白馬岳西面・清水岳・猫又山周辺スキー山行
- GPS
- 80:00
- 距離
- 34.5km
- 登り
- 5,109m
- 下り
- 5,115m
コースタイム
- 山行
- 6:15
- 休憩
- 0:51
- 合計
- 7:06
- 山行
- 6:10
- 休憩
- 2:25
- 合計
- 8:35
- 山行
- 4:47
- 休憩
- 1:08
- 合計
- 5:55
- 山行
- 7:33
- 休憩
- 1:52
- 合計
- 9:25
天候 | 5/2 快晴 5/3 晴れのち曇り 5/4 ド快晴 5/5 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
現在、猿倉線は1日3本。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
残雪は多く、谷筋のデブリは多かった。午後の滑走は自己判断で。 |
その他周辺情報 | 郷の湯はこんな連休のさなかでも割とすいていた。 |
写真
感想
5/1 元々、夜行バスで行こうと思っていたが、空席はあれど横が女性だと座席は取れないとのことで、急きょ車で行くことになった。若いころは新宿までの往復移動で板・ブーツが別にあるのはなんでもないことだったものの、便利な方に慣れるのは早いものだ。深夜2時過ぎ、猿倉到着。連休の谷間ということもあるのか思った以上にすいていた。
5/2 起きてみると快晴ながらも、稜線上は雪煙が舞っている。遭対協の人に聞けば『高気圧の張り出しに寒気が押されて風が強くなっている』ということだった。さらに、大雪渓は雪崩が頻発していることから、まだ遭難者が埋まっている。自己責任といえど一か八かではだめだからねと念を押された。
猿倉荘裏から登りはじめ、夏の鑓温泉への看板から小尾根に取り付く。猿倉台地まで1時間ほど、結構な人の数が確認できる。4日分の荷が重く、ブーツも慣れていないことから小日向ノコルまでで大汗。もう太ももがつりそうだ。登り切れば鑓のきれいな三角形が見える。一旦、六左衛門滝方向に滑り込む。短い斜面だったが、なだらかで楽しい滑りだった。ここから先が荒行難行となった。
鑓♨までの登りは見えてて遠いといった感じ。斜面がでかすぎて距離感がわからない。雪は緩みまくり大出原の登りが不安だ。鑓側から頻繁に雪崩音がしている。温泉に着く頃にはバテバテで、思わずここで今日の行動を打ち切ってしまおうかと思ったくらいだ。当然風呂には入らず先を急ぐ。いつかここをベースに滑りたい。この先から傾斜がきつくなり、足が限界を迎えているようだった。絶対にブーツが問題、もしかしてバックル⁇完全にバックルを外してダメだったら、別のものを買わなくては…いや、買ってほしいなんて言えない。フリーにして登り始めると、何のことはない。まるっきり足の負担が違った。でも時すでに遅し。もう気持ちが切れた。もっとも急な斜面を越えたところで幕営することに。なかなか計画通りにはいかないものだ。ただここからの夕景、夜景は素晴らしかった。
5/3 先行者1名、雪も締まりシールがよく効く。稜線までスキーでは登らず、夏道を使って登る。稜線上には雪なし。ここからピークまでのシートラが難行で、本当に帰りたくなった。頂上に着く頃には雲が多くなっており、早々に滑走斜面の選定に移る。夏道とは違う西への尾根を進み、雪庇が切れたところから滑り始める。この斜面はシュカブラ崩れのような雪が残っており結構難儀した。谷底の方に行くにつれてモナカになり何度転んだことか。何とか清水谷2280m二俣にたどり着く。ここは最高のテント場で、側壁の雪がついていないところには水が出ていた。
旭岳西側に向かって一面真っ白のなだらかな斜面を登る。清水岳方面が見える高さまで来ると、清水岳南面の白一面の斜面が飛び込んできた。柳又方面は最終日に滑る予定、こちらの記事は今まで見たことがない。地形図を見れば登りもきつくなさそうなので入ってみることに決定。登り返しを考えながら斜面に入っていったので、トラバースが多かった。小尾根状が多く、そこに小雪庇が出ているような感じ。軽装でなら思い切って下部まで滑ってゆき、2000m位で清水平に向かって登り返す方が考えずに済んだか?2260m位から登り返すが、思ったよりも傾斜があった。
緩い雪の斜面を終えると平坦な稜線に出る。反対側の滑走予定斜面は天国斜面だった。最終日に期待を膨らませる。清水岳はそこからまだ歩かされ、祖母谷温泉への尾根の分岐を過ぎた先で猫又山が見える。稜線上には巨大雪庇があり、コースアウトしなければそのままスキーを使っていけそうだ。問題は2か所のピョコだけ…と思っていたら甘かった。清水Pからいきなり急斜面となり、アンモナイトが自分を抜かして転がってゆく。とりあえずシール歩行で稜線復帰、平坦ピョコも南側を巻けると思っていたのは甘く、その先は波打っている雪庇稜線上をキックターンを交えて滑り下りる。猫又山手前の小ピョコはシートラで越える。どうせ戻ってくるのだからこのピョコ手前で幕営しようかとも考えたが、猫又山にまた来るだろうか?と考えると、ここまで来たのだから行くべきと判断。小ピョコ下の稜線はさらに波打っているため、樹林の間から猫又谷に向かって滑り、トラバース気味にピーク直下にたどり着いた。
ベースをどこにしようかピークを含めて迷い歩き回る。なんとナル谷にシュプール、ピークに幕営跡が…ここに来る人がいるんだと感心してしまう。頂上からは富山や魚津方面の眺めがよく、しかも日本海も見える。2泊することを考えれば風がない所、でも夜景も見たい。結果、一段下がった窪地の壁を掘り込み、疲れていたため2時間かけてベースを作製。滑りは明日のお楽しみにした。この夜はお気に入りであるKNBラジオがバンバン入って、ちょっとした喜びを感じた。
5/4 今日は滑り三昧の予定。本山行のメインの日である。3本ある沢のうちどれから滑ろうか?迷いに迷って猫又〜オレントメン〜ナルという順番にすることに決定。しかしこれが後々の失敗につながってしまった。
テント場でスキーを履き、そのまま猫又谷に滑り込む。出だしからしばらくは最高の斜面、まるっきり荒れていない。地形図で思っていたほど狭いわけではなく、十分の雪で埋まっており、清水尾根から落ちている沢からの雪崩れのみ気をつければいい感じだ。1900mくらいからデブリが出てくるがあまり気にならない。さらに下ってゆくと1650位から下はデブリであまり快適ではなさそうなので1680で終了、戻って1900m二俣からなだらか地形の左俣を登り、双六岳南峰周辺のような地形を詰める。露出した岩とダケカンバが庭園風で気分のいいところだ。
登り切った2258m地点からオレントメン谷を見ると、なだらかな白一面の素晴らしい大斜面。盲目的に斜面に飛び込む。大きなターンで快適クルージングである。猫の踊り場方面からの沢を合わせた先で下部のデブリが見えたので1760くらいで終了。滑ってきた谷の右岸側小尾根を登り返し猫又山頂上に到着。猫又山頂上からじかに滑り込んでゆく斜面の方がまっすぐで傾斜のある斜面、こちらを滑ればよかったかな?
本日はド快晴、そしてとても暑い。今山行のメインディッシュと思っていたナル谷を見ると…昨日滑ってきた尾根から出た複数の新しいデブリが目に入った。まさにデブリ−ランド、『ゲッ!』という感じだ。しかも2人滑った跡があったが、雪崩リスク250%といった感じだった。時間は14時、まだいける時間帯…1時間以上谷とにらめっこし、迷いに迷ってまた次回の宿題とした。とても残念だ。消化不良である。もう一度オレントメン谷に行こうかとも考えたが、気持ちが切れてしまい本日は閉店。滑る順番の正解はナル谷〜猫又谷〜オレントメン谷であろうか?この日の夕焼けもきれいで、暗くなってから頂上まで漁火を眺めに行った。明日も天気はいいということだが、雪が固いうちに清水岳まで戻りたいところである。
5/5 天気は曇り、スキーを履いたまま行けるかと思っていたが、思いのほか面倒な感じになっていたのでシートラで行く。清水岳でスキーを履き、旭岳東俣の取り付きに向かう。雪はかなりの重雪で、稜線から大きなデブリも出ていた。ねばりつくような雪はこの天候が関係しているのか?二俣まで滑り西俣を登る。この対岸にあった旭岳直下の台地がいいテント場のようだ。風が割と強かったので、稜線に戻る手前で休憩。この頃から雲と青空が交互にやってくる天気に変わる。
登った先から清水谷を滑ろうと思っていたが、急に疲労度が増して嫌になってきた。旭岳直下をトラバースして頂上宿舎方面に向かう。杓子沢〜長走沢で締めと思っていたもののこれもやめて、大雪渓を下ることに計画変更。単独だと融通が利くもののひよってしまう可能性もかなり大きい。旧村営宿舎上に来るともうあとは下るだけ…のつもりだったが、たまには頂上でも行っておくかと気持ちを切り替え、空身で往復する。山荘直下まではスキーが使えた。頂上に近くなるにつれて景色がなくなる。旭岳の北面が観察できただけOKだった。ライチョウも多く出現し、目の前を飛んで行った。
下りにかかるとまとわりつくような重さの雪、とてもしんどい。葱平付近は重雪がそのまま雪崩れてもおかしくない状況だろうか。そして超デブリーランド状態。白馬尻付近からは右岸の高い所をトラーバースしながら林道の歩く部分が少なくなるように滑る。ヘロヘロになって駐車場にたどり着き、凝りもせずまたもや郷の湯に向かい、年間の大きなイベントを締めくくった。里ではまだ桜が満開、仁科三湖で思いがけない風景に出会うことができた。
GWということなのか寄ろうと思っていたレストランがすべて混んでいて、得得になってしまったのが残念。宿題はいつ終えることができるのだろう。
コメント
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0930050 さん、こんにちは。
猫又ベースとは しぶい ですネ。
オレントメン 変な名前ですよね。それもそのはず、地図測量技師が地元の案内人から聞いた オーレン を聞き違えて地図に書き込んだ名前です。
これからも、しぶい レコを楽しみにしています。
気を付けて楽しんで下さい。
はじめまして。
コメントありがとうございます😊
猫又に行かれたことがありそうですね。
十数年間行きたいと思っていた所で、やっとたどり着きました😵
とてもいい所ですね。
オレントメンの由来、はじめて聞きました。
なるほどですねぇ😲
記録をシブいと行って頂き、とても嬉しく思います。
お互いに安全に気をつけて、頑張って登って行きましょう😙
では、失礼します!
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