札内岳西面直登沢(エサオマントッタベツ川山スキー沢)
- GPS
- 22:10
- 距離
- 46.7km
- 登り
- 1,792m
- 下り
- 1,743m
コースタイム
- 山行
- 5:06
- 休憩
- 0:08
- 合計
- 5:14
- 山行
- 9:50
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 10:37
- 山行
- 3:33
- 休憩
- 2:58
- 合計
- 6:31
15日(火)3:00(起床)5:20→6:36(c996m二股/西面直登沢出会い)→6:46→10:44(稜線)→11:10(札内岳)11:47→15:57(c850m二股)
16日(水)3:00(起床)5:28→7:05(林道)→8:06(ピリカタンヌ沢林道入口)→8:08(トッタベツヒュッテ)8:33→9:33(自転車デポ地点)→10:06(トッタベツヒュッテ)11:06→11:59(車止め)
天候 | 曇り(山中は終日霧ション) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
|
写真
感想
・おしめの頃からキャンパーだった上の子が大学受験の年となり、毎年恒例の家族キャンプが終わりを告げた。夏休みの前半を沢山行、後半は家族キャンプで疲れた体を癒すことが多かった。一抹の寂しさを感じながら、今年の夏休みの沢を考える。
・昨年8月の大雨災害で日高の林道は至る所で通行止めになっており、日高の山が遠くなったことが北海道新聞で報道されていた。
・そんな中でも札内ヒュッテまでの道道が開いているというので、尾根越えして歴舟川に入ってヤオロに登るか、八の沢を遡行してコイボクシュシビチャリ川に下りて、そのまま本流を遡行してカムエクを登ろうかなと考え、会に仲間を募る日高の!!沢に同行してくれる者はいなかった。
・ひと昔前であれば、単独で日高の!!沢をやる自信があったが、7月下旬に行ったポンヤオロ遡行に照らし合わせれば、今の俺が単独でやれる日高の沢は!☆で一杯一杯だろう。
・ある方のSNS投稿で戸蔦別川林道が通行止めになっている箇所を知った。エサオマントッタベツ林道分岐まで約13km徒歩移動可能とのことだったので、自転車を併用してエサオマントッタベツ川にアプローチし、未遡行の札内岳西面直登沢(通称「山スキー沢」)を登って、札内岳からエサオマントッタベツ岳まで藪漕ぎして、エサオマントッタベツ川を下降することとした。
・計画立案時の長期予報では山の日を含む三連休の天気は今一、連休明けは晴れだったが、終わってみれば道東の8月2週と3週の天気は曇りで低温、山は9月上旬から中旬のような気温だった。
・林道のアプローチに自転車を使ったのは、正しい選択だったのかは疑問。効用がまったくなかったわけではない。少しは時間短縮につながったとは思うが、車止めからヒュッテまでは1/3、ヒュッテから昭和の沢手前までは2/3しか自転車走行ができなかったし、落橋箇所の通過が面倒だったことを考えると、素直に歩き通した方がよかったかもしれない。
・林道の状況やいくつもの橋が落ちている状況を見ると、廃道にならないことをただやだ祈るのみ。エサオマントッタベツ岳のアプローチは、徒歩3時間半がスタンダードになるのかもしれない。
・トッタベツヒュッテは無傷。車止めから約4km、徒歩1時間だろうか。1時間程度であれば無理なく歩ける距離だろう。
・カミナドーム2を新調し、今回の山行で初使用。ポール込みで1.4kgというものの、ツェルトよりは重い。キリションの天気の中でも快適に眠ることはできたが、キリションで濡れてたテントは2kg近くになったような気がする。フライのはっ水性能に疑問ありで、現在メーカーに問い合わせ中。
・15日の朝は3時起床。濃い霧に覆われて、テントのフライはぐっしょり濡れていた。遡行意欲とモチベーションが下がる一方だった。遡行すべきか下山すべきか、それが問題だとマクベスばりに悩む自分だった。下山を決め込むには早い時間と気象条件だったので、取りあえずこの沢の、ウリとされているナメを見に行くこととした。
・エサオマントッタベツ川は一枚岩でゴム底の沢靴が効きそうな岩質。本流から分岐する札内岳西面直登沢(山スキー沢)は、某ガイドブックによるとc1100~1400m間に素晴らしいナメが続くらしい。
・確かにナメと滝が続く沢だった。天気が良ければ美しいナメを堪能できたであろうが、山の中は終日霧ションで全身ずぶぬれ、不快指数120%、ただただ早く山頂に抜けることだけを考えていた。
・恥ずかしながら、熊鈴、熊スプレー、テントなど軽量化にほど遠い装備を持ってしまい、荷は重かった。これでは登れる滝も安心して登れない。1回だけ空身で登って、ロープを固定して登り返した。
・源頭の喬木とハイマツ漕ぎに難儀した。源頭の藪漕ぎには自信があったのだが・・・。この時はまだエサオマンまで藪漕ぎするつもりだったので、3Lの水を担いで更に荷が重くなったのが、原因かもしれない。
・稜線に上がって、足がもつれている自分を見て、これが50歳になるということかと悲しい現実を認識。
・霧雨の札内岳に着き、モチベーションが途切れてしまった。ピリカペタヌ沢を下山することにした。
・ピリカペタヌ沢は、9年前に北面直登沢(ガケの沢)を遡行した時にも下降した沢。それなりの滝が出てきて複数回のラッペルを強いられ、遅々として高度が下がらなかった記憶がある。
・札内岳から源頭までは明瞭な踏み跡がいざなってくれた記憶があったが、今回は早々に踏み跡を見失ってしまい、藪を濃いだ。
・沢の下降が不得意なこともあり、今回も複数回ラッペルした。
・ヒュッテまで下りられるかなと密かに思っていたが、今の自分には夢のまた夢のこと。16時まで行動して、ようやく850m二股。ここで行動終了。
・終日キリションで薪はすべて濡れていたが、それなりに良い焚火ができたが、霧雨が激しくなったので、濡れた服を完全に乾かせぬままテントに入ることとなった。
・翌日、一晩寝て元気な体になっても、ヒュッテまで2時間半を要した。
・地形図に記載されているピリカペタヌ沢沿いの左岸林道は至るところで崩壊し沢になっていた。
・ヒュッテに荷物をデポして自転車を回収し、下山。ヒュッテで下山準備をしているときに女性の単独登山者が上がってきた。彼女は、ピリカペタヌ沢を遡行して札内岳に登るとのことだった。無事、ピークを踏んだだろうか。
・日高の沢は、やはり他の山域の沢とは別格だが、今回は沢を楽しんだというよりは、日高の沢コレクションをひとつ増やしたにすぎない感が否めないのは残念。
・そして、50才になったことを痛感することになった山行となった。下山後の体の痛みと回復がひと昔前のようにならない。体力、沢を見る目、滝を登る技量、草付き、ガレ場を巻く、精神的な強さ、モチベーション、すべてが衰えている。
コメント
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初めまして
一人で行かれるとは凄い
これだけ林道が崩壊していると日帰りは無理ですね
はじまして。
トッタベツヒュッテまで徒歩で約一時間くらいです。ピリカペタヌ沢から札内岳や勝幌に上がれますが、日帰りは厳しいのではないでしょうか。行けたとしても、時間に追われてリスクが増すと思いますし、沢を楽しめないと思います。
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