【白霧演習】御前山(栃寄沢〜湯久保尾根)【丁28.1】
- GPS
- 04:35
- 距離
- 14.0km
- 登り
- 1,411m
- 下り
- 1,468m
コースタイム
- 山行
- 4:22
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 4:34
天候 | 曇り、一時陽がさす。入浴後、雨。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:小沢バス停 |
コース状況/ 危険箇所等 |
全体的に蜘蛛の巣が多い。 栃寄沢沿いの道は雨後ということもあり岩場や橋が濡れていてスリップ注意。 湯久保尾根は比較的緩やかで長い稜線。 |
写真
感想
※歩くペースが「0.6〜0.7」となっているが、私の計算では0.79。
【「すっぱい葡萄」論】
夏になるとテレビも雑誌もアルプス特集。その宣伝の洪水の中で、「夏山と言えばアルプス等の3000m峰」といつしか思うようになってしまっていたが、よーくよく考えてみれば、暑いし、天気は不安定だし、実際のところ、これら高山の山行適期とは言いがたいのではないか。それこそ、「土用丑」という宣伝により当たり前のように食されているウナギの旬が、実は夏ではないように。
まあ、長期休暇を取得しやすい時期ではあるが、夏至から1ヶ月以上経って必ずしも日が長いというわけでもないし、梅雨明け後天気が安定するというのも、最近の超高温&多湿の傾向では覚束ない。
最高気温がせいぜい32〜33℃が普通だった頃とはまた考え方も変えねばならないのかもしれない。
山行日和を待ち続けるのに疲れたので少々愚痴をこぼしてみた。
【経緯・計画】
私のような軽装山行者にとって、天気は命綱である。天気の見極めと、山行中の的確な状況判断によって安全を担保する。従って、天気に不安がある時はそもそも山に行かない。
しかし、前回の山行から間もなく1ヶ月。「土日が雨でも平日晴れた時に夏季休暇を取ればよい」という考えを嘲笑うかのように連日の雨天曇天。いよいよ自分の中の少壮将校がいきりたって騒ぎ出す。ヘッドクォーターの方では「まあまあ。焦るでない。」となだめるも、身体も鈍ってきたし、そろそろガス抜きが必要な気がしてきた。また、新調した靴の初陣も済ませたいところである。
そして、山の日を含む連休。11日は大体NHKの山の日スペシャルを見て過ごす。12日は天気予報を梯子しつつ読書。13日には天候が比較的マシになると思われた。
そこで、以下の基準で軽山行を行うこととする。
1.山行地域は天候を鑑み関東域内とすること。
2.また、山行時間は4,5時間以内に収めること。
3.標高1000m以上の山行とすること。
4.涼を求め得ること。
当初は、長野の飯縄山辺りまで考えていたのだが、天気がイマイチなところで金をかけたくないので、ごくごく近場に絞込み、最終的には御前山未踏ルートを歩くこととした。
【山行概要】
山行対象の決定は23時を過ぎていたので、電車を1本遅らせようかという気も起きないではなかったが、こういう時こそ奮起を示すべきだし、何より、午後には天気が例の如く悪化すると考えられたため、早朝1番の電車に乗り込む。
奥多摩に向かう車窓からは二重三重の雲に覆われた稜線。「雨が残っていたらどうしようか」と思ったものの、幸いそこまで黒い雲でもない。
早朝の奥多摩は祭の後で静かなものだ。前日は夏祭りと奥多摩花火大会だったようだが、花火は無事打ち上がったのだろうか。私がよく行っていた頃には観客動員3000人だったのが、今年の観客予想は1万5000人。もう簡単には見に行けなくなってしまった。そんな中、山に向かってバスに乗り込む人も多くはない。境橋で降りたのも私だけだ。
(栃寄沢)
境橋から体験の森へは車でいけるように車道が通っているが、途中の登山口から沢沿いの山道に入る。この道はヤマプラでは「通行止」としてプランニングできないようになっているが、既に規制はされていないようである。崩壊したと思われる道は柵で塞がれており、上の方に新たな道ができている。
曇天ということもあり、沢沿いの道は薄暗く、静かで熊の出没に警戒しながら歩くが、見かけたのはムササビかリスらしきもののみ。
足元は入山した一歩目から軽く滑るほど濡れていたが、水は澄み、趣ある小滝が連続してなかなか楽しい。涼を得るという目的も十分満足させた。涼を求めてあちこちの渓谷を見て回ったものだが、わざわざ遠くまで出向かなくても近場に良い所があるのだ。
(湯久保尾根)
稜線の北側とうって変わって南側は濃い霧に包まれている。どうせ天気がイマイチなら霧中山歩をしてみたいとは思っていたが、その望みは叶えられた。
霧の中は音を立てるもの何一つ無く、静寂にも包まれる。これを怖く感じる人もあろうかと思うが、山で静寂を得られるというのは大変貴重な、ありがたいことだ。
御前山南面というのは未踏だったので、一体どのような道なのかわからず、勝手にハードな行程なのではないかと思っていたのだが、実際に歩いてみるとそういうことはない。地図を見るとわかるが、北面に比べると登山口〜山頂間の距離が長い。ということは、傾斜がその分緩いということだ。そして道は、一部岩が多い箇所があるが、概ね歩きやすい道。このため、霧があっても安心して歩くことができる。
今回、湯久保尾根を歩いたことは今後の御前山を対象とした山行の幅を広げることになるだろう。
(その後)
小沢バス停では次のバスまで50分あったので、馬頭刈尾根に乗ることも視野に入れつつ歩き続ける。しかし、檜原の郷土資料館まで来て、たまには日頃歩いている土地の勉強でもするかと、そこで終わりにする。
郷土資料館は無料で、大きく分けて檜原村の自然と暮らしの2フロア。熊やキツネの剥製、ニホンオオカミの骨等が展示されている。私としては、南北を浅間尾根で分断されているような地域が、明治時代から一つの村だったという所に非常に興味をそそられるところ、そんな問いに答えるような展示は無いものの、檜原村に興味がある人は十分楽しめるだろう。
〆は秋川渓谷瀬音の湯。汗を流して武蔵五日市に戻る途中で雨が降り出した。山行後半、日が射したこともあり、もう一山と考えた瞬間もあったが、自重して正解だった。
【総括】
夏山は、普段と違う山に行きたいという気持ちが無いことは無い。しかし、その対象を最初から狭めていたのでは行動の幅もまた制限される。とにもかくにも、視野を広げて考えることだ。
本山行で身体も靴も慣らしたので、8月後半に向けてあとは好天を待つのみ。
〜おしまい〜
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