世界最軽量マットを持って(高尾-陣馬-生藤-笹尾根-三頭大滝-御前-大ダワ-奥多摩)
- GPS
- 35:50
- 距離
- 53.3km
- 登り
- 3,629m
- 下り
- 3,465m
コースタイム
6:00 高尾
8:30 景信山
10:20 陣馬山
12:50 生藤山
14:20 浅間峠
15:10 日原峠
15:30 土俵岳
16:00 ビバーク
11月27日(日)
7:00 出発
7:30 小棡峠
9:30 槇寄山
10:30 三頭山避難小屋
11:30 三頭大滝
12:45 風張峠
14:00 小河内峠
15:05 御前山
16:00 大ダウ
17:50 奥多摩駅
天候 | 11月26日(土) 晴れ 11月27日(日) 薄曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
JR東 上野→神田→高尾 復路 JR東 奥多摩→青梅→神田→上野 |
コース状況/ 危険箇所等 |
今回歩いたコースは大半日本山岳耐久レース(ハセツネカップ)に使用されている道で、道標なども整備されていて、危険個所、道迷い箇所などはほとんどなかった。 |
写真
感想
世界最軽量マットを試すべく奥多摩へ行ってみた。
計画は高尾から陣馬山、生藤山を突っ切り、まだ、歩いたことのない笹尾根を三頭山まで行き、御前山から鋸山に戻って奥多摩駅に下る予定、だったのだが・・・
今回の装備
何といっても先日購入した「山と道」世界最軽量スリーピングマットがメイン。
使用レビューは「ライトウエイト」コミュ、「寝具に関する軽量化」トピックにアップ。
http://www.yamareco.com/modules/xsns/?p=topic&tid=606
シュラフは前回テストしたレンジフィルター+インナーシーツではやはりちと寒かろう、と言うことでナンガのナノパック300を使用。(カタログ値快適使用温度-5℃、使用限界温度-10℃)
他はいつものツエルト一式。
ザックはいつものライペン20Lではスリーピングマットとナノパック300が収まりきらず、長期縦走に使っているグラナイトギアーのヴェイパーフラッシュ52L(重量1390g、重も〜!)を使用。
火器は炊飯用にガスストーブにした。(スノーピーク マイクロマックスウルトラライト56g)
一泊の予定で食料は5食分1.8kg+水2.2kg
総重量9.4kgといつものULよりだいぶ重たくなってしまった。
11月26日(土)
いつもの始発の中央線に乗り6:00高尾駅に到着。
今回は北高尾山稜はパスって516号(浅川相模湖線)をテクテク終点まで歩き、そこから景信山へ登った。
8:20景信山山頂着。何度か通っているはずなのだが、ほとんど覚えていない。
まだ早い時間だったが、それでもポチポチ登山者がいた。
天気は快晴、無風で最高のコンディション。南側には、富士山や丹沢山塊の山並みがくっきり。
東側には東京の街並み、新宿の高層ビル群、スカイツリーも見えた。
握り飯頬張り、暫し休憩してから陣馬山へ向かう。
登山道の北側斜面は霜柱が溶けてぬかるんでヌルヌルで滑りやすい。
底沢峠、明王峠を過ぎる頃には登山者、ハイカー、トレランナーも増えてきた。
10:20陣馬山山頂に到着。懐かしのモニュメントは健在。
既にだいぶ賑わっている。山ガールやそれ風も一杯。華やいでいて悪い気はしない。
再び握り飯を頬張り、暫し休憩しながら周りを観察。天気も良く風もほとんどない。みんなの顔も満足げ。
トイレをして、和田峠に下る。
和田峠から醍醐峠に登り返す。一気に登山者がいなくなる。
まるで北アルプスの奥穂高山荘から奥穂高岳へ向かうのと涸沢岳に向かうのと同じくらいの人気の差。
ほとんど人に合わない静かな晩秋の登山道を落ち葉を踏みしめながら歩く。
12:50生藤山へ着く。周りの樹木の葉が落ちて少しは見通しがあるがそれでもやはりこの山は眺望がイマイチ。
先に到着していた登山者が「やっと来たけどこんなだとは思わなかった」とがっかりしていた。
「この先5〜10分ぐらい先の三国山なら眺望いいですよ、」と教えたが、
「また、戻って来るのもめんどくさい」との返事。さもありなん。
三国山山頂では数人のパーティがブルーシート広げて酒盛り宴会。天気もいいしご機嫌の様子。
あまり近寄りたくもないので、早々に先へ進む。
軍刀利神社も過ぎ、浅間峠へ14:20到着。周りの木々が落葉して夏に来た時には欝蒼としたイメージがあったのだが、なんかさっぱりした感じがした。
ちと古傷の膝に違和感を感じ始めた。ペースが早かったか・・・?
日原峠15:10着。水場を確認しに行こうかと思っていたのだが、ちとバテているし膝もヤバそうで行く気力がなくなった。
膝の痛みで登りのペースが急速に落ちた。
土俵岳15:30着。
晩秋の日没はすこぶる早い。16:00前には既に稜線の陰に陽が沈む。そして日差しが遮られると急に足元が暗くなる。空気も一気に冷え込んでくる。
完全に暗くなる前に登山道から外れてビバーク場所を探す。少し平なところを見つけ寝床をこしらえて、もぐりこむ。
この季節、冷え込んで寒いがその分、蚊や虫がいなくなるのが野宿にとっては実にありがたい。
膝はなんとかもったが明日が心配。真新しいCW-Xはやはり相当キツイ。狭いツエルトの中で足を折り曲げているとそれだけで攣りそうになる。そそくさと脱いで楽になる。
適当に晩飯を食って、期待の世界最軽量のスリーピングマットの上にシュラフ広げ横になって眠る。
11月27日(日)
世界最軽量「山と道マット」は予想以上に暖かった。
これはいい!!!ちと高かったがそれなりのパフォーマンスはあった。お薦めかも・・・
地面からの冷気をほとんど感じることはなかった。やっぱプチプチシートとは雲泥の差! 当たり前か・・・
ただ、シュラフのナノパック300の方が快適使用温度カタログ値-5℃だがギリギリ寒かった。夜中のツエルト内の気温は2〜4℃。外気温で0〜2℃位だったろう。
寝られないことはないが、あまり熟睡できない。個人的な感覚では快適?ン??って感じ。
ま、メーカーカタログ表示などこんなもんだろう。
夜中エマジェンシーシート引っ張り出し掛ける。
やはり違う。急に暖かくなった気がしてストンと落ちた。
明け方3:00一度目覚める。まだ早い。再び眠りに入ろうとしたが、なんか冷たい。調べてみるとエマジェンシーシートが蒸れてけっこう濡れていた。シュラフもそのためにだいぶ濡れていた。
そんなに寒くはないが、ちとヤバそう。一旦エマジェンシーシートをはぐってシートやシュラフの水気を拭き取る。
再びシュラフにもぐりこんで寝る。
起きたら薄明るい。時計を見ると6時過ぎてる。
ありゃりゃりゃりゃ・・・
予定では6時には出発する予定だったのだが・・・
もう焦っても仕方ない。
とりあえず目覚ましのコーヒーを飲む。今回は珍しくドリップコーヒーを持ってきた。
やはり美味い! いつものネスカフェエクセラとはやっぱ違う!
コーヒーを飲みながら朝食のフランスパンをチーズをツマミにかじる。
腹を満たしてぼちぼち荷物を片づけ出発の準備。
外に出ると丁度陽が昇って来る所だった。天気は若干薄雲が広がっている様子だったが、風もなく寒さはほとんど感じなかった。
7時過ぎ出発。登山道に戻り笹尾根を進んでいく。
笹尾根は「山と高原地図」の赤線の登山道以外に多くの下界への分岐があった。
昨日、ちとヤバかった膝は今朝は何とか回復していた。
所々で左手に富士山を眺めながら三頭山へ向かっていく。
大沢山を過ぎ一度泊まったことのある三頭山避難小屋に10:30に着く。意外と快調なペース。
夏場にあった水場がどうなっているか?確認しに、ブナの路を寄り道した。
記憶では5〜10分で水場に着いたはずなのだが、見当たらない。
途中ですれ違う登山者に、水場はなかったか?聞いたのだが誰も知らない。
ん〜ん、おかしいなぁ・・・
10分以上下って、こりゃもうないな・・・とほぼ諦めたのだが、その時にすれ違った登山者が10分ぐらい下ると伏流水の水場ありましたよ、と教えてくれた。
多分、夏の時の水場とは違うだろうが、とりあえず確認してみようと尚も下りて行った。
確かに沢の始まりのようなところに水場はあった。が、やはり夏に見た水場とは違う場所だった。
ここからまた30分近くかけて元の登山道へ登るのも急にかったるくなった。
と言うことでさっさと三頭山は諦めた。
代わりに三頭大滝から森林館を通って風張峠へ抜けよう、と予定変更。
多分それでも奥多摩駅に日暮れまでは着けそうもないかも。
三頭大滝で朝作った弁当を食す。
観光客が多い事で、ここは観光地だったのだ、と改めて気づく。
登山者より子供連れのファミリーハイカーの数が断然多い。
この都民の森は色々なコースがあってけっこう楽しめそう。一度ゆっくり散策してみたい。
風張峠に12:45着。どうも微妙な時間。
昨晩、地図をみて検討した時、惣岳山に15:00前に着ければそのまま御前山から大ダウまでなんとか行けそうだが、15:00過ぎてれば諦めて大ブナ尾根を奥多摩湖へ下りるしかないだろうと思っていたその丁度15:00頃になりそう。ある意味素晴らしい計画の見通し。
ちと急ぎ足でペースを上げてタッタカ進む。月夜見山、小河内峠、けっこうきつい登りを必至こいてなんとか惣岳山へ14:45到着。だいぶ頑張ったつもり。
ほとんど休まずそのまま目の前に見えている御前山へ向かう。このあたりは以前一度通っているはずだがまったく記憶にない。
15:05御前山着。後1時間で大ダワがなんとか射程に入って来た。けっこう頑張っているつもりだが、コースタイムをあまり縮められない。多分感じてないのだろうがけっこうへばっているのだろう。
16:00ようやく大ダウに到着。目の前に鋸山が見えた。が、今回は諦め。まだ行ったことのない鋸尾根をナイトハイクで下る自信は全然ない。
鋸山林道への道を下りていく。これが思った以上に長く30分近くかかった。樹林帯の中はもうほとんど足元もヤバいくらい暗くなってしまった。
16:30なんとか林道にたどり着きほっと一安心。
とっくに陽の落ちた薄暗い舗装された林道をとぼとぼ歩く。車の通行もほとんどない。30分も歩くともう真っ暗。ヘッドライトを点けて、照らし出されるガードレールを頼りに下って行く。
真っ暗な道路って意外と恐怖心が湧いてくる。誰かひたひたと後に付いてきているような錯覚に陥って振り向きたくなる。振り向いても当然誰もいない。道路の先の暗闇にヘッドライトの光が吸い込まれていくだけ。目を凝らしてじっと暗闇を凝視すると何か誰かいるようにも見えたりして一瞬ギョッとなる。背筋に悪寒がゾ〜っと走ることもある。けっこう怖い・・・
これ一度振り向くと余計怖さが増すので、なるべく振り向かない方がいい。
17:30過ぎ、ようやく街灯もあり車の通っている明るい青梅街道に出る。
まだ、17:30だと言うのに沿道の街は誰も歩いてないし、お店もほとんど閉まっていてもう真夜中のような静けさ。
田舎の夜は早いんだねぇ〜。
17:50ようやく奥多摩駅に到着。朝から約11時間の歩行でけっこうバテた。
ホームに停車中の電車はこの時間になると車内はガラガラ。
CW-Xを脱ぎ楽になって弁当の残りを食べた。
後半けっこう頑張ったつもりだったが、地図にあるコースタイムと比べるとそうでもなかった様子。
ちとがっかりだった。改めて脚力の未熟さを思い知った。常日頃のトレーニングが大事だよなぁ・・・反省。
今回はもうすぐ12月という晩秋の山にしては気温もそんなに下がらず風もほとんどなく快適な山行だった。
やはり山は天気次第。
気候が良ければ、雪の降る前にもう一度二度歩いてみたい気がしてきた。
次の山行はこのスリーピングマットとシュラフはカモシカスポーツオリジナルのヨセミテ改(中綿100g増量)を持って行こう。
お疲れさまでした・・・満足、満足。
tabioさん
おつかれさまでした。
笹尾根いいっすね〜
ナノパック300ってモンベルの#3相当ですかね。
0℃くらいだと寒いっすよ。
つか僕だと確実に#0じゃないと寝れません。
ずっと考えてたんですが、シュラフの番手上げるのと重ねるための防寒着を多く持っていくのとではどっちの方が効率いいのでしょうかね…
kanemaru
今回もそうでしたが、実際に寝る時は持って行った衣類けっこう着こんでいます。
ダウンジャケット
+フリース
+厚手化繊系長袖シャツ
+アンダーウェア
と・・・
それでも寒い時は予備の長袖アンダーウエアやレインジャケットなどもジャンジャン着こんじゃいます。
せっかく苦労して持って行ったのですから、使わねば意味無いしもったいないですから(笑)
でも、あまり着こむと寒くはないですがモコモコになり過ぎてけっこう息苦しいし寝苦しいです。
と言うことで個人的な見解としては、
寝る以外にも使えると言う効率の意味では、衣類の方が使用範囲は広いですが、実際の寝心地と言う点では、シュラフの番手を上げた方が断然いいと思います。
ちなみに自分の持っている衣類の重量は、
化繊系厚手長袖シャツ=350g
化繊系薄手長袖シャツ=185g
化繊系Tシャツ=130g
メリノウール系長袖アンダー=250g
化繊系長袖アンダー=190g
ダウンジャケット=330g
と衣類一枚でも200〜350gあります。
ざっくり考えてシュラフの中綿300gも増量したら、モンベルで言えば#No2〜3上のクラス分になってしまいます。
嵩張ること、お金がかかること無視すれば(これが一番無視できない??)、シュラフの番手上げる方がいいと思いますが。
ウルトラライトとは真逆のウルトラヘビー???
んー、やっぱそうですよね。
そう思って今期冬用にMarmotの-30℃までいけるやつ買っちゃいました…
kanemaru
マット買って大正解だったようですね!
シュラフは、自分も快眠5度モデルしかもっていなかったので
思いきってモンベル1番、快眠‐9度買ったのですが、
気温0度の常念テン場では勿論快眠できました。
が、−9度での快眠はあきらめた方がいい感じでした
−10度が想定される時はシュラフ2枚重ねでいきます
(ザックが40Lしかありませんが…)
今年は、スノーシューやスノーキャンプに挑戦したと考えていますが
tabioさんは、
冬はどうされますか〜?
ちょうど同じ日、26日ですが、陣馬から浅間峠に向かって歩いてました。
tabioさんのタイムスケジュールを見るとtabioさんの40分ほど後に浅間峠
に到着しています。
落ち葉を踏みしめながらの陽だまりハイキングを楽しめる素晴らしいみち
だと思いますが、tabioさんみたいにツェルトで泊ってそのまま尾根歩き
するととても充実した山旅コースになるのですね。
それと、2日目の三頭山ですが「かったるくなって」「さっさと三頭山は
諦めた」というくだりがとても好きです。
以前のレコでも、権現山ピークをあきらめた、とか書かれていたように
思います。
その諦めの良さにすがすがしささえ感じます。
これからもレコ楽しみにさせて頂きます。
>Marmotの-30℃までいけるやつ
スゴ〜い
もう、完璧ですね
しかし、南極にでも遠征するんですか〜?キムタクのように
このマットは普段ガラクタ買いの自分にとっては久々のヒットでした(笑)
シュラフのメーカー表示はやはりそんなもんですよね〜少なくとも表示から+5℃ぐらい割り引かないとえらい目にあいますよね。
40Lのザックにシュラフ二つも入れたらパンパンですね(笑)
自分は基本寒いのが苦手で冬山装備もまったく持っていませんので、冬は山はお休みです。
きっと、お部屋でぬくぬく、こたつみかん、ですかねぇ・・・
気が向いたら、徒歩シリーズの続きをやってみるつもりです。
コメントありがとうございました。
どもども、惜しかったですねぇ〜
っちゅ〜か、kumiyanさんのコースタイム拝見すると、
10:27陣馬山山頂(休憩とトイレで30分)
とありますので、ひょっとして陣馬山山頂で会っているかも・・・
自分は10:20頃陣馬山山頂について、握り飯やトイレなどで出発したのが10:35になっていましたから。
いやぁ〜、残念でもありますが、無様なスタイルを見られなかったのでホッと安心、もあります(笑)
いずれどこかでお会いすることあるかもしれませんが、その時はお手柔らかにお願い致します。
笹尾根、浅間峠か先はもっと人が減って(ほとんど遇いませんでした)ほんとに静かな尾根歩き堪能できます。
「三頭山に至るみち」続きが楽しみです。
コメントありがとうございました
tabioさん、こんにちは。
このレコ読んで、昔の様にテント持参でどこでもビバーク山行をやりたくなりました。今回のレコも正に山旅ですね。こんな感じでぐるっと周るのって良いですね。2日目は私も丁度丹沢に日帰り山行をしていたのですが、やっぱりこのレコを読むと土曜日が正解でしたね
自分の場合はテント泊を復活させるなら、ファミリーテントばかりなので、またムーンライト1を買うでしょうが、その前にまだかみさんの許可が得られないでしょう。
しかしコメントをしている皆さん、結構装備にお金を使っていますね。確かに軽くて、丈夫で、暖かい物はお金がかかりますね
いつも、コメントありがとうございます。
夏に奥多摩へ行った時、お昼過ぎてから川苔山の先の踊平近辺で、のんびり歩いている70歳ぐらい(多分?)の方に会いました。
少しお話したのですが、時間的に一杯水の避難小屋にでも泊るのだろうな、と思ってお聞きしたら、「な〜に、ツエルトと水2L持っているので適当なところで野宿しますよ」とさらっと言われていたのがとてもかっこよくて印象に残っていました。
Futaroさんも傷が治ったらいくつになってもそう言うかっこいい登山をのんびり歩かれてください。
もっとも、実際に山を歩くより、その前のおくさんの説得の方が大変そうですね。
御同情申し上げます
ご無沙汰してます。
相変わらず凄いですね
今年はギジュの動画を貼れるように頑張ります
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