ルーファイ能力が試される錫杖岳
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.9km
- 登り
- 1,238m
- 下り
- 1,242m
コースタイム
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2018年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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その他周辺情報 | 中尾橋の下の新穂高の湯がオススメ |
写真
装備
個人装備 |
ヘルメット ハーネス お助けロープ スリング
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感想
200名山でも100高山でもないが前から気になっていて登らなければならないと考えていた山があった。錫杖岳だ。レコをいくつか読んでみるがどれも登山道がなく、藪漕ぎ覚悟、沢登り要素大、といった趣だ。今の自分の技量を試すのにもってこいの山だ。
登る前に頭に描いたイメージは、こうだ。「錫杖沢を上り始めて最初の分岐は右がクライマー用ルートなので直進し、それ以後現れる分岐は常に右を選択する。さすれば最小の藪漕ぎで鞍部に到達する。あとは踏み跡とテープを頼りに進む。」なのに実際上り始めてみると、最初から直進方向のクライマールートを上り詰めてしまい、本流からかなり右にそれてしまった。30分も登ってからGPSでチェックしたときに漸く右寄りに来てしまったことに気づいた。もう降りて登り返すのはいやだ。隣の沢まではクライマー道があったので簡単にトラバースできたが、もう1本隣の沢が正解だとわかり、標高を保ちつつ藪こぎを開始する。本流が見えたと思ったら崖上にいることに気づき、一瞬パニックになったが、少し登ってからまた水平移動したら本流に出ることが出来た。それからは結構楽しいシャワークライミングができた。沢の上部では左の分岐に入ってしまい、源頭部で少し藪こぎになったあがそれでもなんとかコルに出られた。
コルに出られたらはっきりした道のあることを期待していたが、そうは問屋が卸さなかった。白っちゃけた古いテープが時たま現れる程度で、ルーファイ能力が試される。はてこれからどっちにいけばいいの?と立ち尽くす場面も何度か。もうこの辺で引き返そうかと思うこともあったが、幸い時間、食料、水、体調、天候といった諸条件に引き返す理由がなかったので、慎重に登って行った。もし前夜夜行で睡眠不足の登山だったらやる気が失せて途中で引き返していた可能性が高い。今回は前日早くから現地入りし、早寝して英気を蓄えておいたのだ。そしてついに錫杖とピッケルの待つ頂上に立つことが出来た。標高は2180mとそれほどではないが、急峻な崖の上で穂高を一望にできる達成感のある頂上だった。
帰りは一度来た道を慎重に辿るので気持ちは楽だった。コルの上で登ってきたパーティと出遭い、正しい下降点を教えてもらった。正しいルートでは沢詰でもほとんど藪こぎする必要はないことがわかった。ずっとそのまま本流沿いを下降していったが、岩屋の真下と合流点近くでは段差があってチョイ巻きが必要だった。まあ下降に使えるということは沢登りの難度としては大したことはない。しかし北アルプスの沢は明るく開放的で水がきれいでおいしくて、やはり丹沢や秩父の沢とは違う。行きは恐る恐るだったが下りはルンルンでひとつの山でこうも印象が目まぐるしく変化したのも面白い体験だった。
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