪洞の残骸?
ここは青テープのある林道を通ります。
2017年04月06日 09:14撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 9:14
ここは青テープのある林道を通ります。
赤テープのトラバース道。ツボ足歩行がキツくなってきたので、そろそろアイゼン着けます。
2017年04月06日 09:34撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 9:34
赤テープのトラバース道。ツボ足歩行がキツくなってきたので、そろそろアイゼン着けます。
ダイレクト尾根へと繋がるトレースに合流。結構な急登です…。
2017年04月06日 10:07撮影 by  SBM303SH, SHARP
2
4/6 10:07
ダイレクト尾根へと繋がるトレースに合流。結構な急登です…。
ダイレクト尾根ルートにやっと合流。標高1,200mを越えました。帰路、尾根直進方向は通せんぼのようにも見えますが…。
2017年04月06日 10:42撮影 by  SBM303SH, SHARP
1
4/6 10:42
ダイレクト尾根ルートにやっと合流。標高1,200mを越えました。帰路、尾根直進方向は通せんぼのようにも見えますが…。
ガスが一瞬晴れ、和田牧場の広濶な眺めが…
2017年04月06日 10:46撮影 by  SBM303SH, SHARP
1
4/6 10:46
ガスが一瞬晴れ、和田牧場の広濶な眺めが…
こちら登ってきたルート方向。最後は相当な急坂でした…
2017年04月06日 10:47撮影 by  SBM303SH, SHARP
1
4/6 10:47
こちら登ってきたルート方向。最後は相当な急坂でした…
目指す山頂方向も見えてきましたが、風も段々強くなってます…
2017年04月06日 10:51撮影 by  SBM303SH, SHARP
1
4/6 10:51
目指す山頂方向も見えてきましたが、風も段々強くなってます…
馬の背状の尾根。風は小康状態。。
2017年04月06日 11:27撮影 by  SBM303SH, SHARP
1
4/6 11:27
馬の背状の尾根。風は小康状態。。
間もなく北東尾根合流。ガスが濃く、赤テープが有難い。。
2017年04月06日 12:01撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 12:01
間もなく北東尾根合流。ガスが濃く、赤テープが有難い。。
GPSの標高表示とタバコの吸殻、標識を掘り起こした跡から、この辺りが野伏ヶ岳山頂と思われます。ガスが濃く、三角点発見できず…。
2017年04月06日 12:41撮影 by  SBM303SH, SHARP
5
4/6 12:41
GPSの標高表示とタバコの吸殻、標識を掘り起こした跡から、この辺りが野伏ヶ岳山頂と思われます。ガスが濃く、三角点発見できず…。
どこだか分かりませんが、一応自撮りしときます。風は奇跡的に収まってますが、苦闘の跡がありあり…
2017年04月06日 12:43撮影 by  SBM303SH, SHARP
6
4/6 12:43
どこだか分かりませんが、一応自撮りしときます。風は奇跡的に収まってますが、苦闘の跡がありあり…
安い昼食ですが、長い下りに備えてカロリー補給。。
2017年04月06日 12:47撮影 by  SBM303SH, SHARP
2
4/6 12:47
安い昼食ですが、長い下りに備えてカロリー補給。。
下りにかかると、山頂直下は結構な急斜面!
2017年04月06日 13:01撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 13:01
下りにかかると、山頂直下は結構な急斜面!
馬の背尾根を下ります。帰りは登りとは別世界、快調に高度を下げていきます。。
2017年04月06日 13:21撮影 by  SBM303SH, SHARP
1
4/6 13:21
馬の背尾根を下ります。帰りは登りとは別世界、快調に高度を下げていきます。。
ガス帯を抜け、下界が見えてきました。景色に見とれていると転びそうで要注意。
2017年04月06日 13:25撮影 by  SBM303SH, SHARP
2
4/6 13:25
ガス帯を抜け、下界が見えてきました。景色に見とれていると転びそうで要注意。
野伏ヶ岳山腹は白銀の大斜面!
2017年04月06日 13:26撮影 by  SBM303SH, SHARP
2
4/6 13:26
野伏ヶ岳山腹は白銀の大斜面!
下りで見ると、ここも結構な急斜面…。
2017年04月06日 13:30撮影 by  SBM303SH, SHARP
1
4/6 13:30
下りで見ると、ここも結構な急斜面…。
帰路は快調に下っているうち、ここを曲がらず直進してコースから外れました。登り返しキツイ…
2017年04月06日 13:56撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 13:56
帰路は快調に下っているうち、ここを曲がらず直進してコースから外れました。登り返しキツイ…
赤テープにつられて少し迷走しましたが、ここで和田山の湿原を渡り、往路に復帰します。
2017年04月06日 14:11撮影 by  SBM303SH, SHARP
1
4/6 14:11
赤テープにつられて少し迷走しましたが、ここで和田山の湿原を渡り、往路に復帰します。
まだまだ冬景色ですが、ステキなところですね!
2017年04月06日 14:14撮影 by  SBM303SH, SHARP
2
4/6 14:14
まだまだ冬景色ですが、ステキなところですね!
こちらも白一色の世界!
2017年04月06日 14:15撮影 by  SBM303SH, SHARP
3
4/6 14:15
こちらも白一色の世界!
ここで往路に復帰。。
2017年04月06日 14:22撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 14:22
ここで往路に復帰。。
野伏ヶ岳の全容を振り返って。左肩がダイレクト尾根。美しい三角錘の山頂は見えませんが…。
2017年04月06日 14:45撮影 by  SBM303SH, SHARP
2
4/6 14:45
野伏ヶ岳の全容を振り返って。左肩がダイレクト尾根。美しい三角錘の山頂は見えませんが…。
歩いてきた道を振り返ると、相変わらずの踏み抜き地獄…。小雨もパラついてテンションだだ下がりですが、ここでフルーツゼリー補給、残りの林道歩きも頑張ります!
2017年04月06日 15:01撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 15:01
歩いてきた道を振り返ると、相変わらずの踏み抜き地獄…。小雨もパラついてテンションだだ下がりですが、ここでフルーツゼリー補給、残りの林道歩きも頑張ります!
帰りは林道迂回コースでなく、尾根通しのショートカットへ。ガスが濃くなってきました…
2017年04月06日 15:14撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 15:14
帰りは林道迂回コースでなく、尾根通しのショートカットへ。ガスが濃くなってきました…
ここの雪は比較的よく締まっていて歩きやすいです!
2017年04月06日 15:23撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 15:23
ここの雪は比較的よく締まっていて歩きやすいです!
林道出合。行きは気が急いていてこの入口を見落としましたが、尾根ルートの方がだいぶ近道です。文明世界に戻ってきた感じ…。
2017年04月06日 15:29撮影 by  SBM303SH, SHARP
1
4/6 15:29
林道出合。行きは気が急いていてこの入口を見落としましたが、尾根ルートの方がだいぶ近道です。文明世界に戻ってきた感じ…。
林道にも春の息吹。
2017年04月06日 16:13撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 16:13
林道にも春の息吹。
林道の雪も朝に比べてかなり減ってます。横着してアイゼン着けたまま下りてきましたが、さすがに限界。ここで外します。。
2017年04月06日 16:25撮影 by  SBM303SH, SHARP
4/6 16:25
林道の雪も朝に比べてかなり減ってます。横着してアイゼン着けたまま下りてきましたが、さすがに限界。ここで外します。。
本日は、かなり厳しい条件の中、無事に単独行で野伏ヶ岳の頂上を踏むことができました。さすが、白山中居神社の霊験あらたか、お礼参りも済ませます。
2017年04月06日 17:00撮影 by  SBM303SH, SHARP
1
4/6 17:00
本日は、かなり厳しい条件の中、無事に単独行で野伏ヶ岳の頂上を踏むことができました。さすが、白山中居神社の霊験あらたか、お礼参りも済ませます。
最後はかなり雨に降られましたが、無事我が愛車、軽レンタカーのもとに戻ってきました。今日1日の雪山修練のご褒美は、白鳥高原・満天の湯のお風呂。
2017年04月06日 17:06撮影 by  SBM303SH, SHARP
1
4/6 17:06
最後はかなり雨に降られましたが、無事我が愛車、軽レンタカーのもとに戻ってきました。今日1日の雪山修練のご褒美は、白鳥高原・満天の湯のお風呂。
撮影機器:

装備

個人装備
長袖シャツ タイツ ズボン 靴下 グローブ 予備手袋 防寒着 雨具 ゲイター 毛帽子 ザック アイゼン ピッケル 昼ご飯 行動食 非常食 飲料
備考 消費水分:ペットボトル(スポーツドリンク)500ml1本、ガッツギア×1(水は1.5l携行するも消費せず)

感想

 2月の海外出張(週末勤務)の代休取得の期限が4月上旬ということで、いよいよ第4コーナーに差し掛かった300山巡りの残る奥飛騨・残雪期限定の秘峰2座(野伏ヶ岳/猿ヶ馬場山)を一気に踏破する春山ツアーを企画。当初はこれら2山に大日ヶ岳(200名山)を加えた3座を4日で効率よく回る某社のガイド付きツアーに申込みし、大船に乗ったつもりで本番を待っていたのですが、申込者少数(たったの3名…)で敢えなくキャンセルとなりました。
 というわけで、一人旅の不安に駆られながら、いざとなればスマホのGPSに案内してもらえば何とかピークを踏めるだろう、と高を括りますが、年季の入った小生スマホもここ数日不調を来し、突然リセットが掛かるなど動作が不安定な状況。更に、菜種梅雨・花散らしの雨の名の通り、週末にかけての天気予報もパッとせず、こんなネガティブな状況では普通山行は諦めるところですが、この時期を逃すと、これら2座にチャレンジできる次のチャンスはおよそ1年後。そこで、唯一前線が一旦抜ける木曜午前と土曜に登頂のチャンスがありそう、ということで、水曜夕刻の定時に仕事を切り上げ、悲壮なる決意を固めてデカいザックを背負い、春山ツアーに出発です。名古屋の24時間営業所で軽レンタカーを借り出し、近郊の日帰り温泉で「戦闘服」に着替えの上、東海北陸道を疾走して奥飛騨・石徹白を目指します。食料も調達し、野伏ヶ岳登山口の白山中居神社には夜半過ぎに到着。車中で一人仮眠の後、同好の登山者到着を待ち受けるも、曇天の平日早暁、奥美濃の山間の駐車場にハイカーを乗せた車はただの1台もやって来ません(またまた不安)…。
 あたりが明るくなる頃に寒さで目が覚め、車中で寂しく朝食を取った後、午前6時過ぎに駐車場を出発。川向こうの白山中居神社本殿でお賽銭を奮発、道中安全を念入りに祈願します。天候はまずまず、向かいの白山前衛の山々も見える状況にて、何とか午後一ぐらいまでは雨に降られず持ち堪えられそうです。ここでスマホのGPSスイッチをオンにしますが、今のところ動作には問題ないものの、肝心の現在位置がなかなか表示されません。初っ端から雪べったり状態の林道をトボトボと歩いて行くうち、30分近く過ぎたところでようやくGPSの電波受信。何とか下山までGPS機能が持ってくれれば、と切実な願いを込め、早くも踏み抜き地獄に苦しみながらも、林道をザクザクと登っていきます。先人の足跡を見る限り、ここ1週間ぐらいの主流はワカンかスノーシュー、下りは山スキーといった感じで、ツボ足状態の小生はここでも疎外感…。やがて林道のジグザグ迂回は益々大きくなり、本来進むべき尾根ルートの入口も行き過ぎてしまい、相当の回り道を余儀なくされます。トレースもグッと薄くなり、踏み抜き攻撃の連続にすっかり心も折れて、思わず急斜面の僅かな足跡を頼りにショートカットし、息を切らせて上部の林道によじ登ります。
 尾根上へ登り着いて暫く歩くと、そこは旧和田山牧場の一角。開拓碑が立つ広大な平地のため、登山者の足跡の方も縦横無尽に拡がって、何度か林道コースと牧場の窪地ルートのトレースを行ったり来たりしますが、踏み抜き度の方は相変わらず。さすがに両脚の筋肉が悲鳴を上げて、この先のフラットな区間で10本爪アイゼンを装着。ここからダイレクト尾根への登路入口まではいくつかのルートがあるようですが、距離的に近そうな湿原右側を回り込むトレースを追ううち、結構な急斜面に差し掛かります。最後は喘ぐように雪面を這い上がり、登山口出発から4時間余、何とかダイレクト尾根の上に飛び出します。この時点でも視界はまずまず、目指す野伏ヶ岳山頂方面はガスの中ながら、向かいのゼブラ状の峰々も広く見渡せる好展望に、思わずシャッターを何回も切ります。暫くは緩い樹林帯の登りが続きますが、やがて斜度は次第に上がり、間欠的に現れる赤テープを頼りに、疎林の雪面をよじ登る感じに。樹木の密度が下がるにつれて赤テープも間遠になり、反比例して吹き渡る風は強さを増していきます。プチ雪庇を乗り越えるあたりでは、濃いガスで視界が悪く、前方のトレースもかなり頼りないものとなり、ここらで本日2回目の「心折れ」タイムを迎えます。GPSの誘導は今のところ的確で、往路の足跡さえ見失わなければ無事帰還できるはず、と心に言い聞かせ、何とか急斜面の登りを乗り切ると、やがて登山ルートは北東尾根と合流。息を切らせて最後の急斜面をクリアするうち、傾斜はグッと緩くなり、ついにはやや下り気味の道に。GPSで確認すると、どうやら野伏ヶ岳山頂付近に到達した模様。
 この奥飛騨の秘峰の絶頂には、三角点はおろか山名標識もなく、最高点と思しき小平地には、タバコの吸い殻と雪を掘り起こした跡があるのみ。ここが山頂と確信し、仕方なく自分のザックを背景に自撮り撮影。これでは、山頂踏破の証拠は我が頼りないスマホのGPSレコードのみということになり、達成感も今三歩…。ガスは益々濃くなり、1m先もよく見えない状況ながら、風は奇跡的に収まり、長い下りに備えて昼食弁当をかき込みます。20分弱で休憩を切り上げ、そそくさと下山にかかると、何と登りと下りは天地の差!薄いトレースを追い、一歩一歩方向を確かめながら慎重に歩かざるを得ない登りとは真逆に、目の前の自分が付けたトレースも明確で、ルートロスの心配もなく、多少の靴のめり込みも気にせずにザクザクと急斜面を下っていきます。やがてガスも薄くなり、四周の幻想的な展望も楽しみながら、登りの倍速ぐらいのペースでダイレクト尾根途中の下降点に到達。往路苦労した急斜面をヘズって下るのは嫌気され、帰りは大多数の先人トレースを追ってそのまま尾根を快調に下っていきます。そうこうするうち、いつしかトレースは再び薄くなり、どうやら牧場方面への最終下降点を過ぎてしまった模様。GPSで現在地を確認、攣り気味の足に気合いを入れ直して一旦下降点(かなり分かりやすいテープあり)まで登り返し、灌木帯を抜けて和田山牧場の湿原の縁まで下ります。この辺りから少しずつ雨粒が大きくなり、緩くなった林道のトレースを追いながら、傘を差してトボトボ歩きます。午後になって雪も更に緩んできたようで踏み抜き地獄は相変わらず、両脚も再び悲鳴を上げ始め、牧場右端の林道上で本日3回目の「心折れ」状態に…。堪らずザックの中から秘蔵!?のフルーツゼリーを取り出して食欲の上がらぬ内臓に流し込み、「下界は近い!」と自らを鼓舞するように再び腰を上げます。
 やがて往路にチェックした開拓碑の地点まで戻り、帰路は距離的にも相当のショートカットの可能な尾根ルートへ。こちらは一転して雪面も締まり、踏み抜きもさほどない中、適度な傾斜とクッションで疲れた脚にも優しい下りです。GPSの追尾も追いつかないぐらいの快調なペースで林道との合流点に到達、ここからは再び踏み抜きチャレンジ再開…。結局、ここから次第に強まる雨の中を1時間余もかかって、ようやく登山口の白山中居神社に戻ってきました。往路の参拝の御利益は凄まじく、スマホは最後まで好調、山頂付近の急斜面では強風・ガスに悩まされながらも支障なくピークハント、雨に降られたのは林道に下った後、ということで、迫り来る幾多の試練を何とか乗り越えることができました。本殿でしっかり「お礼参り」を済ませた後、我が愛車の待つ駐車場に帰着。自分へのご褒美は、車で白鳥へ戻る途中のウィングヒルズ白鳥高原「満天の湯」でのお風呂とご馳走です。
 ともかくも、これで夏道ナシの難関名山の1つ、野伏ヶ岳を無事クリア。福井郊外の24時間営業コインランドリーで濡れネズミ状態の山行衣類を洗濯・乾燥(この作戦、結構今後の遠征でも使えそうです…)し、次なるターゲットは、コースタイムや標高差の面でも更に難度の高い猿ヶ馬場山です。翌金曜日の天気予報は悪く、充電・休養を兼ねて永平寺〜勝山・恐竜記念館〜金沢市美術館と北陸の下界観光でもして寛ぎ、いざ猿ヶ馬場登山口の白川郷へ大移動です!福井の名刹・永平寺では、安全登山のご祈願も忘れぬようにせねば…。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:934人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら