【初雪とピーカンの北アルプス縦走】白馬岳・雪倉岳・朝日岳〜大キレットより怖い?木道歩き〜


- GPS
- 52:35
- 距離
- 39.8km
- 登り
- 3,219m
- 下り
- 3,225m
コースタイム
- 山行
- 7:27
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 7:53
- 山行
- 6:50
- 休憩
- 2:06
- 合計
- 8:56
天候 | 【9/23】 晴れのち曇りのり雨のち吹雪 夕方一瞬ピーカン、夜には本格的に雪(全ての天候を体験) 【9/24】 前日とは打って変わって、快晴〜 【9/25】 快晴のち曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2011年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
蓮華温泉からスタートする木道は本当に滑りやすいです。湿原地帯は言うに及ばず、雨後でもつるっと滑り、乾いた状態でないと非常に危険です。特に斜めに傾いている木道は危険すぎます。 特に2日目の朝は氷点下まで冷え込んだこともあって、朝日小屋から小桜ヶ原までの木道地帯はスケートリンクのようでした。 【主な木道】 蓮華温泉-兵馬の平、花園三角点-五輪尾根、朝日小屋周辺 水平道全般、小桜ヶ原一帯 |
写真
感想
いつまでたってもシルバーウィーク後半の天気が安定しない。
やきもきしつつ午前1時に出発。連れと富山方面へとにかく車を走らせます。場所によっては雨がぱらつく天気でどうも北アルプス、とりわけ北部は冬型の影響で天気が悪そう。裏付けるように朝日⇔糸魚川は雨のために高速道路通行止め。
富山の手前で別プランとして新穂高から槍、西鎌尾根も検討するけど、急に思いついたプランでは連れの反応も今ひとつ...
結局富山ICで降りずにそのまま糸魚川方面へ、アメダス見ると強い雨雲が富山新潟県境付近に居座ってます。テンションは下がる一方だけどいくしかない。朝日ICで高速降りて糸魚川経由で蓮華温泉へ。4時半ごろ到着し、しばし仮眠。
起きて明るくなると目の前には雪倉岳が見えます。青空も見えるしやる気も出てきました。今回の登山は小屋泊ですが、ホスピタリティの高さで有名な朝日小屋とバイキング形式の食事の村営頂上宿舎なのでどちらも食事が楽しみ。
下がったテンションも回復していざ出発。この辺の登山道は蓮華温泉からの周回遊歩道も兼ねていて木道が整備されています。
しかしこの木道がくせ者。とにかく滑るんです。もうツルツルです。とくに斜めに傾いたやつなんかは足を動かせなくなるほど滑って、木道の上はコースタイムの倍以上かかる感じです(大げさじゃなくて)。
それでも五輪高原の辺りでは木道も乾いてきていい感じ。花の終わったシロウマアサツキなんかもあってこの辺はお花のシーズンはさぞいいんだろうな。天気もよくて幸せ〜な気分になります。
ところが、これから登る朝日岳方面はどうもスッキリしません。五輪尾根を登り終えたあたりから、ついにぱらぱらと雨。あちゃ〜、ついに降りだした。それでもしばらくは雨具をつけるほどではなくそのまま登りつづけるが吹上のコルに近いところで本降りに。これが標高上がるにつれてみぞれに変わった。
吹上のコルからさらに上では吹雪。朝日岳頂上は当然何も見えず、横殴りの雪の中で証拠写真を撮るのが精一杯。朝日小屋までの道程がつらく長く感じられます。山小屋が直前でしか判別できないほどの深いガスの中、ようやく朝日小屋に到着。
濡れた物を乾かしたり、部屋で惰眠をむさぼっていると外がなんとなく明るい....おやっと思い外に出ると一瞬の晴れ間。朝日岳から雪倉岳、日本海も望めるほどに晴れ渡りました。しかし、この後夜には本格的に雪。この日は晴れから始まり最後は雪とめまぐるしく天候が変わり気温の変化に疲れ果てました。
朝日小屋の夕食は翌日が小屋締めとあって、ある食材を出し切ったという豪華な夕食。イワナの骨酒も振舞われて最後のお客さんは皆大満足。心配なのは翌日の天候です。もし明日も同じような空模様だったら下山しようと決めて就寝。
そして翌朝.....
じゃ〜ん、大快晴。雪倉岳から白馬、剱岳、立山までず〜っと見渡せるほどの晴れっ。天晴れ、よかった〜
気分を良くして水平道を雪倉岳へ進みます。しかし水平道とは名ばかりで小さいアップダウンが連続します。そしてここも危険な木道....特に早朝は凍っていて特に危険。何か対策が必要では....
この日は前日は打って変わって、とにかく気持ちがいい。雪倉岳の登りでは北斜面に雪がついていて危ない箇所もありましたが、天気が良くて最高。雪倉岳の頂上に登りついてみれば目の前に白馬岳の後姿がドーンとそびえています。
山の後姿って変な表現ですが、とにかく雪倉からの白馬は後姿なんです。なんでっていわれてもわかりませんが、見た人は共感してくれると思います。だから白馬村から見る白馬岳は正面と言っていいと思います。
雪倉から白馬への縦走路は砂礫地帯の歩きやすい道。登りは九十九折ですが気持ちよく高度を稼ぎ、気づいてみれば白馬岳の頂上に到着。コースタイムより早く到着できました。
ここから南に目を向ければ後立山、立山連峰、雲ノ平方面から槍、穂高まで北アルプス全てが見渡せます。さらに遠くにはわが故郷の白山まで。北アルプス最高〜
今日登った人も最高〜。皆さんよかったですね。
そして今日のお宿の村営頂上宿舎に到着です。今日は3連休の中日で混んでるかと思いきや16人部屋に3人だけと閑散としています。全体でも40人いなかったのでは。夕食も1回戦だけで、あの有名なバイキング形式の夕食。
【この日のメニュー】
牛タンシチュー、エビフライ、野菜のうま煮、合鴨の香草焼、かぼちゃの含め煮、ポテトサラダ、焼きナス、枝豆、漬物、ごはんに味噌汁
これだけが食べ放題です。さらにデザートにアイスクリームが付きます。もはや山小屋の食事じゃないです。しかもどれも美味い。牛タンシチューなんてレストランの味でしたよ。
ディナーに満足した後、アーベンロートの撮影に丸山へ。夕焼けで白馬から杓子、白馬鑓と赤く染まります。そして完全に沈み切った夜8時。再び星空を撮影に丸山へ。
そこには満天の星空と天の川。天の川ってこんなにはっきり見えるんだと実感。東は白馬村と遠くに長野市の夜景。西は富山〜高岡の夜景が富山湾に沿ってくっきりと見えます。いや〜この日に登ってよかった。雪の中苦労して登ってよかった。全てが報われました。星空撮影の腕前は相変わらずですが、まあまあ撮れました(笑)
翌日は白馬のモルゲンロートを撮りたくて4時半に早立ち。三国境辺りで陽が昇ってきてしまい、このままでは間に合わないので撮影ポイントまで登山道を走った走った。ぜいぜい言いながら白馬岳が見える位置まで走り振り返るとそこには赤く染まった白馬岳。
じーん、感動。おかげで素晴らしいモルゲンロートを撮影できました。その後雷鳥坂では文字通り雷鳥に遭遇。白馬大池では陽だまりの中でカップラーメン&コーヒーでまったり。天気が良くて下山するのがもったいない。ずっとこうしていたい気持ちになります。
後ろ髪をひかれつつ下山。白馬大池からは樹林帯の下り、2日前にはよく見えなかった朝日岳、雪倉岳を常に見ながらの下山。五輪高原のあたりもよく見えて素晴らしい展望です。
2時間降って蓮華温泉に到着。野天風呂にも入りたかったのですが、登山靴はいて風呂まで行かねばならず、信州弁でいう「ずく」がなくて内風呂だけに入り旅の疲れと汗を流しました(野天は写真だけ)。
帰り道の途中にちょいと栂海新道の入り口に立ち寄りました。うーん、なんとも味のある登山口ですが、ここからの長距離縦走を考えるとやはり勇気がいりますね。でもいつかはチャレンジしてみたいですね。
吹雪になった時は敗退も考えた山行でしたが、2日目からは今シーズン一番と言っていいほどの天候に恵まれ、美味しい山小屋の食事と絶景に大満足の登山でした。
今シーズンはあと何回いけるかなぁ
あれやこれやと計画していた9月の連休。
前半戦は悪天候により断念。
後半戦、昨年に引き続き裏剱(仙人池〜阿曽原)も考えたが、混んでいそうなので断念。
セカンドプランだった蓮華温泉発〜朝日岳〜白馬岳ぐるっと一周ツアーに決定。
ところが迷走台風15号のおかげで、初日の天気がどうも怪しい。
北陸道は一部通行止めになってるし。
途中、新穂高から槍ヶ岳の変更プランも浮上するが、気が乗らない。
なぜなら、今回の私、元々朝日小屋と白馬テント泊のハイブリッド山行の予定。
重いザック背負って、初日の標高差約2000mを登りきる自信も根性もなし。
天気図では、寒気はすぐに通り過ぎ、晴れて来るとのMy予報を信じて当初のプランを決行。
蓮華温泉に着いた頃はまだすっきりしない天気だったが、出発の時刻には晴れて来て青空も。
My予報、当たってるじゃ〜ん、と気分よくスタート。
(あとでとんでもない目にあうのだが。。)
スタート直後から木道に。
直前まで降ってた雨のおかげで、この木道がまたとんでもなく滑る滑る。
地面との段差も高いので、ここで転んだら、簡単なケガではすまない。
木道を慎重に歩きつつも、途中の湿原地帯や五輪尾根の美しい景色に心も和む。
気分もかなり良くなって来た頃、空は逆に機嫌が悪くなってきた。
パラパラと雨が降り出し、それがやがてミゾレに、そして雪に。
朝日岳山頂の手前からはついに吹雪になってしまった。
マジですか?
(この時点で、翌日の白馬テント泊はもはや萎えてしまった。。)
逃げ込むように朝日小屋に転がり込む。
体の芯まで冷えきっていたので、小屋の中のストーブのありがたいこと!
小屋閉めイブとのことで、夕食にはイワナの骨酒が振る舞われました。
料理も美味しく、小屋スタッフも明るく、何より名物女将さんの人柄は評判通り!
夕食後、外を見ると雪が深々と降っている。
まだうっすらとしか積もってなかったが、翌日の天気が心配。
ところが朝になってみると快晴の素晴らしい天気!
気分良くスタートし、水平道を行くと、剱岳が姿を現しテンションアップ!
ところが。
この二日目の道もかなりの木道コース。
しかもこの日は寒気が入った後の快晴なので、放射冷却で木道が凍り付いてツルツル。
上り下りの傾斜のある場所や、右に左に傾いてる木道もあり、もはや凶器!!!
初日の木道よりも、転んだときのケガのレベルは高いと思われ。
恐怖の木道を終え、雪倉岳山頂。
ここから見る裏白馬の雄大さと美しさは素晴らしい。
白馬岳って、どこから見ても美しいんですねぇ。
重い荷物を背負っての登りはキツかったが、景色がよいおかげでなんとかメゲずに登り切り、白馬岳山頂。
私のとっては、今年2回目の白馬岳。
休憩後、白馬山荘へ。
ここで美味しいケーキセットをいただき、白馬頂上宿舎へ。
天気が良かったので、やっぱりテント泊にしようかと悩んだが、前日の吹雪を思い出し、小屋泊へと変更。(食料はあったので素泊まり)
夕方、アーペンロートの写真を撮りに丸山へ。
そして夜、前回の北穂高に引き続き、フィルムカメラでの星空のバルブ撮影に挑戦するため再び丸山。
この日の夜も、ものすごい星空で最高!
翌日は稜線からモルゲンロートを見るために、4時半に出発。
そのかいあって、美しいモルゲンロートを見ることが出来た。
この日も朝から快晴でガスもかからず、チョー快適な白馬の稜線歩き。
もう降りるのがもったいないくらいの景色で、立ち止まって見るたびにとろけそう。
白馬大池ではカップラーメンとコーヒー。
ここも晴れてるとほんとに綺麗な場所。
またテント張りたいな。
白馬大池から蓮華温泉まではひたすら下り。
急降下はないものの、途中悪路があったり、結構疲れます。
きっちりコースタイムで蓮華温泉着。
もはや露天風呂巡りをする体力も根性もなく、内湯にて疲れと汗を流す。
吹雪にあったと思えば、翌日からは最高の天気。
なかなかバラエティにとんだ山行でした。
今度は、お花咲き乱れる初夏に来てみたいコースです。
コメント
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こんばんは。
とても充実した山行でしたね。
写真も小屋の食事も素晴らしい
朝日小屋は一度だけ泊まったことがあるのですが
食事が美味しかったことを思い出しました。
台風が去ってこの連休は一気に冷え込みましたね。
初雪もあってそろそろ冬仕様に切り替えでしょうか。
ところで朝日小屋はもう小屋閉めですか。
早いんですね。
10月1日〜3日で栂海新道へ行くのですが初日は
朝日小屋でテン泊なんですよ。
2日、3日と栂海新道を縦走してきます。
こんばんは。
途中吹雪に遭ったりしながらの、
実に変化に富んだ山行でしたね
それにしても、景色もスゴイけど、
「花よりダンゴ」的な思考の自分にとって、
何よりも気になったのは、
白馬岳頂上宿舎のバイキング
これはぜひ行かねばと思いました(笑)
ホント、今シーズンはあと何回行けるかなあって感じですね。
siriusさん こんばんは
朝日小屋は富山側の林道工事だとかで予定より早く小屋閉めだそうです。テント場も水、トイレが使えなくなるとかでHPに掲載されてました。
栂海新道はどちらから入られるのでしょうか?朝日小屋のテン泊にこだわらなければ雪倉の避難小屋利用もいいかもしれません。
オール無人小屋利用で縦走できるかもしれませんね。
この時期の北ア北部はちょっとした冬型の気圧配置で雪模様となるので防寒対策は要注意ですね
shirayamaさん こんばんは
花よりダンゴ、いい言葉ですね。私にもあてはまります(笑)
山小屋のバイキングは生ごみを減らす対策として導入したそうで、登山客の受けもよく意外なところでも効果発揮してるようでした。
なるほどってカンジですね。でもバイキングでも美味くなきゃ話にならないですが、その点頂上宿舎は◎でした
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