乗鞍岳(標高3026m) 千町尾根往復


- GPS
- 17:02
- 距離
- 32.9km
- 登り
- 2,213m
- 下り
- 2,204m
コースタイム
丸黒山 2:14〜2:18
奥千町避難小屋 5:44〜5:58
皿石原 7:45
乗鞍岳 9:08〜9:53
奥千町避難小屋 12:03〜12:22
丸黒山 14:50〜14:58
ゴール地点 16:57
天候 | 晴→曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
まだ人の手が入っていないので倒木などあります。距離が長いのでエネルギー不足、天候の急変等に注意。笹や雪で夏道が分からない場合がある。雪が緩むと踏み抜きが多くなる。反対に、状況では固い雪や凍結あり。広い尾根は方向感覚が鈍るので注意(トレースは雪解けで残らない)。 |
写真
感想
乗鞍岳は、長野県側から乗鞍高原や乗鞍スカイライン利用で多くの登山者が訪れるが、岐阜県側はそれに比べると少ない。。
千町尾根往復はアプローチが長く大変なコースのようで、静かな登山が期待できそう
だ。春山シーズンの締めとして出かけることにした。
このコースは距離が長いので一般的には二日間で往復か、片道に乗鞍スカイラインのバスを利用する。しかし、やるからには雪がある時期の一日での往復で行ないたい。
往復距離は30kmを超え、残雪もあるため、遅くとも夜の十二時スタートとする。
土曜日は雨で日曜日は晴れの予報が出され日曜日に照準を合わせた。
前日午後8時前に寝床に着くが目を閉じただけで午後9時前に起き上がる。睡眠はできなかったが少しは楽になっただろう。
車で乗鞍青少年交流の家に出かけ駐車させて頂く。23:54スタート。
前日の雨は上がって空には月と星が出ているが周辺は霧でモヤがかかっている。
日影平まで緩い上りの林道を歩き、0:18 日影平峠。そこから山道となり一旦下る。
旧道を歩く。木の階段のアップダウンがあるものの枯れ葉が堆積した歩きやすい道を進むが夜間なので景観はなし。
暗闇の中に小屋が現れる。1:06 枯松平に到着。小休止を取る。
さらに進むと木の階段が続く。がんばれ坂と根性坂。標高1900mを超えると稜線に出る。
本格的な雰囲気の平坦な山道を詰めると、2:14 丸黒山(標高1956m)に至る。山頂には小さな祠と三角点などがある。
広場となっており休息地には最適だろう。丸黒山まで登山道はしっかりと整備されている。
時々、残雪があったがまだ大したことはない。今夜は月夜なので多いに助かる。
丸黒山山頂から東進。標高差で100m下る。下るにつれて勾配が急になる。人が少ないので固定ロープ無し。
最後は木の枝や根っこを掴みながら降りる。暗闇の中、慎重に行動するが、帰りが心配になる。
鞍部からやや尾根が細くなる部分がある(標高1900m手前)。
尾根の北斜面を登山道が横切る形になっており、そこに残雪がありトラバースする必要がある。
まだ夜間なので雪が固く部分的い氷もあるようだ。約10mほどだが半分ほど進んで尾根へ乗り上げて回避。
すこし藪漕ぎをして夏道に合流(帰途は雪が緩み慎重に通過すれば支障なし)。
標高1900mを超えると残雪が出てくる。また、笹も道を覆いだした。
暗闇と深い笹と残雪で夏道がトレースできないときがあった。都度、GPSで方向を確認しながら進む。
標高1950m位から雪が繋がる。ここで軽アイゼンを付ける。今回は距離が長いので持参した。
雪が固くピンがよく効いた。夏道が東から南に進路が変わり標高2050mを超えると千町が原の一角に出る。
狭い尾根から解放され勾配が緩やかになり、林間を進むようになる。ようやく空が白み始める。
このコースはやたらと長いので歩いても時間の経過が遅く感じる。林の中を進んでも同じ景色が続いた。
標高2301m地点手前の坂をこなすと小ピークがある。北には笠ヶ岳方面、東方には乗鞍岳が姿を現す。
このピークの下り斜面は雪が固く軽アイゼンでは不安定となりアイゼンに切り替える。
次の標高2357mポイント手前の坂を登りきると奥千町避難小屋に達する(5:44)。
ここで余分な装備(ストック、帰りの食料・水など)を小屋に残置して乗鞍山頂を目指す。ここまで来ると乗鞍岳が眼前に聳える。
木々もまばらとなり素晴らしい景色が広がる。尾根を東進して標高を稼ぐと森林限界を超えハイマツが出てくる。雪はまだ固く締まっている。
夏道は標高2700mのピークに乗り上げてから進路を北寄りにするが、
今回はピークを迂回して谷に降りてから谷筋を詰める。
標高2750mから風が強くなる。南斜面のため雪が切れアイゼンを外して夏道を進む。
雪が切れているところで一か所、ようやく石仏を確認できた。
夏道といえど雪の切れ目に氷があり慎重に進む。大日岳の南斜面は広い雪の斜面が広がり、ここをトラバースする。
念のためアイゼンを再び装着。凍り付いた斜面が出てきた。やはり雪質の変化が激しい。
大日岳の斜面をトラバースしていくと不意に剣が峰が見えてきた。
大日岳と剣が峰の鞍部に突き上げる谷の手前に小さな雪庇があり、少し下って降りる。
どうも新雪のような感触があった。膝まで潜る所があったが大したことはない。
剣が峰の山頂に人の気配がする。
谷を遡るか剣が峰に直登するか。何とか剣が峰に登りあげれそうなので岩稜帯手前までアイゼンで進む。残り100m、岩をつなげて登れそうだと思ったが途中で残雪に行く手をふさがれる。
ハイマツを掴んだり、ピッケルを雪に差しながら登高を繰り返す。
3000m近い標高では岩を登るだけでも平地よりも体力を使わされる。心臓、肺も回復が遅いようだ。
頂上の神社裏手に乗り上げる。山頂で軽食を済ませ上着を着る。
靄がかかっているが穂高・槍、笠ヶ岳、御岳など眺めることができた。
長野県側から登山者やスキーヤーが続々と登ってくる。
急に人が多くなり面を食らったので、写真を取り大日岳方面へ下る。
ここも岩場の下降で全身運動となる。特に凍結している岩や氷があり気が抜けない。
ここでもかなり体力を消耗した。
9:55 剣が峰と大日岳の鞍部から谷に入る。雪が緩みだし踏み抜き多発で難儀する。
それでも下りなのでスピードは速い。今度は暑さと柔らかい雪との闘い。
下りは一気に高度を下げて大日岳のトラバースは避けた。このまま峠を越え、
登ってきた谷を下りて標高2550m辺りで夏道に合流した。
谷の中は直射日光で暑かったが細目に食料を取り、集中力を切らさないようにした。
ハイマツの近くは踏み抜きが多いので注意した。
12:03 奥千町避難小屋により、水分と食料を補給する。ここで軽アイゼンに切替。
広い尾根や林の中は方向感覚を失いやすい。絶えずGPSでコースを確認しながら下山する。
この後も長い尾根歩きをこなす。カロリーが切れてくると疲れが一気に出てくる。
標高2000mから2200m辺りが結構きつかった。下っても下っても距離感が出なかった。
丸黒山の登り返しは我慢の連続。山頂が近づくと開放感に満ち溢れた。
14:50 丸黒山到着。北アルプスの眺めが疲れを癒してくれた。
丸黒山の下山時、雪道に多くの靴跡があり、それなりの人出があった模様だが、
おそらく自分が一番早く登り、一番遅く下ってきたのだろう。
ゴール地点には午後5時前に到着。約17時間の試練であった。
山頂以外ですれ違う人もなく静かな登山であった。
このコース、無雪期にも訪れることになるだろう。
食料)
おにぎり 2個
スポーツドリンク 500
イロハス 500
カレーパン 1個
ゼリー 4個
カロリーメイト 2袋
プロテインバー 1個
飴 2個
バーム 1袋
粒クリームパン 3個
粒あん 4個
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