美瑛富士 美瑛岳 十勝岳
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- GPS
- 08:45
- 距離
- 21.6km
- 登り
- 1,913m
- 下り
- 1,908m
天候 | 高曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
望岳台から美瑛岳コース、ポンピ沢手前、通称 函状の沢?ロープの下が流され危険な状況。もう通行止めになるか警告しているはずです。 通行止めになったようです。http://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/kamikawatyubu/ 正式名称は北向沢というようです。 大雪周辺の林道もかなり通行止めになっていますhttp://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/apply/nyurin/nyurin_kisei.html |
写真
感想
美瑛の道の駅で車中泊し(起きたら混んでいた)、コンビニで朝食後白金温泉へ。山は見えるが雲は微妙。あえて天気予報を確認せず、何処から登るか考えながら行く。二年連続オプタテシケ敗退は避けたいので、途中敗退しても何処か登れると思い、望岳台から美瑛富士コルを経由してオプタテシケを目指し出発する。
十勝岳を目指す人は多い。望岳台からすぐにナキウサギコール。そこから美瑛岳分岐まで所々コール。しかし、道に雨の流れた亀裂が走り歩きづらい。春はこんな風では無かったが。ぶっ飛ばして美瑛分岐から左に折れ、水平移動のトラバースと思ったが、それなりに標高を上げていく。オヤマノリンドウと咲き残りのコガネギクがチラホラの道を進むと、美瑛岳とポンピ沢が見えだし美瑛岳に取り付く急登が見えた。
そして、目の前に深くえぐれた沢が。手前でおじさんが立ち往生。ロープと鎖が垂れているがその先から3m程えぐれている。ロープまで届くにはオーバーハング気味の崩れやすい壁をへつって行かなければならない。これは普通の人には無理だと判断して、おじさんに戻りましょうと言ったら諦めず、岸を下の方まで偵察に行きつ戻りつ、それでも無理でやっと諦めて2人で戻り始めると後続者夫婦が。登山口で一緒だった人だ。状況を説明して戻らせようと思ったが、やはり諦めない。更に加わったもう一人と沢を降り、先に後から来た一人が5mほどの土の急斜面を無理矢理突破し、熟年夫婦が別の7m程の土の急斜面で探っている。危なそうなので対岸から先行者が登った斜面に誘導し、無事突破したのを確認して帰途につこうと思ったら、最初に諦めさせたおじさんが戻ってきてしまった。これはどうしようもない。人は自分より明らかに能力が上の人が止めた方がいいと言っても止められず、誰か進めてしまうと自分も進めると思ってしまう。もう二組加わって、崩れやすい土の急斜面の壁を登らせるわけにはいかない。一番確実なロープと鎖の所しかないと思い、ステッキを借りて届かないロープを手繰り寄せ、岩の出っ張りで引っかかっていたロープを手元にずらし、ロープの強度を確認してから片手で確保し、もう片手と足でホールドを確保しつつ横にトラバースし、上に上がった。上の引っ掛かりから取れたことで足場から届くはずだ。上から声をかけながら誘導しようとしたら、何処か崩れたらしい。もう誰も来ようという気を無くして、やはりまた上を探してまた6m程の土の壁を登ろうとしている。どう見ても土が崩れたら落ちて大変なことになることは判るはずだ。たとえ一人運よく突破できても、どんどん崩れやすくなる壁で後続者が大変なことになることすら判断できなくなっている。なんとか止めさせ、冷静に戻る判断をした人たちにこの登山道は止めるように言ってもらうのを頼み、他の人もついて行くのを確認してから、戻る方が危険なので先に進んだ。
しかし、気分は全く乗らない。登るのを止めるつもりの人間が進んでしまって、登りたかった人間が戻る羽目になってしまった。腹立たしくてぶっ飛ばし、あっと言う間に夫婦を抜き、美瑛分岐でもう一人を抜き、コル手前で前から縦走者が。そうだ、降りる人たちもいるんだ。地図を示し、デジカメ写真を見せて状況を説明し、若者だったので突破できそうな方法を教え、それでも稜線経由がいいと勧めて判断を任せ美瑛富士に。高曇りの割に大雪から東大雪、芦別まで綺麗に見える。すぐに降りて美瑛岳の登り、途中で十勝岳から来た人が。同様の説明をしたら、以前はロープの崖だったが底があったとのこと。やはり台風で流れたのか?しかし、ここまで来たらなかなか戻る判断ができないようだ。若い方だったので、突破できるか?しかしながら、/我ながら通ってきた人間が言っても説得力が無い。気が滅入りながらもすれ違う人に同じことを繰り返し、言葉の通じない中国人?にも身振り、地図、写真で説明して戻る判断をしてくれた時は嬉しかった。しかし、十勝岳までは結構遠い。美瑛岳を越えると戻る判断をしてくれる人ばかりになるが、気軽に来ている人にこの工程を戻るように勧めるのは、死刑宣告をしているような気がして気が重い。十勝岳の尾根で先行していた一人に追い付くが、その人の同行者が十勝岳から迎えに来ていた。崩れたロープの沢の話をすると、雷のあった日(先週?)に団体でかなり苦労して登って降りて、しかも一人が美瑛の途中でアキレス腱を切ってヘリコプターで運んでもらったと笑いながら話された。それを聞いてアホらしくなり、自分のしてきたことは何だったのか?早くアナウンスしていたら十勝岳から美瑛には行く人はいなくなるだろうと余計暗くなった。
疲れ果て十勝岳。カミホロまで行って十勝岳温泉に降り十勝連峰を終わりにしたかったが、バスの時間を見て来なかった。加えてオプタテまで印刷しているのでA3でも十勝岳までで地図も無い。飯を食って降りる準備をしていたら、緑の腕章をした高山植物パトロールの人。ポンピ沢手前のロープ場のことを言うと、高山植物の方のボランティア委託で登山道は管轄外とのこと。地元山岳会がボランティアで頼まれているらしい。この人に頼んでも酷だ。何かだんだん一人で騒いでいるのが間違ったことをしているような気になってくる。危うく山頂にGPSを忘れそうになった。
登山届の箱の中にロープの沢の状況を警告するメモがあった。日付は9/9二日前、もっと大々的にしていれば、途中で引き返したり、稜線を苦労して戻ったりする必要もなかったろうに。
白銀荘とても混んでいたが、温泉に入っても気が晴れない。そんな気分のまま帰途に就く。
翌日、上川中部森林管理署美瑛支署に電話したら、もう連絡が行っていて、これから張り紙に行くそうとの事。とりあえず良かった。
コメント
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HYMLでも昨日MLに流れてました。
今回の台風で林道崩壊なども相次ぎ、行けないところが多くなりました。
十勝方面の状況がよくわかりました、参考にします。
お疲れ様でした。
天気もまあまあで、展望も良く、本来ならば大満足だったのでしょうが、気分は最低でした。自分が大袈裟に騒ぎ過ぎているのではないか?という思いがずっと引っ掛かっていました。(先行者が何も言ってなかったようなので)
とりあえず、通行止めが公に発表されたようなので、少し心が晴れました。と、それよりもユニ石狩通行止め、大ショックです。橋もやられたとなるともう治さないかも?そして、シンノスケ沢迂回路までダメとなると、石狩に行く方法は無くなりました。ウペペも微妙な感じで、平山もダメ、南クマもダメ、東側大雪の選択肢がどんどん減ってしまってショックです。
なんだか登山道の崩壊ってお上にはなかなか伝わらないのですね。
そして諦めの悪い登山者って多いものなんですね。
僕は臆病者だからちょっとでもキケンならすぐやめますが、、、
みんなの安全のためにがんばったh2013mさんが、逆に虚しくなってしまうような世間が寂しいです。
ニペの林道・登山道が全くダメージなかったので、他の山ではそんなに被害が大きいとは思いませんでした。
そうなんです。本当にびっくりしました。ロープの所はロープをつかみながらの「へつり」と直登が必要なのですが、岩や沢経験者でなければちょっと無理なようです。そして、無理だと思ったら上流か下流に動き必ず「土の崖」を登り始めるのです。ホールドとか三点支持とか関係ない土の壁です。崩れたら確実に落ちるのですが。
道に迷ったと思ってもなかなか戻るという判断をしないのと同じなのでしょうか?
わたしも同じ日に十勝岳に行っていました。
予定では望岳台〜十勝岳〜美瑛岳〜望岳台のルートのはずでしたが、望岳台の登山者名簿のところのメモを見て十勝岳ピストンに変更しました。
同じタイミングで登っていたほかの登山者の方々も、十勝岳ピストンに変更していましたよ。
大雨の後に一応森林管理署に問い合わせはかけていたのですが、その時点ではポンピ沢の話はなかったので、やっぱり山で会った方の話が一番信憑性があると思うのですよね。
h2013mさんのように親切に教えてくださる方はほんとうにありがたいです。
山は逃げないので、また次回…と引き返す勇気を持って欲しいですよね。
あの場所以外は比較的楽なコースなので早く治してほしいのですが、あの崩れ具合は正直どうしようもないかもしれません。雪で埋まっていれば何て事ない所なのですが。
百名山十勝岳のある十勝連峰ですが、森林管理局の支所も違っていたり、町を跨いでいて、なおかつ温度差があるようで、もうちょっとの工夫で、凄く魅力的な日帰り縦走路ができると思うのですが。本当に残念です。
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