夕闇危機一髪!日影雁ヶ腹摺山〜達沢山〜旭山
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- GPS
- 09:04
- 距離
- 14.9km
- 登り
- 1,293m
- 下り
- 1,462m
コースタイム
天候 | やや雲がかかりがちだが概ね晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2017年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
・往路(電車):つつじヶ丘(7:05)→調布(7:08|7:12)→高尾(7:40|8:10)→甲斐大和(9:04) ・復路(高速バス):中央道甲斐一宮(20:02)→中央道深大寺(21:18) ■JR高尾駅8:10発甲府行の混雑状況 7:47:JR高尾駅ホーム到着。電車は既に入線済み。先頭車両に行くが3人のみ! 8:00:乗車率60%くらい 8:04〜06:急に人が増える。乗車率90% 8:10:出発。乗車率100% 8:19:相模湖駅。結構降りた。空席も2,3あり。 ■高速バス ・最近よく使う高速バス。自分の場合は乗り換え不要でとても便利。値段も1500円とまずまず手頃。 ・スマホから予約できる。支払いは予約時にもできるが、自分はバスに乗るときに現金で支払っている。時刻表や予約手続きは以下のサイトから可能: ハイウェイバスドットコム:https://www.highwaybus.com/ ・下山後、温泉などで時間をつぶす場合は、下山直後に予約も可能。予約締切時刻は、乗車するバスの始発バス停発車時刻30分前まで。しかし、これは路線によっても違うことがあるため、上記サイトにて確認した方がよい。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
京戸山入口から達沢山は一般登山道なので道はしっかりしていたが、あまり整備されていないのか少々荒れていて歩きにくい。それ以外のルートはいわゆるバリエーションルートで、整備されたはっきりした道は無い。しかし、露岩の痩せ尾根等の危険個所は無く、尾根を外さず歩けば特に問題はない。 |
その他周辺情報 | ももの里温泉:http://www.fuefukinoyu.com/momonosato/ |
写真
達沢山ピークから道なりに進むと南尾根に誘導されてしまう。ピークから数メートル(南西方向へ)進んだところで北に向かうトラバース道のような薄い踏み跡があり、これを進むと北西尾根に乗ることができた。しかし、山名表示板の後ろから直接急斜面を下るのもありかも。最終的には、真西に伸びる尾根に乗ればよい。
尾根が西向きから徐々に北向きに変わっていき、漫然と進むとそのまま北向きの尾根に誘導されてしまう。どこかで左に曲がって西尾根に向かうポイントがあるはずだが見逃してしまった。登り返して正しい道へ戻ろうとすると、薄い踏み跡のトラバース道があった。間違える人はかなり多そうだ。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ズボン
靴下
雨具
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
カメラ
お風呂セット
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感想
■プロローグ
この山域に足を踏み入れるのは久しぶりだ。今回の目標は「雁ヶ腹摺山」シリーズの最後の未踏峰(^^;「日陰雁ヶ腹摺山(岩崎山)」に登ることと、2011年1月18日に行った「ナットウ箱山(京戸山)」から先のルート「達沢山」「旭山」に登り、最後に「ももの里温泉」に入ること。
思えばあれから7年近く経つのだが、このルートはずっと気になっていた。先延ばしになっていたのは、この時期、岩崎山への登路にて「くま」と鉢合わせしたという記事をWebで読んでビビッていたのもある。しかし、あれから随分経っているし、カウベルも用意したので(本当は静けさをぶち壊しにするので嫌いなんだけど)大丈夫かなということで決行した。
■日陰雁ヶ腹摺山(岩崎山)
甲斐大和駅近くのコンビニで水と食料を調達。甲州街道沿いに20分ほど歩くと鶴瀬橋に到着。ここを渡ってドックスクールの角を右に曲がって高速道路沿いを歩くと、左手に高速道路下をくぐるトンネルが現れる。ここを通って道なりに進むと今度は高速道路を横断する陸橋に出るので渡る。渡ってすぐを左に曲がっていよいよ登山開始だ。
車の走行音で下界っぽい感じではあるのだが、今日は鉄砲の音がちょくちょく鳴り響いていてちょっと怖い。荒れてはいるが舗装っぽい道をゆるく登ると、左手に尾根が見えてくるので適当に(と言うか、明確な踏み跡がないので)その尾根に取り付く。ここからは尾根通しに一直線に登っていく。踏み跡も明瞭だ。
740m付近まで登るとちょっと広くなっていて、小さな石の祠があった。ここから100m(高度で)ほどはかなりの急坂を登る。一般登山道ではないので、ジグザグ道など無く、踏み跡も不鮮明。とにかく直登する。そのうち、右側から尾根が合流してきて少し行くと傾斜が緩んだ。そこから岩崎山前山までは楽勝。山名表示板が見当たらなかったが、半透明プラスチックの衣装ケースの蓋が落ちている。よく見ると「岩崎山前山」とマジック書きされていた。
ここから、岩崎山までの高低差はさほどではない。楽勝ルートではあるのだが、途中、後方下の遠方から「ガオー」という咆哮のようなものが聞こえた。「くまかな?」と、一気に怖くなって足早に岩崎山まで向かった。まあ、結局何もなくてよかったのだが、不本意ながらカウベルは鳴らし続けた。
無事、岩崎山に着くが相変わらず展望は無し。何だか道の途中という感じの頂上だ。しかし、これで目標の一つは片付いた。あとはしばらく下る。踏み跡は明瞭で特に迷うところは無い。1050m付近の鞍部まで降りると、右手に林道が現れる。この林道を先に進むと雲母山へ向かうことになるが、今回は雲母山には寄らず、尾根を真っ直ぐに登って京戸山方面へ向かう。以前読んだ資料ではこの登りがかなり藪っぽいとのことだったが、人通りが少なそうな感じではあるものの、それほど藪で難渋することはなかった。
コブをひとつ越えて少し行くと、突然、野原のようなところに出る。ここが7年前に来た林道広場だ。あの時はまだ工事中で土が剥き出しのところだったが、今はすっかり整備されていて、見晴らしが良く気持ちの良い広場になっていた。ここで、遠くの景色を眺めながら昼食とする。
■達沢山
この先は長いので、休憩もそこそこに尾根の末端から京戸山方面へ登り始める。登山口のような看板は何も無く、薄い踏み跡を頼りにぐいぐい登り始める。ここからは一般登山道のはずなのだが、道の状況はあまり良くならない。登山道は堀のように抉られていて、そこに落ち葉が積もって足元がふかふかな状態。おまけに、大小の倒木が行く手を遮る。なんだが前回登ったときと比べると、全然整備されていないようだ。
とは言え、順調にナットウ箱山(京戸山)に到達。前回はここまで来て、Uターンしてカヤノキビラノ頭方面へ下ったが(このルートも気持ちの良い雑木林の道でお勧め)、今回はこの先の達沢山へ向かう。達沢山までは一般登山道なので特に問題無く達沢山に到着。目標としていた時刻の15時より10分早く着いたので、予定通り旭山方面へ向かうことにする。当日の日没は17:34だったので、日没まで2時間半以上の時間があり、余裕で下山に間に合うはずだった。
■旭山・蚕影山
達沢山で小休止してから出発。達沢山山名表示板の目の前を、ナットウ箱山からの道を延長するように道がまっすぐに南西へ続いており、他に道も無いようなので素直に下る。しかし、どうも道が南に向き過ぎているような気がして、現在位置を確認する。場所の確認は、GPSとGPS用の緯度・経度のメッシュを印刷した地図を使う。持参したGPSは緯度・経度の数字しか表示されないので、地図で場所を確認するには手間がかかる。後に、何回も現在位置を確認することになって、かなり時間をロスしてしまった。
で、現在位置を確認したのだが、旭山への尾根とは全然違う尾根(南尾根)を進んでいることが判明し、また達沢山ピークへ引き返した。地図上では北西への尾根に向かうことになっているのだが、ピーク直下からはそれらしき尾根が見えないし(後から考えると自分の見落としだった)、踏み跡も無い。しかし、ピークから南西へ数メートル下ると、ピークを回り込むようにして、件の尾根(旭山方面へ西に伸びる尾根)へ向かう踏み跡を発見!、直ちにそちらに向かう(道迷いポイント1)。
イマイチ確信が持てなかったのだが、何度か現在位置を確認して安心する。道そのものは踏み跡もおおむね明瞭。明るい感じの広葉樹の雑木林で快適。しかし、油断すると、左右に分かれる尾根の分岐点を見逃すなどのミスもあった(道迷いポイント2)。ここで時刻を確認するともう午後4時を過ぎている。達沢山から下山口までの道程の1/3ほどしか来ていないので少々焦り出す。しばらくは、平坦な道が続くので小走りで急いだ。途中、蜘蛛の巣が何回も纏わりついてくるが構ってはいられない。道は下り一本ではなく、ちょくちょくこぶ越えの登りもあり、足がつってきた。へろへろの状態ではあったが無事、旭山に到着。
ここから蚕影山までは、やや迷いやすいところがある。真っすぐ尾根を降りていると、実は正しい尾根は右方向に分岐していましたというパターンが2回ほど。正しいルートが一見尾根を外して谷に下るように見えるため間違えたわけだが、ここは正確な地図読みが必要だった。とは言え、あまり時間もなく焦りながら下ってようやく蚕影山に到着。ここで丁度、日没の時刻となった。
■日没
まあ、日没といってもすぐに暗くなるわけでもないので、まだまだ楽観していた。そして、下山口まであと100〜200メートル(水平距離で)という地点で傾斜が緩み、尾根が広がった(道迷いポイント3)。この辺りは伐採か何かの作業をしていた跡だろうか、踏み跡がたくさんあって、その中で特に左手の沢っぽい方へ降りる踏み跡がはっきりと見えた。少し躊躇したが、時間もないので沢っぽい方へ下る。しかし、4,50メートル進んだところで踏み跡が辿れなくなった。ふと気が付くと、あたりはもうだいぶ暗い。ここで完全に暗くなるとザックの荷物を取るのもままならないと思い、懐中電灯を取り出したが電池がセットされておらず点灯まで手間取ってしまった。そして、周りを見渡すともう完全に真っ暗。懐中電灯で照らされる範囲は意外に狭く、もと来た道もよくわからない。ここに至って、かなりマズイ状況であることを悟った。
■暗闇での道迷い
体もだいぶ疲れているし、なんだかかなりテンパってもいたので、ここでいったん休憩とする。もう、あとわずかで下界に降りことができるのは確実なので、コンパスで方向さえ決めれば出鱈目に降りてもなんとかなりそうだ。しかし、これだけ真っ暗な状況ではわずかな距離でも、強引に下るのはなんだか危険なような気もする。この時期、まだ夜になっても気温が高いので朝までビバークしても大丈夫そうだが、エマージェンシー・ブランケットだけでツェルトも無いし、夜中に「くま」とか「鎧武者の集団」とかに遭遇するのもいただけない。
いろいろ考えているうちに、以前調べたGPSルート報告では最後まで尾根沿いに下っていたのを思い出した。コンパスで東の方向を確認して、強引にもと来た尾根道へ向かう。少し登り返すと尾根道に出た。ここからは尾根を忠実に下ることに専念する。10メートルほど進んではGPSで現在位置を確認して、それを繰り返すことによって時間がかかっても確実に進む作戦とした。
ほどなく、先ほど沢へ下る踏み跡入口の地点に到着した。しかし、ここから先、尾根沿いに下る道がなかなか見つからない。じつは、頻繁に地図を見るほど、近くの明るいものを見続けることになるので、顔を上げて進行方向をみても夜目が利かないのだ。必然的に、懐中電灯で照らされる範囲での探索となってしまう。それでも、苦労しながらも下山路を発見!。尾根が狭くなってきて、勾配も急になってくると踏み跡もはっきりしてきた。そして、ついに目の前に動物除けのフェンスが現れて、出入口も見えた。出入口の直前に茨の塊みたいのがあって指に棘が刺さってしまい、最後の最後まで苦労させられた山行だったが、ついに下界に降り立つことができた。迷い始めてから3,40分くらいの出来事だったが、随分長く感じられた。
■エピローグ
フェンスを抜けると、目の前に桃畑が広がっている。相変わらず辺りは真っ暗だが、広い道まで歩く。広い道に出たところで、傍らに止まっている軽トラックのおじさんから話しかけられた:
おじさん:「大丈夫ですか?なんか懐中電灯の光が見えたので、ちょっと様子を見に来たんですけど。」
わたし:「あ、なんだかご心配おかけしたみたいですみません。ちょっと下山が遅れてしまったもので。でも、大丈夫ですのでご心配なく。ありがとうございました。」
と言うわけで、おじさんは帰っていった。この辺り、意外にきっちり管理されているのには驚いた。
もう、完全に安全圏内なので、道の傍らに座ってスマホの操作を再開。家への連絡と高速バスの予約をする。そして、Google Mapを見ながら「ももの里温泉」へ。もう、足は疲労でズタボロの状態だったが、温泉でだいぶ復活した。そして、ふろ上がりに生ビールを立て続けに2杯。こんなに美味いビールはなかなか無い!
温泉でゆっくりしていたら高速バスの乗車時刻が迫ってきた。20分ほど歩いて、中央高速道のバス停に到着。中央道甲斐一宮バス停は、高速道路の上を横切る陸橋を渡り切って、すぐ左に曲がったところで、停留所へ下る階段の入口がある。バスは数分遅れて到着。そして、これといった渋滞も無く、時間通りに中央道深大寺バス停に着いた。乗り換え無しでここまで運んでくれるので、これは楽ちんだ。
充実しきった山行もこれにておしまい。
■反省点
今回の山行では、日没後の道迷いという失態を演じてしまったのだが、その対策としての「教訓」を以下にまとめておこう:
・登山開始時刻は早めに。今回は遅すぎた。
・下界まで下るルートには、なるべく一般登山道を使う。道が明瞭であれば、懐中電灯でも降りることはできる。バリエーションルートを使う場合は、道迷いを想定した時間も組み込んで、日没まで余裕を持たせた時間で計画する。
・現在位置の確認には、スマホの「地図+GPSトラッキング」のアプリを使うのが望ましい。暗闇でも懐中電灯で照らす必要がない。今回用いた、「数字だけのGPS+緯度・経度メッシュを印刷した地図」では現在位置の割り出しに時間がかかり過ぎる。(とは言え、スマホ不調時の代替手段として後者も携行しておくべきだが)
・懐中電灯、GPSの電池は予備を多めに用意しておく。いずれの機器も暗闇で電池切れとなれば致命的となる。今回の山行では予備の電池が少なく、不安になった。
・懐中電灯の電池は予めセットしておく。
・やはり、日帰り登山と言えど、ツェルトはあった方が望ましい。
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