南アルプス鳳凰三山縦走(山小屋泊にもデビュー)
- GPS
- 30:20
- 距離
- 18.4km
- 登り
- 2,119m
- 下り
- 1,946m
コースタイム
[15日]6:10鳳凰小屋-7:20地蔵岳-7:50オベリスク直下-8:35賽の河原-8:55赤抜け沢の頭-10:00高峰-11:15白鳳峠-13:30白鳳峠登山口-13:50広河原
天候 | 14日:晴れwithガス、雲多し。 15日:早朝快晴、昼前〜ガス気味。 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
広河原からはバス、乗り合いタクシー有(時刻表・行き先は事前に要チェック) 広河原〜夜叉神峠登山口間はバスで920円。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
夜叉神峠登山口にポストがあります。道路反対側の、夜叉神の森は食事・土産・宿泊の他、鉱泉風呂もあります。下山後は、甲府市内方面までに芦安温泉等、温泉施設が多数あります。 夜叉神峠〜南御室小屋までは、道幅も割と広く、トレランに向いているぐらいの傾斜です。 そこからちょっとザレた急な上りが1度出た後、砂払岳ではザレた斜面&小さな岩場通過があります。 薬師岳〜観音岳間は、道幅は十分ですが白砂のザレ上の道のトラバースで、西側下方の斜面は絶壁の様です。あんましそっち見てるとコワくなりそうなので、ちゃんと道を見て進めばいいかと… 鳳凰小屋近道は、結構急な下りです。小屋直前には小さなハシゴ、それから小川の上を越えます。濡れた岩ではスリップ注意かも? 高峰へと向かう、赤抜け沢の頭からのルートは、遠目には急斜面の山体上の一部痩せた稜線で高度感が有りそうに見えますが、実際歩くと、そこまでコワい様な場所はありません。高峰への登りもハイ松が両側に生えてて、高度感はほとんどありません。ですが、ザレっぽい道が続くのと、岩場の通過があるので、コケ無い様に一応注意です。 高峰〜白鳳峠への下りは、最初そこそこ急な岩場が出てきます。3点支持が出来て、大弛峠〜金峰山往復ぐらいの岩場通過が出来れば特に問題は無いと思います。 急な岩場を抜けると、次はガレガレの道の下りになります。樹林が見えるとすぐ白鳳峠です。 白鳳峠からの下りは、しばらくはひたすらゴーロの沢を下ります。日が照り暑いです。普通に浮き石注意です。 やっと樹林に入ったかと思うと、少し進んだ辺りから下りが急になってきます。 滑りやすい石や砂っぽい道に加え、後半は時々鉄梯子数回、鎖場、木橋等のコンボが続きます。緊張感も多少あり、結構足にこたえました。 |
写真
感想
輪番休日の休みに入る4日前…天気予報をチェックしてると、待ちに待った晴天の様です。今回はどこへ行くかなあ…
そんな時ふと思い立ちました。
いつも周囲の山からオベリスクを眺めていた、自分の行きたかった山ベスト3に入ってる、鳳凰山。
行程が長くなりそうなので、そうおいそれとは…と何となく意識にあったのですが、思い立ってしまうと、憧れの山への思いの方が勝ち、一気に行動的になります。
ドンドコ沢から登り短時間で攻めるか、あるいは何人かのレコで拝見した夜叉神峠
からの比較的緩やかなロングコースを行くか…装備はどのぐらい持ってくか。
普段はおっとりめな自分ですが、こういう時は一気に肉食系的な?行動力と集中力が発揮されます(笑)。思い立ったら即パッキング開始。
当日は朝3時半起床、6時登山開始の予定でしたが、何だかんだで他にしなければいけない事等も片付けきれず、結局7時半の登山スタートになりました。当日日の入りは7時15分ですが、ちょっと3山全部巡るのはキツイかもしれません。
登山口から夜叉神峠へ登る道は緩やかですが、先を考えると、ついついペースも上がりがちになってしまいそうでした。
今回、MATSUさんの日記を参考にさせていただき、心拍数管理を取り入れる意味で、ハートレートモニター付ウォッチを使い始めました。ニューバランスのタッチ式のものです。
自分の場合、ちょっと持続するのがキツイ、呼吸が乱れるペースだと、心拍数160台後半ぐらいに相当する様です。130-140台だと鼻歌まじりですが、ちょっとゆっくり過ぎて逆に筋力消耗しちゃいそうな気もしなくも…ってとこで、140-150台をキープする様心がけました。
今日はいつもの山行時より気温も高く、水も多めに持ってきたので、ザックはベースウェイト6.9kg(食料3食+非常食込み)+水3Lで大体10kgってトコです。
夜叉神峠まで上がりベンチで最初の休憩を取ると、ガスが時々晴れ、白峰三山が顔を覗かせました。これまで甲府市内からてっぺん辺りをチョコっと見るぐらいだったので、これだけ目の前に見えると感激です。7月も中旬ですが、まだ頂上付近には雪渓も残っています。
心ゆくまで景色を眺め、再出発しました。日没から逆算、予備時間も織り込み、(帰りは疲労によるペースダウン、あと傾斜が上り下りどっちだったか等も踏まえ)、13時には何が有っても折り返し開始、と決めました。
道は割りと歩き易く、とにかく殆ど一直線に北へ北へ、です。途中あまり人とも会わなかったので、時々写真を撮りつつ、とにかく先へ先へと進みました。
最初はコースタイム通りぐらいの調子でしたが、そこから南御室小屋までは中々いいペースで進めました。荷物も多少重く感じるし、暑さはやっぱり効いてる様です。
小屋を過ぎ、無雪期用のザレ斜面を上り、程無く砂払岳に出ました。
砂も白っぽく、鳳凰山に来たなあ、という気分に段々なれてきました。
スラブでのスメアリング訓練のおかげか、ザレ斜面でも、以前より1歩毎の滑り落ちが遥かに少なく、安定して登れました。クライミングを始めてから、クライミングシューズのフリクションに驚いていたのですが、登山靴でも結構しっかりグリップするもんだなあ、と思いました。
今回、岩場もあるかも?と思い、長距離ハイキング用に使ってる超軽量登山靴(キャラバンTR-2)の方でなく、ライトアルパインブーツ(モンベルアルパインクルーザー2500)を履いてきてたのですが、ほとんど岩場っていう程の場所が出てこなかったので、選択ミスったかな?と思ってました。
薬師岳山頂付近で、5人程の、四国・神戸から来られたパーティーと出会い、しばらく立ち話をしました。昨日は鳳凰小屋、今日は薬師岳小屋との事で、小屋での楽しいエピソード等を聞かせて頂きました。今日は平日だし人も少なめ、小屋もまだまだ空きがありそうだった、との事だったので、段々ガスッてきて眺望が望めない事や、タイム的にも地蔵岳まで行くと余裕がない状態になる事があり、まだ予約出来そうな早い時間の内にTEL確認してみる事に。
標高2700mを超える稜線の上ですが、携帯の電波は結構普通に入りました。
空きは有りとの事、何でもドンドコ沢で遭難が有ったらしく、単独である事を心配され、近道を通って慌てず慎重に来て下さい、と仰って頂けました。泊まりが確定すると時間にかなり余裕が出来、だいぶん気が楽になりました。
薬師岳から観音岳への白砂上のトラバースは、いつか写真で見た景色でした。
でも下がガケとは知らず、ガスってて高度感感じないのが帰って良かったかも??
風も殆どなく穏やかで行き易い感じでした。
観音岳山頂でしばらく景色や写真を楽しんだ後、いよいよ地蔵岳方面へと進んで
行きます。
オベリスクが霧の向こうから目の前に姿を現した時は、感激で、独り「おぉぉー」とか呟いてる怪しい人になってました。
千頭星山から、入笠山に行った帰り、…いろんな場面で遠くから見上げていた
石塔。ついにそれが目の前に。
でも、遠目に見ると急斜面だしザレてるし、道の横は何だか絶壁チックだし、サーと血の気引く様な音が…(笑)
取り合えず今日は小屋泊まり、とにかく鞍部から下ります。コースタイム40分、となってますが、意外にかかりました。
てか標高差が結構有ります。そろそろ悲しくなるぐらい下ったと思えた頃、小屋の屋根が見え、ホッと一息つけました。
小屋で受付を済ませ、夕食までのひと時をお昼寝しつつマッタリ。ついに山小屋泊
デビューでもあります。何だかワクワクします。炭を焼く良い薫りが漂ってます。
夕食のカレーはガッツリ2杯頂きました。もうお腹ペコペコでした。
夕食後、御座石鉱泉側へ5分強程の場所に富士山ビュースポットがあるという事で、
カメラを持ってそちらに向かいました。他の宿泊客の方々も向かっていて、現地に
18時頃着きましたが、日の入りが19時台なのでまだまだ空の色も青々してました。
約1時間を、他の方々と話しながら過ごしました。自分よりちょっとだけ上の年代っぽい3人組の方が、気さくで、明るく元気、ジョーク好きな方々で、いかにも山ヤさんっぽい雰囲気でした。
写真を撮った後小屋に戻ると消灯時間はすぐでしたが、取り合えず談話室へビール片手にお邪魔して、彼らといろんな話をしながら山の夜を楽しく過ごしました。
今日は満月、辺りは真っ暗ですが、月が非常に明るく、眩しくて直視出来ない程でした。気温も17℃程、過ごし易いぐらいの温度でした。
翌朝は5時起き、朝ごはんもしっかりゴハンおかわり。特に変哲はありませんが、
味噌汁がやたらと美味く感じます。他の方々は、皆青木鉱泉からドンドコ沢ルートで上がって来られた方々でした。自分だけ白鳳峠を経由して広河原へ下りる方面でしたが、地蔵岳までは一緒に行かせて頂く事に。本日は絶好の晴天、雲一つありません。
昨日見た砂の急斜面を、彼らと共に、暑さとペースでフーフー言いながらも、水場で汲んだ南アル○ス天然水(笑)で喉を潤しつつ、CMチックな妄想に浸りつつ、元気を出して登って行きました。
オベリスク付近まで行くと、甲斐駒や仙丈、北岳、その他の名山がそろい踏み。
夢中で写真を取りまくりました。そしてオベリスクの下まで岩場を上ります。クライミングの訓練がここでも活きました。
2時間程そこらで遊んだ後(お地蔵様も忘れず拝みました)、賽の河原を経由して、赤抜け沢の頭へ。名残惜しくもありますが、彼らと別れ、ここからはいつもの単独行です。でも、人も時々通ってるしそう不安もありません。不安要素はと言うと、メインルートから外れる道を行く事、そして高峰手前の痩せ尾根ぐらいです。
ただ、直後にあったおじさんに話を伺うと、高嶺先の下りではストックをしまった方が良いぐらいで、歩き易い道との事。安心しました。ただ、このお方、黒戸尾根でも特に何でもないよ、と仰っていたので、迂闊に鵜呑みにしていいかどうかは分かりかねましたが(汗)
結果的には、確かにそこそこ歩き易い道でした。遠目に見るほどコワい場所もなく、まあ奥沼津アルプス歩ければ技術的には特に問題ナシ、ってぐらいです。
高嶺まで行くと、北岳のバットレスが真正面、最高のロケーションでした。
本日はコースタイム通りぐらいののんびり山行で、出発して4時間ぐらい経っていたので、ここで残りの行程の為の栄養補給、おにぎりタイムにしました。
箱根の丸岳から箱根山を見ながらのランチも贅沢でしたが、何かここの贅沢感は
桁外れな気がしました。なんせ見えてるのは日本第2位の標高を誇る北岳です。
その後ろには、間ノ岳、農鳥岳、と南アルプス北部を代表する巨大山塊です。
右を見れば更に南アルプスの女王・仙丈ケ岳も見えてます。
甲斐駒は残念ながらガスが上がってきて隠れてしまいましたが…
ひとしきり食事を楽しんだ後、下りに入りました。
確かに言われてた通り、かなり急な下りです。岩場とハッキリ言えるぐらいの
岩場が続いています。となると、クライミングで培った技術の発揮しどころ、
練習のしどころです。
いやー、そういう道だからなのか、偶然なのか、場所場所で、必ずいい所に
手がかりがあるもんです。以前なら発見仕切れてなかったかもしれませんが…
斜面側を向いて、体を起こし、足元をしっかり見て、エッジを効かせて立ちこみます。腰を下げる前にしっかり手が掛かるホールドを見つけ…ガバ、ピンチ、サイドプル…テンポ良くホールドを拾っていきます。
掴み方を駆使しながら、でも3点支持で降りてきました。かなり楽しいです。
流石に体を振ってムーブを駆使する、という感じではなく、掴んでみたら
浮き石だったとか、ボロリと岩が剥がれた、なんて万が一なったら体重
預けてたらスッ転びそうなので…
岩場を通過すると、今度はガレ場です。ハイ松帯の間に広い道が形成されてます。
ガスもあり、一応ペンキでルートが所々示してありますが、変なトコに迷いこんだら嫌なので、時々ナビを出して確認しました。ガスってる時なんかは、特に重宝します。
白鳳峠からは今度はゴーロの下り。もうとにかく浮き石のオンパレードなルートです。距離もそんな長くもなく、標高差も2700→1500までの1200m程の下りなんですが、とにかくこういう不安定な道のしんどさがあります。
樹林帯に入ると、直射日光こそ遮られるのですが、同時に風も無く、ますます暑くなりました。水をたくさん汲んでなかったので、後30分ほどの所で水を切らしてしまいました。急斜面になってからは道幅もあまりなく、しかも全般的にザレてるんで、ストックを使いながら慎重に降りました。
あと200mぐらいになると、下を流れる川の音が聞こえてきました。その上を吹いた風が斜面を駆け上ってきて、かなりの清涼感です。この風に励まされながら、水切れで乾きを覚えつつも頑張って降りれました。
舗装路が見えた時、こんな嬉しさは久しぶりでした。
広河原でお茶を買うと、一気飲み。1本で足りずもう1本買いました。
今回の山行では、とにかく巨大な山々の圧巻な姿を多数見れました。
今度はまた今日見た山のどれかに行ってみたいと思います。
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