白峰南嶺(笹山〜笊ヶ岳)
- GPS
- 21:51
- 距離
- 43.4km
- 登り
- 4,168m
- 下り
- 4,499m
コースタイム
- 山行
- 7:34
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 7:58
- 山行
- 5:51
- 休憩
- 0:22
- 合計
- 6:13
天候 | 11月3日(金):快晴! 11月4日(土):曇り・強風/夕方には雪がハラハラ 11月5日(日):快晴! |
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過去天気図(気象庁) | 2017年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
●クルマ:奈良田湖駐車場(無料/7時ごろ到着時先客なし) <帰り> ●バス:雨畑〜大島(乗合タクシー/前日19時までの事前予約制) http://www.town.hayakawa.yamanashi.jp/people/pdf/ooshimaamehata.pdf ●バス:大島〜奈良田(早川町乗合バス/1日4便) http://www.town.hayakawa.yamanashi.jp/people/pdf/20160314143609332.pdf タクシー:雨畑〜奈良田で1万円ほど |
コース状況/ 危険箇所等 |
●奈良田バス停〜笹山(黒河内岳) ダイレクト尾根と呼ばれる樹林帯の尾根道をひたすら急登します。 奈良田湖から笹山南峰までは高低差およそ1900m。 スタートは奈良田の吊橋を対岸へ渡るところから。 吊橋の終点を左側に降りてダム施設の脇を通り過ぎ、 沢を渡ると堰堤に突き当たり上流へ進むとほどなく笹山への登山口が現れます。 この日は沢の水量が豊富で100mほど上流に遡って渡渉しました。 登山口から送水管施設までは鉄パイプの手すりが付いた九十九折の急登。 1050付近で尾根に乗ってからも基本的にはテープ・リボンの類は豊富です。 1603で水場分岐あり。 2210付近の尾根の合流点で眺望が開け、北側に北岳と鳳凰三山が望めました。 2300mの窪地付近で急登がいったん緩み再びの急登後、 もう一度傾斜が緩むと突然開けた場所に出ます。ここが笹山南峰です。 さらに進んでいくとようやく森林限界を超えて ガレ場のハイマツ帯を少し登ると笹山北峰に到着です。 ●笹山〜伝付峠 笹山南峰からしばらくは、ハイマツ帯と露地のプチ藪漕ぎとなります。 ところどころにピンクテープなどのマーキングがあります。 尾根上から外れる場合は基本西側に踏み跡がついています。 2550付近から樹林帯に入るとルートは明瞭に。 2525付近で樹林帯の窪地を通過し小ピークを通過しながら白剥山(2237.7)を 経由して奈良田越(1980)まで、笹山南峰から高低差700m強を下ります。 奈良田越の手前からワイヤーや廃屋などかつての人の気配が出始めます。 奈良田越からは伝付峠までは廃林道歩きとなります。 2050付近で広場に出た後、2060付近で崩落地に当たります。 ここはそのまま通過できそうな感じでしたが、 東側から高巻きするように踏み跡とマーキングがあったのでこちらを利用。 廃林道は2155付近を頂点に奈良田越から高低差170mほど登り、 伝付峠まで170mほど下ります。 ●伝付峠〜笊ヶ岳 伝付峠からも引き続き廃林道を進みます。途中2箇所で分岐がありますが、 どちらも尾根側にルートをとります。 保利沢山の山腹を通過するとほどなく林道終点へと至り (その手前からクルマが通れるような感じではありませんが…)、 ここから尾根筋に入って高低差100mほど登ります。 その後、登山道は尾根の西側をおよそ2kmほど延々とトラバースし、 尾根筋に復帰してひと登りすると天上小屋山です。 天上小屋山は3つのピークから成っていて一番南側に頂上標が立っていました。 天上小屋山をすぎると苔むした樹林帯の中を緩やかにアップダウンし、 鞍部から高低差200mほど登ると生木割山へと至ります。 山頂にはCATVのアンテナが置かれています。 生木割山から80mほど下ると樹林帯の中からポッカリと西側が崩落した ガレに飛び出します。 ガレの淵を進んで偃松尾山の直下で樹林帯に再び入ります。 偃松尾山の山頂は縦走路から少し外れたところにあります。 偃松尾山を過ぎると鞍部まで高低差200mほど下り、 緩やかに100mほど登り返して椹島下降点を見送った後、 高低差200mほど急騰すると笊ケ岳へと至ります。 ●笊ヶ岳〜老平 笊から布引山までは苔むした樹林帯の稜線歩きとなります。 笊から鞍部まで高低差200mほど下り、160mほど登り返します。 布引山から桧横手山までは高低差500mほどを一気に下ります。 布引山直下は西側の視界が開けるガレ場が現れます。ここが布引崩れ。 ガレ場は泥濘んでいて滑りやすいので注意が必要。 桧横手山付近でいったん緩みますが、すぐに再び急斜面の下りとなり、 山ノ神まで高低差800mほど下ります。 標高1800m付近から植生が広葉樹林帯にガラッと変わり、 足元は大量の落ち葉で滑りやすくなります。 山ノ神から尾根筋を離れ九十九折の急斜面を高低差400m弱下ると 広河原へと至ります。渡渉はギリギリ飛び石でOKでした。 広河原からは左岸の岸壁沿いに吊り橋や鉄製の橋、壊れた橋、崩落地、 天然シャワーなどを通過しながら進みます。 ただし、崩落箇所は落石に要注意。 廃屋が現れるとほどなく広場へと至り、ここから平坦な林道歩きになり、 2kmほど進むとゲートが現れ老平に到着です。 ※水場 伝付の水場は峠から300mほど下ったところにあります。 正規の水場は細かったので10mほど下った沢の水を利用しました。 今回のルート中、伝付以外に笹山ダイレクト尾根の1603の水場と 偃松尾山の南の上倉沢の水場がありますがどちらも未確認です。 |
写真
感想
3連休は白峰南嶺の笹山から笊ヶ岳までをつなぎました。
がんばって1泊2日にするか、ゆとりの2泊3日するか
直前まで迷ってましたが、
3連休の中日の南アは風速20m以上が予想されていたため、
2泊3日の余裕のある行程を組みました。
金曜夜出発はツライところですが、
ここのところの週末の度重なる悪天で
山に長く居たいなぁという気持ちもあり…。
1日目。
7:30に奈良田湖を出発。長いつり橋を渡って笹山の登山口へ。
以前通った時には涸れていた沢が、本日はザーザー流れていて、
komemameが渡れそうなところを探しながら上流へ100mほど遡って渡渉。
笹山の登山口からは九十九折の急登。
アイゼンやダウンの上下、象足など冬装備に加えて
明日の伝付まで水場がないため、たっぷりと水を背負ってザックが重い。
今日の行程は「ミニマムマストが笹山、あとは行けるところまで」
という感じだったからそんな焦りはなかったけど、
笹山までの登りが「こんなにツライのはいついらいだろ?」って
振り返るくらいにツライ。
登り始めてから6時間ちょうどで笹山南峰に到着。
すぐに空身で北峰へと向かいます。笹山の眺望は何と言っても北峰に限るんです。
景色を堪能してから南峰に戻りカンタンにゴハンを食べてから縦走路へ。
笹山からしばらくはプチハイマツ漕ぎとルーファイで少し時間がかかりましたが、
樹林帯に入ると踏み跡は明瞭になり、テープ類も豊富に。
15時を過ぎた頃からテントを張れそうなところを探しながら下り、
15時半、地図上の「ピーク横の小さなコル」付近で幕営。
この日は夕方ごろから前線の通過で翌日にかけて
風速20m以上が予想されていたため、
全てのペグを使ってテントをしっかり固定。
夜中の3時ごろからゴウゴウと風が吹き始めました。
2日目。
すごい風の音に苛まれながら起きるも、歩くのには危険を感じ、
強風が続くようだったらこの日はこのまま停滞し、翌日伝付から新倉に
エスケープすることも視野に入れ、様子見で二度寝を決め込みます。
8時半ごろテントに光が差し始めると同時にどなたかの鈴の音も聞こえてきて、
これに勇気づけられ重い腰を上げて出発準備。
10時半遅い時間になりましたがスタート。
奈良田越まで樹林帯の中、標高をグイグイ下げるため風の影響はほどんどなし。
なんだ、もっと早く歩き始めればよかったな。
でも、今回は行程に余裕があるから助かったな。
奈良田越からの廃林道を歩き始めると、
時折あられが降ったり、日が射したりと変化は激しいながらも
徐々に天気は回復する気配に。
伝付で水を補給後、ようやく廃林道を終えたと思うや否や、
今度は長い長いトラバース。
17時前に生木割山に到着。山頂はフカフカ地面の幕営適地があり、
ちょうど日も暮れてきたので今日はここまでとします。
テントを張っていると思いがけずの雪がちらつきましたが、
ゴハンを食べて眠りに就く頃には、テント中まで光が入ってくるほどの満月に。
この日の行動時間は6時間ほどと少なく、
しかも前日たっぷり寝たせいか、珍しくなかなか寝付けませんでした。
3日目。
暗いうちからスタート。
偃松尾山のガレ場では明るい月の元、これから向かう笊と
赤石や荒川の黒いシルエットが見えて幻想的な感じです。
笊ケ岳との鞍部に向けて下り始めると徐々に東の空が明るくなり
赤く染まった空に均整の取れた富士山のシルエットが浮かび上がり
その富士山の横からご来光を眺めることができました。
笊への登り返しの途中にで樹林帯が一瞬途切れるところがあり、
ここからモルゲンロートの赤石&荒川が見えて感動。
そして、6時半すぎに誰もいない静かな笊に到着。
ド快晴の下、南アのメジャーピークはほぼ全ての望むことができ
笊の山頂はやっぱり超一級品とため息。
もう少し山頂に居たかったけど、後ろ髪を引かれながら下山開始。
ここから老平まで高低差およそ2100mを一気に下ります。
最初は調子がよかったものの桧横手山を過ぎて標高1800m付近の
植生が変わるところからkomemameの足がガクガクになってペースダウン。
山ノ神でひと息入れて広河原まで下ります。
渡渉後は岸壁に沿って進みますが、たくさんの鉄橋や吊り橋
(中には壊れた橋もあったり)、支沢の渡渉、
そして崩落地や天然シャワーの通過などアトラクションが
盛りだくさんで飽きることなく歩けます。
ただし、崩落箇所を通過しようとした瞬間に落石が起こり、
幸い間一髪で当たらずにすみましたが結構きわどかった。
廃屋を通過して林道を歩いて12時15分老平に到着。
なんやかやありましたが、予定通り歩くことができました。
ひさびさにちゃんと歩く。
いきなりの笹山ダイレクト尾根。
まえに日帰り装備で歩いたことがあったから、
まぁ、大丈夫かなくらいに思っていたけど、やっぱりキツかった。
水をいっぱい入れた荷物の重さがずっしり。
下半身とお腹の筋肉いっぱいにつかって登る感じ。
まわりに目もくれず、とにかくペースを乱さず、一歩一歩歩くのみ。
山頂に着いたときには、すでに力尽きる。
その先の軽いレベルであろう藪漕ぎも、わたしには辛いものだった。
ほんのわずかでも前をふさがれるのは、体もつかれるけど、精神的にもくる。
この日は奈良田越まで行こうという話もあったけど、
とても、とても無理。
夜は、つかれすぎてそれほど食欲もなく、18時過ぎには就寝。
吸い込まれるように眠た。
目覚めたのは、夜中の1時。
風の音に起こされ、そしてまた眠って次に起きたのは3時。
さらに風はつよくなって上空の方では、ボウボウいってました。
山の上のほうはすごい荒れているんだろうなぁと、
今自分がいる場所の穏やかさに安心しながら、またねむる。
すごい風の音のわりに、テントはほとんどバタバタしてなくて、かなり熟睡。
次に起きたのは、8時半くらいだった。トイレに行きたくてテントから出たら、
風は強いには強いけど、耐えられる感じ。
寝すぎて体が痛かったので、しばらくヨガをした。
それからテントに戻ったらすぐに、歩くひとの鈴の音がして、
あわてて、danyamaをおこして、支度にかかった。
すっかり出遅れた2日目。
まったく風の影響を受けることなく歩けた。
もっと早く行動していればと後悔するも、
休養たっぷりとって元気なものだから、
だったら遅くまで歩けばいいっかと思うことにする。
でも日が暮れてきて、気温が下がると、その気持ちもあっという間になくなってしまう。
はやくテントに入って、あったかいご飯が食べたいと思う。
テントを張っているとき、ちらほら雪が降っていた。
この日テントをはった場所は、まん丸の月と、下界の夜景が見渡せて贅沢。
朝おそくまで寝ていたせいか、あんまりよく眠れず。
3時の目覚ましで起きたら、すぐに外で人の声。
こんなに早く行動してるなんて、すごい。いったい何時に起きているんだ???
私には無理だ。
最終日はザルに行って降りるだけ。
山頂に向かう途中で日が昇り、その景色はほんとうに綺麗だった。
ありがたやーと思わずつぶやく。
4年ぶりのザルは、相変わらずすごい景色。
そして締めくくりの下山。これは初日以上に辛いものに。。
途中で足がプルプルしてしまい、力がはいらなくなってしまった。
久しぶりに味わった、こういうの。
なんだかこうして振り返ると、
1日1日それぞれ濃くて異なる3日間だった気がする。
歩ききった充実感はいっぱい。
おつかれさまでした。
コメント
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笊ヶ岳からの眺望素晴らしいですね。
2年前の11月上旬に笊ヶ岳に登った際、生憎の雨で景色が見えなかったんですが、写真を見てリベンジしたくなりました!
ハードな山行お疲れ様でした。
aonisaiさん
こんにちは。
笊は今回2回目でしたが、ありがたいことに2回とも快晴でした。
aonisaiさんは、一気通貫で南嶺を歩かれたのですね、スゴイ!
長い樹林帯を登り続けて、
ようやく抜け出た先に圧倒的な展望が開けるという、
いかにも南アらしい笊ヶ岳が、
aonisaiさんのように最後の最後に待っていたものは、
雨&ガスというのも南アらしい気がしますが(笑)
今回の山行で広河内から笊まで繋がったので、
笊から南を意識してますが、まずは青薙山かな。
コメントいただき、ありがとうございます!
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