挑戦!爺ヶ岳東尾根(北ア)
- GPS
- 10:01
- 距離
- 12.1km
- 登り
- 1,774m
- 下り
- 1,775m
コースタイム
- 山行
- 9:43
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 10:02
天候 | 曇り〜ガス〜快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
最初の急登は固く締まった雪の踏み跡がステップとなり、比較的歩き易い。樹林帯も雪は比較的締まっています。一部は雪が切れて藪が露出し、滑る箇所もあり。ナイフリッジ手前のP2の急登は、ザラメ雪で崩れ易くアイゼン、ピッケルが効きづらいです。ナイフリッジ状の細尾根の雪はクラストせず、やや柔らかめでした。稜線手前の急登の樹林帯はモナカ、稜線に出るとクラスト、吹き溜まりはパウダーと雪質は目まぐるしく変わります。そして所々に融雪による落とし穴多数あり。 |
写真
感想
【感想/記録】
天気予報をチェックしていると、木曜日に週末のお天気が好天に変わりました。週の半ばは荒れ模様のお天気で、南に行くほど積雪が増えたよう。北アルプス北部は比較的積雪が少なそうだったので、また後立山連峰へ。2週連続唐松岳では芸が無いので、先週にやすのりさんが登頂された、この時期限定の爺ヶ岳東尾根から爺ヶ岳へ目指すことに。でも標高差は1,700m、累積で1,800mと先週の唐松岳の約2倍になり、登れる自信がありません。しかも途中にはナイフリッジもあり、唐松岳と比べると遙かに難易度が高いようです。
行程は約11時間を見込む必要があり、早朝から行動しないと暗くなってしまうので、自宅は3時前に出発。糸魚川付近は雨、白馬村に向かう途中はみぞれから雪に変わりビビりましたが、白馬村に入ると幸い止みました。6時頃に登山口に到着したら準備をして直ぐに出発。先行する方はお一人だけ。小川を徒渉したら激急登の始まりです。幸いステップができておりツボ足で登っていけます。
急登が終わると斜度が比較的緩やかな樹林帯に突入。ここまで無風なので暑くて汗だくに。お天気は曇りで標高を上げると、ガスが出てきて眺望は無し。気温は低いようで、汗で濡れた髪の毛が凍っていました。使う機会は無いと思い、標高1,700m位の地点でスノーシューはデポ。痩せ尾根になってきたので、アイゼンとピッケルを出して出発。
眺望は無いものの標高を上げていくと空が明るくなって、ガスが晴れると青空が広がり、目の前には白い爺ヶ岳、左手には鹿島槍ヶ岳が見えてきました。お天気は快晴、振り向くと雲海が見えテンションアップ!ダケカンバの樹林帯を過ぎてからアウターを着て出発。この辺かは先行する方のトレースのみで、トレースは薄い。そのトレースも時折強風で見えなくなって、初めてのコースなのでやや心細く。ザラメ雪でグズグズのP2の急登を登り、いよいよ核心部のナイフリッジが見えました。滑落しないようにピッケルの石突きを雪面に刺して、慎重に一歩一歩進みます。途中には急な段差を下りる箇所も緊張が続きます。
ナイフリッジを乗り切ったら、また樹林帯の急登を登ります。ここの雪はモナカで雪面が崩れたら中身は脆いザラメ雪で、せっかく登った足元が崩れます。木の枝も掴みながら登り切ると、ようやく稜線に出ました。今度は風速10m以上の強風が吹き、氷の粒が顔に当たって痛い、ここはサンドブラストか!ちょっと寒くなってきたのでグローブを交換、バラクラバを装着。正面には爺ヶ岳が見えるものの、気が遠くなるほどピークまでは遠く高く見えます。
頂上に近づくにつれて風は穏やかに、でも斜度は急になって、空気が薄いので立ち休みしながら登りますが、中々頂上は近づいてこない。落とし穴に注意し、標高を上げて雪の段差を超えると急に目の前が開け、山頂標が見えました。12時過ぎにようやく爺ヶ岳本峰に到着、ここまで長かった〜。正面には剱岳〜立山、右手には鹿島槍ヶ岳、左手には後立山連峰や奥には槍ヶ岳〜穂高連峰などの山々がドーン。後ろは雲海に浮かぶ頸城山塊、遠くには八ヶ岳〜富士山〜南アルプスが見えます。
頂上も風が吹いて寒いので、20分ほど写真を撮って滞在したら残念ですが下山開始。急坂にアイゼンの踵を蹴り込んでドンドン下りますが、尾根が終わり急斜面の樹林帯を過ぎたら、またナイフリッジの始まり。上りよりも雪が腐って柔らかくなっていそうなので、慎重に一歩一歩足を運んで、なんとか無事にクリア。P2のグズグズの急坂は滑落しそうので、バックステップで無事下りられました。
少し下ってダケカンバの樹林帯で、遅い昼食を食べて14時頃に出発。ちょっと登り返すとテント泊する方と写真を撮り合い、この後は数組のテント泊する方々とすれ違いました。皆さんご来光狙いなのでしょうね。樹林帯に入るとガスに飲み込まれ、落とし穴にハマらないように注意して、スノーシューを回収しピッケルからストックに変更。後は消化試合なので頭の中は、ホテルで温泉に入りビールを飲む事だけ(笑)。
最後の急坂はステップの段差が広く雪面が硬いので下りづらい。脇の未踏の雪面に踵を蹴り込むと下りやすく、ガンガン下って16時20分くらいに鹿島山荘に到着。約10時間の山行でしたが、疲れたものの足は最後まで何とか生きていました。先行者の後姿は最後まで見る事無く、とんでもない速さで登頂されたようです。初めてのコースだったので、正確なトレースのおかげで無事下山できましたが、トレースが無かったらルートファインディングには苦労したかも。今日ピークを踏んだのは恐らく2人だけと静かな山行でした。
山行にあたっては、https://yamap.co.jp/activity/1618491 のレポが大変参考になりました。このレポが無かったらこのコースを上ろうとは、思いもしません出た。ありがとうございました。
【注意点や反省点】
未明に道の駅白馬で朝食を食べようとしたら、駐車場はほぼ満車で、駐車に苦労しました。
スノーシューには苦手な急坂が多く、雪面は締まっており、使うとすればワカンか。でも踏み抜き地獄には役に立たなさそう。
この後も高温の好天予想で、雪の状態はますます悪くなりそうです。下部は雪が切れ、日当たりの良い稜線は雪庇の崩落や崩壊、落とし穴は多くなり、踏み抜き地獄になりそうです。3月いっぱいの期間限定のようですが、賞味期限切れは早そうな悪寒です。このコースは2月下旬〜3月上旬くらいまでが良さそうでしょうか。早いとラッセル、遅いと雪質が悪くて大変そうです。
唐松岳と違い入山者は僅かなので、滑落、遭難しても発見され難いと思います。くれぐれも慎重な行動が望まれます。
【Apple Watch等による計測結果】
ムーブ(安静時を越える推定エネルギー消費量 / kcal)
1,706
エクササイズ( 活発に活動した分数 / 分)
363
スタンド( 1時間のうち1分以上身体を動かした時間 / 時間)
15
登った階数( 一階=約3mの高度を上昇 / 階)
418
ウォーキングの距離(km)
26
歩数(1日で歩いた歩数 / 歩)
33,324
心拍数 (1日で最低、最高の心拍数)
57〜137
体重
64.7 -> 61.8
artylaneさん はじめまして!
爺ケ岳 東尾根素晴らしい眺望でしたね!
実は自分も3/10〜11でテン泊するつもりでした。東京を早朝に出発したのですが、中央道「諏訪〜塩尻」間が通行止めと言う情報を八王子IC手前でキャッチ。石川PAでかなり悩みましたが、やむなく撤退しました。 artylaneさんの素敵な写真を見て、羨ましく思いコメントしてしまいました。
今週は暖かそうなので、週末は更に雪の状態は悪そうですね。今シーズンの爺東尾根は断念かもですね。
yuichisさん、こんばんは。
初めまして!登山口の手前で撤退、残念でしたね。テン泊組は4組ほど+山岳会の方々位でした。ここは静かな山域ですね。土曜日はお天気に恵まれて、最高の山行でした(^_^)。この後の雪の状況はどうなるか分かりませんが、今回でもグズついた雪質があってちょっと怖かったです。山は逃げませんから、また山行のチャンスが訪れると良いですね。
東尾根良いですね
癒される風景です♪
私も今年考えていたのですが気が付いたらこの時期・・・
今週末ダメ元でいってみますがたぶんダメでしょうねー
今週の気温が高過ぎます
金曜日からまた冷え込むみたいですが・・・
あと半月待って南尾根から向かいますかねぇ
今年は春が早過ぎます
oyamasuki_yさん、はじめまして。
雪はまだタップリありましたが、この後どの程度溶けてしまうか、雪質がどう変化するかによって難易度は変わるでしょうね。すでにナイフリッジ付近では既にグズグズの柔らかい雪質もありましたので、難易度は高くなっているかもしれませんね。山行の際にはご安全に。次回は南尾根からも登ってみたいです(^_^)。
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