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Yamareco

記録ID: 6325895
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
日高山脈

ペテガリ岳単独東西横断 (東尾根~西尾根)

2023年12月27日(水) ~ 2024年01月01日(月)
 - 拍手
GPS
128:00
距離
62.5km
登り
3,019m
下り
3,196m
天候 厳冬期だが気温高め
過去天気図(気象庁) 2023年12月の天気図
アクセス バスと歩きと人情
コース状況/
危険箇所等
計画よりだいぶ早く抜けれたので東尾根にしては良い状態だったのかもしれない
その他周辺情報 下山後体重計に乗ると55kg。
慌てて家で致死量くらい唐揚げを食べました。
行くべや
さっそく壊れてる
2023年12月27日 08:34撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/27 8:34
さっそく壊れてる
河原に橋が転がってる風景
2023年12月27日 10:40撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/27 10:40
河原に橋が転がってる風景
長靴で渡った
2023年12月27日 10:00撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/27 10:00
長靴で渡った
東尾根末端
2023年12月27日 11:18撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/27 11:18
東尾根末端
大炎上
2023年12月27日 11:39撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/27 11:39
大炎上
取り付きは急
2023年12月27日 12:11撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/27 12:11
取り付きは急
C1
2023年12月27日 14:17撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/27 14:17
C1
QOL上がったアイテム
2023年12月27日 14:44撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/27 14:44
QOL上がったアイテム
Day2朝。月明かりで動き出す。
2023年12月28日 06:26撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 6:26
Day2朝。月明かりで動き出す。
ポンヤもなかなか見栄えのする山
2023年12月28日 07:39撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 7:39
ポンヤもなかなか見栄えのする山
始まった
2023年12月28日 07:51撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 7:51
始まった
ポンヤ直下の岩場。写真じゃ伝わらないがゴツい。
2023年12月28日 10:16撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 10:16
ポンヤ直下の岩場。写真じゃ伝わらないがゴツい。
まあなんとかした
2023年12月28日 10:27撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 10:27
まあなんとかした
ポンヤピークより大樹中札内方面
2023年12月28日 10:49撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
12/28 10:49
ポンヤピークより大樹中札内方面
主稜線方面。まだ遠い。
2023年12月28日 10:56撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 10:56
主稜線方面。まだ遠い。
東尾根が本気を出してくる
2023年12月28日 11:26撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 11:26
東尾根が本気を出してくる
やばい気しかしない
2023年12月28日 11:43撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 11:43
やばい気しかしない
細いゾ
2023年12月28日 11:48撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 11:48
細いゾ
雪庇出てるゾ
2023年12月28日 12:10撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 12:10
雪庇出てるゾ
なんか落ちたゾ
2023年12月28日 12:15撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 12:15
なんか落ちたゾ
先が思いやられすぎる
2023年12月28日 12:23撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 12:23
先が思いやられすぎる
切れ落ち角が毎回すごい
2023年12月28日 13:42撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 13:42
切れ落ち角が毎回すごい
一日中こんなのと格闘した
2023年12月28日 13:46撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 13:46
一日中こんなのと格闘した
C2
2023年12月28日 14:54撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/28 14:54
C2
ガソリン補給
2023年12月28日 16:09撮影 by  iPhone SE (3rd generation), Apple
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12/28 16:09
ガソリン補給
C3朝。シルエットは早大尾根1483峰。
2023年12月29日 06:07撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 6:07
C3朝。シルエットは早大尾根1483峰。
・1518より早大尾根
2023年12月29日 07:23撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 7:23
・1518より早大尾根
ようやくペテガリを捉えた。まだ遠い。
2023年12月29日 07:41撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 7:41
ようやくペテガリを捉えた。まだ遠い。
これでもましなゾーン
2023年12月29日 07:57撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 7:57
これでもましなゾーン
ルベツネ東面が凄そうだ
2023年12月29日 10:04撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 10:04
ルベツネ東面が凄そうだ
これもましなパターン
2023年12月29日 10:30撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 10:30
これもましなパターン
主稜線にガスがかかり始める
2023年12月29日 12:26撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 12:26
主稜線にガスがかかり始める
最後の方がまた大変
2023年12月29日 12:53撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 12:53
最後の方がまた大変
なんかもう意味がわからなかった
2023年12月29日 13:21撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 13:21
なんかもう意味がわからなかった
最後の最後までこの有様
2023年12月29日 14:04撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 14:04
最後の最後までこの有様
なんとか抜けて東尾根振り返る
2023年12月29日 14:09撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 14:09
なんとか抜けて東尾根振り返る
とりあえず1枚
2023年12月29日 14:10撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 14:10
とりあえず1枚
晴れてきた。神々しい。
2023年12月29日 14:27撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 14:27
晴れてきた。神々しい。
遥かなる山
2023年12月29日 15:38撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 15:38
遥かなる山
夕陽を眺めながら西尾根降る
2023年12月29日 16:02撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/29 16:02
夕陽を眺めながら西尾根降る
西尾根から39やヤオロがよく見えた
2023年12月30日 09:35撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 9:35
西尾根から39やヤオロがよく見えた
シルエットになってる山並みのさらに向こうまで歩かないと帰れないという現実、、
2023年12月30日 10:34撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 10:34
シルエットになってる山並みのさらに向こうまで歩かないと帰れないという現実、、
抗いがたい誘惑
2023年12月30日 11:37撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 11:37
抗いがたい誘惑
林道で振り返るとペテガリが美しい
2023年12月30日 12:25撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
12/30 12:25
林道で振り返るとペテガリが美しい
今日も残業気味だった
2023年12月30日 16:05撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 16:05
今日も残業気味だった
うんま
2023年12月30日 17:46撮影 by  TG-835 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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12/30 17:46
うんま
貸し切り
2023年12月31日 08:47撮影 by  iPhone SE (3rd generation), Apple
4
12/31 8:47
貸し切り
そういや年男か
2024年01月01日 00:36撮影 by  iPhone SE (3rd generation), Apple
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1/1 0:36
そういや年男か
元旦。振り返って神威岳。
里から山へ。山から里へ。
2024年01月01日 07:28撮影 by  iPhone SE (3rd generation), Apple
2
1/1 7:28
元旦。振り返って神威岳。
里から山へ。山から里へ。
ふう
2024年01月01日 08:02撮影 by  iPhone SE (3rd generation), Apple
2
1/1 8:02
ふう
ON THE ROAD
2024年01月01日 08:46撮影 by  iPhone SE (3rd generation), Apple
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1/1 8:46
ON THE ROAD
人情の暖かみ
2024年01月01日 09:01撮影 by  iPhone SE (3rd generation), Apple
4
1/1 9:01
人情の暖かみ
中島みゆきが沁みるぜ
2024年01月01日 11:19撮影 by  iPhone SE (3rd generation), Apple
4
1/1 11:19
中島みゆきが沁みるぜ

装備

個人装備
標準的な冬山装備 渡渉用長靴 テントで物干すやつ ラテルネをランタンにするやつ 6mm*10mの紐(懸垂や荷揚げ用) マイトラ等最低限のガチャ ガーニーグー 食料は朝(早茹でスパ150+餅+茹で汁でスープ) 夜(カレーメシ*1食分を乾物でかさまし) 行動食(フルグラ&ピーナッツ130 プロテインバー 行動水にアミノバイタル)

感想

近しい人は察しているだろうが、僕は自分の山登りにそろそろ限界を感じている。
山のことしか頭になかった時からすれば考えられない話だが、モチベーションの底が見えてしまった。

クライミングは楽しいから今後も長くやっていけるだろうと思う。
でも、入山の一歩を踏み出すのにエネルギーを必要とするような山としっかりと向き合えるのはもうあと数回持てばいいくらいだと感じている。

OBになったからか、事故ったからか、大事な人ができたからか、、

とにかく、僕は遠くない将来こういう山はやめる。

だけどまだやりたい山がいくつか残っている。
うまくいくにせよいかないにせよ、自分の納得する形でそれらにはケジメをつけておきたい。

というわけで、この冬僕はペテガリと向き合った。

Day0(12/26)
例によって札幌からバス。見送りに来てくれた彼女はどこか不安げだ。占冠のあたりは吹雪だったが帯広に来ると嘘みたいに穏やか。柳澤さんのお迎えで中札内へ。いつもの場所にいつもの顔ぶれ。酒を少し入れたのが良かったのかよく寝れた。

Day1(12/27) 晴のち雪
町営牧場(6:50)東尾根末端(11:15-12:00)・843先(13:50)=C1
尾野さんに送ってもらう。林道の橋は3つ落ちている。この為だけに帯広のホーマックで調達した長靴に履き替えて渡渉。面倒だがここでミスると速攻敗退なので慎重に。東尾根末端でテキパキと焚き火して、ルームの先人達がスキーを燃やしたように僕は長靴を燃やした。暖をとれるしメイン感が出て良い。ここで泊まるつもりだったがなんか身体にキレを感じるので進む。出だしの斜面は急。凍った土に雪がうっすら乗っててなかなか。尾根に上がれば適度に積雪あり快適。雲行きが怪しくなって雪まで降って来たので尾根上を整地してC1。

Day2(12/28) 晴
C1(6:10)・1121(7:20)ポンヤオロマップ岳(11:00)・1417手前(14:30)=C2
4時に起きると妙に明るい。テントから顔を出すと澄み切った空に満月だ。暗いうちから動く。・1121までは快調。そこから先は猛烈な笹藪帯。夏道もよく分からず藪漕ぎラッセル。こんなのはこれまで何度もやって来てるので動じない。が、行手に突然鹿の死体が出てきてビックリ。ポンヤ手前の岩稜帯でもっとビックリ。なにこれどこ登るのって感じ。とりあえずEPにして弱点っぽいところをクライミングチックに繋いでいくと左の方に夏道のFix発見。結局なにが正解だったのか分からん。ここを超えてピークまでスノーシュー。ここからが東尾根の核心。ピークからの降りはそのままスノーシューで突入したらヤバかったので慌ててEPにする。雪庇は進行方向左手に1m前後。細かったり岩が出てたりアップダウンが激しかったり。一度歩いている振動で雪庇が落ちた。ブッシュがエグいのでピッケルはほとんどリーシュにぶら下げた状態で全身日高体操を続ける。・1417の登りに差し掛かるとようやく広く歩きやすい尾根になり平らなところでC2。頑張った日用の高級ソーセージを早くも開封じゃい。

Day3(12/29) 晴ときどき曇り
C2(6:10)・1518(7:20)東尾根頭(14:15)ペテガリ岳(15:30)西尾根Co1200コル(16:20)=C3
今後の天気を考えると今日どこまでいけるかが勝負だ。東の空が色づき始めた頃出発。・1417からしばらくは太い尾根。・1518とのコル付近に岩が出てる箇所がありEストック。ズボるのですぐにスノーシュー。・1518から早大尾根を眺める。東尾根も十分にヤバいが早大尾根、とくに1483峰周辺はとんでもないことになりそうだ。80年近く前にペテガリの厳冬期第2登を目指しこの尾根を極地法で1カ月かけて踏破した早稲田の記録、チャンスがあったらぜひ読んでみたい。
さて、行先に目をやれば真っ白な国境稜線に久恋のペテガリが輝いている。手をピッケルに持ち替え足はスノーシューのまま進む。尾根が北西を向いているうちは割と快調。強風の影響かアーティスティックな育ち方をしたカンバを木登りしながら行く。ただ雪庇が両面に出てくるので気が抜けない。名もなきポコで屈曲し尾根に南成分が入り出すと一転タチの悪いブッシュ帯となり悶絶。時折悪い箇所がありアイゼンに替えるが腿まで没するラッセルに耐えかねてすぐにスノーシューに戻すのを数回繰り返す。主稜線に合流するまで一切の容赦なくそれが続いた。尾根頭でようやく解放され絶叫。時間的にギリだがいろいろ考慮し乗越キメることにする。主稜線にはなんとトレースあり。この時期にここに来るなんてたぶん知り合いだろう。片手ピッケル片手ストック足はスノーシューでピークへ。あいにくガスってしまったが僕の心は晴れやかだ。夕陽に向かって西尾根を降る。コルまで降りきってC3。
強く激しく美しく命を燃やした一日だった。

Day4(12/30) 曇りのち晴
C3(7:00)ペテガリ山荘(11:30)神威山荘(16:00)=C4
トレースの主も西尾根を降ったようで、ありがたく拝借しながらのんびり降りる。挙動から察するにルーム関係者ではない気がする。思ったより天気が良くて今日も普通に乗越せそうだったがまあどうでもいいや。ペテガリ山荘は一度入ると出れなくなるので惰性で通過。記憶を頼りにベッピリ乗越して神威山荘へ。
大事なものはだいたい全部そこにある。

Day5(12/31) 吹雪
C4=C5 停滞
ここまで来ればどうとでもなるのだが、外は吹雪だしやっぱり山で年越ししたいので停滞。
物を乾かし、薪ストーブの火を弄りながら2023年を振り返る。
今年は物事が悪い方向に転びがちな一年だった。春には自分が遭難事故、夏には歳の近い山仲間が亡くなり、秋から冬にかけては山に行こうとしたら車を2台立て続けにオシャカにしてしまった。
でも最後の最後でこんな山ができたんだから、まだまだ人生捨てたもんじゃないってことだ。きっとそうだ。

Day6(1/1) 雪のち晴
C5(2:00)ゲート(5:30)神威橋(7:00)上野深のおじさん(9:00)
昨日たくさん昼寝したので23:55に起きてラジオ聴きながら年越し。ゆっくりと準備と掃除をして出る。全てを理解してしまっている林道は暗いうちに歩くのが吉である。
降りてきてからのことをちゃんと考えていなかったのでとりあえず浦河目指して海がありそうな方に歩いてたら、上野深のほぼ最終人家で雪掻き中のおじさんに声をかけられる。人と話すのが1週間ぶりなので少しまごつく。あの山の向こうから来た、浦河に向けて歩いてる云々を説明すると「ちょっと待っちょれ」と家に消えて数分後に熱々のコーヒーとトーストを持ってきてくれた。その上、浦河のバス停まで車で送ってくれてもう涙ちょちょぎれそうだ。

今年はいい年になりそうである。

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コメント

全身日高体操からの浦河のおじさんのくだりで涙ちょちょぎれました。
2024/1/5 23:06
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1
ナイスクライミング!AACHは強いですね。薮は戦意喪失しそう。トレース(知り合い?)誰なんだろうね。
2024/1/19 12:35
daizouさん
トレース主はまあ妖精ってことにしときます。
ところで靴擦れなんですが、今回ガーニーグーっていうアドベンチャーレース用?のクリーム使ってみたら終始快調でした。
2024/1/19 12:50
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1
Nakagawa2019さん
情報ありがとうございます。こちらはパートナー西田氏持参のプロテクトJ 1ってのを使用しました。これもなかなかgoodでした!
 (今回マメは右小指のみでした)
2024/1/19 12:55
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1
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無雪期ピークハント/縦走 日高山脈 [3日]
ペテガリ岳・神威岳
利用交通機関: 車・バイク
技術レベル
5/5
体力レベル
5/5

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