北ア縦走 鷲羽〜高天原〜雲の平
- GPS
- 104:00
- 距離
- 52.6km
- 登り
- 4,203m
- 下り
- 4,163m
コースタイム
2日目(8月4日) 5:45三俣山荘〜7:22鷲羽岳〜8:20ワリモ岳〜ワリモ北分岐〜8:59岩苔乗越〜10:03祖父岳〜10:34雲ノ平・祖父岳への分岐〜雲ノ平・高天原、11:34薬師沢への分岐〜11:40/12:35雲ノ平山荘〜13:34奥スイス庭園〜13:39雲ノ平森の道〜14:41高天原峠〜15:54岩苔乗越への分岐〜16:00高天原山荘
3日目(8月5日)
06:40高天原山荘-ルートを間違え引き返す-08:40竜晶池08:50-13:00岩苔乗越13:05-15:20黒部源流15:25-16:25三俣山荘
4日目(8月6日)停滞
5日目(8月7日)
04:30三俣山荘-05:30三俣蓮華岳05:40-06:50双六岳07:15-07:50双六小屋08:00-09:40鏡平小屋10:00-14:00新穂高温泉-温泉-16:50
天候 | 3日(水)晴れ時々雨 4日(木)曇り時々雨 5日(金)曇り時々雨 6日(土)終日雨、午後2時頃から雷雨 7日(日)晴れ後曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2011年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストの有 危険箇所無 要体力 |
写真
感想
(注)前泊〜1日目は私、2日目はOさん 3〜5日目はお師匠様記
前泊〜1日目(8月2〜3日)
深山荘のところの無料駐車場に運良く駐車出来た。小雨の中ヘッデンを付けてkくんにお借りした4人用テントを設営。暗闇での作業中ポールでお師匠様が口を突いた。目だったら大変だった。私の置き方がまずかった。気をつけないと。新穂高温泉に入って夕食を食べて就寝。トイレに行く時雲間から驚くほどのキラッキラの星空が見えて、山行中はお天気に恵まれますように☆とテントに入った。
登山届を投函。笠新道入口到着。3日後、私は笠に登る気まんまんだった。わさび平小屋到着! お師匠様からアミノバリュー3000を頂いて、飲む。なんだか元気が出た気がした。日焼け止めを塗る。わさび平小屋の前のすいかやリンゴ。美味しそうだった。カッパを着たり脱いだり暑くて腹を出して歩いていた。すれ違う時は腹を隠す。小池新道入口到着〜秩父沢〜イタドリヶ原〜シシウドヶ原きれいな青空と夏の雲の景色を眺めながら来て良かったなぁ〜としみじみ。
鏡平に到着。曇り空(涙)晴れたら槍は何処に見えるのですか?木デッキの上ストレッチと腰痛体操。保健所のお兄さん達と写真を撮りっこ。鏡平山荘到着 カメラマンが一週間ぶりに晴れたと教えてくれた。花見平はお花畑だらけだった。チンクルマの使用後はちびまる子ちゃんに出てくる花輪君みたいな髪型みたいでかわいい。双六岳までは中道コースで行くか、巻き道で行くか迷って、ガスっていた為、中道コースで行くことになった。盛況の双六のテンバを横目にもうひと踏ん張り。小雨と風があり、お師匠様に何度か注意されたがカッパを着ないで歩いていたら、一喝されてビックリした。低体温症になれば体力が奪われる。反省して、カッパを着た。三俣山荘着いたのは遅くて、小屋に一番近い場所にテント設営。初めて一人でチャレンジ。出来るかな?初めてアルファ米をつくる。意外と時間がかかるのね。テントの中で煮ると暑い!重いものから食べちゃおう!ということで棒ラーメンにフーズドライの野菜が嬉しい♪♪余った汁にアルファ米を入れて食べた。美味しい♪2人用テントは、快適(驚)!リラックスしてぐっすり眠れた。
2日目(8月4日)
念願の雲ノ平、高天原を目指す日であり、天気はよさそうでワクワクして早く歩きだしたい気持を押さえていた。テント組と合流して5:45出発。
三俣山荘を出発して鷲羽岳を目指すが、時折ガスがかかり山容が見え隠れする。鷲羽岳山頂では眺望はまったくないが写真を撮りあう。この先のワリモ岳直下はロープが張ってあるがたいした岩場ではなかった。ワリモ岳頂上の少し外れたところで1羽の雷鳥と出会う。雷鳥は特別天然記念物で、天敵から身を護る為に霧や雷雨で視界のよくない時に出てくることから名づけられたようです
水晶岳、烏帽子岳方面へのワリモ北分岐に着くとはるか前下方に、まさしく雲上の楽園、一面平らな所に雲ノ平山荘がポツンと見える。岩苔乗越をすぎ祖父岳からは、いま来た鷲羽岳、ワリモ岳・・明日目指す水晶岳・・いつか行ってみたい黒部五郎岳もはっきり見える。薬師岳は上部が雲で覆われているが、大きくドーンと構えている。この山もいつか行ってみたい。私たちが入山する1週間程前までは、ずっと天気が悪かったようだ。この眺望を目にしっかり焼きつけることとした。祖父岳からの下りは岩がごろごろしているが、雲ノ平から祖父岳への分岐地点からは木道となり整備されている。木道の脇に雷鳥の親子が・・今日2度目である。
雲ノ平山荘11:40着。山荘は昨年新しく建て替えられたのでとても綺麗。洗面所だけがまだ出来上がっていなかった。テント場は東方約20分のところにある。40年ぶりに1人で来たという女性、東京からの4人組の女性と会話をする。1人で来るなんてすばらしい!! 登山道は「危険な個所はなく、必要なのは体力のみです」とCLの計画書にも記されていて、まさしく納得。1時間近く休み山荘を後にする。奥スイス庭園を通り、雲ノ平森の道に入ると、登山道は狭くなりハシゴがあったりして急な下りとなる。高天原峠を過ぎると川が多くなり、木道が掛かるころの湿原には、ニッコウキスゲ、ワタスゲ、チングルマ等いっぱいのお花が出迎えてくれる。
高天原山荘に16:00着。山荘のテラスではくつろいでいる先客でいっぱいである。宿泊手続きを済ませて、17:40の夕食に間に合うようお目当ての温泉に急ぐこととする。行き20分、帰り30分の登山道は歩きにくい。大きな川の対岸に囲いをしてあるのが女湯、その上部に混浴がある。汗を流しさっぱりとし、なんと幸せな気分で戻る。夕食の時間にギリギリ間に合った。夕食後、CLとSLはヘッドランプを持ってまた温泉に出かけてしまった。気に入ったようである
3日目(8月5日)
昨晩2回目の温泉の時に洗濯をして乾燥室で乾かしておいたのだが、8時でストーブが止まり生乾き状態だった。SLが気を利かせて、翌朝から点けた玄関のストーブ付近に掛け直そうした。まさにその時、右足の中指と薬指を階段の縁に引っ掛けて打撲してしまった。とりあえず、すぐに水筒で指を冷やした。その後の朝食は足が痛くてSLの食事のペースが上がらない。でも最終的にはいつも通りの大食漢。恐れ入りました。小屋の人に頼んでシップ薬を貰った。その上、水桶に水を入れて持ってきてくれた。ありがたい。何回か水を換えて冷やした。
これからの予定をどうしたものかと思った。何しろ此処は今回のコースで一番遠い所である。近い登山口は折立、新穂高、七倉と3箇所あるが、この足では2日で行けるかどうか。折立が一番近いかもしれないがそれでも結構ある。とりあえず当初の予定通りに三俣山荘を目指す事にした。そうすれば診療所もあるし、なんとかなるだろおうと。この時点で水晶に行くのは止めとした。私達が出発する頃には他の客はほとんど居なかった。記念に山荘の前で世話になったスタッフ達と一緒に写真を撮った。歩き出すとSLの調子がすこぶる良い。あまりに調子が良すぎて分岐を曲がるのを忘れてしまい一端引き返したりした。これなら水晶はパスしたけど下りに注意すれば予定通りに帰れるのかなと、この時は思った。水晶池では逆さ水晶を見る事が出来た。しかし広角レンズを装着した一眼レフを車に忘れてきたので全容を記録する事は出来なかった。残念!!
その後、だんだんSLが咳をしだした。Oさんが「もしかして高山病じゃないの?」と言った。7月に富士山と白馬に登っているSLがまさか高山病になるかなあ?と私は思った。
岩苔乗越へ向かう道は花が多くて楽しい。岩苔乗越手前のお花畑はとても綺麗で他の人達もたくさん写真を撮っていた。ここは必見ポイントです。そして。ようやく岩苔乗越に到着。ここから黒部源流の標まで下り三俣山荘まで登り返す。この下りもお花畑の連続で綺麗な所。上の方から昨日からよく会う東京から来たオバちゃん4人組が下りてきた。Oさんにオバちゃん達と一緒に先に行ってもらい小屋の予約をお願いする。黒部源流からの登り返しの頃からSLの咳がひどくなってきた。そして頻尿になってきた。10分間隔くらいで花摘みをするのだが、行くたびに普通の量が出るようだ。膀胱炎なら行くたびにそんなに出ないはずだし、これってどういう事!!って感じでわけが判らなくなってきた。
苦しみながらも三俣山荘に到着。すぐに岡山大学と香川大学の医学部の合同の診療所へ向かった。足は応急処置をし、咳はメプチンの吸入をして少しおさまった。痰の色が黄色っぽい事もあり、急性の気管支炎じゃないかなという事だった。翌日帰る時に双六の診療所に世話になるかもしれないという事で紹介状を書いて下さった。岡山弁丸出しの看護婦さんが楽しかった。
少し良くなってテントに戻り、暖かい食事を摂り眠りについた。10時頃に目覚めて外に出ると満天の星空。天の川が見える。流れ星が見える。感動して明日に期待がふくらんだ。しかし、その後11時半頃よりSLが咳をし始めた。そして外は雨が降り出してきた。
4日目(8月6日)
咳がひどくなってきたが、雷雨で外もすごいので朝まで待って食事前に診療所に再度行ってみた。すると医師がベテランの人に変わっていた。血中の酸素濃度を調べ低酸素状態という事で酸素吸入をし、鎮痛剤、利尿剤、点滴を処方。この医師(寒川先生)は高山病という診断を下し、下山不能であるという判断をしてヘリの手配に取りかかった。先生は本人と今回のリーダーである私の情報、計画書、入山届け状況等を富山県警に連絡した。テキパキとした行動だった。
テント等の重い荷物をSLのザックに移してヘリを待った。しかしガスがかかっていて見通しが悪いらしく、なかなかヘリが来ない。午後になってヘリが二度ほど試みるが三俣に到着する頃にちょうどガスが出てきて引き返した。そろそろ明日になるかと思われた頃に3度目のチャレンジ。さっきまでは太郎平から出たようだったが一度富山に帰っていたようだった。今度は富山から十数分で三俣まで飛んできた。 17時45分頃にヘリポートに滑り込むように到着。まずSLがヘリに乗り、続いて私がSLのザックをヘリに積み込んだ。この間約30秒。見事な操縦さばきと切れ目のない動き。これぞプロという仕事を見せてくれた。あっという間にヘリは小さくなっていった。ため息が出て、緊張感が無くなって少し気が抜けた気がした。民間でなく県警のヘリだったのはラッキーだった。
夕飯は同じテーブルに広島に原爆が投下された日に生まれたというオッサンの誕生日を祝って欲しいという事で、オッサン4人組とOさんと私で「おめでとう」の乾杯をしたりして楽しかった。寝る前にSLから電話があり搬送先の病院の情報を伝えてくれた。元気そうな声だった。明日は一気に新穂高まで下りてSLを迎えに富山まで行かなければならない。昨晩の疲れもあり、あっという間に眠りについた。
5日目(8月7日)
3時半頃に起床し朝食を食べ4時半に出発した。小屋の前からは槍ヶ岳を見る事が出来た。今回の山行で初めてだ。登り始めると背後に青白い鷲羽岳が見えていた。良い景色だった。東京から来た単独行の人と話が合いしばらくまで一緒だった。話をしながら貴重な情報を得る事が出来て楽しい。三俣蓮華岳の頂上からは360度のパノラマ。素晴らしい。このパノラマの為に登ってきたのに、初めての北アルプス縦走挑戦のSLは居なかった。見せたかった。
その後に双六岳に移って、私の大好きなのっぺりとした双六岳の稜線上から見る槍ヶ岳のショットを繰り返し撮った。前回来た時はこの近辺を3時頃槍ヶ岳に向かって歩いていて写真を撮った。3時頃に雲がない槍ヶ岳を撮れるなんてあの時はなんてラッキーだったんだろうと思った。
双六小屋に着くと荷下ろしのヘリが何回も発着していた。でも私には昨日のヘリが頭に焼き付いていて、落ち着いてヘリを見る事が出来なかった。それから下って花見平に着いた。良いところです。ガスっていて槍の姿を見る事は出来なかったが、お花だらけでいいポイントでした。
そして下って下って鏡平に着いた。もう我慢できなくなってかき氷を食べた。先月行った白馬の白馬尻より数段旨かった。たぶんこの時点では生ビールよりもかき氷の方が旨かったと思う。火照った体が冷却されていい感じになってきた。頑張ろうという気になってくる。鏡平からはだらだらと長い下りが続く。だらだらに飽きてきた頃にわさび平に到着。ここで富山在住の二人組に会った。話をしたら、最終バスに間に合わないらしく、これから行く富山市民病院を知っているという事で一緒に富山まで同行する事になった。降り出した雨の中を残りの下りをこなし、やっと新穂高温泉に着いた。深山荘で軽くお風呂に入って富山に向かった。
富山の二人はなかなか楽しい人達で、あっという間に富山に着いた。病院に入って元気一杯のSLを乗せて富士へと向かった。
SLが高山病になった理由は複合的な理由によるものだと思う。山行直前の睡眠不足、体調、山行1日目の歩行時間等。
最初からいつもと違うSLの状況を考えて双六山荘で一泊すべきだったと思う。リーダーとして臨機応変に対応しなければいけなかったと反省しています。また、この非常事態でも冷静に行動してくれたOさんに感謝です。
まとめ yukko記
今回、私の自己管理の甘さから、迷惑をかけてしまってOさん、お師匠様、会の皆さんに対して 申し訳なかったと反省した。山に対する知識が少なく、登山経験が少ない初心者なので先輩方から山のマナーと登山技術きちんと覚えて一人前になれるよう頑張りたい。結局天気もイマイチだったし病気にもなったので、槍を見る事が出来なかったのが残念だった。無事に帰れたことはOさんお師匠様、岡山大学の皆さん富山県警警備隊のお陰だと心から感謝している。しばらくは静かにしていなければならないけど、機会があったら会の皆さんと山行またご一緒したい。貴重な税金を無駄に使ってしまい世間様に申しわけなく反省している。清掃活動等で御恩返ししたい。
これは大変でしたね、というか無事でなによりです。
そうですか高山病でも、悪化してしまうと大変な事になるのですね、僕なんか診療所の有無なんか普段気にしてませんから同じ状況になったらどうなることか、、、
確かにヘリのお世話になるのは避けたい所ですが、安易な救助要請でない事は間違いないですから、しかたのない事でしたね。
何よりこうした貴重な?経験を記録に残すのは嫌なものですが、きちんと記録に残して頂けると他の登山者や、僕も含めていい教訓になると思います、その点で大変興味深く読ませて頂きました。
その後の体調はどうですか?治療はどんな感じでしょうか?予防策はあるのでしょうか?差支えない範囲で教えていただきたいです。
また元気になったら山へ行きましょうよ
お叱りを受ける覚悟で掲載しましたが、
NNPさんのような理解者がいると、載せてもよかったのかなと、安堵しました。
長文を読んで頂き感謝いたします。
体調は下山して回復しましたが、肺は暫く痛かったです。
退院してからは通院しませんでした。
予防策は、何と言っても睡眠を十分にとる事だと思います。
2度と事故を起こさない為に自分に書いたメモです。
当たり前の事ばかりでお恥ずかしいですが。。
/日前から早く寝早起きをする。
△罎辰り登る
トイレ我慢しない
た緤摂取する
2、3日前は体を休めておく
κ愴訛从 繊維の食事
Д轡礇螢丱討靴覆い茲Δ貌Δ縫ロリー摂る
体を濡らさない 風×低温×
高い所は寒い
酸素薄いので マスクより日焼け止めをぬる。
行動は早め早めに
これから紅葉のいい季節になりますので
低山から馴らして行きたいです。
機会があれば是非ご一緒したいです。
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