爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳と針ノ木岳 山バッジを買いに行こう
- GPS
- 32:00
- 距離
- 34.1km
- 登り
- 3,410m
- 下り
- 3,410m
コースタイム
- 山行
- 8:45
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 10:25
天候 | 9/9 晴れのち曇り 夕方から一時雨 9/10 晴れ時々曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
4:50到着で9割程度の埋まり具合でした |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所はありません |
写真
感想
山バッジ…1つにつき数百円でも、集め始めると結構な金額になってしまいます。最初のうちは3,000m以上の山限定で購入していました(剱岳と八峰キレット小屋は例外として購入)。
しかし、一昨年の大キレット以降、なぜか収集を開始してしまいました。このため、それまでに登った山域については再度訪問せねばなりません。特に何度か登っていた後立山連峰については1つも購入していなかったため、効率よく購入するためにはどうすればいいだろう?と考えていました。また、新越山荘には私の不注意で一昨年に大変お世話になったため、お礼を伝えたかったこともありました。
扇沢から鹿島槍ヶ岳日帰り、針ノ木岳周回を日帰りで実施している健脚な方のレコを見て、鹿島槍ヶ岳までの登りが長く感じたことと、(悪天候の中の)針ノ木岳時計回りがキツく感じたため、往復の車の運転を考慮すると私の体力では日帰りはとても無理だろう…と半ば諦めていました。
そこで、鹿島槍ヶ岳に登るためには時計回りだと初日に種池山荘まで辿り着く必要があり、これには自信がありません。また、疲れた足で柏原新道を下るよりも、針ノ木雪渓を下る方が楽だろうから、反時計回りの方が楽かな?と計画した昨年の夏。ところが諸般の事情で山行どころではなくなり、それでも日帰りならかろうじて可能でしたが、やはり自信がなく見送ったのでした。
今年になって、若干状況は違えども諸般の事情で休日の行動が制限されてしまい、どんどんと体力が低下していくのを実感していました。しかし、先週の御殿場口からの富士山にて、トレランの方の登り方を参考にして登ってみると、慣れないスタイルのためかなり足に張りを覚えましたが、下山後は筋肉痛になりませんでした。これなら大丈夫かな?幸い、この夏の週末で一番天気が良さそうで、さらには急遽テント泊ができることとなったため、実施することにしました。
9/9
4:50に大町市営第2駐車場に到着すると、9割くらいの埋まり具合いでした。晴天予報だし、今日は混雑するだろうな。一昨年の自分のレコで復習し、準備をして出発です。
柏原新道はとてもよく整備されているため、今回はテント泊装備であっても順調に登ることができました。視界が開ける場所から見える針ノ木雪渓の雪が非常に少ないことが気になりながら、種池山荘に到着。
早速テントの受付をしてテント場に向かうと4張りありました。テント札の番号が「1」だし、この4つのテントにはテント札がぶら下がっていない(18:00にスタッフさんが回収します)ので、おそらく前日から泊まっているのでしょう。
種池山荘のテント場はとても平らであるため、奥の方の雨水が流れた後を避けて設営開始。ペグを無料で貸し出しているほど大きな石がなく、いつも通りペグに張り網を通したあと、数少ない握りこぶし程度の小さな石を集めてきて固定しました(←これが後でかなりムカつくことになろうとは…)。
設営中に3組の方が到着し、この中で埼玉から来られた男性とお話しながら設営を終え(翌日の下山時まで何度かお話しました)、冷池山荘オリジナルの星空バッジ(15番)を目指して、出発しました。鹿島槍ヶ岳に登るかどうかは、冷池山荘で判断しよう。
ユルユル登って、爺ヶ岳南峰に到着。既に鹿島槍ヶ岳には雲がかかり始めていました。この分だと、今回も真っ白かな?
その後中峰にも立ち寄ってから冷乗越へ下る際に、前回は気が付かなかった、帰りの登り返しがキツイのではないか?と感じました。ほぼ予定通りに冷池山荘に到着し、早速お目当てのバッジを購入。まだ体力的に余裕があったので、昼食を済ませて鹿島槍ヶ岳を目指しました。
相変わらず平らな箇所が少ないテント場では、平らな場所は既に押さえられてしまっている感じでした。冷池山荘でテント泊をする場合には、なるべく早めに到着した方が良さそうです。
歩きやすい道を登って、布引岳に到着。この頃から雲が切れてきて、この状態を維持してほしいと願いながら登って鹿島槍ヶ岳南峰に到着。結構な賑わいでした。前回は真っ白だった南峰。今回は北峰と八峰キレット小屋が見えました。へぇー、八峰キレット小屋はあんなに下ったところにあったのか…などと感心しながら、五竜岳が姿を現してくれるのを待ちましたが、中腹までしか確認することはできませんでした。
さて、北峰をどうするか。同じく前回真っ白だったので、せっかくだから行こうかと悩みに悩みましたが、コースタイム的に種池山荘へ戻るのが暗くなってしまうので、断念しました。
そうとなれば、下山開始です。45分を過ぎたあたりでザックをヘルメットにぶら下げた若い男性と女性が苦しそうな足取りでゆっくりと登ってきました。ん!?このペースでは、南峰への到着が15:00くらいになるのではないか?確認すると「八峰キレット小屋泊です」とのこと。おそらく雨は大丈夫だと思うけれど、到着前に暗くなってしまうのではないか?それでも「慌てずに進んでくださいね」とひと声かけました。余計なお世話かもしれませんが、もっと早くスタートしないとダメでしょうに。
冷池山荘のテント場は、もちろん斜めで残り3張り程度分しか空きがなく、今到着した方が呆然としていました。しかし、冷池山荘に到着するまでに3組のテント泊装備の方とすれ違いました。種池山荘はどうなっているだろうか?
爺ヶ岳への登り返しに備えて、冷池山荘で少し休憩。爺ヶ岳への登りでも、数組のテント泊装備の方とすれ違いました。果たして場所は残っているのでしょうか?
冷池山荘からは長く感じましたが、この時間でも珍しく立山方面に雲がかかっておらず、眺めながらのんびりと歩き、爺ヶ岳の中峰と南峰は巻いて種池山荘に16:00に到着。あれ?鹿島槍ヶ岳で北峰に寄っても良かったかな?それと、何となく日帰りもできそうな気がしました。
玄関前のテーブルでは団体さんが宴会をしていて、その脇で針ノ木岳方面眺めながらお疲れさま会をすることに。テント場に戻ると、張り網を固定した石がなくなっていました。周りを見渡すと、隣のテント張り網に見覚えのある形の石が使われていました。石を使いたければ、早く到着すればいいのに…。なぜ人のテントから奪うかな?また、全室のペグが躓いたか何かの拍子に抜けたのでしょう。明らかに足で踏んで地面に刺した形で深くに埋没していて、さすがに頭にきました。
犯人は何となくわかりますが…残念な気持ちでいっぱいでした。気持ちを切り替えてビールを購入。風が少し冷たく感じましたが、ライトダウンで間に合いました。
テント場に戻って夕食の準備をしていると、雨が降り始めました。先ほどの二人組は、無事に八峰キレット小屋に辿り着いたのだろうか?余計なひと声をかけたことを少し申し訳なく思いました。
夕食を済ませ、18:00過ぎにテント札が回収されました。明日の方が大変だから、早めに休むことにしよう。ところが、標高の割には賑やかでした。扇沢からそんなに苦労しないで登ってくることができるし、翌日は爺ヶ岳ピストンくらいで終わらせるのであれば、元気が有り余っているのかな?「水を買いに行ったけれど、「容器がない」と言ったら売ってくれなかった」と怒っている声が聞こえてきたときは、なぜか微笑ましく感じました。
9/10
ナイトハイクは原則しない派のため、3:50に起床。朝食を済ませ荷物を整理して4:30からテントの撤収をしていると、トレランの男性がテント場に迷い込んできました。どうやら針ノ木岳方面に進みたいようなので、道を教えました。これがあるから、なるべくナイトハイクはしたくありません。
埼玉から来られた男性が先に出発し、私は明るくなった5:15に出発しました。少し下って、すぐに登り返しが始まります。少し冷たい風が吹いていて歩いている分には丁度よく、これならバテずに進むことができるかな?明るくなってくると、立山と剱岳には変な雲がかかってしまいましたが、後ろを振り返ると昨日は見えなかった五竜岳、さらには白馬岳も見えました。
少し際どい道を通過して、岩小屋沢岳に到着。針ノ木岳はまだ遠いなぁ。途中の分岐で40m戻って新越岳を踏み、また戻って大きく下ると新越山荘に到着しました。
早速オリジナルバッジを購入し、一昨年のお礼を伝えました。朝早く忙しい時間であろう中、10分間ほど丁寧に対応していただきました。この山荘グループのスタッフさんは、皆さん親切であるような気がします。次にここを縦走することがあれば、新越山荘に泊りたいな。
針ノ木岳方面に雲がかかり始め、少しガッカリしながら進みました。鳴沢岳への登りは、ちょっとした岩場。雨の中の下りは面倒でしたが、今日は問題ありません。むしろ、岩場の方が標高を稼ぎやすくて楽な気がしました。鳴沢岳を通過して、赤沢岳に進みます。このあたりは歩いていて気持ち良かったです。
立山ロープウェイが真正面に見える赤沢岳に到着。感覚的には、ここが種池山荘と針ノ木小屋の中間点といったところでしょうか。ここから見えるスバリ岳と針ノ木岳への登り返しが大変そうに見えました。蓮華岳に行くことは可能だろうか?
赤沢岳からの下りは少し崩落気味で、山と高原地図では危険マークが記されている箇所。しかし、それほど危険に感じることはありませんでした。その後、9:00に汽笛が鳴って、黒部湖を運行中の遊覧船ガルベが見えました。乗船していた方からは、私の姿は見えたでしょうか?
こんなにザレていたかな…という道と岩場を登ってスバリ岳に到着。ここで、埼玉から来られた男性に追いつきました。少しお話をして先に進みます。
登りと同じくザレた道を下り終えると、先ほど同じようなザレた道と岩場の登りとなります。前回は明け方に雨が降っていたから道が湿っていて、ザレている感じが気にならなかったのかな?この道は、種池山荘から歩いたほうが楽かな?などと考えながら登り続け、針ノ木岳に到着。
予定よりもよりも早く到着することができました。これなら蓮華岳に行くことができる!と思いましたが、下山することがもったいないくらい良い天気で、周りで休憩している方々とお話しながらのんびりしているうちに、期待していた針ノ木雪渓の下りが夏道であることが頭をよぎり、蓮華岳は断念することにしました。
ここでの話題の中心は、縦走するならどちらからが楽か?でした。皆さんとお話した結論は、ザレ場を登りにしたいこと、針ノ木雪渓をガンガン下ることができることを考慮すれば、種池山荘方面からの縦走が楽ではないか?というものでした。また、新越山荘に泊まる場合でも、針ノ木小屋からの距離を考えれば、やはり種池山荘方面からの方が楽なのではないか、という結論にも至りました。
針ノ木小屋までの下りもザレていて、結構下りにくかったです。針ノ木小屋に到着し、針ノ木岳と蓮華岳のバッジを購入し、今回の目的を達成しました。蓮華岳は断念したので、槍ヶ岳を眺めながら昼食にしました。今日は絶好のジャンダルムアタック日和だろうな。今年も挑戦できなかったな…。心の中でモヤモヤしていると、埼玉から来られた男性が到着し、一緒に下山することになりました。
この男性は「下りではストックを使う。この方が楽だから」と仰っていましたが、扇沢へのザレた急傾斜の下りをピューッと下って行き、あっという間に取り残されてしまいました。私はこれまでに一度もストックを使ったことがありませんが、この時ばかりは下りだけでも使用してみようかな?と考えてしまいました。
雪渓が見えても夏道で、これがが予想以上に歩きにくい道でした。ザレている箇所が多く、足を滑らせると雪渓と沢の隙間に転落してしまいそうで、いつも以上に慎重に下りました。
途中で横断する沢で顔や手を濡らしてクールダウンしながら下り、鎖場を下って短い橋を渡ると、ほんの数mの雪渓歩きがありました。もちろん、持参した軽アイゼンを装着する必要はありませんでした。
樹林帯に入り、大沢小屋まであと200mという標識をを見て、大沢小屋は近かったような記憶が蘇りましたが、何気にアップダウンがあり、遠く感じました。既に営業を終えている大沢小屋では、裏手にあったはずの水場とトイレも撤去されていました。
この先も下り基調のアップダウンが続き、標高が下がったこともあって暑くなってきたので、途中の湧き水で冷たい水を補給して生き返りました。
登山口に到着すると、この先は扇沢駅まで舗装路と登山道の交差が繰り返されます。登山道と舗装路の距離が変わらないような気がしたので、今回は敢えて舗装路を選択。ちょうど団体さんが下っていて、事情を説明して登山道と舗装路で競争してみたところ、登山道に軍配が上がりました。しかも、扇沢駅手前のゲートでは、守衛さんに「登山道を歩いてください」と注意されてしまいました。当然ですよね…反省です。
ここで団体さんとお別れし、扇沢駅を通過して大町市営第2駐車場に到着。ゴールとなりました。
埼玉から来られた男性が荷物の整理をしていて、お風呂はどうするか尋ねられました。私はいつも薬師の湯を利用していて、種池山荘で割引券をいただいていたことから、「薬師の湯」と伝えると、「上原(わっぱら)の湯」を薦められました。
先に男性が駐車場を出発し、私は荷物整理やら電話を済ませてから、せっかくだから上原の湯に行って少しお話でもしようかなと現地へ向かうと、既に男性はお風呂から上がってしまったようで、車がありませんでした。しまった…お話しできなかった。途中で何度か話しかけていただいたこと、お風呂を紹介していただいたこと、この場を借りてお礼申し上げます。
観光客や登山者でいつも混雑している薬師の湯とは異なり、上原の湯は地元の方がほとんどで、とても空いていました。料金は400円で東京の銭湯よりも安く、これからはこのお風呂も利用しようと思いました。
当初予定していた鹿島槍ヶ岳北峰と蓮華岳を断念してしまい、消化不良ではありますが、目的を達成することができたことまた、最近不安であった体力面の不安がある程度解消されたことで、それなりに満足しています。
それと…健脚者向けと思っていた扇沢から鹿島槍ヶ岳日帰り、針ノ木岳周回の日帰りは、私のようなノーマルハイカーでも可能であることがわかりました。私は計画することはないでしょうし、やりたいとも思いませんが………。
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