残雪の試練、常念岳(北ア)
- GPS
- 10:01
- 距離
- 11.4km
- 登り
- 1,628m
- 下り
- 1,615m
コースタイム
天候 | 晴れ〜曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
標高1900mを過ぎると登山道に雪が現れ始め、2000m過ぎで雪が続き、2100mを過ぎると雪が深くなりました。頂上付近の雪稜でも雪面は柔らかく踏み抜きが多いです。所々雪が切れて夏道が出ており、ワカンとアイゼンは持って行ったものの使いませんでした。 |
写真
感想
【感想/記録】
金曜日に休暇を頂き一泊で北穂高小屋に宿泊しようと計画していましたが、土曜日は南岸低気圧の影響で荒れ模様のお天気の予報。北穂高岳は諦めいっその事、鳥海山へ遠征しようかと思いましたが、土曜日に鳥海山が晴れる保証も無く(やっぱり雨でした)、燕岳からの帰りに見た男前の常念岳へ日帰りで登る事に。
早朝出発し6時半過ぎには三股登山口駐車場に到着。朝食を食べ準備をして7時に出発。登山口で登山届けを提出し常念岳方面に進みます。いきなりやや急の登山道を登っていきますが、雪では無く土の感触が久々で新鮮でした。しかしアウトソールが硬いアルパインシューズでは、滑りやすい木の根があると歩きづらい。標高を上げていくと登山道に徐々に雪が現れるようになり、余計に滑りやすくなります。雪が増えてきたところで、ゲーターを付けストックを出してまた進んで行きます。斜度が急になり夏道の登山道が雪に覆われてルートが分かりづらくなりましたが、幸い先行者のトレースがあるので追って行きます。雪は腐り気味で柔らかいので、アイゼンを付けなくても大丈夫でした。
急斜面を登って行くと標高2200m位で斜度が緩やかな尾根になり、歩きやすくなりました。途中で雪が切れて夏道が出たり、倒れた樹や灌木の藪が行く手をふさぎ歩きづらい。ようやく森林限界を超えると、前常念岳が見えてきました。短い梯子を登ると雪はありませんが、今度は大きい岩が積み重なった登山道となります。斜度もソコソコあるので、手も使って岩を乗り越えていきますので、クライミング用グローブがあると良かった。雪で登山道が少し埋まったところは、端のハイマツ側を通って避難小屋のある広場までたどり着けました。この辺にくると安曇野市側から雲が押し寄せて、ちょっとガスってしまいました。
今日も眺望はダメかと思いつつも、休んでいるとガスが少し晴れてきました。前常念岳にまで来ると北アルプスの眺望があり、早く常念岳へ行くため標高を上げたいのですが、疲れもあって中々前に進めません。前常念岳からは雪稜を進んで行きますが、雪は柔らかく途中雪が切れて夏道が出ている箇所もあるので、アイゼンを付けずに進んで行きます。目の前の常念岳はガスに覆われており、眺望が気になりますが、幸いガスは晴れてきました。山頂と常念小屋の分岐点付近は雪が無く、頂上への最後の登山道も所々岩が出ていたので、アイゼン無しで登って行くとようやく12時過ぎに山頂に到着、長かった。
お天気は少し高曇りしていましたがまだ少し青空もあって、前穂高〜吊り尾根〜奥穂高〜北穂高〜大キレット〜鑓ヶ岳の稜線が一望できました。さらに大天井岳、裏銀座の山々、黒部五郎岳、薬師岳、立山等も見えて苦労したけれど来て良かった。この北アルプスの大パノラマを見ながらお昼ご飯を食べて、ゆっくりとしていたら雲が優勢になってきたので、12時45分頃に下山開始。
帰りは気温が上がったためか、尾根の雪稜の雪はさらに柔らかくなり、来た時よりも踏み抜きが多くなり歩きづらい。前常念岳手前で岩場に乗るために、すぐ手前の雪に左足を乗せたら激しく踏み抜きました。今度は足が深く潜って簡単に脱出できない。ザックを降ろして踏み台がわりにし、手で押しても足が上がりません。足の周りの雪を掘ってもダメ。このまま足が掘り出せなければ遭難か。明日は雨なのでこのままビバークしても低体温症と嫌な事ばかり思い浮かびます。
そう言えばアメリカのロッキー山脈だったか、トレラン中に手が岩に挟まって抜け出せなくなり、手を切断して脱出した映画(タイトルは127時間)があったと思いだしました。なんとか脱出せねばと、態勢を変え右足を岩に押し付けて踏ん張り、手でザックを押すとようやく抜けた、足だけが。登山靴は深い雪穴の底でゲーターを引っ張ってもビクともせず、周りの雪を掘ってもダメ。登山靴が無ければ下山できないので、何か無いかと探しピッケルの石突きで登山靴の周りの雪を刺して、雪を切ったらなんとか救出できました。
この間約15分ほどか、回収した登山靴を履いてお茶を飲んで一息ついたら、前常念岳を目指して出発、でもこの一件で不要な体力を使って疲れました。今日すれ違った登山者は1名のみで助けも期待できない平日の単独行だと、思いもしないトラブルがあると恐いですね。この後も雪稜では少し踏み抜き、前常念岳の岩場はこけて怪我をしないように丁寧に降りて尾根の雪渓に到着。
また樹林帯に入り踏み抜かないようにトレースを追って急斜面の手前に到着。ここからはトレースが薄く雪が切れて笹の出ているところは滑るので、なるべく雪の続いている所を歩き、標高が下がると雪が切れてまた滑りやすい夏道が出てきましたが、ストックを使って標高を下げ雪が消えた夏道を進むと、ようやく登山口が見えてきました。手前の小川で泥にまみれたゲーター、登山靴、ストック、ついでに顔も洗い、17時過ぎに三股登山口駐車場に到着。
今回は10時間もの長い山行でトラブルがあって余計に疲れました。残雪期の常念岳にまた来ますかと問われれば、いえもう結構です。次回からは夏季に来たいですね。帰りの安曇野市から松本市のりんご園は、白い花が満開で疲れた身体が癒されました。今回は下山時刻が読めず、疲れた体で国道158号線を遅い時間に走るのはいやだったので、松本市内で宿泊し登山でお世話になっている長野県にお金を落として帰りました。
【注意点や反省点】
駐車場で害はありませんでしたが、羽虫にたかられました。気になる方はそろそろ防虫対策が必要です。水分は900ccを持って行きましたが、曇り空でも足りないくらいでした。1.5リットルくらいあった方が安心でした。
駐車場には10台近くの車が止まっていましたが、三股コースで常念岳で出会った方は1人だけだったので、ほとんどの方は蝶ヶ岳へ向かわれたようです。
今回は気温が高く雪は腐り気味だったので、アイゼンを使わずピッケルを出す場面もありませんでしたが、残雪期でも雪山へ行く場合はピッケルがあった方が良いと思いました。岩の近くは融雪して見えていなくても深い穴がある場合があり注意が必要です。
【Apple Watch等による計測結果】
ムーブ(安静時を越える推定エネルギー消費量 / kcal)
884
エクササイズ( 活発に活動した分数 / 分)
60
スタンド( 1時間のうち1分以上身体を動かした時間 / 時間)
17
登った階数( 一階=約3mの高度を上昇 / 階)
204
ウォーキングの距離(km)
21.6
歩数(1日で歩いた歩数 / 歩)
29,231
心拍数 (1日で最低、最高の心拍数)
47〜131
体重
61.8 -> -
ホテルには体重計が無く測定できず。
コメント
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