權ノ神岳(粟ヶ岳まで届かず昨年のリベンジならず)
- GPS
- --:--
- 距離
- 19.9km
- 登り
- 2,113m
- 下り
- 2,096m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
昨年の今ごろ、白山から粟ヶ岳を往復しようと試みたが、權ノ神岳までで撤退した。それを実行したのは、ヤマレコで白山から粟ヶ岳間を日帰りで往復した報告が散見されるようになったからだ。今回は、その時の反省を含めての再チャレンジである。昨年の反省点は、軽量化に努め、一回当たりの休憩時間を短縮するなどだが、取れる手段は多くはない。軽量化といっても日帰りだからしれたものである。歩くスピードは、人それぞれに固有のものが有り、急に歩行速度が速まることも無い。マラソンで短期間に大幅な記録短縮など考えられないのと同じである。しかし、チャレンジしてみる価値は有る。おのれの力を知るためにも。
慈光寺4時20分出発。参道の脇をシャガの花が埋めるが光量が少なく写真はピンボケだ。参道を進み尾根線を登る。三合目で尾根にのる。ツバキ・コイワカガミ・ウラジロヨウラク・ムシカリ等が咲く道を進む。ブナの木が林立する登山道に日が当たり、気持ちの良い道だ。水の入った田んぼが輝いている風景は越後の原風景である。白山山頂まで2時間30分。案内書通りだが早くも粟ヶ岳往復に暗雲が漂う。案内書通りの時間では粟ヶ岳往復の懐電歩行は免れないからだ。目標は明るいうちに戻ることである。山頂小屋から宝蔵山に向かって下って行くと雪渓が出て来る。雪渓は2個所だがアイゼンなどは必要ない。
尾根上の道は見晴らしがいいので気分が良い。イワウチワ・タムシバ・カタクリ・イワカガミなどが咲く。青々とした木々の彩りもいい。何よりも目指す粟ヶ岳が眼前に存在感を示す。その右手奥にカール状地形の守門岳。左手には川内山塊の山々が連なる。その様相は低山ではあるが好事家の耳目を引くのも肯ける。宝蔵山で、今日初めての休憩とする。先は長い。時間を見ると昨年とたいした変わりはない。またも權ノ神岳で折返しかもしれないなあ、との気持ちが芽生える。
宝蔵山から橋立目指して下る。ここは急坂だ。帰りはここを登り返すのか、と思うと気がめいる。ほんと、この計画での最大の難所は、復路のここの登りだ、とさえ思うところだ。橋立は、T字路で西に進むと笠峰に出る。權ノ神岳は左、南東方向に進む。ここからは一本道。後は登るだけだ。チゴユリやハナミズキ・カタクリ・スミレなどが咲く道だ。ツツジは既に盛りを過ぎてわずかに残る。
陽が照り気温はうなぎ登り。とても一気には進めず休み休みの登りとなる。少しでも日陰や風の通り道を探して休む。暑さ対策と言っても特効薬はない。すでにTシャツ一枚だ。とても粟ヶ岳まで進めるような状況では無いが、休み休み、もう少し、もう少しと進み11時15分權ノ神岳山頂に着く。歩き始めてからおよそ7時間。とてもこれ以上進める状況では無い。ここから戻ることに決定。二年連続の中退。やっぱり俺にはこの計画は無理だったか。
眼前に見る粟ヶ岳の山体が特別大きく見えた。存在感があるなあ。今までそのように感じたことは無いが、いい山だ。七頭を経て粟ヶ岳へと続く登山道が連なる。これも絵になる風景だ。ここから山頂往復3時間と見ると、慈光寺に戻るのは21時。懐電歩行は必至である。夜行登山というのもあるからやってやれないことは無いと思うが、そこまでやる意味がない。この計画は、どれだけ歩けるかが目的だ。七頭を通って粟ヶ岳までは二度歩いている。状況は分かっているので、三回目のチャレンジは無い。しかし、完全には捨てきれない気持ちもある。三回目があるとすれば、砥沢ヒュッテ泊りか權ノ神岳山頂でのテント泊かな。山頂で、ご来光を拝むのも乙なものだろう。
展望は良い。かすかに磐梯山。雪をまとった飯豊山が白く染まる。川内山塊の豪雪に削り取られた山肌。せいぜい1300m足らずの山々だが、その作り出す光景は独特だ。藪や蛭や豪雪に守られた川内山塊を歩くために必要なのは、技術や体力よりも何よりも、登ってやるという覚悟だろうなあ。「窮すれば通ず」で覚悟を決めれば道は開けるものだ。薫風に吹かれ根が生えそうになったが、きりが無いので下山する。
帰りは、一気にとはいかず、休み休みの歩きとなる。明るいうちには帰れるだろうという見通しが立ったので気持ちもたるんでしまった。今日最後の難関、橋立から宝蔵山への登りは予想通りの歩きとなった。途中で一回休みの目論見が三回も休んでしまった。まあ、しかしここまで来れば慈光寺に明るいうちに着くのは間違いない。といっても稜線上で二回の休み。進むのは時間ばかりだ。粟ヶ岳山頂へ最後の雪渓を登っていくと、茶色の動物が待ち受けていた。キツネかな。一瞬だまされたらどうしようと思う。しかし、それは杞憂で長い耳を持った兎であった。兎は白いという潜入観念があるが今は未だ夏毛なのだ。
白山頂上の小屋で最後の休み。昨年は、ここからの下りで膝が痛んだ。フィックスロープにすがって逆向きに降りたところもあった。しかし、今回は足の痛みは全くない。そして、まだ明るい19時に駐車場に着いたが、昨年よりも一時間半の遅れ。原因は何だ。単なる鈍足か。それとも暑さのせいか。
駐車場には一台の車だけ。もちろん私の車だ。朝も帰りも我一人。昨年の紀行文を読むと「次回の計画は、懐電歩行、またはビバークも止む無し」と威勢が良い。やる気満々である。が、その案は口に出来なかった。ビバークと言っても積極的ビバークだから問題は無いのだが、理解を得ることは難しい。難敵だからなあ。実行するには、将を射んと欲すれば馬を射よ。隗より始めよか〜。難題である。ん、これって昨年と同じ台詞だ。あ〜あ、進歩がねえなあ(-_-;)
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