遥かなるペテガリ岳
- GPS
- 51:19
- 距離
- 33.7km
- 登り
- 2,986m
- 下り
- 2,991m
コースタイム
- 山行
- 14:09
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 14:30
- 山行
- 4:10
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 4:20
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・登山口-ペテガリ山荘登山口 駐車場から沢〜峠〜林道歩き4.5時間 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・登山ポスト-登山口前 ・道の状況-笹の藪漕ぎが続く。上り下りが多く距離が長いので体力勝負。 |
その他周辺情報 | ・温泉-三石道の駅 http://www.hokkaido-michinoeki.jp/michinoeki/564/ |
写真
感想
8/5 幌尻岳山行後、日高の拠点「道の駅みついし」に移動する。
ここはお風呂、食事、キャンプ場、宿泊施設等が完備されとても便利です。
8/6 「道の駅みついし」をゆっくり出発、神威山荘近くの林道を左折しニシュオマナイ川付近の林道横に駐車する。
遥かなるペテガリの始まりです。
まず心配していた最初のニシュオマナイ川の渡渉は水量が少なく登山靴のまま渡ることができた。
暫く沢を北上する。暗い狭い沢が続くが2時間ほどで峠に到着する。
再び峠から反対方向の沢を下ると広い静内林道に出会う。
秋の風情を感じながら開放的な長い林道をゆっくりと進む。
出発から約5時間、避難小屋「ペテガリ山荘」に到着する。
全てが整った立派な山荘です。ここで2泊することになる。
避難小屋には明日、ペテガリ岳を目指す登山者が一人休んでいました。
夕方、ペテガリ岳からの下山者7名が次々と帰ってきました。皆さん疲れ切った表情でした。最後の下山者は20:15。お互いに同志のように労い健闘を称えあっていたのが印象的でした。
こんな情景は見たことがない。本当に大変な山であることが想像できた。
8/7 早朝4:20登山口を出発。沢沿いを進み急坂が続く。尾根に取り付くと深い笹藪が待ち構えている。笹藪を抜けるとダケカンバの尾根となり眼下には雲海が拡がっている。
6:30最初のピークP1050に到着する。
ここから再び、遥かなるペテガリの山行が始まる。
尾根は北海道の山に多い丸みを帯び緩やかだが、最後のピークP1301までに9つのピークが連続する。
歩いて歩いてもアップダウンの繰り返し。でも標高は上がらない。
登山道は踏み跡が明確だが笹藪や虫に悩まされる。
最後のP1301から標高差100mを一旦下る。再びコルから山頂まで標高差500m以上の急坂が続く。ここが一番きつい。
12:00 遥かなるペテガリ岳山頂に到達する。広い山頂に新しく作られたペテガリ岳の標示板は大きい。
空は曇り視界が悪く眺望なし。楽しみにしていた神威岳も見ることができなかった。
早速、山頂から下山する。それは長〜い長〜い道程の折り返し点。
何とか暗くなる直前にペテガリ山荘に無事下山する。
実に14.5時間、累積標高2725mの遥かなる山行となった。
8/8 ペテガリ山荘から神威山荘に戻る。
Kさん先日の山行で足首を痛めたにもかかわらず、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
そしてHさんマダニに噛まれたが下山早々、病院でとって頂きました。
翌日は予備日、千歳空港に行く前に久し振りに襟裳岬を観光しました。
楽しい思い出とともにHさんKさんと千歳空港で別れる。
僕はもう少し北海道の山旅を続けます。
8/10からはニセコアンヌプリ、羊蹄山に行きます。
《 Kさんの感想 》
心ひかれるもの。
やはらかきもの。
山、谷、川。
八月、日高のペテガリ岳を歩く。
ペテガリ、アイヌの言葉、川の頭を曲がりながら流れる川。
川を背に立つ山、アイヌの人が昔、ペテガリ・カムイ・シクマ(ペテガリの神峰)と呼んだ山である。
ニシュオマナイを遡行して歩く。
人が下りてくる。満面の笑顔がネットのなかに見える。
谷はゆるやかに大フキの葉のなかを流れている。水が切れて峠を越えて行く。幌尻で痛めた足が悲鳴をあげてくる。越えてペテガリを見る。
「アレガ、ペテガリダケ。アレヲノボッテイクンダ」
やわらかな山の稜線が見える。あの稜線が俺の足を苦しめるのか。頂上直下のあの反り返った登りはきつそうじゃないか。
林道をソロリソロリ歩く。間もなくして小屋であった。
小屋に入って湯をつくっていると、人が戻ってくる。すずしい顔で戻る人。疲れ切って戻る人。ピバークを考えながら戻ったという人。俺たちは明日どのよう顔をして戻って来れるだろうか。
朝。四時に出る。時間と距離の戦いが始まる。
ダケカンバの峰、笹の谷を無心に歩く。ナナカマドの実が赤くなっている。山は駆け足で秋に向かっている。持ち時間(13時間)の半分を使ってペテガリを見る。
「トオイ山ペテガリ。オリテキテクレ、ペテガリ」
笹とハイマツをつかんで登っていく。ガスにつつまれたペテガリの頭が見える。友はわたしを待ち、「ペテガリニ抱カレテコイ」と先を譲ってくれた。わたしは雲上の山に立ち、足の痛みも忘れペテガリ・カムイに抱かれていた。下りも同じように時間を要した。友は何度もわたしを振り返り、足を気遣ってくれている。持ち時間をすでに使い切っていたが、明るいうちに戻ることができた。
ペテガリ岳は忘れ得ぬ山となった。
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