奥穂高 雪崩に巻き込まれる寸前、間一髪で待避(デジカメで雪崩の様子を撮影)
- GPS
- 07:40
- 距離
- 36.1km
- 登り
- 1,960m
- 下り
- 1,951m
コースタイム
- 山行
- 8:00
- 休憩
- 0:48
- 合計
- 8:48
天候 | 4日 晴れ 5日 晴れ 頂上付近はガスで真っ白 |
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過去天気図(気象庁) | 2017年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
上高地までのバス往復券 2050円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
涸沢ヒュッテから穂高岳山荘までの急斜面(ザイテングラート?って言われているところ)は雪崩の巣窟でした。山荘すぐ横の岩場(奥穂高へ続くハシゴがあるところ)の雪斜面がひび割れていて、いつ雪崩れてもおかしくない状況でした。昼間にザイテングラートを登山するのは危険だ、緩くなって雪崩れると岐阜県警の人に言われました。2度も間近で雪崩に遭遇しました。 なるべく進行方向右側へ。山荘直下は通らず、右斜面の尾根がルートになっています。 奥穂高岳山頂までは、穂高岳山荘横の岩場の梯子を登っていくと、雪の急斜面(私は第1関門と表現しました)がありました。山頂手前にももう一つ雪斜面(第2関門)がありました。皆が踏みしめて、ステップがしっかり出来上がっている感じです。 |
その他周辺情報 | 岐阜県警の人たちは登り下りが速いです。日頃、鍛練を積んでいるのでしょう。 上高地は登山届提出が義務付けられているが、下山届は提出しなくてもいい。そもそも下山届用紙が無いです。新穂高は下山届提出も必須です。 ビーコンは必ず所持しましょう。携帯義務があるらしいです。 |
写真
装備
備考 | 5月2、3日に立山登山に行った時、登山届を提出した際に「ビーコンは必ず持つように」と注意されて、「ふーん、そうなんだ」くらいにしか思っていなかったが、今回こういうことがあるとちゃんと持とう、と思いました。 |
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感想
2017年5月4日、午前10時40分頃、奥穂高岳のザイテングラート登山中に雪崩が発生。前方を登っていた人が雪崩に巻き込まれ、下に流されていった。迫りくる雪崩に対し、私は左側斜面へ走って逃げて難を逃れた。流れが止まりかけた頃にデジカメで撮影。
必死に走ったのでハアハア息遣いがうるさいですが、ご了承ください。
10時前に涸沢ヒュッテに到着。ヒュッテは完全に雪に埋もれていた。穂高岳山荘に続く雪斜面を眺めると、下ってくる人たちがたくさんいるのが伺えた。登っている人が誰一人いない?はっきり見えない感じ。ストックを収納し、ピッケル装着し、登り開始。
登り始めて40分過ぎ、ようやく前方に3人組らしき(4人だったかもしれない)登っているのが見えてきて、「このまま登り続ければ10分後くらいには追い抜くなぁ」という感じで登っていく。
キツくなってきて、下向きながら登っていたら突然上の方から「うおー、わー」という複数の男性の叫び声が聞こえてきて、見上げたら雪崩が迫ってくるのが分かった。巨大な雪岩がゴロゴロ転がってきて、津波みたいにザザーと迫ってきて、前方を登っていた3人組が左に走って逃げていったので、私も必死に左へ走った。走って逃げている時、目の前で、3人組のうちの男性一人が巻き込まれて流れていくのが見えた。2〜300mくらい下へ流されていった。自分は間一髪逃れた。「怖ぇー、マジかよ・・」心臓バクバク。
流れが止まって、3人組のうちのリーダーが「大丈夫かー」と叫びながら私の右横を通り過ぎていき、仲間のもとへ走って下っていく。3人組のうちの女性一人は座って待機していた。リーダーが振り返り、「今日はダメだ。下ろう」と女性に大声で言った。女性も一緒に下っていった。
左側斜面に一人残った私は登るか下るか迷った。中腹くらいまで登ってきていたので登る、と決めて登り再開。右側斜面には、単独の男性が同じく登り再開していた。上を見上げると、3〜40人くらいの下山中の人たちが、立ち止まって雪崩の様子を見ているのが分かった。
しばらくすると、岐阜県警らしき人が右側斜面を下ってきて、左側斜面を登っている私に向かって、「大丈夫ですかー、一人?」
私「一人でーす」
岐阜県警らしき人「そっち(左側斜面)は雪崩が来るからこっち(右側斜面)に来てー」。私は雪崩の跡を横切り、右側斜面へ。岐阜県警らしき人は流された男性のもとへ。
しばらく右側斜面を登っていき、やがて下山してくる人たちとすれ違う。「雪崩、大丈夫でした?」と声を掛けられ、
私「前登っている人が流されていきました」
下山途中の人「あそこ(穂高岳山荘直下)も雪崩れる危険があるので気を付けて下さい」
周辺の斜面を見ると雪崩れてきそうで、早く穂高岳山荘に到着したい、という思いで登っていく。
またキツくなってきて、下向いて登っていたら上の方から「キャー」という女性の叫び声が。穂高岳山荘直下4〜50mくらいの箇所で女性が一人雪崩と一緒に滑ってきた。私は右へ走って逃げた。女性は私の左横をゆっくりとシリセードのように滑っていった。私の2〜30mくらい下で、下山中のイカつい男性が「何やってんだー、ピッケル使えー、ピッケルで止まれー」と女性に向かって叫んだ。女性は「まだ滑るー、止まらない」慌てふためいて、ピッケル制動する余裕は無かった。小規模だったのですぐに流れが止まって、連れの男性が一人、女性のもとへ下っていった。
イカつい男性が「早くそこ(雪崩の跡)から出ろ、こっちに移動しろ」「山荘直下は危険だから右の尾根沿いを下れと岐阜県警の人に言われた。だから俺たちはこっちから下ってきたんだ」という会話が下から聞こえてきたので、右の尾根沿いを登っていく。尾根沿いは急斜面で怖かった。
12時に穂高岳山荘に到着。ベンチに座って休憩。周りでは、さきほどの雪崩の会話をしていた。「ここから見てたら女性が1人流されていったよ」「その前にも雪崩があって1人か2人流されたよ」
こういう情報は皆に速く伝わっていくんだな、と思いました。
ありがとうございます。実際に目の前で見るのとは違うと思いますが、それでも現場の状況がわかるので非常に参考になります。こういった情報がネットでも広がることで安全登山にも役立ちますよね。
残雪期は厳冬期には行けなかった山にも行けるチャンスがあります。でも、残雪期ならではのリスクもあります。春山こそ早立ちが必要ですね。陽が高くなってからの雪山は本当に危険です
1回目の雪崩は流れがゆっくりだったので逃げ切ることが出来ましたが、流れが速くて大規模だったら自分も飲み込まれていたと思います。それをたまに考えると、「死んでたかもしれない」って怖くなってきます。
2回目の小規模雪崩で女性が流されているのを写真撮ったり、動画撮るのは不謹慎かと思いやめました。
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